セシリア・オルコットとイチャラブしたいッ!!   作:シシカバブP

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前回、ワールド・パージ編終了と言ったな? あれは嘘だ。(すんません)
そして今回は悠セシ成分ほぼなしです。次回にご期待あれ。


第56話 こんなところで主人公補正使う!?

 停電騒ぎ(ワールド・パージ編)が終わって数日も経たないうちに、またしても1年1組、いや、IS学園全体を騒がす事件が起こった。

 

「「「「織斑君に恋人が出来たぁぁ!?」」」」

 

 まさかのまさか、ワンサマーがとある人物に一目惚れ、そのまま告白までしたというのだ。

 しかも、その相手というのが……

 

「一夏……どうしてなんだぁ……」

「はぁ~~……」

 

 自席から教室内を見渡せば、半分以上魂が抜けかけている篠ノ之とシャルロットの姿が。この調子じゃあ、隣の教室で鈴もああなってるんだろうな。

 

「ですが、クラリッサさん、でしたか? ボーデヴィッヒさんの部下の方に一目惚れするとは……」

「まさかの展開だな」

 

 本当に、まさかの展開だよ。何がどうなったら、あのボーデヴィッヒとオタク文化を愛する変人(失礼)に一目惚れするんだ?

 

「というか、ボーデヴィッヒさんはいいの? 織斑君取られちゃったんだよ?」

 

 クラスメイトの一人が、さほどダメージを食らって無さそうな顔のボーデヴィッヒに問いかける。

 

「なに、クラリッサは私が自信を持って送り出せるほど優秀な部下だ。故に何も心配はしていない。まあ、嫁を独占出来なくなったのは残念だがな」

「ええ~……」

「それで済んじゃうんだ……」

「それにな」

 

 そこで言葉を区切り、ボーデヴィッヒはニヤッと笑う。

 

「あくまで嫁が嫁でなくなっただけだ。そして私とクラリッサは、言わば姉妹のようなもの。だから私は嫁の……いや、一夏のになる!」

 

「「「「はいぃ!?」」」」

 

 ボーデヴィッヒ、まさかの妹宣言である。

 

「何言ってんだよラウラ!?」

「おかしなところはあるまい? クラリッサを娶るなら、姉妹同然の私が義妹になるのは必然だ」

「いやいや! おかしいだろ!」

「というわけで、これからもよろしく頼むぞ、義兄上」

 

「ボーデヴィッヒさん、すごいことを考えましたね」

「ああ、あれは誰からしても盲点だったろ」

 

「なら僕は、一夏の内縁の妻になる!!」

 

「「「「はいぃ!?」」」」

 

 なんかボーデヴィッヒに触発されて、シャルロットも馬鹿なこと言い出したんだが!? 原作では妾の娘だったのが、この世界線ではお前が妾になるんかい!!

 

「わ、私は……私も一夏の愛人になるぞ!!」

 

「何馬鹿なことを言ってるんだお前達はぁ!!」

 

――スパパパァァァンッ!!

 

「がっ!」「ぎゃっ!」「おぶっ!」

 

 織斑先生必殺の出席簿による薙ぎ払いにより、織斑ハーレムの3人が同じ方向に吹っ飛んでいった。織斑先生、今日は一段と力が入ってらっしゃる。

 

「ほらお前達、さっさと席に着け」

「SHR始めますよ~」

 

 こんな中でも、ニコニコ顔で教室に入って来れるまーやんの神経、図太いなぁ。

 

「クラス中に知れ渡っているようだが、この度うちの愚弟が学外恋愛を、しかも現役の軍人相手にやらかした。これ以上面倒事が増えたら堪らんから、織斑への告白等は禁止とする。いいな?」

「「「嫌です」」」

「あ・き・ら・め・ろ! 織斑、ハルフォーフを諦める気はないんだな?」

「無い! 俺はクラリッサさんを生涯守ると決めたんだ!!」

 

 なんだその男らしい発言は。お前本当に、ワンサマーなのか……?

 

「お、織斑君? その守るっていうのは……」

「ああ、それについては……」

 

 疑問を口にしたクラスメイトに対して、なぜかボーデヴィッヒが説明を始めた。

 

 

(回想開始)

 

 整備室で手続きをしていたラウラとクラリッサに、偶然通りがかった一夏が近付く。

 

「ラウラ」

「おお嫁か。箒達も一緒なのだな」

「あ、ああ……」

「? どうかしたのか?」

 

 いつもと挙動のおかしい箒、鈴、シャルロットに、ラウラが首を傾げる。

 

「ラウラ、そちらの人は……」

「ああ、直接会うのは初めてだったな。紹介しよう、ドイツ軍IS配備特殊部隊『シュヴァルツェ・ハーゼ』の副隊長、つまり私の副官であるクラリッサだ」

「初めまして、クラリッサ・ハルフォーフだ」

 

 上官から紹介されたためか、一夏達相手にも敬礼をするクラリッサ。一夏の目が一段と輝くのを見て、3人はさらにゲンナリ顔になる。

 

「貴方が織斑教官の弟ですか。なるほど、隊長が気にするのも分からなくはないですね」

「な、何を言い出すんだクラリッサ!///」

「あ、あの、クラリッサさん」

「なんですか?」

 

 かつての教官の弟だから、ある程度は相手をせねばなるまい――そう考えていたクラリッサだったが、その後一夏の発言に度肝を抜くことになる。

 

「クラリッサさん、俺と……」

 

「俺と、付き合ってください!!」

 

「「「「ファーッ!?」」」」

 

「……は?」

 

 一夏、一世一代の告白であった。

 それに対して、今度はラウラも含めた4人が絶叫。告白された本人であるクラリッサは、一瞬自分が知らない日本語だったかと頭の中の引き出しを漁り、いやいや知ってる単語だったと思いながらもその一言しか出て来なかった。

 

「付き合うというのはあれですか、ISの模擬戦をしようということですか?」

「「「「ぶふっ!」」」」

 

 そしてクラリッサの確認に、思い切り吹き出す4人。その内容はまさに、普段の一夏が口にしているものだったからだ。

 ぶっちゃけクラリッサは、ティーンエイジャーに告白されるとは思っていない。そしてここはIS学園。だから、模擬戦という言葉が出てきたのだろう。

 

「あ、いえ、そうじゃなくて……」

「? ではなんなのですか?」

 

 クラリッサに逆に問われ、頭を掻く一夏。そしてどうしようか悩んだ末、顔を赤らめて

 

「結婚を前提に! 俺と付き合ってください!!」

 

「はぁっ!?」

 

 ここまで直接的に言われ、ようやっとクラリッサも理解し、そして絶句。

 

「ば、馬鹿なことを! あまり軍人を揶揄うのは――」

「揶揄ってなんかいません! 本気です!」

「なお性質が悪いです! 隊長、一体どういうことですか!」

「いや待て、むしろ私が聞きたいのだが……」

 

 なぜ私が問い詰められてるんだ? とラウラが世の理不尽に嘆いたところで

 

「お前達、何を騒いでいる」

 

 偶々千冬が整備室の前を通りかかっていた。

 

「千冬姉」

「織斑先生だ。なんだ、ハルフォーフもいたのか」

「はっ! お久しぶりです、織斑教官!」

「だから私はもう教官ではないと……まあいい、で? この騒ぎは何だ」

「実は……」

 

 皆を代表してラウラが千冬にこれまでの経緯を説明。そして聞き終わったと同時にクソデカため息をついて

 

「織斑、何を馬鹿なことを言っている」

「馬鹿って何だよ! 俺は本気で――」

「それを馬鹿だと言っているんだ。まったく……」

 

 弟の猪突猛進っぷりに、もっと保護者らしいことをすれば良かったと、今更なことを考える千冬。そして面倒くさそうな顔で

 

「織斑、ハルフォーフ。お前達、あの部屋で一度話をしろ」

 

 そう言って指さしたのは。整備室の中にある、主に装甲などの部品を研磨するのに使う加工部屋であった。

 

「ハルフォーフ、スマンがお前の口からはっきりと伝えてくれ」

「は、はぁ……よろしいのですか?」

「構わん。そういう経験も後の糧になるだろう」

 

 つまり千冬は、ぐうの音も出ないぐらい思い切り振ってやれと言っているのである。

 

「分かりました」

「ほら織斑、お前も行け」

「わ、分かったよ」

 

 実姉に追い立てられて、一夏はクラリッサの後を追うように加工部屋の中へ。

 

「しかし千冬さ「織斑先生だ」お、織斑先生。あれで一夏は諦めるでしょうか……?」

「ふっ、あれでハルフォーフはボーデヴィッヒ第一な奴だ。さらに言えば年下は奴の好みからは外れている。むしろ、手酷く振られた織斑の心配をしてやれ」

「は、はぁ……」

「それなら、大丈夫かな?」

 

 千冬の説明に、箒とシャルロットの顔色が多少良くなった。

 

が!

 

「教官! 隊長! 申し訳ありません! ですが、ですが何卒、弟君との真剣なお付き合いを!!」

 

「「あるぇ!?」」

 

「「全然ダメじゃないですかぁ!!」」

 

 一夏からどのようなアタックがあったのかは当人達しか分からないが、ものの見事にクラリッサは陥落していた。

 

「クラリッサさんが軍人として国を守るっていうなら、俺がそのクラリッサさんを守る!」

 

 もはや何を言っているのか理解できず、千冬を含め全員(一夏とクラリッサを除く)はがっくり項垂れたのだった。

 

(回想終わり)

 

「ということがあった」

「「「「ええ~……」」」」

 

 ボーデヴィッヒの説明に、クラス全員がドン引き。もちろん俺やセシリア、ヴィシュヌも同様に。まーやんすらも、口元を引き攣らせている。

 どうしてここで、主人公補正を全開にしてくるんだよぉ! 俺が知る限り、2次創作でも『一夏×クラリッサ』なんて聞いたことないぞ!?

 

「と、とにかく、この話は以降しないように! 分かったな!?」

「えっと……」

「分かったな!?」

「「「「はいぃぃ!!」」」」

 

 最後はブリュンヒルデの一睨みで、ワンサマーの話は強制終了した。

 

「そ、それでは、1時限目の授業を始めますよ~」

 

 そして強張った笑顔を貼り付けながら、まーやんのIS理論の授業が始まるのだった。

 

ーーーーーーーーーーーーー

 

――IS学園、生徒会室

 

 生徒会長である更識楯無は、先日のハッキング事件の後始末に追われていた。

 結局ハッキング犯は捕まらず(千冬曰く『迷惑な兎の仕業だろう』とのこと)、代わりに直接学園へ侵入してきた、どこぞの特殊部隊を捕縛していた。

 

「どこぞの、なんて今更かしらね」

 

 実は身元はすでに割れている。侵入者の一人がISに乗っており、そのISコアが登録されているものだったからだ。そう、アメリカへ配分されたものとして。

 

 アンネイムド。アメリカ合衆国の秘匿部隊であり、隊員のパーソナル・データは国防総省のデータベースからも抹消されているという念の入れようである。

 装備といい練度といい、十中八九その部隊であろうと、楯無も千冬も目星をつけていた。

 とはいえ、相手は秘匿部隊。知らぬ存ぜぬで追及を躱されることも容易に想像がつく。

 そして現在、地下区画に勾留している彼らをどうするのか、学園上層部の判断を待っている真っ最中なのだ。

 

「虚、どうなるかしら?」

「おそらくですが、彼らを秘密裏に解放するのと引き換えに、某国へ何かしらの譲歩を引き出すのではないかと」

「ある種の身代金要求ってところね。その辺りが妥当か」

 

 腹心であり、幼馴染でもある布仏虚の回答を聞いて、楯無も同意見だと頷いた。

 学園側にしたって、今回の侵入騒ぎを表沙汰にすることは出来ない。それをしてしまえば、自分達もと考える馬鹿がぞろぞろ現れかねないからだ。

 そうである以上、捕虜という表立って切れないカードを抱え続けるのも損が大きい。であれば、裏から回収してもらう方が良い。譲歩という名の下取り料をもらって。

 

 はい、これでこの件はおしまい! と椅子の背もたれに寄りかかる楯無に、虚は別の話題を提供することにした。

 

「ところでお嬢様、織斑君についてですが」

「あら、一夏君がどうかしたの?」

「本音から聞いた話では、どうもとある女性に告白したとか」

「うぇぇ!?」

 

 ガバッと勢いよく立ち上がり、バンッと執務机を叩く楯無。それぐらいの驚きであった。

 

「こここ、告白!?」

「えっと……ああ、この人ですね。クラリッサ・ハルフォーフ。ドイツ軍人で、1年1組のラウラ・ボーデヴィッヒさんの部下らしいです」

「この人、一夏君より年上、よね?」

「そうですね、間違いないかと」

「一夏君が、年上の女性と……」

 

「ならどうして、お姉さんには見向きもしなかったのよぉぉ!?」

 

「そこですか?」

 

 生徒会室の中心で絶叫する主に、従者はなんだかな~という視線を送るだけだった。

 

(織斑君といい弾くんといい、最近の男の子は年上の女性が好みなんでしょうか?)

 

 そんな虚、学園祭の時に外部の男子(実は一夏の友人)と知り合い、ちゃっかりアドレス交換まで済ませていた。




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……次こそ新章に行かないとねばっちゃ。
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