セシリア・オルコットとイチャラブしたいッ!! 作:シシカバブP
そして、ここで前回やらかした分の伏線を回収!
家族風呂を満喫(意味深)した後、施設側にバレないように後始末をした俺達は、部屋を1室借りると、足を伸ばして思いっきり寛いていた。というか、
「見事に逆上せたな……」
「はいぃ~……」
誰も見てないことをいいことに、館内着の浴衣を着たセシリアが畳の上で大の字に倒れ込んだ。かくいう俺も、同じように隣に寝っ転がっている。
ただでさえ風呂になって血行が良くなってるのに、さらにその中で運動(意味深)をしたらそりゃそうなるわ。反省……はしない。
――ぐぅぅぅ……
俺の腹の音か、と思ったが違うな。視線を横にずらすと……ああ、うん。腹を押さえて目が泳いでるセシリアがいるな。
「ちゅ、昼食はどうしましょうか?///」
「そうだなぁ……」
必死に誤魔化そうとするセシリアに乗ってやろうと、俺は先ほどの音をスルーして、ローテーブルの上に乗っているメニューブックを開いた。
こういうのって、館内レストランとかの案内が書いてあったり……あったあった。おっ、しかもこれは……
「よし、これにしてみるか」
立ち上がると一瞬ふらっとしたが、すぐに立て直すと部屋に備え付けられている内線電話の受話器を取った。
それから30分ほどして。セシリアも落ち着いてきたのか、大の字から起き上がって窓際の籐椅子に座って涼んでいると
「お客様、お食事をお持ちしました」
「ありがとうございます。準備はお任せしても?」
「はい、もちろんです」
仲居さん姿の従業員さんが、てきぱきと準備を進めていく。
ここの館内レストラン、貸し部屋に料理を届けてくれるサービスがあるのだ。メニューブックにそう書いてあるのを見つけた俺は、それを頼んだというわけだ。
そして1分やそこらで、テーブルの上には二人分の料理が所狭しと並んでいた。
「それでは、ごゆっくり」
仲居さん達が引き揚げ、改めて料理の前に座る。籐椅子に座っていたセシリアもこっちにやって来て……当然のように俺の隣に座る。
今回注文したのは『万葉御膳』なるもの。そこの名前を使ってるぐらいだし、店的にも自信を持って出してるだろうという考えで選んでみた。
淡青色のグラスに入ったゼリー寄せみたいのは先付か? 長皿に少量ずつ盛られた前菜に、鯛の刺身と小鍋、にしては鍋に何も入ってない……いやこれ、鯛しゃぶか。洒落てるなぁ。
「何と言いますか、臨海学校を思い出しますわね」
「言われてみれば確かに」
あの時も、刺身と小鍋だったっけな。
「だが、今日は正座をしなくていいから楽しく食べられるな」
「も、もうっ、悠人さん!///」
まだ正座はきついのか、所謂女の子座りのセシリアを弄る。まあ俺も、今は普通に胡坐かいてるがな。
「そんじゃ、さっそくいただくとしようか」
「そ、そうですわね」
そうして俺達は御膳を食べ始めた。
「この
「ん? ああ、こりゃむら雲寄せだな」
「むら雲寄せ?」
「卵のゼリー寄せって言えばいいか」
「あ、言われてみれば確かに、これ卵でしたのね……ですが、それだけで美味しいんでしょうか?」
首を傾げながらも、セシリアが匙でむら雲寄せを一口取って口に入れる。すると
「こ、これは……! 卵だけですのに、なんですのこの濃厚な味は!?」
と、料理漫画の審査員みたいなリアクションを披露してきた。正直、この姿をYoutubeで配信すれば良かったと一瞬思ったぐらいだ。
そんな反応を見つつ、俺もむら雲寄せを食べる。お、これは……
「セシリアの言うように、めっちゃ出汁の味が濃厚だな」
「出汁……スープストックのようなものでしょうか?」
「たぶん、それで合ってると思う」
俺もそこまで料理の知識があるわけじゃないから、間違ってたらスマンだな。
「なるほど……次はこちらのタパスのアソートですか」
「タパス?」
今度は俺が首を傾げる番だった。タバスコの親戚……なわけないよな。
「タパスとは所謂、小皿料理のことですわ」
「へぇ、そうなのか。するとアソート、盛り合わせって意味からして、この長皿のことを指してるわけだ」
「はい。それにしても、冷菜と温菜の両方が盛られていますのね。贅沢ですわ」
そう言ってしげしげと見つめている長皿には、燻製された牡蠣に魚(たぶん鰤)の焼き物、そして……これ、もしかしてカラスミ?
最後の料理に驚く俺を余所に、セシリアは次々と長皿の料理を口に入れていく。
「どれも美味しいですわ。ですが、このボッタルガだけが浮いてますわね」
「え?」
「え?」
浮いてるって、カラスミが? というか、ボッタルガってそのカラスミのことか?
「あの、もしかしてこれは、魚の卵巣の塩漬けでは?」
「そうだが」
「でしたらボッタルガですわね! わたくしが間違えたかと思いましたわ……」
「あ~っと、ちなみにそれはカラスミって言って、歴とした日本の珍味でな」
「そ、そうなんですの!?」
「というか、ヨーロッパにも同じ物があることに俺も驚いてる」
セシリア曰く、ボッタルガは地中海、特にイタリアでよく作られているらしく、主にチーズのようにおろし器で粉末状にして使うんだと。
そんな豆知識を覚えながら美味い料理に舌鼓を打ちつつ、次が本命、鯛しゃぶだ。
「えっと、これはどのようにすれば?」
「これはこうやってだな……」
お手本を見せるように、鯛の切り身を一枚取って鍋の出汁に潜らせ、半生状態でポン酢につけて
「ほいセシリア」
「はむっ!?」
そのままセシリアのお口へ。
「んぐっ……ゆ、悠人さん! 次からはちゃんと予告してくださいませ! ビックリして味が分かりませんでしたわ!///」
「めんごめんご。そんじゃ今度こそ、あーん」
「あ、あーん……お、美味しいですわぁ」
二枚目を食べると、蕩け顔になるセシリア。そんなに美味いのか。どれどれ俺も……
「ああ悠人さん、いけませんわ! 次はわたくしが!」
蕩け顔から戻ったセシリアが、慌てて箸で(微妙に持ち方があやしいが)鯛をしゃぶしゃぶして、俺の方に
「はい悠人さん、あ~ん」
「あむっ、うっま!」
臨海学校の時のカワハギも美味かったが、これはそれ以上だな! セシリアが蕩け顔になるのも頷ける。
「悠人さん、次もご用意しておりますわ。あ~ん」
さらに鯛を差し出すセシリアに、俺も口を近付けようとして
「お客様、飯物のご用意が――」
「あ」
入って来た仲居さんと目が合ってしまった。というか、入って来る前に声を掛けて欲しかったんですがぁ……
だが、仲居さんは何も見なかったかのように一人用サイズの釜を俺達の前に置くと
「それでは、失礼いたします」
さらっと部屋を出て行ってしまった。下手にリアクションされるよりは良かったが……
「悠人さん、これがカマメシというものなんですのね?」
「お、おう、そうみたいだ」
まあいいか。セシリアはあんまり気にしてないみたいだし。
「はい悠人さん、あ~ん」
「セシリア、さすがにこれは無理せず匙でいいぞ」
「あっ……」
頑張って食べさせようとしてくれるのは嬉しいが、さすがに米(蟹釜飯だったんだが、水分少なめ)を慣れない箸では無理がある。現にポロポロ米が零れてるし。
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―一方その頃、IS学園では
千冬から地下区画の防衛を指示された楯無、
その中で、楯無が保管室(先日の乱入事件で回収した未登録コアが安置してある場所)の見張りをすることになり、ダリルとフォルテの二人が巡回を行っていた。
「退屈だな」
「そうっスけど、会長と違ってこっちは見回りしてるだけマシっすよ」
「まあな。それにしたって、侵入者なんかいるのかよ」
別電源があるとはいえ、地下区画の廊下は最低限の灯りしか点いておらず、そんな薄暗い中を二人はブツクサ言いながら歩き回る。
だが、ダリルの愚痴はすぐに終了することになる。
――パパパパッ!
狭い地下区画の廊下で、軍用小銃のフルバースト音が響き渡る。
「くそっ! よりによってISと遭遇するなんて!」
「無駄口を叩くな! とにかく撃ちまくれ!」
しかし、その弾が有効打を与えることは無い。
「そんな対人用の武装で、オレの『ヘル・ハウンド』をどうこう出来ると思ってんのかぁ?」
立ちはだかるは、アメリカの代表候補生、ダリル・ケイシーが乗る第3世代機『ヘル・ハウンド』であり、本人が言う通りライフル弾は尽くその装甲に弾かれる。
「先輩、それは良いっスけど、これからどうするっスか?」
「そうだなぁ……殺すのはマズいよな?」
「ダメっすね」
「だよなぁ……」
どう考えても今の状況は、炎を操るヘル・ハウンドとの相性が悪すぎるのだ。どんな攻撃をしても、確実に敵をバーベキューしてしまう。
「仕方ねぇ。フォルテ、出番だ」
「私っスかぁ!? う~、面倒っス~……」
ぐちぐち文句を言いつつも、フォルテは自分のIS『コールド・ブラッド』を展開する。そして
「氷漬けっスよぉぉ!!」
「なにぃ!?」
「あ、足がぁぁ!」
「た、助け――」
コールド・ブラッドから発せされた冷気が、侵入者達を次々と氷漬けにしていく。
「うは~、相変わらず豪快だなぁ。ちなみにフォルテ、こいつら後でちゃんと解凍できんだよな?」
「当たり前っスよ。そうじゃなかったら、先輩と代わった意味ないじゃないっスか」
「そりゃそうだ」
そうこうしている内に、10人いた侵入者は一人残らず氷の中に閉じ込められることとなった。
ダリルとフォルテはそのままISに乗り、10体の氷漬けを回収。千冬達が待つオペレーションルームに撤収するのだった。
その頃、千冬達はというと
「逃がすかぁ!」
ダリル達とは別の区画で、ボディスーツを着込んだ千冬が正体不明のISに追撃されていた。
この正体不明のISは、先ほどの集団とは別ルートで保管室を目指していたところで千冬と接敵。戦闘状態になっている。
対弾耐刃仕様のスーツとはいえ、ほぼ生身でISと対峙する千冬の身体能力は凄まじいが、それでも敵ISにかすり傷すら与えられていない。今の今までほぼ逃げの一手である。
「くっ!」
(さすがに、このままではマズいな……)
ここまで何とか捌いているが、奴を罠まで誘い切るのが先か、それともこちらの体力が切れるのが先か。
そんなことを、ISとの戦闘中に考えていたのが悪かったのだろう。一瞬踏み込みが鈍る。そこを、敵ISが見逃すはずも無かった。
「まず――!」
「もらったぁぁ!!」
千冬の体が一瞬硬直するのと、敵ISの単分子結晶ナックルによるボディブローが千冬の腹部を直撃する、まさにその時
――ドゴォォンッ!
「がぁぁ!?」
「な、何だ?」
ボディーブローが千冬に当たることは無く、それどころか敵ISが床に倒れ込んで……否、床にめり込んでいた。
「織斑先生」
その声に顔を上げると、そこには
「ギャラクシー?」
タイの代表候補生、ヴィシュヌ・イサ・ギャラクシーが、専用機であるドゥルガー・シンに搭乗して立っていた。
「スマン、助かったぞ」
「織斑先生」
「なんだ、ギャラ、ク、シー……?」
ガシャン、ガシャン、と近づいてくるヴィシュヌ。その顔が無表情なのに対して、千冬は少々の寒気を感じた。
「どうしてですか?」
「は?」
「どうして、私だけ召集をかけずに放置したのかと聞いているのです!!」
「あ」
千冬の口から漏れた声で、もうお分かりだろう……。
誰も! ヴィシュヌを呼んでいなかったのである!!
それどころか! 誰もヴィシュヌがいないことに気付かなかったのである!!
「野郎ぶっ○してやるぅぅぅ!!」
「やめろぉぉぉぉ!!」
敵ISを怒りのままに潰そうとするヴィシュヌ、それを止めようとする千冬。
このドタバタは、『クアッド・ファランクス』――重量と反動制御のために機動力を0にする代わりに最強の攻撃力を与える、25mmガトリング砲4門を装備したラファール・リヴァイヴのパッケージ――を外した真耶が駆けつけるまで続いたという。(元々は、真耶が待機している地点まで千冬が誘導し、敵をハチの巣にする計画だった)
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……ごめんヴィシュヌ、マジで前回忘れてたんだ……。