目が覚めたら黒服の娘だったんだが…   作:菱野 モチ

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ちょっと受験関係で忙しくなるため、投稿頻度が落ちます。週一投稿出来たら嬉しいな…くらいに思ってください。
今朝日間ランキング見てみたら15位でびっくりしました。あと評価に色がついててびっくりしました。応援ありがとうございます!
あと、コメ欄や活動報告の方で曇らせ隊のみなさんからたくさんネタを頂いております。ありがとうございます!
黒服娘はなんとか完結させてから受験勉強に力を入れようとは思っていたのですが、厳しそうです…
お待たせすることはあっても絶対にエタらせないので、そこはご安心を。


お偉いさんに会いに行こう!~ゲヘナ学園編~

「フーコ、今日は楽しかった?」

 

連邦生徒会に依頼された仕事の手伝いも終わり、フーコと二人で家路につく。

 

「うん!ちょーじん、すごかった…」

 

「そかそか。それは良かったよ。あと、私に敬語使うのやめたんだね?」

 

「あっご、ごめんなさい…」

 

「いやいや、このままでいいよ。その方が私も嬉しいからさ。」

 

「そうでs…そう?じゃあやめまs…やめる。」

 

まだ不慣れな様子で喋るフーコを見て、自然と頬が緩む。

きっとこの子の傷が完全に癒えることはないだろう。まだ幸せな未来には程遠いかもしれない。でもこの子は一歩ずつそれに近づいている。いつかはそれを手にできる。

何の確証もないが、そんな気がした。

 

「良い子にしてたみたいだし、帰りに何か買って帰ろうか。何か食べたいものある?」

 

「とくには…」

 

「若いんだから遠慮しなくても良いのに~…じゃあ、ケーキでも買って帰『プルルルル!』…ごめん、電話だ…もしもし?先生だよ。」

 

『先生!今どこにいます!?すぐ風紀委員会に来れますか!?』

 

耳を近づけなくても聞こえるほどの大声で叫び散らすアコ。実質スピーカーモードである。

 

「そんなに慌ててどうしたのアコ。何かあったの?」

 

『どうもこうも無いですよ!ヒナ委員長が限界なんです!くそくそ万魔殿(パンデモニウム)がまた大量に仕事を押し付けて来た上に確保していた美食研究会が脱走、おまけに温泉開発部による暴走のせいで…』

 

ゲヘナはいつも通り平和である。ヨカッタネー

 

「………分かった。すぐに向かうよ」

 

『あぁ良かった!これでヒナ委員長が人殺しにならなくて済みますよ…』

 

どうやら相当頭に来ているようだ。相変わらずマコトは空気を読まない。というか考えなしである。まあそこが彼女の美徳でもあるのだろうが。

 

「ほんっとうにごめん!先生、またお仕事入っちゃった…すぐにシャーレの誰かを呼ぶから、先帰っててくれない?」

 

「えっと…いっしょ、だめ?」

 

上目遣いでお願いされる。正直フーコの教育に悪いので会わせたくない人が何人かいるし、幼女の手前イオリの脚を舐めることもできなさそうなので、私一人の方が都合が良いのだが…

 

「…ごめんなさい、やっぱり…」

 

「行こっか」

 

「え…?」

 

即答してしまった。フーコの我儘なんて珍しいし、あんな顔されて断れる人間なんて存在しないだろう。

まあ、私が付いてるし危ないことも無いだろう、多分…

 

 

 

 

「アコ!放しなさい!もう我慢の限界よ。今日こそ息の根を止めてやる!!」

 

「おやおや、ゲヘナ学園のトップ、ひいては貴様らの上司でもあるこのマコト様に対して随分な物言いではないか。ええ?ヒナ!」

 

前言撤回。相当教育に悪そうな場面に遭遇した、しかも危険そうである。

よくもまあこんな場に私を呼んでくれたもんだ。

 

「あっ先生!来てくださったんですね!ほら委員長、先生が来ましたよー」

 

「はぁ…随分と賑やかだね。マコト?」

 

「な、何故私だけなんだ!私は書類仕事の手伝いでもしてやろうと…」

 

「嘘を付くな嘘を!煽りに来ただけだろ!」

 

とイオリ。みんな相当限界が来ているようだ。

 

「せんせぇえ…」

 

シナシナになってしまっているヒナを抱え、別室に移動する。ガス抜きは大切だが、マコトの手前大っぴらにやるわけにもいかないので致し方なし。

 

「まっ待て!どこへ行くんだ先生!…ん?」

 

完全に空気に流されそうになっていたマコトが口を挟む。そして、ドアの影に隠れていたフーコを見つける。しかし抱えたヒナも小刻みに振動し始めた。あぁあまずいぃいぃ!

 

「ごめん風紀委員のみんな!フーコをよろしく!」

 

フーコと皆に悪いとは思いながらも、そそくさと部屋をあとにする。

 

 

 

 

 

 

ごきげんよう、貴様らの羽沼マコト様だ。今日は嫌がらせ抜きにシンプルに仕事がハンパなく多かったので、少しは手伝ってやろうと風紀員会の方にこの私自ら赴いてやったというのに雰囲気がピリピリしていた上に空崎ヒナに危うく殺されるところだった。

まあ本気ならあの妖怪エラ呼吸女の拘束なぞものともせず私の首を狙ってきただろうから、まだ理性が残っていたのだろうが…あそこまでキレられたのは初めてだ。

危うく高貴にして優雅に小便を漏らすところであった。

 

そんな危険状態のヒナを抱え、誘拐しようとする先生を止めようとしたところで、ドアの影に居た少女と目が合う。

か…可愛い…!!

うちのイブキにはまだ及ばないが、セミロングツートンカラーのさらさらヘアーに整った顔、怪しく赤色に光る瞳も最高だ。

しかし、こんな生徒は見たことがない。こんな可愛らしい子、しかもヘイローが無いとなれば噂になっているはずだが…まさか先生の隠し子か!?

 

「そっ、その子から離れてください!」

 

風紀委員で一番弱っちそうな眼鏡…たしか火宮チナツとか言ったか…がこちらに銃を向けながら言う。本当に、随分な扱いである。普段の態度を改めるべきなのかもしれない。

 

「待て、貴様らはこいつが誰か知っているのか?」

 

「「「…」」」

 

嘘だろ?誰も知らないのか…?

 

「まあ、誰かは正直分かんないけどさ…先生の頼みなら、守るしかないよね?」

 

「同感です。」

 

「まったく、貴様らは私のことをなんだと…おい。アイツらの方に行ってくれ。このままじゃ私がハチの巣になる。」

 

フーコと言ったか…謎の少女に『向こうに行け』とジェスチャーで示す。しかし、少女は動く気配を見せないどころか、私の上着の裾を掴んで離さないではないか。

 

「おい、どうしたんだ?早く向こうに行くんだ。」

 

少し怯えたような様子を見せ、恐る恐る口を開く少女。

 

 

「へんたい、こわい…マコトさまがいい…」

 

 

「はあ!?誰が変態ですか!!」

 

「クク…キーッキッキ!!おい変態女!フーコが怖がっているだろう!早く『普通の』服を着てこい!早く!」

 

自分は一度しか名前を出していないはずだ。それなのにしっかりと名前を覚え、さらに私を慕っている少女。私の溢れるカリスマがそうさせるのだろう。

そんな子が怖がっているというのなら、助けてやらねばなるまい。

 

「それは私も同感です。」

 

「そうだね。さっさと着替えてきなよアコちゃん。」

 

「ぐっぐぐ…覚えててくださいよ。ここにいる全員…」

 

「窒息しないように気を付けるんだぞ!キーッキッキ!」

 

泣きながら退出する行政官。まったく、何なのだあいつは…

 

「よし、変態は去ったぞフーコ。」

 

「ぜんしんタイツもこわい…」

 

妖怪全身赤タイツ眼鏡を指差し、そう続けるフーコ、なるほど。確かに普段着が一体型のタイツ、しかも赤色とくれば恐怖を感じるのも当然だろう。

 

「というわけだ。貴様も着替えてこい。」

 

「なっ…ちょっ!私はあれほど酷くありません!」

 

「黙れ。背比べをしている暇があるのなら着替えろ、どんぐり共が。」

 

半泣きで退出する一般風紀委員。風紀委員にまともなやつはいないのか…?

しかしこんな終わっているところに滞在するのはいささかフーコが気の毒というものでは無かろうか?

膝をつき、フーコに耳打ちする。

 

「なあ、万魔殿(パンデモニウム)…私の家に来てみないか?安心しろ、危ないことはしないから。」

 

「や…でも、せんせーが…」

 

「大丈夫、ちゃんと連絡しておくから。」

 

「じゃ…じゃあ、いってみたいです!マコトさまのおうち!」

 

「よし、では行こうではないか!」

 

「な…何話してんだよ、私の恰好はおかしくないだろ!?」

 

「本当にそう思うか?後ろの窓に今の自分を映してみると良い。」

 

「な…何もおかしく…「ではさらばだ!また来ることにしよう!」なっ!?」

 

「まっ、待て!」

 

銃を構える銀鏡イオリ。当たっても大してことは無いが、一応牽制しておくか…

 

「良いのか?手元が狂えばこの子が死ぬぞ?」

 

「ぐっ…くそ!」ダッ

 

「行くぞフーコ!このマコト様にしっかり捕まっているんだぞ!」ダッ

 

「でも…かいだん、けいびがいます…!」

 

「なぁに、階段を通らねば良い話だろう。離すんじゃないぞ?」

 

勢いよく廊下を駆け抜け、窓を開く。

 

「ここ3かいでs…きゃあぁあああ!!!??」

 

「キーッキッキ!しばらくこの子は借りていく!私一人に突破されるとは、訓練が足りてないのではないか?風紀委員会!ヒナにもそう伝えておけ!!」

 

久々の浮遊感を味わいながら、捨て台詞を吐く。

 

「くそっ!早く1階の部隊に連絡を…!」

 

大きく音を立て、着地する。カッコつけるために久々にやったが、結構痛い。主に腰が。

 

「慣れないことはするもんじゃないな…フーコ、大丈夫か?怖くなかったか?」

 

「はい…!たのしかった…!」

 

またやろう。何なら帰って万魔殿(パンデモニウム)の屋上からやっても楽しいかもしれん。

 

「私の車は…おぉ、やはりこの辺にあると思った!さあ車を出せイロハァ!!帰るぞ!!」

 

「随分早いお帰りで…おぉう。今度は誘拐ですか、マコト先輩…」

 

「人聞きの悪いことを言うな!今回は向こうに非がある!」

 

「はいはい、後でシメられても知りませんからね…」

 

ギュオンギュオンと物々しいエンジン音を轟かせ、車を出す。

 

「楽しみにしておくがいい、なんせ私の家のようなものなのだからな!」

 

「はい!たのしみです!」

 

「着いていく人間違えてるよ君…まあ、私もあんま人のこと言えないかもだけど…」

 

「何か言ったか?」

 

「いえ、何も」ギャギギギギ

 

「なら無意味にドリフトさせて音を出すのをやめてくれ」




俺はポンコツな女が好きなのかもしれない…
原作に比べ、マコト様が善良かもしれません、お許しを。
あと、フーコの好みは作者の好みとリンクしてるので、マコト様に着いて行ったフシがあります。幼女が増えて嬉しそうなマコト様は良いぞ…
便利屋の公式コミカライズ読みました。まだ読んでない人は是非読みましょう。
バニーとかチャイナとか着てる便利屋は最高や。
あとアコちゃんが思ったよりカs…頭ゲヘナで安心しました。

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