セシリア・オルコットとイチャラブしたいッ!!   作:シシカバブP

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業務連絡です。
今週は毎日が残業デーで書く暇が無さそうなため、次回更新は12/17になります。


第13章 イグニッション・ハーツ? すぐ終わりそう……
第68話 愛をとりもどせ!! って感想欄先読みしちゃダメぇ!


 修学旅行が終わりIS学園へ戻って来た翌日、1組の教室はいつもより静まり返っていた。

 

「私の見込みが甘かったです……」

「そんな、ヴィシュヌさん悪くないじゃん」

「そうだよー、ヴィッシーが悪いわけじゃないよー」

 

 どうしてヴィシュヌが落ち込んでいるのか、それは教室中央の最前列、ワンサマーの席が空いているからだ。

 

 あの日、集団見学を終えて旅館に戻った俺達だったが、そこにワンサマーの姿は無かった。

 まーやん曰く、精密検査をするために織斑先生と一緒に、一足先に学園に戻ったらしい。

 そして最終日も音沙汰が無いまま、楽観的なことを言った(と本人だけが思っている)ヴィシュヌが落ち込んでいるわけだ。

 

「一夏、大丈夫かなぁ……?」

「姉さん、なんてことを……」

 

 篠ノ之とシャルロットも心配そうな顔で、ワンサマーの席を見つめている。

 

「ボーデヴィッヒさんは心配じゃないの?」

「確かに心配ではある。だが、義兄上ならすぐに復活すると信じてもいるからな」

「ラウラ……そうだね、一夏なら大丈夫だよね!」

 

「織斑さん、思っていたより大変みたいですわね……」

「ああ。てっきり、その日の内に復活すると思っていたんだが」

 

「皆さん、SHRを始めますよー」

 

 教室中がワンサマーの話でいっぱいになっている中、まーやんが教室に入って来た。

 

「先生、織斑君は……」

「それなんですが……」

「安心しろ、身体には問題はない」

 

 相川さんの問いに詰まるまーやんを遮るように、織斑先生が教室に入って来る。そしてその後ろには……

 

「あー! おりむーだー!」

「織斑君!」

「良かったぁ!」

「ごめんみんな! 心配させちゃって!」

「え?」

「なんだと?」

 

 織斑先生に付いて教室に入るワンサマーを見て、クラスみんなの声が明るくなる。それに対して、手を合わせて頭を下げるワンサマー。

 よくある光景……ってあれ? なんで織斑先生とまーやん驚いてるんだ? 

 

「それにしても、一夏が無事で良かったよ」

「そうだよねぇ。クラリッサさんも心配してたし」

「あ、ああ……」

 

 なんだ? 妙な違和感が……

 

「織斑さん、おかしくありませんか?」

「セシリアもそう思うか?」

「はい。正直、別人ではないかと思ってしまうほどに」

 

「お前達、教師を無視して何をしている。早く席に着け」

「は、は~い!」

 

 織斑先生のジト目で、みんな自分の席に慌てて戻っていく。

 

「織斑。お前はひとまず教壇に立て」

「あ、はい」

 

 促され、ワンサマーが教壇、織斑先生の隣に立つ。

 

「さて……織斑だが、精密検査の結果、身体上は何の問題も無かった」

「「「「お~!」」」」

 

 クラス中から安堵の声が出た。

 あの博士が撃った注射の中身が毒の類では無いだろうとは思ってたが、やっぱりワンサマーを殺す気では無かったか。

 

「だが――」

「先生?」

「織斑先生、ここからは私が」

「すまない……」

 

 途中で口ごもってしまった織斑先生に代わり、まーやんが説明を引き継ぐようだ。

 それを見て、またみんなが不安そうな顔になる。あの織斑先生が言葉に詰まるようなことがあるのか?

 

「織斑君は……記憶喪失になっています」

 

「「「「ええええええええ~!?」」」」

 

「記憶喪失って……」

「でも先生、さっき織斑君、私達にごめんって」

「あ、そうだよ! 記憶喪失なら、私達に謝ったりしないよね?」

 

 まーやんが告げた衝撃の事実に驚いていたが、確かにみんなが言う通りだ。

 

「実は、記憶が無くなっている人とそうでない人がいるみたいです……」

「私達も、まさかお前達のことを覚えているとは思わなかったのだ」

「つまり、先生達のことは覚えていなかった?」

「……」「……」

「榊君!」

「やべっ、失言だったか?」

 

 織斑先生とまーやんの落ち込みようから見て、おそらく正解なんだろう。

 

「ちなみに一夏、ここにいる中で覚えていない者はいるか?」

 

 篠ノ之に聞かれ、ワンサマーが教室を見渡すが、

 

「いや、先生方以外はちゃんと覚えてる」

「榊とかもか?」

「ああ。あんまり話したことは無いけど、模擬戦で何度か戦ってるからな」

 

 う~む、接点が大してない俺のことを覚えていて、織斑先生達は覚えてない。どういうこった?

 

「では義兄上、クラリッサのことは?」

「クラ、リッサ? ああ、そういえば旅館で目が覚めた時にいた人が、そんな名前だった気が」

「っ!?……クラリッサのことも、覚えていないのか……」

 

 あの大尉さんのことを覚えていない。その事実に、質問したボーデヴィッヒだけでなく、教室内の全員が悲痛な顔で押し黙る。

 

「姉さん、なんてことをしたんだ……!」

「姉さん? 箒にお姉さんなんていたっけ?」

「何?」

 

 ガタッと席を立った篠ノ之がワンサマーに走り寄り、その肩を掴む。

 

「覚えていないのか!? 篠ノ之束を!」

「篠ノ之束……ああ、ISの開発者! あれ? そういえば箒と同じ苗字……もしかして」

「ああ、私の姉だ……」

「俺、その人に会ったことは?」

「ある」

「そ、そうか……」

 

 暗くなる篠ノ之につられてか、ワンサマーの声もトーンダウンする。

 ワンサマーに忘れられた人間が、これで4人目か。何か共通点でもあるのか?

 

「あら、これってもしかして……?」

「セシリア?」

「織斑先生」

「なんだ?」

「もしかしたら、織斑さんが思い出せない方の条件が分かったかもしれません」

「何?」

 

 え、セシリア分かったのか?

 

「それを確認するために、生徒会長をここにお呼びすることは出来ますか?」

「更識を? ……いいだろう」

 

 織斑先生は疑問に思いながらも、藁にも縋る思いなのか持っていた小型端末を操作する。それから少しして

 

「織斑先生、緊急で呼び出しなんて、どうしたんですか?」

 

 IS学園のお騒がせ生徒会長、更識楯無さんが1組の教室に現れた。

 

「あら一夏君。またアクシデントに巻き込まれたって簪ちゃんから聞いてたけど、大丈夫だった?」

「あの……」

「ん? 何かしら?」

 

「どちら様でしょう?」

 

「え……?」

 

 冗談の欠片も無い真顔で尋ねられ、会長の手から扇子が滑り落ちる。

 

「や、やぁねぇ一夏君。そんな冗談、お姉さん感心しないぞ? あ、あははは……」

「えっと……」

「更識さん、織斑君は……」

 

 まるで錆びたロボットのように固まる会長に、まーやんが記憶喪失の事を説明する。

 

「オルコット、これで何が分かるんだ?」

 

 おおそうだった。セシリアが記憶喪失の条件を確認するために呼んだんだったな。

 

「はい。織斑さんはおそらく、ご自分より年上の方の記憶を失ったんですわ」

「……なるほど、可能性はあるな」

 

 セシリアの説明を聞いて、織斑先生は納得したように頷いた。

 なるほど確かに、ここまででワンサマーが覚えてない人達はみんな、奴さんより年上だ。

 けどなんで、年上だけピンポイントで? ……まさか

 

「榊、何か言いたいことでもあるのか?」

「ああいえ。もしかして、篠ノ之博士は織斑の記憶から、大尉さんの記憶を消そうとしたんじゃないかなって」

「なんだと?」

「織斑が妹の篠ノ之とくっ付かなかったから、強硬手段に出たんじゃないかと」

「そんな馬鹿な……いや、束ならそんな理由でやりかねんな……」

 

 俺からしたら、どうにもワンサマーと篠ノ之をセットにしたがってるように思えるんだよな。福音の時といい、無人機の時といい。

 まあそれで、大尉さんはおろか織斑先生や自分のことも消しちゃったら本末転倒だが。

 

「それで織斑先生、織斑君はこれからどうするんですか?」

「身体上は何も問題も無く、一般常識に関する記憶もある。授業を休ませる理由も無いから、こうして復帰させることに決まった」

「それで、大丈夫なんですか……?」

「普段の生活を行うことで、記憶を取り戻すこともありますから」

「と、いうわけだ」

 

 まあ、そうなるか。入院させたところで、記憶が戻るとも限らないわけだし。

 しかしこの流れ、どこかで見たことあるような……あっ

 

(これ、時期は違うけどイグニッション・ハーツじゃねぇか!)

 

 インフィニット・ストラトス2 イグニッション・ハーツ。『インフィニット・ストラトス』初のゲーム化作品だ。

 なんで初作品なのに『2』なのかって? アニメ2期の後に発売したからだよ。

 で、そのゲームのシナリオって言うのが、ワンサマーが記憶喪失になるって話なのだ。

 ちなみにゲームでの時系列は銀の福音事件後~学園祭までだから、まさかこう繋がるとは思ってもみなかった。

 しかもなんだよ、年上ピンポイントで記憶喪失って。

 

「もしかしたら他にも忘れてしまっていることがあるかもしれん。みんな、面倒を見てやってくれ」

「それでは織斑君、席に着いてください」

「分かりました」

「ああ更識、ご苦労だったな。戻っていいぞ」

「ひ、酷くないですかそれは……」

 

 ガチ凹みする会長が教室を出て行き、1年1組はいつもの授業風景に戻ろうとしていた。

 

ーーーーーーーーー

 

――???

 

「束さま?」

「あい……」

 

 秘密ラボの一角、四畳半の畳の上で、束はクロエによって正座させられていた。

 俯きながらビクビクする姿は、正面で仁王立ちするクロエの姿と相まって、まるで母親に叱られた子供のようであった。

 

「織斑一夏の精神(趣味嗜好)を弄るのはやめると、以前言ってましたよね?」

「はい……」

「ならどうして、あの薬品を使ったんですか? あれはまだ未完成だって言ってましたよね?」

「ぶーぶー! いっくんが箒ちゃんを差し置いて、あの眼帯女とくっ付こうとするから……」

「束さま」

「あっはい」

 

 ブー垂れる束だったが、クロエの平坦無表情ボイスに危険を感じて押し黙った。

 

「その結果がこれです。クラリッサ・ハルフォーフどころか、束さままで忘れられてしまったではないですか」

「うっ!」

「しかも織斑千冬に恨まれて」

「うぐぅっ!」

「挙句の果てに、妹君にまで嫌われて」

「堪忍してつかぁさい!!」

 

 クロエの連続口撃に、束は力尽きたように正座した状態で上半身が倒れ込む。ほぼ土下座の姿勢である。

 

「それで、これからどうするのですか?」

「どうするって?」

「このまま織斑一夏を、記憶喪失にしておくわけにもいかないでしょう」

「いっくんの記憶はともかく、箒ちゃんに嫌われたままは嫌だな~」

「束さま」

「あっはい。記憶を戻す薬作り頑張ります」

 

 どうも最近、くーちゃんと親子関係が逆転してるなーと、土下座体勢で畳の目を見ながらそう思う束であった。




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……まじで感想欄に先読みされたよばっちゃ……。
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