セシリア・オルコットとイチャラブしたいッ!! 作:シシカバブP
とうとう午前の部最後の競技、騎馬戦がやって来た。
ただし、俺とワンサマーは不参加のため、1組のテントでお留守番だ。
「俺らだけ参加不可か……」
「なんだ織斑、そんなに女子の生足触りたかったのか」
「ち、ちげぇよ!!」
少し揶揄ったら、ワンサマーが顔を真っ赤にして首をブンブンと振り始める。
こういうところだけは、普通の思春期青年なんだがなぁ。ここに朴念仁属性が合わさると、途端にヤバい奴に早変わりという。
「さあ、わたくしの出番ですわね! セシリア・オルコット、参ります!」
気合の入ったセリフと共に、三人組の騎馬に乗り込むセシリア。
なんか貫禄あるな、さすが英国貴族。手ぇ振ってやろ。
「っ!❤」
おっ、手振り返してきた。可愛い。
そして騎馬に乗り込んだ時に、プルンッと主張する尻に目が行ったのは内緒だ。
『さて、1年の注目は現役軍人であるボーデヴィッヒ選手ですが――おーっと、ここでアクシデントです! 織斑先生がボーデヴィッヒ選手に近付いていく!』
「なんだ?」
「あ」
ツカツカと織斑先生が、ボーデヴィッヒが乗る騎馬に近付いていく。そして、右手がボーデヴィッヒの体操服の中に
「え、ええ!?」
『ボーデヴィッヒ選手、織斑先生にナイフを取り上げられましたー!』
「なんでそんなもん持ってんだよ!?」
ワンサマー、渾身のツッコミである。普段ツッコまれてる奴がツッコミ役とか、レアリティを……感じないなぁ。
そしてナイフを没収した織斑先生は、さらに他の代表候補生達の騎馬へ。
『織斑先生、次に2組の凰選手から青龍刀を没収だー!』
「どこに隠してたんだよ!?」
『さらにさらに! 篠ノ之選手から日本刀、デュノア選手からも
「なんでだよ……」
ツッコミ疲れたのか、ワンサマーがその場で崩れ落ちる。
まあ俺もそう思うわ。なんでそんなもんが騎馬戦に必要なのかと。
……セシリア、まさかお前はスナイパーライフルを隠し持ってたりは……。
『どうやらオルコット選手、ギャラクシー選手、更識選手は何も持っていないようです。旧織斑ハーレムは過激ですねぇ』
「「「「"旧"って言うなぁ!!」」」」
実況の黛さんに、ボッシュートされた4人の怒声がハモる。
そんなアクシデント(アクシデント?)がありながらも、騎馬戦が始まろうとしていた。
『それではクラス対抗騎馬戦、開始~!』
実況と笛の合図で4クラス分、約40騎が入り乱れる騎馬戦の幕が切って落とされた。
「左翼展開! 右翼はフォローに回れ!」
「シャルロット、中央突破を頼む!」
「分かった!」
ウチのクラスはボーデヴィッヒを司令塔に、他クラスの騎馬を各個撃破していく方式か。
「いいぞー! みんな頑張れー!」
隣ではワンサマーが声援を送っている。それを聞いて、さらにやる気を出し始めるハーレムの面々。あ、別クラスの鈴だけ頬膨らませてら。
よし、俺もセシリアを応援しようかな。
「セシリアー!」
「悠人さん、わたくし頑張りますわー!」
「ちょっとセシリア暴れないでー!」
「ああっ、申し訳ありませんわ」
俺に手をブンブン振り返したセシリアの騎馬が、バランスを崩しそうになった。危ねぇってな、ちょっとこっちも控えるか。
ととっ、別の場所ではヴィシュヌと更識さんが一騎打ちみたいになってるな。
「はぁぁぁぁ!」
「うぐぐぐ……!」
お互いの両腕を掴む形で膠着してるようにも見えるが、徐々にヴィシュヌが更識さんを押してってるぞ。
「つ、強い……! どこからそんな力が……」
「これくらい普通ですよ」
「普通じゃないよ、もはやゴリラだよ……」
「ゴ……っ!」
更識さんの言葉に、ヴィシュヌが絶句する。それでも動揺して押し返されないのは、さすがというか。
「ふ、ふふふ……」
「え、あの、どうしたんです?」
「かわいそうに。筋肉が足りないから、そんなことを言うんですね……」
「え……? ヴィシュヌ、さん……?」
「大丈夫ですよ、更識さん」
ニッコリ微笑むヴィシュヌに怯み始める更識さん。どうやら、思い切りヴィシュヌの地雷を踏んだようだ。南無。
「これが終わったらすぐに……すぐに更識さんにも筋肉を付けて差し上げますから!!」
「い……いやああああああああああああああああ!! 来ないでええええええええええええええ!!」
「更識さん何やってるのよぉぉぉ!!」
「私達まで巻き添え食ってるじゃない!!」
「さあ夜竹さん方、追いかけますよ!」
「お、お~……」
「ヴィシュヌさん、ガチギレすると篠ノ之さん達より怖いかも……」
ギャン泣きで逃げる更識さん達、それを追いかけるヴィシュヌ達。
地獄の騎馬レースがスタートした瞬間だった……ってそういう競技じゃねぇからこれ!
「でやあああああ!!」
「はああああああ!!」
おっと、ちょっと目を離してた隙に、セシリアも鈴と一騎打ちになってたか。
「せ・し・り・あぁ……いいかげん、あきらめな、さい、よぉ……!」
「り・ん・さ・ん、こそぉ……!」
すげぇ、さっきの一騎打ちと違って、完全に膠着状態になってやがる。
よし、今度こそ俺の応援で。
「セシリア、頑張れー!」
「ゆう、とさ、ん……!」
くっ、俺の応援だけじゃ、鈴を押し込むのは難しいか。なら、ここで伝家の宝刀を!
「鈴に勝ったら、俺の膝の上に乗って昼食食おうな~!」
「ファッ!?」
「え、なにそれ怖い」
冷静な鈴のツッコミも聞こえていないようで、一瞬呆けた顔になっていたセシリアだったが、徐々に恍惚な表情に変わっていき
「やってやりますわぁぁぁぁ!!」
ギンッ! という効果音が聞こえてきそうなほど目を光らせ、組み合った鈴をずんずんと押し込み始める。
「え、ちょっとぉぉぉ!?」
「チェストォォォォォ!」
「ひゃぁぁぁぁ!」
「きゃぁ!」
「いったぁ!」
押し込まれてバランスを崩したのか、鈴の乗った騎馬はその場でグシャッと潰れるように分解。鈴も分解途中で地面に投げ出された。どうやら受け身は取れたようで、ぱっと見怪我とかは無さそうだ。
「悠人さーん! 昼食の時間、期待しておりますわー!」
セシリアは俺の方に手をブンブン振ると、3組の騎馬が固まってる辺りに突撃していった。
うまい具合にぶら下げた人参が効果的だったな。まあ、仮に鈴に負けても昼食はイチャラブしながら食べる気でしたがね。
終了の笛が鳴り、残っている騎馬の数と取ったハチマキの数が集計される。
『クラス対抗騎馬戦、1学年は1位1組、2位3組、3位2組、4位4組となりましたー!』
「やったぁ!」
「みんなお疲れ様!」
「いえ~い! おりむーもっと褒めて~」
「のほほんさん、一夏に頭撫ぜてもらってる~!」
「ずる~い!」
騎馬戦でトップになり、これで1組は総合点でもトップに返り咲き。みんながバンザイする中、ちゃっかりのほほんさんがワンサマーと仲良くしているのがバレて、もみくちゃにされる。
2組と4組が低調だったのは、1組が先に鈴と更識さん(つまり代表候補生の二人)を優先して潰したのが原因だろうな。それもあって3組は、ある意味漁夫の利で2位にまで浮上していた。
「悠人さん!」
「ん? どうしたセシリア?」
「……」
呼ばれて顔を剥ければ、無言の笑顔で頭を差し出すセシリアが。それはつまり、そういうことだな。
「セシリアも頑張ったよな~、すごいカッコよかったぞ~(撫ぜ撫ぜ)」
「❤」
こんな子犬モードのセシリアも、かわええんじゃ~!
だから、あっちでヴィシュヌにハンドグリップを握らされてる更識さんは、視界に入らないようにしようね~。
ーーーーーーーーー
騎馬戦が終わり、ここから2時間ほど昼休み、ランチタイムに入る。最初2時間は長いなぁと思ったが、さすがに食ってすぐ競技だときついなと思い直した。そう考えると妥当な時間だな。
そして突然だが、俺は有言実行を志している。だから
「はい悠人さん❤」
「あむっ」
学園外縁部のリラクゼーション・エリアという名の広場、そこの芝の上にレジャーシートを敷いて、俺とセシリアは用意していた昼食を食べていた。
サンドイッチの入った籐籠を持ったセシリアが座り、その後ろに俺がセシリアを抱えるよう座る。
なーんか既視感があると思ったら、夏休みにウォータースライダーに乗った時のアレだ。
「次は何が食べたいですか?」
「そうだなぁ、ポテトにするかな」
「ポテトですわね。はい、どうぞ❤」
両腕を回してセシリアを抱えているから、俺は文字通り手が塞がっている。故にセシリアが食べさせてくれる必要があるのだ。そう、これは必要なことなのだ。(大切なことなのでry
「ぐはぁぁぁぁ!」
「これ以上強力な悠セシは無いと思ってたのに……!」
「卵焼きはともかく、ホウレン草のお浸しが甘いよぉぉ!」
「はぁ、榊さんとセシリアさんはここでも相変わらずですね」
「私もヴィシュヌさんみたいに悟りを開きたいわぁ……」
こうやってセシリアを抱きかかえていると、幸せを感じるなぁ。
なんというか、夜(意味深)の情熱的な幸福とは違う、穏やかな幸福というか。
すると、セシリアも俺の方に体重をかけてきた。密着度合がさらに上がる。
「悠人さん❤」
「セシリア」
ああ~幸せだな~。もうこの時間だけで、午後の部とかいいやって思えてくる。
さて、そんな幸せ絶好調な俺達なんだが、ワンサマー達が座ってるスペースの方から何やら喧騒が。
「ちょっとラウラ! 何してるの!?」
「見て分からんか? 義兄上の膝の上に座っているのだが」
「そうではない! なぜ一夏のひ、膝の上に座っているのだ!」
「別に構わんだろう? 兄妹ならごくごく普通のことだ」
「いや、普通じゃないと思うが……そして俺とラウラはいつ兄妹になった」
「(いいなぁ、隊長……)」
「というか、なんでアンタがここにいるのよぉ!?」
織斑先生に連れていかれたはずの大尉さんが、なぜかワンサマーの右隣に座ってボーデヴィッヒを羨ましそうに見ているんだが。
その状況に、ボーデヴィッヒ以外の3人が吼える吼える。そんな不毛なことをするより、残ったワンサマーの左隣を確保した方が幸せになれると思うのは俺だけだろうか。
「はぁ……少し目を離した隙にこれか……」
「織斑先生、私もう口の中が糖分でベタベタになった気分なんですが……」
「私もだよ、山田先生……はぁ、将来クラリッサが義妹かぁ……」
そして遠目からその光景を見てゲンナリする、
まーやんは仕方ないにしても、織斑先生はワンサマーの保護者ですから責任持って胸焼け起こしていってください。
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……かわいそうに。筋肉が足りないから、低評価を付けるんだね……
(元ネタはリディー&スールのアトリエ)