セシリア・オルコットとイチャラブしたいッ!! 作:シシカバブP
日曜日が過ぎ去り、みんなが嫌がる月曜日。俺とセシリアも他の生徒同様、ぼちぼち授業を受けていた。
ただし、いつもとは違うところもある。それはIS実習の時間。
「うぐぐぐ……! こんなに動きが違いますの……!?」
「ああ、前は確かにこんな感じだったな」
専用機が無い組の俺とセシリアは、他のクラスメイトと同様訓練機の打鉄に乗って実習となっていた。
いやぁ、第3世代機の恩恵ってやつがどれ程のものか良く分かったよ。特にセシリアは打鉄初体験だろうから大変そうだ。
「オルコットさん、動きガッチガチだ~」
「これ、もしかしたらセシリアにワンチャン勝てるのでは?」
「あ、試してみたいかも」
「何不穏なことを話しておりますの!?」
まあ、そう思われるぐらい、今のセシリアは精彩を欠いた動きをしている。
かくいう俺もサイレント・ゼフィルスに慣れちまったからか、防御重視の打鉄が重く感じて仕方ない。
例えは悪いが、高機動型ゲルググに乗った後のガンタンクぐらい重い。
「よし、それでは最後にもう1戦模擬戦をするとしよう」
なんか織斑先生が言い出したんですが。
「榊とギャラクシー、前に出ろ」
「あのー織斑先生? 俺の専用機、今オーバーホール中なんですが?」
「知っている。だからその打鉄で出ろ」
「
とうとう狂ったのか!? いや元々狂ってるか。兎耳と一緒に『白騎士事件』起こしたぐらいだし。
「……榊、お前今私のことを馬鹿にしなかったか?」
「イイエ?」
「……とにかく前に出ろ」
「うぃーっす」
これ以上問答するのは無駄だと諦めて、打鉄に乗ったままヴィシュヌの乗るドゥルガー・シンの前へ。
「ヴィシュヌ、お手柔らかに頼むぞ」
「残念ですが、これも勝負ですから」
「うそーん」
なんかやる気満々なんですがー? どうしたんだよヴィシュヌ、弱い者いじめなんてお前らしくないぞー。
「織斑さんとは何度か戦いましたから、榊さんとお手合わせしたいと思っていました」
「いや、だからって専用機が無い時に……」
「榊さん個人の力量を試すことは出来ます」
話が通じなーい。ヴィシュヌってこんな熱血バトルものキャラだったか?
「それと、セシリアさんとのイチャラブを見せられ続けている腹いせも」
「そっちが本命かよ!」
「ヴィシュヌさん、頑張ってー!」
「榊君は一度タイキックされるべき」
「そーだそーだ」
「四面楚歌!?」
俺とセシリアのイチャラブが視界に入るの、そんなにダメか!? ……ダメですかそうですか。だがな、
君等がッ 泣いても、イチャラブをやめないッ!
「ほら、馬鹿やって無いで始めろ」
「いきます!」
「ちょぉ!?」
ヴィシュヌさん!? まだっこっちは準備ががががが
――ブォンッ
「今のを躱すとは、やりますね!」
「怖っ!」
何あの蹴り、マジ怖いんですけど! あれ食らったら脚の形に装甲が凹みそうなんだが!?
「では、これならどうですか!」
這う這うの体で回避した俺が前を向くと、エネルギー矢を番えた弓が目に入った。
――バシュシュシュシュッ!
「あんぎゃああああ!!」
いやいやおかしいって! ワンサマー相手にしてる時よりも飛んでくる矢の数が多いってぇ!
「元々この弓は複射拡散、つまりこうやって撃つのが本来の攻撃方法なんです」
「マジかよ!?」
いや、確かに思い返せば、ISABでもそんな戦い方だった気がする。
あのゲームのヴィシュヌって、敵に飛び蹴りしてるイメージしか無いんだよなぁ。俺のゲームプレイが下手くそだっただけってオチもあり得るが。
「そこですっ!」
「ぐはぁ!」
結局戦況は変わらず、俺はヴィシュヌの拡散弓でハチの巣にされて試合終了となった。
敢えて言い訳させてもらえば、サイレント・ゼフィルスならもうちょっと粘れてたはずだ。(勝てるとは口が裂けても言えない)
「それでは今日の実習はこれまでとする。今訓練機に乗ってる奴はキチンと整備室まで戻しておくように」
俺がヴィシュヌに凹されたのに満足したのか、織斑先生は満面の笑みでアリーナを出て行った。
本当に、あれは教師にしちゃダメな人種だって。
「榊君、大丈夫ですか?」
「ええ、大丈夫です」
エネルギー切れで動けなくなった俺に、声を掛けるまーやん。
まったく、これが教職者ってやつだよ。爪の垢を煎じて飲めブリュンヒルデ。……まあ、俺とセシリアがイチャラブし過ぎると拳が飛んでくるんですが。
ーーーーーーーーー
実習後、食堂の一角はなかなか熱い展開になっていた。
「一夏! 来月のタッグマッチは私と組むんだ!」
「何言ってるのよ! あたしと組むのよ!」
「嫁よ、もちろん私と組むな?」
「い、一夏がよければ、僕と組んで欲しいなって……」
織斑ハーレム達が、専用機持ちタッグマッチでワンサマーと組むために猛アピール(強要?)を始めていた。
原作では会長に頼まれて、更識さんとタッグを組むことになるんだが、この世界線じゃそれはあり得ないからな。
「かんちゃんは誰と組むか決めてるの~?」
「うん。1組のギャラクシーさんにお願いした」
「へ~、ヴィッシーと組むんだ~」
そんな中で隣のテーブル席から聞こえて来た、更識さんとのほほんさんの会話。なるほど、この二人でペアになったのか。
織斑ハーレム4人の内誰かがワンサマーと組むとして、残った3人の内誰かが会長と強制的に組むことになるな。
原作通り篠ノ之が組むのか、それとも別の誰かになるのか。『
ちなみに『イージス』っていうのは、3年のアメリカ代表候補生ダリル・ケイシー先輩と、2年のギリシャ代表候補生フォルテ・サファイア先輩のことだ。
この二人が組むことで生まれる鉄壁の防御から、イージスの二つ名で呼ばれているらしい。
そしてこれはネタバレかつ蛇足なんだが、このケイシー先輩、実は亡国機業の潜入工作員なのだ。
ただ、この世界線では亡国機業は存在しないので、普通に代表候補生をしてるんだろう。……そうなると、先輩の叔母で、亡国機業の幹部であるスコール・ミューゼルとかどうなってるんだろうな?
「相変わらず賑やかですわね」
「だな。たぶん卒業するまでこんな感じなんじゃないか?」
「つまりそれは、卒業まで織斑さんは誰も選ばないと」
「セシリアは、あの朴念仁が覚醒すると思うか?」
「……悠人さん、あーん❤」
はぐらかしたな。食べるけど。
「専用機が無くても、セシリアと榊君は相変わらずだねぇ」
「そりゃ、専用機が無くてもセシリアへの愛は無くならないからな」
「キャッ❤ わたくしも、悠人さんへの愛はずっと
「はいはい、ご馳走様……」
相川さん、自分から話を振っといてハイライトが消えるのはどうかと思うんだが。
「それにしても、さっきの模擬戦は酷かったな」
「そうですか? ヴィシュヌさん相手に敢闘しておりましたが」
「サイレント・ゼフィルスに乗ってたら、もうちょっと粘れたと思ってな」
「それはまあ、そうですが」
要らん要らんと言ってたが、いざ無くなると微妙に不便に感じちまう。人間の性ってやつだな。
ホント、あの兎耳は面倒なことをしてくれる。そんな兎耳の意識誘導するとか、神様も酷いったらありゃしない。
――♪
「悠人さん、鳴ってますわよ」
「おん?」
セシリアに言われて、スマホを取り出してディスプレイを見る。
『From:女神クロト
好感度アップという精神干渉系の特典を選んだ貴方も大概ですよ?』
……
神様だってそう考えることもあるよなっ!(掌ドリル)
だって、みんなが俺と同じ境遇だったらどうする?
推しと同じ世界に転生出来るが、物語開始1ヵ月も経たずに、その推しは原作主人公の方に行っちまう。
そんな状況で、ちまちまと好感度を稼ごうと思うか? 俺はムリゲーだと判断した。
……まさか一発一目惚れされるとは思って無かったが。
(だから俺は、死ぬまでずっとセシリアを好きで居続けるし、ずっとセシリアに俺を好きで居させ続けるように動く)
「悠人さん?」
とまあ、そんな小難しい話はどうでもいい。大事なのは
「セシリアが可愛いってことだよな~(ハグ)」
「ひゃっ? もうっ、悠人さんってば❤」
そういうセシリアだって、速攻で腕を俺の背中に回してるじゃん。
「ほれほれ、これがええんやろ~?(頭撫ぜ撫ぜ)」
「ふみゅ~ん❤」
あぁ^~今日もセシリアが可愛くて、心がぴょんぴょんするんじゃぁ^~
「また始まったよ……」
「すみませーん、ブラックコーヒー大至急!」
「(食堂のおばちゃん)ごめんねぇ、もうさっきので完売なんだよ」
「なん……だと……」
「……(ぶくぶく)」
「本音ぇ!?」
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IS学園に入った当初、放課後はアリーナにばかり行っていた。主にセシリアを見るために。
それから専用機を渡されて、セシリアと訓練をするわけなんだが、結局アリーナ直行は変わらずだ。
テニス部に入ってからはやや頻度は減ったが、まだまだ平日の半分以上はアリーナで訓練をしていた。
さて、なんでそんなことを話したかというと、
「こんな時間に戻ってくることなんて無かったからなぁ」
今俺は専用機を持っていない。そして今日はテニス部の活動もない。
そうなると放課後は何もすることがなくて、寮の部屋に戻って来たのだ。
セシリア? 別行動だ。なんでも、鈴に貸した金の返済期限が近いんだと。あいつ、代表候補生のくせに一般生徒より金欠してるよな。
「さてさて、セシリアが戻って来るまで暇潰しでもしているか」
復習? そんなのはセシリアとイチャラブするダシに使うんだよ。
PCを起動させてブラウザソフトを立ち上げる。そして開いたサイトは
まさかこの世界でもあるとは思わなかったが、意外や意外、時事ネタニュース動画やゲーム実況等が存在していたのだ。
そんな前世とほとんど変わらないYoutubeで、俺が見ようとしているのは
『ウチウチ、ウチだよ~!』
驚き桃の木、なんとバーチャルYoutuber(Vtuber)配信すらあるのだ。
しかも、V箱(事務所)も俺が知ってるところがちらほらと。よじさんじやポロライブだけじゃなく、にゃにゃしincとかもあるとは予想だにしなかった。
その分なのか分からんが、顔出しのYoutuberは前世に比べると少ない気がするな。
そうしてセシリアが戻って来るまでの間、俺はVtuber『尾上みょん』の配信アーカイブを視聴するのだった。
セシリアとの生活が充実してるから、見る機会が減ったな~としみじみ思う。
「まったく鈴さんは……あら?」
「おう、おかえり。鈴はちゃんと返したのか?」
「はい。ボーデヴィッヒさんに借り換えるそうですわ」
「それもどうなんだよ……」
借金の書き換えって、それ正味1円も返済出来てないだろ。どっかで詰むぞ鈴。
「ところで悠人さん、それは何ですの?」
そう言ってセシリアが指さす先には、PCの画面に映った尾上みょんが。
「これか? バーチャルYoutuberって奴だ」
「Youtuberは知ってますが……バーチャルですの?」
「ああ。モーションキャプチャーを使って、2Dや3Dのアバターを動かしてるんだ」
「なるほど……」
俺の説明に頷きながら、じっと画面を見つめるセシリア。
英国貴族には縁の無いものだろうからな。珍しいんだろう。
「悠人さん」
「なした?」
「わたくし、Youtubeというものをやってみたいですわ!」
ウチのお姫様が、とんでもないことを言い出したんだが。
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……これが色々弾けた結果だよばっちゃ。