セシリア・オルコットとイチャラブしたいッ!!   作:シシカバブP

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あ……ありのまま、今起こした事を話すぜ!
前々回新章に入ったと思ったら、今回でまた次の章になっていた…… 
何を言ってるのかわからねーと思うが、俺も何をしたかったのか分からなかった……頭がどうにかなりそうだった……

催眠術だとか超スピードだとかそんなチャチなもんじゃあ、断じてねえ……

もっと恐ろしいものの片鱗を味わせたぜ……


第14章 エクスカリバー? なんでやねん!
第70話 ボコられる者


 一夏の記憶が戻った翌日。職員室の机の上に置かれたメモ書きで呼び出され、私は生徒指導室に来ると

 

「お待ちしておりました」

 

 ラウラのような銀髪を三つ編みにした女子と、なぜか指導室の床に土下座している束がいた。

 私をここに呼び出したのはこいつか? というか、相変わらずどこからこの学園に侵入してきたのやら。

 

「ちーちゃん、おひさ――」

「束さま」

「あっはい」

 

 私が部屋に入って来たことで束が立ち上がろうとしたが、隣の少女に睨まれてまた土下座モードに戻った。

 

「失礼しました、私はクロエ・クロニクルと申します」

「そうか。で、お前と束の関係は?」

「束さまは私の恩人です」

「恩人」

「はい」

 

 こいつも日本語に明るくないのだろうか。普通、恩人を土下座させる慣習は日本には無いはずだが。

 

「それで? なぜお前達がここにいる?」

「まずは先日、束さまが仕出かしたことについて謝罪を。束さま」

「え~……」

「束さま」

「あっはい。この前はいっくんに不意打ちしてごめんねちーちゃん」

「はぁ」

 

 クロエに促され、渋々ながらも頭を下げる束に、私はどう反応すればいいか分からなかった。

 少なくとも私の知っている束は、こんな少女の圧に屈して土下座するような奴では無かったはずだ。

 

「それでね、いっくんの記憶を戻す薬を作ったから――」

「ああ、それはもういい」

「へ?」「え?」

 

 束だけでなく、横のクロエも目が点になって固まっていた。

 

「もういいって……」

「一夏だがな……記憶、戻っているぞ」

「え……」

 

「「ええぇぇぇぇ!?」」

 

「いっくんの記憶が戻ってる!? どういうこと!?」

「なんだ、知らなかったのか?」

「知らないよ! 薬作るためにずっとラボに籠ってたんだから!」

「そうか、ご苦労様だな」

「ひんぎゃぁぁぁぁ!!」

 

 頭掻きむしる束なんて、初めて作ったISを学会の爺共に全否定された時以来だ。珍しいというか、もう懐かしいレベルだ。

 そんな束を見て、クロエの方は逆に落ち着きを取り戻したようだ。

 

「どうやって記憶を……?」

「私のクラスに面倒な2人がいてな、そいつ等で記憶が戻った」

「はぁ……?」

 

 なんだそれは、という顔で首を傾げているが、説明してる私も訳が分からんよ。榊とオルコットのイチャラブで記憶を取り戻すってなんだ。

 

「まあなんだ、とりあえずは……」

 

 ちらっと未だ頭を掻きむしる束を見て

 

「こいつを持って帰ってくれ」

「……分かりました。それでは失礼します」

 

 クロエはそう言って頭を下げると、束に近付き

 

「束さま、帰りましょう」

「無理だよくーちゃん! どうやって記憶が戻ったのか、いっくんに直接会って確認――」

「えいっ」

 

――ゴンッ!

 

「あがぁっ!」

 

 ワガママを言う束の脳天にスパナを叩きこんで黙らせると、どこにそんな力があるのか分からないが束を肩に担ぎ、光学迷彩でも起動したのか姿が見えなくなった。

 ……気配も感じなくなった。どうやら本当に出て行ったようだ。

 

「やれやれ……」

「織斑先生、ここでしたか」

「更識姉か」

 

 どうやらクロエがドアを開けっぱなしで出て行ったらしい。生徒会長の更識姉が廊下から私を見つけると、指導室に入ってドアを後ろ手に閉めた。

 

「私を探していたのか?」

「はい、報告しておきたいことがありまして」

「……それはIS学園の生徒会長としてか? それとも、日本の暗部を司る更識家当主としてか?」

「両方、です」

 

 両方。つまりIS学園に関係し、同時に日本という国自体にも影響のある話。どうやら、面倒事のようだ。

 

「とある"半島国家"の動きが活発化しています」

「そんなの、20世紀末からずっとだろう」

 

 更識のいう半島国家がどこを指しているかなど、聞くまでもない。

 ISが台頭している中、未だに弾道ミサイルを嬉々として開発している度し難い国のことだ。ISに簡単に迎撃されるからと、米露がさっさと放棄して浮いた維持費を別の兵器開発に回している今のご時世に、な。

 

「それだけならいいんですが……どうやら『潜伏組』も活性化しているようで」

「ちっ! 面倒な……」

 

 潜伏組。かつて半島の南側がまだ独立国家だった頃、数々の国際的失策によって海外在留の半島人は本国へ強制送還されていたが、中には強制送還を逃れその国に潜伏した連中も存在する。そして半島統一後は、国際社会から孤立した国に代わって情報収集を行うスパイと化しているのが現状だ。

 

「その潜伏組の一人を先日捕らえることがあったのですが……」

「……どうした?」

「連中は、日本にいる"男性IS操縦者"の暗殺を目論んでいるそうです」

「何だと……!?」

 

 奴等……また一夏を……弟を狙おうというのか……!?

 

「しかしなぜ織斑を狙う? 今更あいつの命を奪ったところで意味はあるまい」

 

 そう疑問を口にすると、更識姉は手で目を覆うように頭を抱え、ため息を一つ。

 

「ありませんよ。そもそも連中は国益より感情を優先する生命体ですから」

「……それもそうか」

 

 確かに更識姉の言う通り、連中が長期的な利益を計算出来るなら、ISコアを壊した際にあんな行動には出ないはずだ。

 そうなると、今回の件も『自分達のプライドを傷付けたことに対する報復』という無茶苦茶な理由によるものか。

 

「なお面倒だな」

「はい、面倒です」

 

 感情で動いている奴に言葉は通じない。そうなるとこちらも、殴るか殴られるかの2パターンしか選べない。そして、正当な理由もなくむざむざ殴られる道理もない。

 

「その話、私以外には?」

「日本政府高官と学園長には。それ以外は誰も」

「分かった。他の教師陣には私から伝えておく。そっちは"更識"として動いてくれ」

「分かりました」

 

 政府側の対応を更識に任せ、私は学園側の方に集中することにした。

 さて、まずは各学年の担任と、山田先生に伝えるとするか……。

 

ーーーーーーーーー

 

「はぁ……! はぁ……! ゆ、悠人さん、も、もう……!」

「セシリア、もうちょっと頑張ってくれ」

 

 そう俺が言うものの、セシリアの方も軽く息が上がり始める。

 その体がガクガクと震える度に、艶めかしい吐息が漏れるのがここからだとよく聞こえて来る。

 もう少し、もう少しで……だが、

 

「こ、これ以上は耐えられませんわぁ!」

 

 限界を告げてセシリアが顔を振り上げると、伝っていた汗がキラキラと舞う。

 そして机の上には、

 

 ガラス瓶と、中で底の部分だけが組み立てられた船、そして今さっきセシリアが放り投げたピンセットがあった。

 

 

【英国貴族ですから!】ボトルシップに挑戦ですわ!【セシリア・オルコット】

 

 

 コメント:即落ち2コマ

 コメント:配信開始から30分も経ってないんですがそれは

 コメント:お嬢なんつー声出してんだよww

 

 

 事の発端は、セシリアがボーデヴィッヒの部屋へ行ったことだ。

 なんでも、放課後にまーやんがとある書類を渡すためにボーデヴィッヒを探していて、その場にいたセシリアが代わりに渡すよう頼まれたんだとか。

 まあそれはいい。問題なのは、セシリアが部屋に入った時、ボーデヴィッヒがボトルシップを作っていたことだ。

 

『半分趣味だがな。集中力を鍛えるのにちょうどいいのだ』

 

 それを見て聞いたセシリアが

 

『わたくしもやってみたいですわ!』

 

 と言い出したわけだ。

 で、やってみた結果がこれである。久々なのもあってYoutubeで配信もしてみたが、これはやめておいた方がよかったか?

 

「英国貴族の失態を、全世界に配信しちまったな」

「ま、まだ負けてません! 負けてませんわ! ちょ、ちょっと集中力が切れただけですわ!」

「じゃあ、続けようか」

「あ、その……ちょっと休憩いたしません?」

 

 俺の返事を聞く間もなく、セシリアはそそくさとキッチンの方へ消えていった。逃げたな。

 

 

 コメント:決意弱っ!

 コメント:お嬢逃げたww

 コメント:マジかよ那珂ちゃんのファンやめます

 コメント:なんでや那珂ちゃん関係ないやろ!

 

 

「悠人さん、お茶が入りましたわ」

「それ飲み終わったら、再開するか」

「そ、そうですわね……」

 

 ティーセットの乗ったお盆を持って来たセシリアの口元が引き攣った。そんなに嫌なら、素直にギブアップすればいいものを。

 まあいいかと思って、出された紅茶を飲んだところで、壁にかかっているカレンダーが目に入った。

 

「そういえば、もう12月なんだよなぁ」

「はい。早いものですわね」

 

 4月にIS学園に入学したから、かれこれ8カ月経ったのか。

 この世界には亡国機業は無いし、エクシアも普通にいるからエクスカリバー編は無いだろうし。平和でいいことだ。

 あ、それは別として、重要なイベントがあるじゃん。

 

「それで、何が欲しい?」

「はい?」

「誕生日、今月だろ」

 

 そう、12月24日はセシリアの誕生日なのだ。

 原作世界では衛星兵器『エクスカリバー』の暴走を止めるため、ワンサマー達専用機持ちが英国へ行くことになるんだが、この世界ではそんなイベントは無い。

 

 

 コメント:お嬢今月誕生日なのか

 コメント:でもお嬢って、英国貴族なんでしょ?

 コメント:行くぞ英国嬢! 資金の貯蔵は十分か!

 コメント:Fateネタやめいw

 

 

「悠人さんとの子供――」

「やめい」

 

 セシリアさんや、配信中に何を言い出すのかな?

 

「そう言われましても、わたくしは悠人さんからもう十分にいただいておりますから」

 

 そう言って、セシリアが右手を、正確にはその薬指にはまっている指輪を見せる。

 

「それに、いつも悠人さんにはラブをいただいておりますわ❤」

「そうかーラブかー」

「はい❤」

 

 そんな可愛いこと言いつつ、セシリアは座っていた俺の膝の上にライドオン。

 なら、もっと可愛がってあげないとなー。(セシリアを後ろから抱き締め)

 

「あんっ❤ 悠人さん、配信されてますわぁ」

「分かってて膝上に乗ったろうに、今更かよ」

「だって、我慢出来なかったんですのぉぉ❤」

 

 俺の胸に頬擦りしておいてよく言うよ。可愛い。

 

 

 コメント:あまぁぁぁぁぁぁぁい!!(1ヵ月ぶり)

 コメント:久々の配信、久々のてぇてぇ

 コメント:話変えちゃうけど、配信してなかった1ヵ月何してたの?

 

 

「修学旅行で京都に行ってたな」

「そうですわね。最後の配信が運動会の時でしたから」

「ちなみに内容は秘密な。織斑先生、ブリュンヒルデから箝口令が敷かれてるから」

 

 

 コメント:京都に修学旅行、定番だな

 コメント:箝口令って何あったんだよ……

 コメント:箝口令が敷かれる修学旅行とは一体

 

 

 仕方ないんだよ。イタリアの国家代表がストーカーだったとか、ワンサマーの記憶が(一時的にとはいえ)消されたとか、表に出したら色々荒れそうなもんばっかだったんだから。

 

 

 

 結局、セシリアが蕩け切ったために、ボトルシップ作成は配信共々終了となった。

 三日坊主どころか、1日も持たなかったな。

 

「つ、次の配信では完成させて見せますわ!」

「……嘘だったら頭撫ぜ撫ぜ無し」

「やっぱり諦めますわ」

 

 そこでちょろイン属性出さんでもろて。




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……この世界の束はもはや見る影もないよばっちゃ。
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