セシリア・オルコットとイチャラブしたいッ!! 作:シシカバブP
昼食後に少し休憩(セシリアの膝枕を堪能)しつつ、午後の競技が始まった。
『午後の部最初の競技は二人三脚です!』
はい、俺とセシリアの出番というわけだ。
「悠人さん、目指せ1位ですわ!」
「おう。俺達が最強であることを証明してやろう」
「はい!」
俺達がスタート地点でお互いの足を布帯で結んでいると、他のクラスの選手もぞくぞくとスタート地点に入って来た。
2組も3組も話したことない生徒だなぁ……と
「4組は更識さんか」
「そうみたいですわね。あまり走る姿を想像出来ませんが……」
セシリアが言うように、、俺もあの眼鏡っ子が走る姿を想像出来ない。もしかしたらすげぇ速いのかもしれんな。
そうして4クラス全員が足を結び終わると、スタートの合図を待つ。
『On your mark…Set……Go!』
「いっちに! いっちに!」
「いっちに! いっちに!」
『おーっと1組の榊・オルコットペアが、他のペアを大きく突き放す!』
スタートダッシュこそ4クラスともうまく決めたものの、その後は徐々に俺達がリードを広げていった。
「はっや……!」
「榊君はともかく、オルコットさんってあんなに足速いの!?」
「これでもわたくし、テニス部でしてよ! 試合中コートの中を走り回るのに比べたら、これぐらいどうってことありませんわ!」
そう、この英国淑女は意外とフィジカルもしっかりしているのだ。下手すると、俺より足が速いかもしれない。
「わたくしと悠人さんに敵う者なし! ですわ!」
「ぐぬぬぬぅ!」
「腹立……わぁ!」
セシリアの煽りでタイミングを乱されたのか、2組のペアが見事にすっ転んだ。セシリア策士だなぁ。
「いっちに! いっちに!」
『1組ゴォォォォル! 二人三脚1年の部は、オルコット選手の煽りが光る試合でしたー!』
「え、あの、別にあれは煽ろうとしたわけでは……」
「え?」
「え?」
キョトンとする俺。同じくキョトンとするセシリア。
あれ、煽りじゃなかったのかよ。
そんな俺達に更識さん達4組が続き、3組も遅れてゴールした。2組は……聞かないのが情けってもんだ。
「1位取ってきたぞー」
「取ってきましたわ……あの、何がありましたの?」
1組のテントに戻ると、一部からどんよりとしたオーラが。
「ああこれね。ヴィシュヌさんが」
「あ、はい。何があったか分かった」
相川さんの説明を聞くまでも無い。ヴィシュヌの奴、『コスプレ生着替え走』が近付いてきたからだな。
「出たくない出たくない出たくない……」
「ヴィシュヌさんってばぁ」
「コスプレってなんですか、しかもそれで走るってどういうことですか……」
「ほら、次出番なんだから」
「あぁぁぁ……」
岸原さんと谷本さんに両腕を掴まれて、ヴィシュヌは引き摺るように連れていかれたのだった。
「あれで走れるんでしょうか……?」
「さあ……」
まるで
ーーーーーーーーー
『次は皆さんお待ちかね、 コスプレ生着替え走になります!』
いや、誰も待ってないから。
見てみなって。出場選手全員が、目のハイライト消えかけてるんだから。
「い、異様な光景ですわね」
「そりゃあ、誰だってコスプレして走りたくないだろうよ」
そんな競技に出場するのが、ヴィシュヌであり、そして
「凰さん、貴女も出るんですか……?」
「あたしだって出たくなかったわよ……けどみんなが強制的に……」
はぁ……と、ここからでも聞こえてきそうなクソデカため息をつくヴィシュヌと鈴。
『それでは競技を始める前に、ルールを説明します! まずはあちらをご覧ください!』
実況の声と共に、空中投影ディスプレイが表示される。そこには抽選箱と丸く囲まれたカーテンが。
「熱湯コマーシャル?」
おいワンサマー、なんで高校生のお前が知ってるんだよ。俺? 俺はほら、前世のYoutubeで見たことあるし。
『まず、抽選箱から紙を引き当ててもらい、そこに書かれている衣装をこの着替えゾーンで着衣してもらいます』
「着替えゾーンって……あれじゃあちょっと動いたらカーテンが捲れちゃうじゃない」
「これは恥ずかしいわぁ……」
テント内からも、なかなかな意見が飛び交う。ヴィシュヌなんか、顔を手で覆って蹲っちまったぞ。
『はいは~い、今更恥ずかしがってもダメだから。いっそ早くゴールして体操服に戻ることを考えた方が良いわよ~』
「そ、そうですね! さっさと着替えてさっさとゴールすればいいんです!」
「そうよ! それにコスプレって言ったって、マシなお題も入ってるはず……よね?」
色々希望を(無理矢理)見出しながら、自らを奮い立たせる選手達。
『それじゃあ、レーススタート!』
パァンッというピストルの音で、選手達が一斉に飛び出す。
先頭は……鈴の奴、相変わらず早いな。
『さあ、凰選手抽選箱から引いたのは……パーティドレスだぁ!』
「はぁ!?」
口をアングリ開けて固まる鈴に、ところどころにレースをあしらったドレスが渡される。
「……ああもうっ!」
『凰選手が覚悟を決めている間に、他選手も続々と抽選箱からお題を引いていきます!』
その中には当然ヴィシュヌもおり、引いたお題は
「姫、騎士……?」
渡されたのは、手甲と脚甲。それに……ビキニ?
ビキニアーマーじゃねぇかよこれぇ!!
「こ、これを着るんですか!? 無理無理無理ぃ!!」
「ヴィシュヌさ~ん」
「お着換えしましょうね~」
「いぃぃぃぃぃぃやぁぁぁぁぁぁぁ!!」
競技前と同じように、ヴィシュヌは岸原さんと谷本さんに掴まれ、カーテンの中に連れ込まれた。
あのこれ、クラスメイトが着替え手伝うとかありなん?
「やっぱりこれ、走りにくさマックスじゃないのよぉ!」
カーテンから出てきた鈴はなんというか……
「前、ブカブカだな」
「いちかぁぁぁぁぁぁ!!」
――スコォォォンッ!
「がっ!」
あーあ。ワンサマーの奴、余計なこと言って鈴を怒らせるから……というか、あそこからここまでハイヒール投げて顔面直撃とかどんなコントロールしてるんだよ。
「もういっそ、これで走った方がマシよ!」
『なんと凰選手、裸足で走り出したぁ!」
「うわぁ」
ドレスの裾を持ち上げて、裸足で走る鈴。なんて潔いんでしょう。……いや、マジかよ。そんでめちゃくちゃ早いなおい。
そして後を追うように、巫女服を着た3組と、ナース服の4組がカーテンから出て来る。あれ、ヴィシュヌは?
「ヴィシュヌ、もう着替え終わったでしょ」
「ほら、走った走った」
「む~り~で~す~!!」
「も~……えいっ!」
「えっ? きゃあっ!」
カーテンから出たがらないヴィシュヌに業を煮やしたのか、谷本さんがカーテンの外からヴィシュヌを突き飛ばす。
で、押されて飛び出したヴィシュヌは……
「……」
「こ、これは……」
「かなりん! 鼻血鼻血!」
「えっ嘘!」
あまりにも凄まじい破壊力であった。
手甲と脚甲のメタリックな部分と、ビキニとのアンバランス。
そして、そのビキニで隠し切ることなど到底不可能と主張する、強烈なインパクトを与える双丘が
「悠人さん! 見てはいけませんわぁぁぁ!!」
「ぎゃああああああ!! セシリア! 目が潰れるってぇぇぇ!!」
もうそれ目隠しじゃないから! 目潰しだからぁぁぁぁぁ!!
あまりの痛さにセシリアの腕を叩きまくって、やっと目を押さえる手から力が緩んだ。いってぇ……
「も、申し訳ありません……ですが! 悠人さんってばヴィシュヌさんに見惚れるなんて!」
「いや、それに関してはスマン。まさかあんなに破壊力があるとは思わなかった」
「うぅ……確かに同性のわたくしからしても、圧巻でしたけど……」
「拗ねない拗ねない。確かに釘付けになったのは悪かったけど、それでも俺はセシリアオンリーだから」
「……本当ですの?」
唇を尖らせて、ちらちらとこちらを見るセシリア。そういうところも可愛いんだよなぁ。
「……分かりました、信じますわ。ですが!」
「うおっと」
正面から俺に向かって飛び込んで来た。視線を下に向けると、そこにはセシリアが俺の方を見上げていて
――チュッ
「わたくしは悠人さんに一目惚れしました。ですから悠人さんは、ずっとわたくしに惚れさせる魔法をかけ続けてくださいまし。他の人の魔法にかかってはいけませんわ」
「……望むところだ」
セシリアの肩に手を回し、ギュッと抱き締める。
いつもと同じで、いつもとは違う。
(一目惚れの魔法、か……)
俺は転生特典で、セシリアに一目惚れの魔法をかけた。なら、かけた責任を持つのは当然だろう。というか、手放すつもりなんて毛頭ない。
「未来永劫、セシリアは俺のもんだ。セシリアだけが、俺のもんだ」
「悠人さん……❤」
「あのー、二人の世界に入ってるところ申し訳ないんだけどー」
「コスプレ走、もう終わったよ」
「あら?」
「え、もう終わったのか?」
「ダメだこりゃ……」
セシリアとイチャラブならぬラブラブをしている間に、ビキニアーマーヴィシュヌは完走していたようだ。
……ここで『ちゃんと観戦できなくて残念』とか言ったら、またセシリアに目潰しされそうだから黙っていよう。
「うぅ……酷い目に遭いました……」
「おかえりヴィシュヌ」
「榊さん、見ました……?」
「セシリアに目潰しされてた」
「目潰し言わないでくださいまし!?」
「そ、そうなんですか?」
あからさまにホッとするヴィシュヌ。よほど異性である俺に見られたくなかったんだろう。それならセシリアに目潰しされた甲斐も……いやいや、無いから。
そういえば、もう一人の異性であるワンサマーは?
「おごごご……!!」
「す、すまん……」
「ラウラぁ! 力入れすぎだよぉ!」
「し、仕方ないだろう! 義兄上がギャラクシーに現を抜かしていたのだから」
あっちもあっちで、ボーデヴィッヒの目潰しを食らってたようだ。しかも俺のよりも強力に。
「それで、ヴィシュヌは何着だったんだ?」
「3位でした。巫女服の3組が思いの外早くて……逆に4組はパンプスが走り辛かったみたいで、おかげでビリは免れました」
ということは、2組、3組、1組、4組の順か。あれ、これってもしかして……
「とうとう3組が総合1位になったんだよ~」
「すげぇ下剋上だな」
「専用機持ちがいないから油断してたけど、どの競技も平均して強くて気付いたらこれだもん」
「午後の部、残りの競技で盛り返せるかなぁ?」
とんだダークホースが潜んでたもんだな。いや、専用機持ちを警戒して、俺らを含めた3クラスが潰し合った結果か。
もしかしたら3組も『あれ、私達何かやっちゃいました?』的な感じになってるかもしれん。
「それで、あと残ってる競技って何があるんだ?」
「あと残ってるのはね~……榊君が出る借り物競争と」
「あ、そういやあったな」
「悠人さん、ご自分が出場する競技を忘れてましたの?」
「午前の時点で、内容が濃ゆい競技ばっかだったからなぁ」
「まあ、そうですが……」
それに、3組と1組の点差を見る限り……借り物競争だけでひっくり返せるかは微妙だな。
「おっと、それで借り物競争と、他に残ってるのは?」
「そうそう! あと残ってるのはね~」
「最終競技の『バルーンファイト』だね」
……俺の記憶違いじゃなきゃ、それって原作でワンサマーが酷い目に遭う競技じゃなかったか?
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……本文より、サブタイ考える方が苦労してるよばっちゃ。