セシリア・オルコットとイチャラブしたいッ!!   作:シシカバブP

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ようやっと修学旅行編(原作10巻相当)に入ります。
と言いつつ、いつも通り最初は脇道に入るんですが。


第12章 そうだ、京都へ行こう
第63話 まだセシリアは強くなるというのか……!?


 運動会が終わり、IS学園の日常が戻りつつあった、そんなとある日。

 

「ねえねえ、そろそろ修学旅行のシーズンじゃない?」

「そうそう! 部活の先輩に聞いたんだけど、去年は北海道だったんだって」

「北海道かぁ、京都に次ぐ定番だよね」

「あとは大阪とか沖縄?」

 

 1年1組の教室では、そんな話が飛び交うようになってきていた。

 

「修学旅行、ですか」

「セシリアはどこに行きたいとかあるか?」

「そうですわねぇ……わたくしとしては京都が気になりますわ」

「京都か。まあ日本に来たら、一度は見るべきとは言われてるしな」

「それもありますが……」

「が?」

 

「我が英国が誇るロンドンに勝る古都なのか、見定めてやるんですわ!!」

 

「お、おう……」

 

 名所を見たいというよりは、京都への対抗意識から行きたいのか。

 

(この世界線では、修学旅行はどうなるんだろうな……)

 

 おさらいになるが、原作世界では亡国機業や無人機の襲撃によってイベントのほとんどが中止になったため、修学旅行も第三者の介入があり得るという話が出て来る。

 で、生徒会+専用機持ちの選抜メンバーが修学旅行先の京都へ下見に行く……というのは表向きの話で、本当は亡国機業の掃討作戦に駆り出されるのだ。

 

 さて問題。亡国機業というテロ集団のいないこの世界線では、上記のようなことは起こるでしょうか?

 アンサー、無い。

 

 ではどうなるのか、その答えはSHRの時間で明かされることになる。

 

「みなさん、今年の修学旅行ですが、再来週の土曜日から2泊3日に決定しましたー!」

「「「「おお~っ!」」」」

 

 まーやんの発表に、クラス全員が声を上げる。

 それにしても、また急な発表だな。再来週って……。

 

「先生! 旅行先はどこですか!?」

「そうでしたね、それを言うのを忘れてました」

 

 あはは~と頭を掻くまーやん。ごほんと咳払いの後溜めを作り

 

「今年の修学旅行は、京都です!」

「「「「おお~っ!」」」」

「「「「ええ~……」」」」

 

 おーっと、反応が見事に分かれたな。

 

「京都! 楽しみ!」

「文化財がいっぱいあるんだよね、気になる~」

「また京都かぁ……」

「私なんてこれで、小中高で3回よ、3回」

 

 なるほど、小中学校の修学旅行が京都だったかどうかで分かれてるのか。特に3回目なら、もう有名どころは見飽きてるだろうしな。

 

「楽しみにするのはいいが、今から浮かれて怪我をするんじゃないぞ」

「「「「はい!」」」」

「連絡事項は以上だ」

 

 最後に織斑先生が締めると、改めていつもの日常、IS理論の授業が始まるのだった。

 

ーーーーーーーーー

 

 そしてこれもいつも通りのIS実習の時間。ただいつもと違う点がある。

 

「今日は4組との合同授業だ。だからと言って、やる内容が変わるわけでは無い。いつも通り気を抜かずに授業を受けるように」

「「「「はい!」」」」

 

 そう、今回のIS実習は2組とではなく、4組との合同授業になったのだ。

 そして、恒例となっている模擬戦の対戦カードがどうなったかというと

 

「織斑、更識、前に出ろ」

「はい!」

「はい」

 

 ある意味いつも通り、ワンサマーが指名された。で、対戦相手は更識さんと。

 

「クラス対抗戦の再来、ですね」

「ああ、言われてみれば確かに」

 

 ヴィシュヌに言われるまで、完全に忘れてた。あれからすでに半年近く経ってるんだよな、早いもんだ。

 

「あの時は更識さんが勝ちましたが、今回はどうでしょうか」

「なんともだなぁ。あの頃と比べて白式は第二形態移行(セカンド・シフト)して強くなってるが、その間更識さんがずっとサボってたとは思えないし」

「ですね」

「あとは織斑がイノシシを辞めて、『山嵐』対策を出来てるかどうかだな」

「……悠人さん、それは暗に『無理』と言っておりません?」

「ノーコメントで」

 

 クラス対抗戦の時はそれで見事にフルボッコにされたわけだし、そこが直っていることが大前提だろうよ。

 と、俺達外野がわいわい騒いでる間に、アリーナの中央では白式と打鉄弐式が臨戦態勢と取っていた。

 

「それでは、始め!」

「いっくぜぇぇぇぇ!!」

 

 織斑先生の合図で、白式が打鉄弐式に向かって瞬時加速(イグニッション・ブースト)をブッパした。

 

「……」

「あーあ」

 

 なんだろう、完全にクラス対抗戦の焼き直しなんだが。

 1組一同絶句、ヴィシュヌが首を振り、セシリアに至ってはクソデカため息をついていた。

 そしてその突撃を更識さんが回避、荷電粒子砲の反撃を食らう――

 

「ここだぁ!!」

 

――ドンッ!!

 

「え!?」

「「「「うそぉ!?」」」」

 

 い、瞬時加速(イグニッション・ブースト)を連発して躱したぁ!?

 まさかあいつ、個別連続瞬時加速(リボルバー・イグニッション・ブースト)を会得してたのか!?

 

「いっけぇぇぇぇ!!」

 

 完全に虚を突かれた更識さんに対して、ワンサマーが零落白夜を展開した雪片を振り下ろす。

 

――バシィィィィンッ!!

 

「当たった!」

「織斑君すごーい!」

 

 装甲外ではないが、それでも零落白夜のエネルギー無効化能力は、打鉄弐式のSEを大きく削っていった。

 これは、もしかしたらもしかするのか?

 

「くっ!」

 

 近距離は不利だと心得ているのか、更識さんが距離を取ろうとする。が、

 

「まだまだぁぁぁぁ!!」

 

 一度距離を縮めたら離さないとばかりに、ワンサマーもスラスター全開で再度距離を――

 

――チュドォォォォンッ!!

 

「「「ええ~~!?」」」 

「……ああ、それがあったな」

 

 やっぱりあの時の焼き直しの如く、気付かない内に発射されていたマイクロミサイルに横っ面を叩かれ、ワンサマーは2回ほどバウンドして地面を転がっていった。

 

「それまで! 二人共戻って来い」

 

 織斑先生の宣言に、更識さんだけがこっちに戻って来る。ワンサマーは……ダメみたいですね。

 

「織斑、戻って来いと言ったんだが?」

「ち、ちふゆね「織斑先生だ、ぐだぐだ言わずにとっとと来い」あい……」

 

 実姉からのありがたいお言葉を受け、ワンサマーはよろよろと立ち上がると、まるで敗残兵のようにこっちに戻って来た。

 

「遅い、どれだけ時間をかけるつもりだ(バシーンッ!)」

「ぐはぁ!」

「「「「……」」」」

 

 やっと戻って来たワンサマーに織斑先生の追撃が入る。

 これには4組も含め、全員が絶句した。俺ですら、ワンサマーが可哀想だと思っちまった。

 

「それにしても、やっぱあの山嵐はすごいな」

「はい。マルチロックオンシステムによって、最大48発のマイクロミサイルを独立稼動させる、でしたか」

「すごいでしょ~。かんちゃんのプログラミング能力を最大限に使った傑作なんだよ~」

 

 セシリアと話していたら、のほほんさんが絡んできた。よほどあの機体を自慢したいのか、はたまた幼馴染である更識さんを自慢したいのか。

 

「各ミサイルを、独立稼働か……」

「悠人さん、どうされました?」

「いや、ちょっと思ったんだが、あの山嵐ってさ……」

 

「まるでティアーズ・シリーズのビットみたいだなぁって」

「え?」

 

 セシリアの目が点になる。そんなに変なこと言ったか?

 

「それはつまり、ビット制御と同じようにミサイルをこちらで操作するということ……」

「セシリア?」

「そうなりますと、無線誘導装置をミサイルに載せることになりコストが……いえ、他の形式の誘導装置を載せるのとさほど変わりは……」

「おーい」

 

 なんか、完全に別世界に行っちまったんだが、大丈夫か?

 

「悠人さん!!」

「お、おう!?」

「今すぐヴィッカース社と打ち合わせをいたしましょう!」

「はぁ!?」

 

 何がどうしてそうなった!?

 

「さぁさぁ!」

「いやセシリア、今は授業中……」

「それどころではありませんわ!」

 

「ほう、私の授業どころではないか」

 

「「あ」」

 

 振り返れば(織斑先生)がいる。あれ、これまさか刺されないよね?

 

――スパパァァァンッ!!

 

「「ぎゃあああ!!」」

 

 いってぇぇぇ! 初めて出席簿アタック食らったけど、こんなに痛いの!? こりゃワンサマーも馬鹿になるよ! 脳細胞の死亡率がパネェって!

 

「馬鹿なことを言ってないで、授業に戻れ。いいな」

「「はい……」」

 

ーーーーーーーーー

 

 ……これで懲りるセシリアじゃなかった。

 放課後、いつものようにアリーナで訓練をするのかと思ったら

 

「あーっと……なんでここに親父が?」

「なんだ、セシリアさんから聞いて無いのか?」

「何も」

 

 セシリアに連れて来られた整備室に、何故かマイ・ファザーが立っていた。

 

「セシリア?」

「IS実習の後、ヴィッカース社に連絡しましたところ、ちょうどお義父様がいらっしゃるとのことだったので」

 

 ギギギギ……と錆びた音が聞こえてきそうな動きで横を見ると、本人は何の悪気も無いかのような笑顔。

 

「あのなぁ、せめて一言ぐらい先に「悠人さん❤(頬キス)」許す」

「悠人……」

 

 親父、これは仕方ないんだ。だからそんな目で見るな。

 

「それで、結局これから何をするんだ?」

「おっとそうだった。ブルー・ティアーズの新装備を持ってきたんだ」

「新装備ぃ?」

「なんでも、お前がアイディアを出したらしいじゃないか」

「俺が? 俺は何も……って、まさか」

「はい。今日のIS実習で悠人さんが口にされた"あれ"、ですわ」

「はいぃ!?」

 

 いやいや! あれから半日と経ってないんだぞ!? それで新装備が出来るっておかしいだろ!?

 

「新装備とは言っても、そこまで見た目が変わるものでも無いんだ」

「お、おう……」

「まあ、論より証拠だ。セシリアさん、さっそく始めるけどいいかな?」

「はい、よろしくお願いいたしますわ」

 

 と、なんか俺を置いてトントン拍子に話は進み、展開されたブルー・ティアーズにあれこれ量子変換(インストール)を始め……

 

 

 

 

 翌日のIS実習の時間。

 

「なんなのよこれはぁぁぁぁ!!」

 

 模擬戦で鈴の乗る甲龍が、ミサイルに追い回されていた。

 しかも、ただのミサイルではない。

 

「ああもうっ! これでも食らいなさい!」

 

――ドォォォンッ!

 

「うそ、躱された!?」

 

 このミサイル、甲龍の衝撃砲を躱すのだ。そして推進剤が尽きるまで、どこまでも追尾し続けるというから恐ろしい。

 ここまでで、察しの良い諸君ならお分かりだろう。

 

「これがブルー・ティアーズの新装備ですわぁ!!」

「ふざけるなぁぁぁぁぁ!!」

 

 セシリアのブルー・ティアーズに搭載されている2基のミサイルビット、そいつから射出されたミサイルは今、セシリアの制御下にあるのだ。

 昨日の山嵐を見て『まるでティアーズ・シリーズのビットみたいだなぁ』とは言ったよ? けどさぁ

 

 本当にミサイルをビットみたいに制御するとは思わんだろう!?

 

 しかも、これだけならまだ鈴も勝機があるんだろうが、

 

――チュィィィィンッ!

 

 レーザービットも普通に4基全部稼働してるんだよなぁ、これが。

 

「やばっ」

「チェックメイト、ですわ!」

 

――チュドォォォンッ!

 

「きゃあぁぁぁ!」

 

 レーザーの網に頭を押さえられた上で2発のミサイルが刺さり、鈴が地面に落ちていった。

 

「よし、そこまでだ!」

「いったぁ……」

「悠人さん、やりましたわ!」

「ちょっとセシリアぁ! ちょっとはあたしの心配もしなさいよぉ!」

「はて?」

「首を傾げるなぁ!」

 

 即行でブルー・ティアーズを待機状態にして俺に抱き着くセシリア、いいですなぁ。

 そんな可愛いセシリアに、今日もサービスしてあげよう。

 

「セシリア」

「はい、悠人さ――」

 

――チュッ(おでこキス)

 

「は、はにゅ~ん!」

 

 

「げはぁ!」

「ゆ、悠セシも甘酸っぱ路線に切り替えただとぉ!?」

「まさか、私達が濃厚路線に慣れてきたところを見計らって!?」

「山嵐パクられたぁ……」

「のほほんさんが別の意味であかーん!!」




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……この世界線の一夏は強くなる必要ないんだよばっちゃ。
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