セシリア・オルコットとイチャラブしたいッ!! 作:シシカバブP
アイリス姫の、ワンサマー勧誘(強制)計画は白紙に戻った。というか、大尉さんとセシリアによって完膚なきまでに破かれ白紙すら残らなかった。
で、お姫さんをボコった二人は今どうしているかというと
「悠人さ~ん❤」
「セシリア~」
「にゃ~ん❤」
俺とセシリアはいつも通り、寮の食堂で食事を――
「いやいやおかしいからっ!!」
「ん? どうかしたかシャルロット?」
「どこがいつも通り!? いつも"以上"でしょこれ!」
「そうか?」
「そうだよ!」
「もうシャルロットさん、食事の邪魔をするのはマナー違反ですわよ?」
「なんで僕が怒られてるの!?」
納得いかないって顔してるが、納得しなさい。ほら、そこで悟りを開いてるヴィシュヌのように。
「ささっ、悠人さん」
「ほいほい。それ~(フォークでミートソースのかかったペンネを刺してセシリアの口元へ)」
「ん~❤」
「ん゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぁ゛ぁ゛あ゛あ゛!!」
「はーいのほほんさーん、落ち着きましょうね~」
「かなりんも、悟りを開き始めたよね……」
「前までは変な宗教を開いてたから、それに比べたらマシかもね」
なんかのほほんさんが、両手にフォークとナイフ握って踊ってるんだが。
そののほほんさんを、かなりんが後ろから抱き締めて頭を撫ぜるというカオス。一体何があったんだ?(すっとぼけ)
「あ、あの、クラリッサさん? そんなに右腕組まれると、食べにくいんですが……」
「そうよ、いい加減一夏から離れ」
「断固拒否します」
「なぁ!?」
「しかももっとくっ付きます」
「ちょっとぉ!?」
「あ、あああああ、当たってる! 何がとは言えないけど、当たってますってぇぇ!」
「く、クラリッサ? 義兄上も食べにくいと言っているし、そろそろ……」
「嫌です」
「クラリッサ!?」
昼に鼻血を吹いてからというもの、大尉さんが吹っ切れたようだ。
逆にワンサマーが、大尉さんに押されてるという。
「それで、お姫様達はどうなったんだ?」
「あら? クラリッサさんが」
そう言って、セシリアが大尉さんの方を向いた。
大尉さんと目が合う。そしてこちらが言いたいことを察したのか、ブンブンと頭を横に振られた。
「相川さんや」
「私達も一緒にアリーナを出てったじゃん」
「そうだった」
え? ということは、フルボッコにされたお姫様と騎士団長を、そのまま置いてった?
「おぬしらぁぁぁぁぁぁぁ!!」
おっ、心配しなくても自力で戻って来たみたいだ。まだ若干涙目だが。
そして後ろから騎士団長も……小鹿みたいに足をプルプル震わせながら追従してきた。
「なんですか、まさかもう1戦したいとか」
「も、もういい! そんなことは言うておらん!」
「では、一夏君は諦めてお帰り――」
「いいや!」
するとお姫様はバンッ!と手に持っていたらしい紙をテーブルに叩きつけた。
ワンサマーとハーレム達はもちろん、俺とセシリア、近くに座っていたクラスメイト達も叩きつけられた紙を覗き込む。
「転入……申請書~!?」
「しかも、『承諾』のハンコが押してあるし……」
「こ、これからは学友じゃのう、一夏!」
「は、ははは……」
うわー、このお姫様、諦める気全然ないやん。
「ちょっと待て! さっきの決闘はどうなるんだ!?」
「そうよ! まさか反故にする気じゃないでしょうねぇ!?」
「反故などと、そんなことはせん。わらわは約束通り、一夏を世話役にするのは諦める」
「なら……」
「だが、一夏を、は……」
「伴侶にするのは諦めておらんぞ!」
「「「「「はあぁぁぁぁっ!?」」」」」
「なななな、何を言っているのですか!?」
「ええいっ! 正妻の座は譲ってやるから、わらわにその場所を譲るのじゃ!」
「譲るわけないでしょう!」
「独占欲の強い女は飽きられるぞ?」
「ファー!? いいい、一夏君!? そんなことありませんよねぇ!?」
「いや、そんなことは……」
「それとも一夏は、わらわのことが嫌いか……?」
「いや、そんなことは……」
「なら問題あるまい!」
「「「「……」」」」
お姫様、もといアイリスと大尉さんの応酬に、旧ハーレム達は付いて行けず呆然と立ち尽くしていた。
というか姫さんよ、第七王女とはいえ、自分から側室宣言していいのか?
「お二人共、ここにいたんですね」
「おお、真耶よ」
「山田先生です。アイリスさんもIS学園の一生徒になりましたから、呼び方に気を付けてくださいね」
「う、うむ。承知したぞ、山田教諭」
「はい♪」
普段あだ名でばっか呼ばれてるからか、まーやんめっちゃ嬉しそうだな。
「それで山田教諭、何故わらわを探しておったのじゃ?」
「ああ、そうでした。転入に当たって、制服を用意する必要がありまして」
「制服か。確かIS学園では、制服のカスタムが可能とあったが」
「はい。校則の許容範囲内であれば自由です。ですが、そうすると出来上がるまで時間がかかるので……」
「なるほど。ではしばらくはサイズが合う既製品を着て間に合わせるとしよう。ジブリル、行くぞ」
「はっ。おいそこの下男」
「は?」
おいおいこの騎士団長、また俺のこと下男って……もしかしてケンカ売られてる?
「あのー、ジブリルさん? 榊君のこと下男って……」
「何を言っている。このIS学園で織斑一夏以外の男など、下男以外いないだろう」
「「「「「えっ?」」」」」
「な、なんだ? 何がおかしい?」
まさかの発言に、話を聞いていた全員(主従コンビを除く)の目が点になった。
「まさか、"2人目の男性操縦者"のことを知らない……?」
「いやいやまさか、仮にも王族の護衛だよ? そんな人が知らないなんて……」
「それに榊君のことって、織斑君ほどじゃないけどニュースになってたし……」
「え? え?」
全方位からの視線に、騎士団長が固まる。
恐らく気分は『またオレ何かやっちゃいました?』だろう。
「えっとですね、榊君は……」
そんな騎士団長に、まーやんが俺のことを懇切丁寧に説明。その結果、
「申し訳ございませんでしたぁぁぁぁぁぁぁ!!」
トネ○ワもビックリの土下座である。熱した鉄板の上じゃないけど。
「(というか、ここまで
「(当然ですわ。悠人さんは我が英国の代表候補生、それを下男呼ばわりしたと世間に知られれば、最悪英国と公国で戦争ですわ)」
「(マジかよ)」
代表候補生の肩書、思ってたよりも重かったでゴザル。
「す、すまぬ。ジブリルの事、許してはくれぬか」
「ひ、姫様!?」
さらに姫さんも頭を下げてきた。さすがに部下の失態で戦争になったらシャレにならんからな。
そんでこれ、もし許さなかったら逆に俺が悪者だよな。実質一択じゃん、ズルいなぁ。
「あー、謝罪は受け取った。英国に報告もしないから、はよ山田先生と用事を済ませてきな」
「おおっ、感謝するぞ! それでは山田教諭、制服を」
「はーい。それでは付いてきてくださいねー」
ホッとした姫さんを連れてまーやんが食堂を出て行くと、騎士団長もそそくさとその後を追って姿を消していった。
「な、なんか怒涛の展開だったわね……」
「ああ、まったくだ」
鈴と篠ノ之の掛け合いに、全員が頷いた。
しっかし、これで3学期の面倒事は無くなったな。
いや、油断はできないか。
原作だと、ここから「紅椿事件」――篠ノ之博士が倉持技研で試作中のIS『
(肝心の倉持技研がなぁ……)
白式のメンテチーム以外は解体されてるって話らしいし、今更新しいISなんぞ作れないだろう。
その後のイベントについても、亡国機業が存在しないこの世界じゃ、そこまで心配することも無いと思うし。……まさか別ルートでワンサマー、刺されたりしないよな?
「悠人さん、どうかなさいまして?」
「ああいや、何でもない」
それより、さっさと飯を食おう。そう言おうとした瞬間だった。
「う……っ!」
「クラリッサさん?」
――ガシャァァンッ!!
「クラリッサさん!?」
「きゃあああああっ!!」
大尉さんが倒れた。
ーーーーーーーーーーーーー
突然倒れた大尉さんを、ワンサマーがお姫様抱っこで保健室に運んで1時間ほど。
その保健室には、ワンサマーを始めとした専用機持ちが揃っていた。……なぜか俺とセシリアも。
「(なんで俺達も連れてきた?)」
「(し、仕方ないじゃない、気が動転してたんだから!)」
鈴に脇腹をド突かれた。照れ隠しにしても痛ぇよバカ。
「それで先生、クラリッサさんは!?」
「はいはい織斑君、落ち着いて、ね?」
保健の先生は興奮気味のワンサマーを手を振って抑える。
すると、保健室のドアが開いて、
「なんだ、お前達も呼ばれたのか?」
「千冬姉?「織斑先生だ(バシィン!)おぐっ!」
織斑先生とまーやんが。呼ばれたって、保健の先生に?
「それで、クラリッサ・ハルフォーフさんですが……」
「そ、そうだ! 大丈夫なんですよね!?」
出席簿アタックを受けて蹲っていたワンサマーが、再度保健の先生に問い質す。
すると、先生は頭を掻きながら
「ハルフォーフさんですが……」
「おめでたです」
戦略核レベルの爆弾が炸裂した。
「……はい?」
「妊娠5週目です」
さらに追撃も。
「……」
「「「「「はあぁぁぁぁっ!?」」」」」
「お、おおお、おめでたって、一夏ぁ!?」
「アンタいつの間にそんなことしてたのよぉ!?」
「5週目、つまり1カ月以上前から……」
「義兄上、まさか修学旅行の日に……?」
「そ、それはそのぉ……」
ハーレム勢の猛攻に、ワンサマーは何も答えることが出来ず後ずさりをし始める。
学生でこれは、さすがにマズいのでは……?
そうして俺もドン引きしていたら
「悠人さん!」
「おうっ!?」
横からセシリアに制服の袖を引っ張られて、正面を向かされた。
「わたくし達も子作りしましょう!!」
「何言ってんのかなぁ!?」
俺の嫁がトンデモナイこと言い出したんですが!?
「クラリッサさん達に先を越されてしまいましたわ! これは英国貴族の面子に関わります!」
「そんなことないからな? というか、まさか妊娠しながら学校通うつもりか?」
「悠人さんとの愛の結晶を宿しながら登校……っ!」
「おーい、戻って来ーい」
「真耶……私は弟の教育を間違っていたんだろうか……」
「はい」
「はっきり言うなぁぁ!」
この日の保健室は、カオスに包まれていた。
いや、これから卒業までずっとカオスなのは、今更言うことでもなかったか。
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……次回は打ち切りEDだよばっちゃ。(壮大なネタバレ)