セシリア・オルコットとイチャラブしたいッ!!   作:シシカバブP

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前回に引き続き、Youtubeモードでお送りします。


第49話 部屋の中心でPONを叫ぶ

「「「「申し訳ありませんでしたぁぁ!!」」」」

 

 教室に入って早々、クラスメイト総出(ワンサマーを除く)で頭を下げられた。

 

「悠セシは……悠セシは昼間だけで十分なのよぉぉ!」

「おやすみからおはようまで、あのイチャラブを聞かされて……」

「私も、ルームメイトからの冷たい視線が……」

 

「「「「だからあの放送止めてください……」」」」

 

 ヴィシュヌを始め、みな憔悴し切っていた。

 う~む、やり過ぎたか……。四面楚歌のお返ししただけなのに、逆に俺が悪者みたいになっちまってるじゃん。

 やり返すこと自体大人気ないって? いやだって今の俺大人じゃないし……はい、サーセン。

 そんな中、

 

「っていうか、なんであんなもん流してたんだ?」

「色々あったみたいだよ……一夏は何とも無かったの?」

「いや、普通に寝る時五月蝿かったけど?」

「嫁よ……それだけか?」

「それだけって、何かあるのか? なんか二人の掛け合いを流してただけだろ?」

「「「「……」」」」

 

 ワンサマーだけは平常運転だった。ここまで鈍感だと、逆に俺ですら心配になって来るんだが。

 

「みなさーん、SHRを始めますよー」

「お前ら、席に着け……」

「千冬姉、大丈夫か?」

「織斑先生だと……いや、今はいい……」

 

 教室に入って来たまーやんはいいとして、ゲッソリした織斑先生が衝撃的だった。

 なにせ、いつもならワンサマーの頭に襲い掛かる出席簿を振り上げる元気すらないのだから。

 

「織斑先生、相当参ってますわね」

「たぶん、1組の中で一番ダメージデカいんじゃないか?」

「むぅ、わたくしと悠人さんとのやり取りを聞いてああなったと思うと、複雑ですわぁ」

「まあまあ。それにどうせ、すぐに復活するだろ。他に被害も無かったらしいし」

「はぁ」

 

 みんなから頭を下げられるまでもなく、あの放送は1日限りだ。今朝、轡木さんからも放送を止める旨の連絡も貰ってるし。

 で、そのついでに教えてもらったんだが、やっぱり今回も織斑先生に対する処罰に対して、日本政府が介入してきたらしい。

 

「無罪放免、ですの?」

「まあ、今回は俺と轡木さんとの密約もあるし、英国政府からの抗議も無かったからな」

 

 寮内でのYoutube配信を認めさせるために、今回の件は全部学園側(轡木さん)に一任したからな。内輪なら揉み消せると思ったんだろう。で、実際そうしたと。

 

「……仕方ありませんわね。でしたらその分、配信をし続けて元を取りましょう」

「と言ってるが、単純にハマったな?」

「オ、オホホホ……」

 

 そんなお嬢様笑い、今までしたこと無かっただろ。似合わないとは言わんけど。

 そう、あの初配信でドップリハマったセシリアは、あれから二夜連続で配信をしているのだ。

 

「で、今日も配信するんだよな?」

「はい。配信内容も決めておりますから、放課後は色々準備をせねばなりませんわ!」

「程々にな……織斑先生が睨んでるから」

「あ」

 

 気付けばみんな自席に着いていて、残っているのはセシリアだけだった。

 

「オルコット……、早く席に着け……」

「は、はい」

 

 いつもなら飛んでくるチョークも、今日に限っては無い。よほど体調不良なんだろう。でも俺、先生にだけは謝らないよ?

 

ーーーーーーーーー

 

【雑談】イギリスの伝統料理を紹介しますわ!【セシリア・オルコット】

 

「皆さまごきげんよう、イギリスの代表候補生、セシリア・オルコットですわ!」

「イギリス料理ってフィッシュ&チップス以外、すぐには出て来ないな。榊悠人だ」

 

 コメント:お嬢キタコレ!

 コメント:( ゚∀゚)o彡゚ セッシ―!セッシ―!!

 コメント:旦那も来た!

 コメント:今日も関係各所に頭下げていけー

 

「待て待て待て、どうして俺が頭下げる前提なんだよ」

「そうですわ。まるでわたくしが、いつも何か問題を起こしているみたいではありませんか!」

「セシリア、前回ヴィッカース社のお偉いさんに謝罪したことをもうお忘れで?」

「あっ……すみませんでした」

 

 コメント:やっぱりあれ謝罪したのかww

 コメント:そりゃ君、社内情報うっかり話しかけたんだから、ねぇ?

 コメント:残当

 

 知ってはいたが、セシリアはなかなかのPON体質である。そこも可愛いんだがな。

 

「あれほど許可貰った時に言われてたのになぁ」

「う~……これは悠人さん成分が足りないからですわ!」

「何言い出すの」

「故にわたくしは悠人さんに対して、ハグを要求しますわ!」

 

 コメント:でた、お嬢の茶番劇ww

 コメント:素直にただ要求しろよw

 コメント:欲望の出し方が下手

 コメント:ハンチョーw

 

 配信を始めてから、セシリアのおねだりが多くなった気がする。大変嬉しいことではある。

 

「ハグしたら、NGしないようになるか?」

「もちろんですわ!」

「(それ、前々回も言ってたんだがな)仕方ないな~(ハグ)」

「きゃふ~ん❤」

 

 コメント:あまぁぁぁぁぁぁぁい!(恒例)

 コメント:旦那はお嬢に甘いな

 コメント:もはや愛犬への対応じゃんw

 コメント:だがそれがいい

 

 リスナーも俺達のイチャラブに付いていってるな。

 まあ今のリスナーは、初日から登録者数が乱高下した末の精鋭(?)なんだが。

 ……他人のイチャラブで全体の結構な部分を使う配信を、よく1万人(現在の同接は5千人)も見ようと思うよな。

 

「それで? 配信内容を今日初めて聞かされたんだが」

「今日は悠人さんに、わたくしがイギリスの伝統料理を振舞いますわ!」

「……」

「なんですか悠人さん、そのお顔は」

「いやーセシリアの手料理楽しみだなー(棒)」

「もうっ、悠人さん!」

 

 コメント:旦那、目がチベットスナギツネなんですがそれは

 コメント:チベットスナギツネww

 コメント:もしかしてお嬢、メシマズ嫁?

 

「メシマズではありませんわ! 失礼な!」

「訂正しておくが、セシリアはメシマズじゃないぞ」

「ほら!」

「ただ、食べた感想が出て来ないぐらいフツーなだけだ」

「ゆうとさぁぁん!(半泣き)」

 

 コメント:フツーw

 コメント:お嬢半泣きじゃないですかやだー

 コメント:手料理で感想出て来ないって、それ女子が一番キツイやつー

 

「今日こそわたくしの本気をお見せしますわ!」

「お、おう」

「まず一品目はこちらですわ」

 

 そう言ってセシリアが出してきたのは、皿に盛られた薄切りの肉。

 

「ローストビーフか」

「はい、こちらは日本でも有名ですわね」

「よくスーパーでも売ってるしな」

 

 コメント:ローストビーフってイギリス料理なのか、初めて知った

 コメント:おいw

 コメント:情弱乙w

 

「ちなみに前に調べたんだが、イギリスがメシマズってイメージなのは、食材をがっつり加熱したり、あとから各自で味付けする前提で、下味とかを付けないかららしい」

「言われてみれば……確かに」

「だからその辺を勘定に入れて食えば……うん、美味い」

「やりましたわぁ!(逆ハグ)」

「おっと」

 

 コメント:へぇそうなんだ

 コメント:前に食べたフィッシュ&チップスマズかったの、味付いて無かったからか

 コメント:お嬢からハグしにいったw

 コメント:てぇてぇ

 コメント:みんなこれ見せられて大丈夫なの?

 コメント:なんだお前初見か? 力抜けよ

 

 初見さん、申し訳ないがこれがこの配信の日常だ。無理はしないでいいぞ。

 

「えっと、続いて二品目はそのフィッシュ&チップスですわ」

「白身のフライにフライドポテト。紛うことなきフィッシュ&チップスだな」

「先ほど悠人さんが説明されたように、こちらを付けてお召し上がりくださいな」

 

 フィッシュ&チップスの皿と一緒に、黒っぽい酢と塩が出される。

 

 コメント:え、ええ、え?

 コメント:お嬢ご乱心?

 

「違います! 酢と塩で食べるのが伝統なのですわ! そうですわよね、悠人さん!?」

「まあ、確かにそう書いてはあったんだが……」

 

 だが塩はともかく、フライに酢っていうのは……

 

「とにかく、一度食べてみてくださいませ!」

「おう……」

 

 セシリアに促されるまま、フライに酢を少量かけて食べる。

 ……

 

「どうですか?」

「……セシリア」

「はい?」

「(無言でほっぺムニムニ)」

にゅ、にゅうひょひゃん(ゆ、ゆうとさん)!?」

 

 コメント:ダメみたいですね

 コメント:無言なのがまたw

 コメント:これはさすがに草

 

「日本人と英国人の味覚の違いについて、俺は一つ学んだ」

「どういう意味ですのそれ!?」

「そんじゃ、次行こうか」

「悠人さん!?」

 

 

 その後、頭撫ぜ撫ぜで機嫌を取りつつ配信を進めていく。

 

「次の料理はこちらですわ」

「とうとう、これが出てきたか」

 

 やって来たのは誰もがご存知、スコーンだ。

 

「前に食べたあれが美味かったのを思い出したよ。なんだっけ……」

「クロデットクリームですか?」

「そうそれ! 今回はあれじゃないんだな」

「ええ、今回は軽食として食べられるものをご用意しましたわ」

 

 夏休み中、セシリアと一緒に行った大英博物館内のカフェで食べた濃厚クリームではなく、今回はスコーン本体にベーコンや玉ねぎが混ざっているようだ。

 一つ手に取って食べてみると……

 

「あ、意外と美味い。これは確かに菓子というより軽食だな」

「はい♪ ではわたくしも」

 

 俺と同じようにスコーンを手に取ってもきゅもきゅと食べるセシリア。可愛い。

 

 コメント:この前ってなんだ、すげぇ気になる

 コメント:クロデットクリームとか、普通生活してたらまず耳にしない

 コメント:お嬢可愛い

 コメント:食べ方が完全にリスとかのそれなんよ

 コメント:癒されるわー

 

 リスナーよ、俺もお前達同様、セシリアに癒されてるぞ。

 

 

 そんな風に配信は進み、最後のミンスパイ(ドライフルーツが入ったパイ)を食べ終わったところで、問題が発生した。

 

――コンコンッ

 

 配信している途中で、部屋のドアをノックする音が。

 

「はい、どなたですの~?」

「ちょま、セシリア!?」

 

 まだ配信切ってないから! だから出ないでくれセシリア! 事故っちゃう、事故っちゃうからぁ!

 

 コメント:本日のPON

 コメント:お嬢がまたやってくれました

 コメント:旦那、今度はどこに頭下げることになるんだ?(いいぞもっとやれ)

 コメント:手を伸ばすも立ち上がったお嬢に届かないのが、切ない

 

「あら更識さん、どうされましたの?」

「うん、今日連絡が来て、正式に打鉄弐式の管轄が倉持技研からヴィッカース社に移ったって」

「そうなんですのね。それでは正式に榊主任、悠人さんのお父様が担当に?」

「そうなる予定」

「セシリアァァァァ!!」

 

 アウト過ぎる会話を遮ろうと叫ぶが、もはや後の祭り。

 

 コメント:え……

 コメント:倉持技研って、いつだったか解体されたところだよね?

 コメント:しかも打鉄弐式って、前にキャノンボール・ファストに出場してた日本の専用機じゃん。日本の専用機をイギリス企業が担当??

 コメント:しかも旦那のパパさん、ヴィッカース社の主任なのかよ

 コメント:【悲報】旦那、またヴィッカース社に頭下げること確定

 

「……すまん、とにかく今日の配信はここまでな」

 

 おつおつ~と流れるコメントごと配信を切ると、俺は最近通話頻度が高くなった英国政府窓口の番号をプッシュした。

 繋がるまでの間にチラッと視線を向けると、状況が飲み込めずポカンとした顔の更識さんと、

 

「やっちまいましたわぁぁぁぁぁ!!」

 

 盛大にやらかしてorzっているセシリアが。可愛いんだよ? 可愛いんだが……もうちょっとPON控えめにならんだろうか。




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……ある意味、ちっふーのデータ暴露よりヤバいよばっちゃ。
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