セシリア・オルコットとイチャラブしたいッ!! 作:シシカバブP
そして原作崩壊入りまーす。
第6話 転校生?
「ねえねえ織斑君、転校生の噂聞いた?」
とある朝、教室に入ってきたワンサマーに話しかけたのは、出席番号(苗字)の関係で廊下側最前列にいた相川さんだった。
「転校生? この時期に?」
「そう、なんでも中国の代表候補生なんだって」
「へぇ、もしかしてこのクラスに?」
「ううん、隣の2組にだって」
「あ、そうなんだ」
「うわっ、反応わるーい」
あまり良い反応を返せなかったせいで、相川さんから突かれていた。ついでに一緒に登校していた篠ノ之からも脇腹をど突かれていた。
「それにしても、4月のこの時期にとは……今更わたくしの存在を危ぶんで……というのはあまりにも自意識過剰ですわね」
「分かってて冗談で言うならいいんじゃないか? とはいえ、別にセシリアの存在が秘密ってわけでもないだろうし、それが理由ならそれこそ普通に入学してるだろ」
「ええ。ということは、織斑さんと悠人さん、男性操縦者の存在を知って慌てて……と言ったところでしょうか」
「だろうな」
この世界線のセシリアは慢心していない。おそらく女尊男卑思想が広まっていないせいで、余計な自尊心が養われる土壌が無かったんだろう。
そして原作知識から、その中国からの転校生も知っている。
おおとりすずね……じゃない、
原作では篠ノ之が『ファースト幼馴染』で、凰が『セカンド幼馴染』とか言ってたな。しかもその両方から慕われている(ただしツンデレ)という。
それでどっちの好意にも気付かないとか、豆腐の角に頭ぶつけてタヒね朴念仁。(直球) それとも、『付き合って=買い物』と変換するぐらいワンサマーが朴念仁なのを知ってるくせに、ストレートを投げない二人が悪いのか?
「どんな奴なんだろうな」
「他クラスのことなのだから、気にするほどのことでもないだろう。そもそも今のお前に、余所の女子を気にする余裕があるのか? クラス対抗戦は来月だぞ」
「そうなんだよな……」
篠ノ之から指摘されて、ワンサマーは困った顔で頭を掻いた。
「セシリア、織斑がクラス対抗戦で優勝できると思うか?」
「悠人さん、答えづらいことをあっさり聞かれますわね……正直、難しいと思いますわ」
ややネガティブな内容なのを自覚しているので、周りに聞こえないよう小声でセシリアと会話する。
「そもそもが経験不足な上に、どうして専用機があのような仕様になっているのか、理解に苦しみますわ……」
「何が悲しくて、ブレード1本だけなんだよって話だよなぁ……」
奴のIS『白式』だが、原作通りの性能だったらしい。最初のIS実習からこっち、アリーナで訓練をしているところを目撃したクラスメイトからの情報だ。(俺? ずっとセシリアの射撃訓練を見学してましたが何か?)
IS読者なら知ってると思うが、白式は『雪片弐型』という刀しか武装を持っていない。しかも、他武器の追加は不可能というトンデモ仕様だ。
さらにクラスメイトが話題にしないところを見るに、ワンサマーはまだ、白式の超重要アビリティ『零落白夜』の存在に気付いてないっぽいのだ。あれに拡張領域が圧迫されてるから、他武器が入らないんだが。
(原作では、セシリアとの試合で零落白夜の存在を知って、その時の経験値を元にして対抗戦に臨むって流れだったんだが……これ完全に、ぶっつけ本番だよな?)
完全ブレオン仕様な上に、防御力無視(バリア無効)攻撃が出来る零落白夜も無し(知らない)で、どうやって中国の専用機『甲龍』に勝てと言うのか。
「まぁ、やるだけやってみるさ」
「なんだ一夏、男たるものそのような弱気でどうする!?」
「そうだよ、クラス一同期待してるんだから!」
「「「「優勝賞品の、学食デザート半年フリーパス!!」」」」
「それが本音かよ!」
「呼んだ~?」
「違う違う、のほほんさん」
クラス団結のためとはいえ、見事に物で釣られてんなぁ。
そして最後のは、1組の
「デザートのフリーパスですか……」
「セシリアも欲しいのか? フリーパス」
「それは、甘味はレディの嗜みですし?」
「ちなみに、特に好きなものは?」
「そうですねぇ……ベルリーナー・プファンクーヘンというお菓子が好きですわ」
「ベルリーナー……ああ、あれか」
原作でも言及されていた、甘いパン生地を揚げてジャムフィリングを詰めて、さらにその上から粉砂糖やチョコレート等をかけたもの。最初に読んだ時に思った感想は
「すげぇ(胃が)重くなりそうだな……」
「そ、そそそ、そんなことありませんわよ!? ベルリーナーを食べる時はちゃんとカロリー計算をして、場合によってはその日その他に何も口にしない覚悟で……!」
突然セシリアがよく分からんことを言い出して……あっ、もしかして……
「セシリア、俺は『それ食ったら"胃が"重くなりそう』って言ったつもりだったんだが……」
「へ?」
きょとんとした顔をしたセシリアだったが、俺の言ったことが理解できたのか、いつもとは別の意味で顔が真っ赤になった。
たぶん、セシリアは俺のセリフを聞いて『"体重"が重くなりそう』と認識したんだろう。だからカロリーの話に飛んだわけか。
「は、恥ずかしいですわぁ……!」
「それにしたって、別にセシリアが太ってるようには見えないんだが」
「そ、それはもちろん、ボディラインの維持も淑女の嗜みですわ!」
「そっか。セシリアはいつもそうやって頑張ってるんだな。よしよし」
これ以上錯乱させるのも可哀想なので、セシリアを抱き寄せて頭をポンポンと撫ぜる。
「うにゅぅ……悠人さん、ズルいですわ。こんな簡単にわたくしを手懐けて……でもこれ好きぃ❤」
「織斑君、頑張ってね!」
「フリーパスのためにもね!」
「今年は専用機持ってるクラス代表って、1組と4組だけだから余裕だよ!」
セシリアが蕩けてる間、向こうではワンサマーを中心に話が進んでいたようだ。
さて、この辺りで……
「――その情報、古いよ」
来た、教室の入り口から、次の原作ヒロインが。
「鈴……お前、鈴か?」
「そうよ。中国代表候補生兼1年2組クラス代表、凰鈴音。今日は宣戦布告に来たってわけ」
ふっと笑みを見せているが、相手はあの朴念仁・織斑一夏だ。そんな雰囲気など気にするわけもなく
「何格好つけてんだ? 似合ってねぇぞ」
「んなっ!? なんてこと言うのよアンタは!」
「おい」
「何よ!」
――バシィィンッ!
「ぎゃっ!」
「もうSHRの時間だ、教室に戻れ」
「ち、千冬さん……(バシィィンッ!)ぎゃいっ!」
「織斑先生だ、さっさと戻れ。そして教室の入り口を塞ぐな邪魔だ」
「ず、ずびばぜん……」
織斑先生の出席簿アタックを連撃でもらい、凰はすごすごと2組の方へ退散していった。
そしてどうでもいい事だが俺、モブのクラスメイトはさん付けだけど、ヒロイン級はみんな呼び捨てだな。
「みなさん、席に着いてくださーい」
まーやんの呼びかけで、ワンサマーの周りに固まっていた面々が自分の席に戻って行く。
「一夏、今のは誰だ? 知り合いか? ずいぶんと親しそうだったが」
「あいつは……」
――バシンッ! バシンッ!
「ぐあっ!」
「おぐっ!」
「さっさと席に着け、馬鹿者」
織斑先生の出席簿アタックが二人を襲った。
今回ばかりはワンサマーは悪くない。完全に篠ノ之に巻き込まれたな。ご愁傷様。
「榊」
「は、はい?」
お、俺? 何か俺悪いことした?
「お前がオルコットをそうしたんだろ、責任を持って席に座らせろ。」
「あ、はい」
織斑先生が指さす先には、蕩け顔から戻らないセシリア。
確かにそれは俺の責任ですね。はーい、運びまーす。
そして俺がセシリアを席に運び、自分の席に戻って座ると、まーやんのSHRが始まった。
「それではSHRを始めます。その前に……」
まーやんが何やら一区切り入れてきた。
なんだ? まだクラス対抗戦前だから、さっきの凰イベントぐらいしか無いはずなんだが。
「今日はなんと! 転校生を紹介します!」
「「「「ええ~~!?」」」」
「what!?」
転校生? このクラスに? この時期(原作1巻)に!?
いやいやいや! おかしいから! まだ金銀の二人が入ってくるの先だろ!? まさかクラス代表決定戦が無くなった影響? バタフライエフェクト?
「それでは入ってきてください~」
「失礼します」
教室のドアが開き、入ってきたのは……
「マジか……」
入ってきたのは、
褐色の肌に緑色の髪をした、その女子生徒は……
「はじめまして、タイ代表候補生のヴィシュヌ・イサ・ギャラクシーです。みなさん、よろしくお願いします」
(どうしてここでアーキタイプ・ブレイカー!?)
アーキタイプ・ブレイカー(AB)。『インフィニット・ストラトス』の公式外伝としてリリースされたソシャゲだ。
あっさりサ終してしまったものの、『相変わらずISはキャラデザが良い』という総評を得た代物でもある。(誉め言葉なのかな?)
壇上に立っているヴィシュヌも、そんなABで新規登場したキャラクターの一人だ。
ちなみに蛇足だが、キャラデザの発注書に誤植があったせいで、初期案は褐色ではなく色白肌だったという逸話もある。
さらに蛇足だが、『完凸させるとクリスマス衣装になるセシリア』を手に入れるために諭吉を幾人も犠牲にしたのは、今となってはいい思い出だ。
って、そんな昔の思い出話はいらん! それより問題なのは――
「へぇ……」
「一夏、何を見惚れておるかぁ!」
「な、なんだよ箒!? うわっ! と、と、と!」
「いけない!」
篠ノ之がまーた突っかかって、席からコケそうになったワンサマーをヴィシュヌが……あ、これまずい。
――フニョンッ
「あ……」
「……」
受け身を取ろうとしたワンサマーの手が、見事にヴィシュヌの胸にジャストミート。
「きゃあああああっ!!」
――ゴスッ!
「がふっ!」
ヴィシュヌの蹴りが、ワンサマーの股間に……うわっ、これは酷い……。
「い、一夏ぁぁ!?」
「うわぁ……男の人ってそこが弱点って聞いたことあるけど、こうなっちゃうんだぁ……」
「ああっ、ごめんなさい! 驚いてしまってつい……!」
悶絶するワンサマーを見て慌てる篠ノ之、同情の眼差しを向けるクラスメイト、同じく慌てる当事者のヴィシュヌ。うん、カオスだ。
「えっと……」
どう収拾をつけたらいいか分からずオドオドするまーやん。そこに
「織斑、さっさと自分の席に戻れ」
「ちょっと待って千冬姉……」
――バシンッ!
「ぐあっ!」
「織斑先生だ。いいから席に着け」
「わ゛か゛り゛ま゛し゛た゛……」
股間を押さえ、生まれたての小鹿のように足をプルプル震わせながら、何とか席に着くワンサマー。これには奴に同情を禁じ得ない。織斑先生、俺が言うのも変な話だけど、もうちょっと弟に優しくしてあげて?
「山田先生、SHRの続きを」
「え? あ、はい……」
織斑先生に促され、目が点になっていたまーやんがSHRを再開した。
しかし、どうしてヴィシュヌがこの時期に……?
まさかこれ、俺が転生した影響……?
そしてセシリアはと言うと
「うにゅぅ……❤ ゆうとさぁぁん……❤」
横向きで机に突っ伏した状態で、幸せそうな顔をしていた。可愛い。
だがセシリア、そろそろ起きて欲しい。織斑先生がお前と俺を交互に睨みつけてるから。
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……勢いでヴィシュヌ出しちゃったけど、扱い切れるか怪しいよばっちゃ。