セシリア・オルコットとイチャラブしたいッ!!   作:シシカバブP

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新章です。
ワールド・パージ編なんですが、悠セシなので原作よりは深堀しない予定です。

11/17追記
感想欄の指摘から、本文中で心の声が漏れていた個所をチョロッと修正
>教師、それも実姉の前で奴を言うのは、危険だと思います。
それはそう。どうもです。


第10章 ワールド・パージ? そんなことより温泉だ!
第52話 女神様の補填


 所属不明機の乱入という事件から数日が経ち、IS学園はまた日常を取り戻していた。

 ……学年別トーナメントの時もそうだったが、この学園の生徒は順応性が高過ぎじゃないだろうか。

 

「すごかったねぇ!」

「うんうん! 織斑君、カッコよかった!」

「そ、そんなに褒められると……」

 

 クラスメイト達に褒められて、満更でもないワンサマー君。デレデレだな。あ、篠ノ之に叩かれた。

 

「織斑の株が爆上がりだな」

「そうですわね。わたくし達もあの場にいましたら……」

「いやいや、もし当日アリーナにいても、あの時俺達は専用機をヴィッカースに預けたまんまだろ」

「うっ、そうでしたわ……」

 

 さすがのセシリアも、丸腰で戦おうと思うほど好戦的じゃないようだ。

 とある世界線では、エネルギー切れで丸腰になっても敵に突っ込んでいく猪武者もいるらしいが。

 

「う~ん……」

「なんだヴィシュヌ、悩み事か?」

「ええ……織斑さんのことです」

「織斑の? もしかして、今更織斑ハーレムの中に」

「入りません! そうではなくて、先日の所属不明機乱入の件です」

「それか。ヴィシュヌと更識さんは、その不明機とは戦ったのか?」

「はい。私と更識さんの場合、アメリカとギリシャの先輩コンビとの試合中でした」

 

 先輩コンビ……あのイージスの二人が近くにいたのか。

 

「それでしたら、その先輩方が不明機のお相手を?」

「いいえ……『これ相手にするの面倒っス』と言って、私達に押し付けてきました」

「ええ~……」

 

 信じられないという顔で絶句するセシリア。原作通りの二人なら、そんなこと言いそうだな。

 

「それで結局、私と更識さんで不明機と戦闘、その後不明機は突如反転して逃走……いえ、別の逃走機を追っていた、デュノアさんとボーデヴィッヒさんに向かって特攻しました」

「特攻……自爆しましたのね?」

「はい。幸いお二人は軽傷で済みましたが、ISの方は自己修復に時間がかかるほどのダメージを負っているはずです」

 

 さらに聞いた話では、鈴の甲龍も結構なダメージを負ったらしい。

 今回の事件で無事だったのは、オーバーホールで出払っていた俺とセシリア、イージスの二人、あとはワンサマーぐらいらしい。

 

「会長さんや篠ノ之もか?」

「生徒会長は凰さんと不明機と対峙していたそうで、甲龍ほどではないですが無傷ともいかなかったそうです。篠ノ之さんの場合は、ワンオフ・アビリティを使用後に機体自体がへばってしまったそうで」

 

 それ以来、ワンオフ・アビリティを発動させることが出来なくなったと。『絢爛舞踏』が使えない紅椿とか、戦力半減どころじゃないな。

 

「そこで話の冒頭に戻るのですが……よく織斑さんは不明機を撃破できたな、と」

「言われてみれば確かに……国家代表である生徒会長ですら撃破できなかった機体を、ISに初めて触れてから1年も経っていない織斑さんが撃破した。……俄には信じられませんわね」

「もしかしたら、性能が3体とも別々だったのかもな。攻撃用とか偵察用とか」

「なるほど、確かにそう考えれば……」

 

 適当にそれっぽいことを言ってみたら、ヴィシュヌもセシリアも納得したように頷いていた。

 フォローするわけじゃないが、この件が篠ノ之博士の仕組んだ八百長だとバレると面倒だからな。博士がまた余計なことをしそうだって意味で。

 

ーーーーーーーーーーーーー

 

 そんなわけだから、IS実習恒例の模擬戦も、他の専用機持ちは参加することは出来ない。修復に時間がかかるって話だからな。

 そうなると、元気が有り余っているワンサマーの相手を誰がするのかって話になり……

 

「いっくぜぇぇぇぇぇ!!」

「あ~はいはい」

 

 オーバーホールしたてのサイレント・ゼフィルスに、白羽の矢が立ったわけだ。

 それにしても、相変わらずイノシシだなこの原作主人公。だけど……!

 

「うおりゃぁぁぁぁ!」

「あっぶ!」

 

 生徒会長の指導の賜物か、以前戦った時より圧倒的に動きが良い。 なんて、上から目線で語る余裕も無いくらい強ぇ!

 シューター・フロー(PICのマニュアル制御)だって? それの修練をガッツリやったからなのか、めっちゃ小回りの良い動きをしやがる!

 

「これなら!」

「くっそ!」

 

 だが、ワンサマーの土俵でいつまでもやり合う気はない。

 俺はスラスターの出力を上げて一気に後退すると、ビームピストルで牽制しつつビットを展開、ワンサマーを取り囲む。

 

「あったれぇぇ!」

「当たるかよぉぉ!」

 

 6基のビットからレーザーが放たれる。が、機動力の上がった白式の操縦に慣れたワンサマーには直撃せず、装甲を少し掠るだけに留まり――

 

――バキンッ!!

 

 ……おい、ワンサマー。お前のカスタム・ウィング、また折れたんだが?

 

「あれぇぇぇぇぇぇ!?」

 

 本人も何が起こったか分からないって顔をしながら、白式は『HOD』の2面ボスのように地上に落ちていった。

 

 

 

「……」

「……」

 

 模擬戦で勝ったものの、周りの生徒達からは微妙な視線。

 俺が何か悪いというよりは、『どうしてこうなった?』が一番合っているか。

 とりあえず俺は、渋い顔の織斑先生に近付いてこう聞いた。

 

「織斑先生、あの白式はキャノンボール・ファストが終わってから、オーバーホールとかしましたか?」

「馬鹿なことを聞くな。現に折れたカスタム・ウィングも直っていたんだ、きちんと依頼を出して……いや、まさか……」

 

 そんなはずは……と呟きながらも、織斑先生が戻って来たワンサマーに問い質す。

 

「織斑お前、倉持技研のチームにメンテナンスをさせたんだよな?」

「いや? 整備科のみんながカスタム・ウィングを直してくれたから、別にいいかなって「馬鹿者ォォォォ!!」(スパァァァンッ!!)ぎゃふっ!」

 

 過去最高の出席簿アタックがワンサマーの脳天に決まり、顔面がアリーナの地面に突き刺さる。

 

「整備科の連中が直したといっても、応急処置程度に決まっているだろうが!」

「そ、そうなんです?」

「貴様は骨折した時、適当に添え木しただけで病院に行かないつもりかぁぁ!」

「ひぃぃ!」

 

 今の状況をISから人間に置き換えたら、確かにそんな感じだわな。それはまた折れて当然だ。

 

「織斑! 次の休日、データ収集のために倉持技研へ行くことになっていたな? 私から連絡しておくから、そこでメンテナンスしてもらえ! というか修理が終わるまで学園に帰って来るな!」

「そ、そんな~……」

 

 実姉にがっつり叱られて、がっくり項垂れるワンサマー。残当。

 

「やっぱり織斑君の白式、不調だったんだね」

「そうだと思った。だって、あの生徒会長すら倒せなかった所属不明機を倒したのに、榊君にあっさり倒されちゃったんだもん」

 

 クラスメイト達は、俺がワンサマーに勝った理由に納得したようだ。

 ん~……男としては少しモヤッとするが、事実だからしゃーないなぁ。

 

「悠人さんなら、あんな不調が無くても勝てるはずですわ……」

「こらこら、そんなこと言わない」

 

 ワンサマーが強いのは事実だからな。だから別に、他の連中にあれこれ言わなくていいんだぞ。(頭ポンポン)

 

「……分かりましたわ」

 

 それでも完全に納得はしていないのか、俺の腕にしがみ付いて、二の腕に顔をスリスリしてきた。まるでイヤイヤしているみたいだ。

 そんなセシリアの耳元に、俺は顔を近付けて

 

「俺のことを信じてくれるのは、セシリアだけで十分だ(ボソッ)」

「~~ッ!❤」

 

 小声で呟いた少し気障なセリフ(俺も少し恥ずかしい)に、セシリアの顔面が真っ赤に茹で上がる。

 

「悠人さん❤悠人さん❤」

「おおっ!?」

 

 目がハートマークになったセシリアに、思いっきりハグされました。

 ここは当然、俺もセシリアの背中に腕を回しますよ。当然。

 

「セシリア・オルコットは、いつまでも悠人さんを信じておりますわ!」

「そんじゃ、頑張ってセシリアの信頼に応えられるようにしないとな」

「悠人さぁぁん❤」

 

 

「うっぷ! また……」

「ブラックコーヒーキャンディ、いる?」

「欲しい欲しい!」

「神楽さん……」

「あ、山田先生……」

「……その飴、私にもください」

「あ、はい」

 

ーーーーーーーーーーーーー

 

 その日の夜、寮に戻って予習のために教科書を取り出すと、見知らぬ茶封筒が挟まっていた。

 

「なんだこれ?」

 

 引っ張り出して中身を確認してみると、何かのチケットとメモ帳の切れ端が。

 

『先日お話しした補填です』

 

 メモ帳に書かれていたのはこれだけ。だが、俺にはすぐにピンときた。

 キャノンボールファストが終わった後、女神様から通話が来た時の"あれ"だ。

 

(てっきり、また特典ガチャが来るもんだと思ってたんだが)

 

 おそらく、このチケットが補填とやらなんだろう。

 

「えーっとなになに……『万葉温泉優待チケット』?」

 

 万葉温泉ってどこだよ……あ、チケットに地図も描いてあるのか。

 ほうほう……ここなら日曜に日帰りで行けそうな距離だな。

 

「悠人さん、どうかされましたの?」

 

 俺が机の前で固まっていたからか、セシリアが声を掛けてきた。ふむ……

 

「セシリア」

「はい」

「温泉、行きたくないか?」

「はい?」

 

 突然の提案に、きょとんとした顔になるセシリア。可愛い。

 

「これなんだけど」

「万葉温泉優待チケット……これをわたくしと?」

「ああ、どうだ?」

「行きます行きます! 行きますわ!」

 

 何故か大興奮のセシリアが、胸の前で手を組み、目を輝かせていた。

 

「お、おう。それなら明日、山田先生に休日の外出許可を取るか」

「はい♪ 先ほどのチケットに書いてあった『家族風呂』。つまり悠人さんと混浴……デュフフ……

「セシリア?」

「な、なんでもありませんわ!」

 

 次の日曜日が楽しみですわー! と、何か誤魔化すようにルンルン気分で動き回るセシリアに、俺はこれ以上何も聞くことが出来なかった。

 

(混浴って、普通に聞こえてたんたが……しかもデュフフって……)

 

 それすら可愛く思えてくる俺は、もうダメなのかもしれない。(今更)




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……やっぱりシシカバブ作品のちーちゃんは、怒号と不憫が似合うよばっちゃ。
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