目が覚めたら黒服の娘だったんだが…   作:菱野 モチ

14 / 52
最近嫌なことが続きます。誰か助けて!
マコト様実装されんかな…割とマジで切実に実装されて欲しい。
ここからオリ設定注意です。


俺、推しと風呂に入りすぎ問題

声のした方へ走るマコト。つられて皆走り出す。

 

「あれ?でも向こうにあるのって…」

 

首を傾げるサツキ。

それもそのはず、声がした方には大浴場があるのみである。

 

「随分本格的ね…」

 

半ば呆れたようにヒナが言う。遅れながらもこちらに走ってくる先生の合流を待つことなく暖簾を押し退け、脱衣所に向かう。

 

「フーコ!イブキ!二人とも無事か!……なっ……?」

 

目の前の光景に言葉を失う。

 

「マコトせんぱいぃ…フーコちゃんが、フーコちゃんがあぁぁ…」

 

何も身につけず涙をぼろぼろと流すイブキ。その視線の先には

その小さな身体には持て余すほど、数多の痛々しい傷跡。

ただの怪我や事故でできる傷ではない。

当人はというと、申し訳なさげに床を見つめている。

 

「マコト?一体どうs…」

 

「入るなヒナ!ヒナだけじゃない、私が良いと言うまで誰も入るんじゃないぞ。」

 

続いて脱衣所に入ろうとする連中を制し、膝をつきイブキに目線を合わせる。

 

「イブキ、何があった?ゆっくりでいい。落ち着いて私に教えてくれ。」

 

「う゛ぅう…わたっ、わたしが…」

 

イブキの話を纏めるとこうだ。

遊び疲れたので冷蔵庫からコーラを出し、二人で飲もうと蓋を開ける

吹き零れて服が汚れる

着替えついでに入浴を提案、嫌がるフーコを半ば無理矢理連れてくる

 

そして今に至る、というわけだ。

 

「………フーコ、その…傷跡は、大丈夫なのか?もう痛まないのか?」

 

「はい、もうなれました…」

 

「水が染みたりはしないか?」

 

無言で頷くフーコ。

 

「よし、ならイブキと先に風呂に入るといい。ここは水風呂とサウナは勿論、ジェットバスから電気風呂まで完備しているのでな!」

 

「えっ、で、でもマコト先輩!」

 

「風呂が嫌なわけじゃないんだろう?フーコ。」

 

「…はい、これをみられたくなかっただけです。」

 

「うぅ…ごめんね…」

 

「いえ、わたしがわるかったんです…」

 

「よし、二人とも…特にイブキ、顔を洗ってこい。湯船に浸かる前にちゃんと体を洗うんだぞ!」

 

「はーい!さ、いこっかフーコちゃん!」

 

手で顔をぐしぐしと拭い、フーコの手を取るイブキ。

うんうん、仲良きことは美しきかな。

 

「さて…」

 

浴場に消えていった二人を見送り、ため息をつく。

 

「待たせたな、貴様ら。」

 

「ええ、待ちましたとも。それで?どういった理由で私たちを待たせたんです?」

 

キャンキャンと吠える雌犬。

 

「そうだな…その理由は貴様が良く知っているのではないか?なぁ先生?」

 

「っ……」

 

「説明してもらうぞ。詳しく、な」

 

「どういうこと?何の話?」

 

「フーコ…貴様らが預かっていた少女の身体に、いくつも傷があった。殴る蹴るでできるようなものじゃない。火傷、切り傷、手術痕…イブキはそれに驚いて声を上げた、というわけだ。」

 

「私にも分からない部分は多いんだけど、あの子は…」

 

ぽつぽつと語り始める先生。一同…とくに行政官の表情は一気に暗くなっていく。

 

「…こんな感じかな。」

 

かくいう私も、これまで抱いたことの無いほどの怒り、憎悪を感じた。

思考は鈍っていない。むしろ冴え渡っている。しかし…

 

「マ…マコト先輩…?手…」

 

普段の態度は何処へやら、慌てた様子でイロハが言う。

それも仕方あるまい。

私の強く握られた右手からは血が流れ出、白い手袋を赤く染めていたのだから。

 

「あぁ、気にするな。こんな痛みなんでもない、あいつの痛みに比べたらな。」

 

「マコト…」

 

「そういうわけだ、貴様らにはお引き取り願おう。あぁそう心配そうな顔をするな先生、勿論フーコはお返しする。なんなら今から一風呂どうだ?」

 

「あー…その提案は正直受けたいかも。なんか設備凄そうだし…」

 

「キキッ…温泉開発部もたまには役に立つ…まぁ設備を整えたのは我々だが。」

 

「それじゃ、私達は帰ろうか。…どうしたの、委員長?」

 

「駄目よ。先生の裸を見るなんtゲフンゲフン……マコトが約束をちゃんと守るか分からない以上、私も一緒に入る。」

 

帰るまでなにがあるか分からないし、と続けるヒナ。

 

「えッ!?ヒナ委員長も入るんですか!?なら勿論この私も同行します!!!」

 

「待て待て待て!貴様らは私の話を聞いてなかったのか!?フーコは傷跡を人に見られたくないと…」

 

「そのことなんだけどさ、フーコが傷跡を見られたくないのは人に嫌われたり気持ち悪がられたりしたくないからなんだって…だから…」

 

「そうなのか…?いやしかし…うーむ…」

 

「良いじゃないのマコトちゃん!」

 

「えー、みんな入るのか?なら私もサッパリしてから帰りたいぞ!」

 

「ええいうるさい!分かった分かった!じゃあフーコに相談してくる。断られたら先生以外の奴は外で待っておけよ!」

 

浴場のドアの前に移動する。同性にも関わらず何だか悪いことをしているような、妙な気分だ。

 

「フーコちゃん!イブキが身体洗ってあげるよ!」

 

「…!?いやあの、じぶんでできますから…!やっやめ…」

 

 

「…あー、フーコ?」

 

いかんいかん、思わず浴場で欲情してしまうところであった。取り繕うような咳払いの後フーコに呼びかける。

 

「はい!なんでしょうかマコトさま…?」

 

「かくかくしかじかなんだが…構わないか?」

 

「………(煩悩と相談中)……だいじょうぶです!」

 

「随分沈黙が長かったようだが…嫌なら無理はしなくていいぞ?あんな奴らドラム缶風呂で十分だからな!キキキ!」

 

「いやほんとにだいじょうぶです、どんとこいです!」

 

「ホントに大丈夫か?Don't 来いだったりしないか?」

 

「マコト先輩しつこーい!フーコちゃんが良いならみんなで入った方が絶対楽しいよ!ね、フーコちゃん?」

 

「はい、もちろん!」

 

「よし分かった!おーいカス共!お許しが出たぞー!」

 

「わーい!!久しぶりの天然物のおんせんー!!」スポーン

 

「せ、先生…少しはこう…恥じらいをですね…」ヌギヌギ

 

「無理もないですよ。私と一緒に行った以来温泉なんて行ってませんからね~」ヌギヌギ

 

「……は?チナツ、その話詳しく教えて。」ヌギヌギ

 

「こいつぁやべぇ!」ペロペロ

 

「おい!話を誤魔化すために私の脚を舐めるんじゃない!なんで綺麗にする前に舐めるんだ!」

 

「私は遠慮しておきますね…」

 

「まあまあイロハちゃん、そう言わないで!ね!」シュッパーン

 

「んなっ!?どうやって私の服を…はあ、仕方ないですね…」

 

「貴様らは服を脱ぐにも静かにできんのか」

 

 

 

~(サービスシーン、全カットw!)~

 

 

 

「フーコまた寝ちゃったか~…んじゃねマコト、今日はありがとう。」

 

「クキキキ…この借りはいつか返してもr「こちらが迷惑をかけただけなので、どうかお気になさらず」イロハァ!」

 

「あっそうだ!フーコちゃんが起きたらこれ渡してあげて、先生!」

 

「これって…イブキのポーチ?いいの?」

 

「うん!もう一個同じの持ってるし!…フーコちゃん、傷のこと気にしてたのに、イブキが泣いちゃったせいで…」

 

「いやいや、イブキは悪くないよ。あんなの見たら誰だってびっくりしちゃうし、結果的にみんなでお風呂に入れたしね。フーコにとっても良い思い出になったんじゃないかな。」

 

「ホント!?良かったぁ~…」

 

「先生、そろそろ車出して良いか?」

 

「あ!ごめんイオリ!じゃあね皆!また今度!」

 

「またフーコも連れてきてくれ。イブキも喜ぶしな。」

 

「先輩もですよね。」

 

「どうしてお前はそう一言余計なんだ。…まぁ、そうだな。また来い!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キヴォトスの外れ、どこかも分からない研究室でため息をつく男が一人。

 

「ふむ…やはりですか。想定内ではありますが、なんとあっけない。」

 

「お゛…あ゛ぁあ…」

 

もはや人語ではないうめき声をあげる肉塊を、再び薬品の海に沈める。

 

「片方の魂が無いだけでは不十分…やはり彼女の代用を作るのは困難なようですね…」

 

「当たり前だろう。あれほどの物を量産できてたまるか。」

 

「おやマエストロ、いたんですか。」

 

「良いか黒服。彼女は神に祝福され、奇跡的な確率のもとこのキヴォトスに存在できている。しかも『連れてきた方の』魂は万全な状態でだ。」

 

「ふむ…分からない。実に分かりかねる!クックック…面白い、面白い!」

 

「素体の状態が良かったから?精神を完全に消し去らなかったから?はたまた彼がいた世界の方で条件が揃ったから?クク…クックック!どうやら休んでいる暇は無さそうですねぇ!」

 

「そうだな。全ては我らの探求の先、『究極の神秘』…いや、この言い方はいささか無粋だな…」

 

「「『機械仕掛けの神』のために。」」

 

「少し早いですが、フーコには一度戻ってきてもらいましょう。」

 

「そうだな。他の被検体では十分な成果を出せない…」

 

「彼ら、彼女らの犠牲のおかげである程度調べはつきましたしね。まあ、死ぬことはないでしょう。」

 

「くれぐれも死なせるなよ。魂に傷が付いたら困るのは我々の方なのだからな。」

 

「勿論分かっていますとも…ククク」

 

「しかし、フーコも幸せ者ですねぇ。良き友人に囲まれて、『家族』にも恵まれているのですから!」パチパチ

 

もはや人とは呼べない何か達に向け、拍手を贈る黒服。

 

「文字通り『命を懸けて』家族であるフーコを支えている。うむ美しいな、次のテーマは『家族の絆』なんかどうだろう。」

 

「非常に良いとは思いますが…」

 

「分かっている。まずはフーコだろう?安心しろ、次の作品は全てを終えてからにする。」

 

「終わりだなんてそんな…ここからが始まりだと言うのに…ククッ」

 

どこかの地下で、男二人の笑い声が響いた。




はい、皆さんがそろそろイライラしてくる頃だと思ったのでぶち込みます。
と言いたかったのですが、次回は曇らせじゃ無さそうです、ゆるして。
最近フーコの心の声が全然無いって?だって黙った方がかわいいもんあいつ…

フーコ『褒めても何も出んぞ』

わし「次々回で血が出るじゃん」

黒服「違いありませんね」

今後の展開に影響があるか分かりませんが、絶望顔を見たい生徒は誰ですか?

  • サオリ
  • ミカ
  • フウカ
  • ユズ
  • リオ
  • アリス
  • アル
  • コハル
  • イブキ
  • ホシノ
  • カスミ
  • イチカ
  • ヒビキ
  • カヨコ
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。