目が覚めたら黒服の娘だったんだが…   作:菱野 モチ

11 / 52
前回、先生がゲームを買い与えているのにも関わらず「やったことがない」というクソガバをやってしまい自殺を図った作者です。大変申し訳ありませんでした。
今回からしばらく曇らせ要素が薄れます。曇らせ好き兄貴たちはご容赦ください。
曇らせ苦手兄貴たちはつかの間の安息をお楽しみください。
こうやって関わる人を増やして…ドカンですよ。


お偉いさんに会いに行こう!~連邦生徒会編~

おはようみんな、俺だ。

昨日はちょっぴり想定外のこともあったが、ゲーム部の皆とも友達になれたので概ね良い日だったと思う。

この調子で、第三、第四の推しともねんごろな仲になりたいところ…

 

「それで、今日なんだけどね…フーコ?聞いてる?」

 

「…あっごめんなさい、ボーっとしてました…」

 

「今日はどうしても連邦生徒会に手伝いに行かなきゃいけないから、フーコはここでお留守番してもらおうかなって…」

 

お留守番ん!?冗談じゃない。いつ黒服が迎えに来るか分からないのだ。時間は少しも無駄にできない。

 

「…は…はい。わかりました…」

 

断りたい気持ちを押し殺し、元気なさげに呟く。下手に抗議するよりも、この人にはこっちの方が有効だろう。

 

「…フーコ、私言ったよね。嫌な時は嫌って言って良いって。」

 

真剣な顔で俺の肩を掴み、真っすぐな瞳で俺を見る先生。ずっとこの顔なら彼氏の一人や二人すぐできただろうに…

 

「一人は寂しいんだよね?分かった、一緒に行こう。」

 

俺は何も言ってないのだが、トントン拍子に事が進んでいる。ラッキー!

 

 

 

 

 

「じゃあ私は仕事してくるから。フーコをよろしくね。カヤ」

 

「ちょっと待ってください!なぜこの私がベビーシッターなど…」

 

「あなたが一番仕事が少ないからよ。」

 

青髪エルフ耳が特徴的な先生の愛人、扇喜アオイが冷淡に告げる。

 

「じゃ、よろしくね。フーコ、良い子にしてるんだよ。」

 

防衛室のドアが閉められる。俺と超人二人きりになってしまった。

 

「くそぅ…なぜ私がこんな…覚えててくださいよあの女…」

 

何だか事がうまく進みすぎているような気がして怖いのだが、例によってこの女、不知火カヤは俺の5番目くらいの推しである。

俺はもしかしたら小物キャラが好きなのかもしれない。見切り発車で色々やって全部失敗するところなんかがとても愛らしいと思う。超人(笑)さんさぁ…

 

「…ちょー…じん…」

 

さっきまで青筋を浮かべ、崩すことのなかった柔和(?)な笑みをやめ、こちらを振り返るカヤ。そうそう、このヤギみたいな目も好みなんだよなぁ…

 

「今、『超人』と言いましたね!?この私を!!」

 

アホ毛をブンブン振りかざし、興奮した様子で詰め寄ってくるカヤ。自称はするものの人に言われたことなかったんやろなぁ…

 

「なかなかどうして見る目のある、聡明なお子さんではないですか!…いえ、こんな幼子にも理解できるほどに私のオーラ!カリスマ!が溢れている、ということですね!!」

 

自画自賛の後、高らかに笑うカヤ。騒がしいやっちゃな…

しかし、どうやら気に入ってもらえたようである。

 

「待ってください、今何か遊び道具を…あなた、将棋は打てますか?」

 

こんな幼子相手に自分の得意分野を持ってくる、これがカヤクオリティです(意味不明)

普通幼女は将棋できねぇから…『フーコのおしごと!』始まっちゃう…

 

「ご安心を。私は飛車角金銀落ちで構いませんから。」

 

超人にはこの程度、ハンデにもなりませんと豪語するカヤ。ガキが…舐めてると…

 

 

潰されました。なんで?

流石に趣味:将棋と言うだけのことはある。上手い人の桂馬は動きが良いと聞いたことがあるが、まさにその通りだった。

この能力を是非政治に活かして頂きたいところである。

 

「ちょーじん…すごい…」パチパチ

 

「そうでしょうそうでしょう!私は凄いんです!もっと讃えてください!」

 

滅茶苦茶に調子に乗るカヤ。承認欲求やら自己顕示欲やらが凄い満たされているのだろう。

こんなんでガス抜きになるならいくらでも褒めてあげようではないか。(聖母)

 

 

人を褒める際の語彙を使い切って褒め讃えた結果、凄く肌ツヤが良くなっている。

コイツひょっとして、滅茶苦茶チョロいのでは…?

 

「いや~…やっと私の偉大さを正当に評価する人間に出会えましたよ…」

 

ほくほくした顔でコーヒーを淹れ始めるカヤ。コーヒーの種類なんぞ何もわからないが、なんか高そうなのは分かる。

 

「これは私が最も気に入っている品種です。あなたには少し苦いかもしれませんが…」

 

そう言って、マグカップを手渡してくるカヤ。マグカップにもしっかりと『超人』ロゴが入っている。だせぇ…あと幼女は普通コーヒー飲まんしせめて砂糖を入れろ。

 

「ありがとうございます…」

 

熱さは感じるので息を吹きかけて冷ましつつ、高級そうなコーヒーを頂く。うーん、味がしない!ただのお湯!

 

「砂糖もミルクも必要としないとは…あなた、『分かって』ますね。ますます気に入りましたよ…」

 

謎の高評価と共にクッキーを頂く。

 

 

「…ということがありましてね?超人であるこの私をこき使うんですよあの女…絶対私の方がうまく民衆を支配できるというのに…」

 

コーヒーが半分減ったあたりから、カヤの愚痴タイムが始まる。適当に相槌を打って聞き流す。誰かに聞かれたらヤバそうな内容も時々聞こえてくるが気にしない。

 

「お待たせ―!思ったより長くなっちゃったー!」

 

ノックもせずに防衛室のドアが開かれ、先生が入ってくる。

 

「先生…先ほどの話、聞かれてましたでしょうか…?」

 

ノックしない先生を咎めることも忘れ、焦った様子で聞くカヤ。敬語が渋滞を起こしている。落ち着け。

 

「んー?いや、何も聞こえなかったけど…それよりフーコ、良い子にしてた?」

 

「ええ、あなたには勿体ないほど良い子でしたよ。先生。どうです?私に譲ってもらっても良いんですよ?この『超人』不知火カヤに!!」

 

「うーん、仲良くなれたのは良かったけど、あげるわけにはいかないなぁ~」

 

「そうよ。あなたはまず自分の仕事をやり遂げなさい」

 

「…はい?今日の私の仕事はフーコの面倒を見ることでは…」

 

「何甘ったれたこと言ってるの。ほら、あなたの分の書類よ。」ドカ

 

「ぐぎぎぎ…覚えておいてくださいよ…絶対に左遷してやりますから…

 

「何か言ったかしら?」

 

「いえ!何も!」

 

「そう。ならさっさとやりなさい。先生、今日は助かったわ。ありがとう…今度何かお礼をしたいから、空いてる日を教えてくれる?」

 

「分かった!後でモモトークに送っとくね!」

 

微笑ましい光景の隅、完全に死んだ顔で書類を捌く超人。アホ毛までシナシナになってしまっている。

流石に可哀想だし、今日はお世話になったので挨拶くらいはしてから帰るとしよう。

 

「ちょーじん、がんばれ!あと、きょうはありがと…」

 

「あぁああなんて可愛らしいんでしょう!私の味方はあなただけですよぉ…先生、やっぱりこの子くれませんか?」

 

「あげるのは無理だけど、また来るからさ。」

 

「う”うぅう…あ、そうです!良い子のフーコにプレゼントを差し上げましょう!確かこの辺に…あぁ良かった、ありました。」

 

「超人Tシャツ~!!」

 

「…前々から言おうと思っていたのだけれど、あなたってセンスが壊滅的よね」

 

「…いや?私は良いと思うよ?個性的で…」

 

各々カヤが自慢げに取り出したクソダサTシャツの感想を述べる。残念なことに、肯定的な評価は得られなかったようだが…俺は、

 

なんやこれ…ええやんけ!!

 

とこの場でただ一人(二人)思っていた。

前世からこういった変なTシャツには目が無いのだ、俺は。

 

「…せんせー。これ、きてかえってもいい…?」

 

「う”えぇ!?ま、まあ?フーコが良いなら私は別に良いけど…」

 

「あなた、大丈夫?これに気を使うことなんか無いのよ?」

 

めっちゃ心配するやん。そんなひどい?この服。

 

「あらら!?誰のセンスが悪いんですって?ねえ財務室長!?」

 

鬼の首を取ったようにふんぞり返るカヤ。

 

「…そんなに元気なら、もうちょっと書類を増やそうかしら。」ドォン

 

「ンアーッ!書類が多すぎます!」

 

言わんこっちゃない。ちょっとと言いつつさっきの1.5倍くらいの書類を追加されている。一体なんでそんなに書類が必要なのか…

ままええわ、さっさと着替えてお暇しよ。

 

「んしょ…」ヌギ

 

「フーコッ!」

 

すごい剣幕の先生に止められる。あぁ、傷跡(これ)か。

 

「別室で着替えてから帰ろうね?アオイ、どこか場所ある?」

 

「え、ええ…一階にロッカー室があるから、そこを使ってちょうだい。あと、急に大きな声を出してどうしたの?」

 

「いやね?今日特売の日だったなーって。今急に思い出したの。」

 

「はぁ…あまり驚かせないでちょうだい。」

 

「あはは、ごめんごめん。さ、行こっかフーコ。カヤ、今日はありがとね。」

 

「ちょーじん、ありがとう。またね。」

 

別れを告げ、先生がドアノブに手をかけた時だった。

 

「お待ちを。」

 

いつになくシリアスな雰囲気で先生を呼び止めるカヤ。貫禄すら感じるその佇まいに、尻もちをつきそうになる。

一体なんだと言うんだ…

 

()()()()()()、私にも詳しく教えて頂けますか?」

 

そこにはいつもの胡散臭い笑顔はなく、悪魔を思わせるその眼は先生を見据えて放さない。

ちょうど罪人が地獄で裁判を受けているようだった。

いや、特売の話でそんなにガチになることある!?

 

「…分かった。後で電話するよ。」

 

こっちもガチな雰囲気を醸し出す。そんなに特売について教えたくないのだろうか。

どこのお財布事情も大変なんだなぁとしみじみ思った。

 

 

 

 

 

なおその帰り道、すれ違う人全員に二度見されたのは言うまでもない。




めちゃくちゃ暇で作者を応援してくださる方、ブルアカのメインストーリーについて作者に教えてください、できれば個別メッセージで。
曇らせポイントだけでも構いません。解像度を上げるため、できれば協力願いたいです。
先生方、力をかしてくれぃ!

先生のファインプレーにより曇らせ犠牲者を減らすことに成功…と思いきや、一瞬の出来事であってもカヤは見逃しません。超人なので。
財務室長はフーコよりも先生を熱烈に見ていたのでガチで気づいていません。

↓作者のガバを補填するための言い訳後付け設定↓
フーコが時々敬語じゃなくなる時がありますよね。その時は主人格がちょっと出てきてます。フーコに自覚はないですが。
カヤに対してはそれ関係なしにわざと敬語を使ってません。

黒服娘完結後、読みたい小説

  • 自分の身体削りオリ主による過去おじ曇らせ
  • 自己肯定感激低オリ主によるラブコメ曇らせ
  • 黒服娘のifルートとか後日譚とかまとめ
  • ヒロアカの曇らせ
  • 呪術の曇らせ
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。