雲行きが急に怪しくなります。最近の天気かな?
いつも感想コメントありがとうございます。最近評価が低かったりお気に入りの伸びが小さかったりでメンタルを病んでいたので、本当に救われました。
感謝の曇らせ100連発です!
私が、私を見ている。周りには靄がかかっていて、自分が今どこにいるのかも分からない。
ふと、自分が両手で何かを掴んでいることに気付き、そちらに目を向ける。
私が必死に掴んでいたものは、か細いフーコの首だった。慌てて離そうとするが、私の意志とは裏腹に、かける力は強まっていく。
「せん…せぇ…くる…し、なん、で?」
大粒の涙を流し、半ば嗚咽のような声で私に訴えかけるフーコ。しかし私は手を緩めない。これは私の意志じゃないと否定したくても、声が出ない。
「は、ぁ……ぐ……」
やがて言葉は失われ、ヒューヒューという音だけになり、それもすぐに止んだ。
私が、この手でフーコを殺したのだ。
やっと手が離れる。重力に一切逆らうことなく崩れ落ちるフーコ。
命を失い、明確にモノとなったフーコを見て、息を呑む。
しかし、まだ生きているかもしれない。そんな淡い期待に急かされ手を伸ばす。
「フーコッ!!…あ?」
気づけば私はシャーレの宿直室にいた。
「ゆ…夢、だったの?」
なんとも胸糞の悪い夢である。時計を見ると朝の6時。普段ならまだいびきをかいているような時間だ。
こんな時は、フーコの朝食で癒されるに限る。私の愛すべき日常にフーコが加わってから、もうしばらく経った。そこまで考えて、ある違和感に気付く。
いつもは聞こえる食器を出す音が、聞こえない。それどころか、台所に人の気配がない。
「フーコ!?いるよね!?」
返事はない。
ベッドから飛び出し、トイレ、風呂場、台所…と回っていく。そのどこにも、フーコはいない。
ドアの鍵はかかっており、予備の鍵まで部屋の中に残っている。窓も破られていない。
いやに心臓がうるさい。立っているのも辛くなるほどに。嫌な汗が噴き出、背中を濡らす。
すぐに心当たりのある生徒に連絡を取る。
アル、ユウカ、アリス、カヤ、マコト、ヒナ…
誰のところにも来ていないそうだ。
仕事なんかやってる場合じゃない、気が狂いそうになるのを堪え、あてもなく走り出す。
「フーコ!フーコぉ!」
息を切らしてその名を呼ぶも、依然として返事はない。
長い長い一週間が、始まりを告げた。
『せめてなんか書き置きとかさぁ…した方が良かったんじゃない?』
勝手知ったる地下室の廊下を歩きながら、隣の全身真っ黒男に文句を言う。
「しかしそうすると、帰ってから何処でなにをしていたか説明しなければならなくなりますよ、それでも構わないのなら。」
『うーん、それは難しいな確かに。で?なんでわざわざお迎えに来たわけ?』
「契約を果たしてもらおうと思いましてね…」
『うーわ、嫌だぁ…何の実験?また何かの薬?』
「いえ、今回はシンプルに貴方の身体の一部を頂きたい。」
『そんな朗らかに言うことじゃ無いのよ…具体的には?』
「一部の臓器、片目片足を少々…」
『うーわー…え?一日で?』
「いえ、流石に負担が大きすぎるので…そうですね。貴方の頑張り次第では一週間ほどで帰れるかと。ああ、勿論こちらに留まると言うならいくらでも居て頂いて構いませんよ。」
『冗談きつすぎ~』
「おや、残念ですね…ククッ」
『んじゃー早速、やりますかぁ…嫌だぁ…』
「ではまず臓器をいくつか貰いますね。そうそう、こちらの都合で麻酔の類いは使えませんが、頑張ってくださいね?さ、こちらの椅子にどうぞ。」
椅子というにはあまりにも余計なパーツが良く目立つ。拘束具は当然として、何あれ?ホース?
じゃなくて!!
『麻酔ナシぃ!?うせやろ!?あかんこれじゃ俺が死ぬゥ!』
「ご褒美を用意しておきますから…あとそのホースは貴方の糞尿が漏れ出ないようにするための物です。」
『痛みと生き恥に耐えろと?…まあ俺に拒否権無いし良いけども…』
服を脱ぎ、椅子に腰かける。金属の冷たさに思わず声を上げる。拘束具やら何やらを装着すると、完璧に身動きが取れなくなった。当然切るべき部位には何も付けていないハズなのだが、そこも含め全く動かない。
「ではマスクはこちらで預かりますね。」
それは…大丈夫なのか?
「ひぃっ!?…んっぐ、うぅ…」
マスクを外したことにより主人格が目覚める前に、メカニック猿轡を噛まされる。これで声と舌噛みきりを阻止してんのか…?いやでも喋ろうと思えば喋れるな。どうなってんだこれ!?謎のハイテク技術をこんなことに使ってんじゃないよ全く…
「では、始めますよ。」
地獄の責め苦が始まった、挨拶とばかりにメスが入り、つぅーっと腹部に赤の直線を描く。
実際に自分の身体が切られるのを、こんなはっきりとした意識の中眺めるのは初めてだ。なんて考えていられたのも束の間。
「あっぎゃあァあ゛ッ!!ぐッ!…ぐぎぃいいぃいい!!!」
腹部が熱い。もはや痛みなんか通り越した未知の感覚に襲われる。自然と涙は溢れ、頬を濡らす。
自分の腹部から大量に流れ出る血、ぐちぐちと音を立てて引きずり出される内臓を目の当たりにし、吐きそうになる。が、猿轡がそれを許さない。
一度せりあがってきたものを元の場所に戻すことも叶わず、口の中が最悪な状態になる。
気絶、失禁、嘔吐を幾度となく繰り返す。気が狂いそうだ。
「ククク…やはりですか!!いや、これは予想以上…」
興奮した様子を見せる黒服。どうでも良いから早く終わらせてくれ…
いや待って?そんなにいっぱい取っちゃって良いものなの?もはやなに臓かも分からないんですけど…
「あら!?ちょっと黒服!フーコが帰って来てるなら早く言って下さいよ!!」
赤婆、降臨。ガラス越しでも分かるダルさには賞賛の言葉を贈りたいほどである。というかこの光景見て第一声がそれなのか…やっぱゲマトリアってカスだな!!
「マダム、くれぐれも入ってこないで下さいよ…」
「はぁ!?この私が穢れていると!?」
腹かっさばいといて談笑すな。信じられないくらい血が出てるんだよ!腹から!!
「それはそうと、良くあの先生が許可しましたね…てっきり監禁でもされているものかと思っていましたが…」
「マダムは冗談も上手でいらっしゃいますねぇ。許可なんて下りるわけないでしょう?」
「そうなのですね…そうだ、良いことを思い付きましたわ。」
悪役が思い付く良いことなんて碌なもんじゃ無さそうだが…現にこの赤ダルマはアリウスの前科があるし…
いや、今はまだ未遂なのか?
「先生も心配していることでしょうし、どうでしょう。フーコの声を聴かせてあげては?電話がないなら、カメラで録画すればよいですし。」
顔を悪そうに歪めながら言う婆。こいつが最もどす黒い悪だろ。
「そうですね…貴方にしては名案だ!ククク…ああ、やっと先生の素晴らしさを理解して頂けたのですね…」
仲間を見つけたオタクの顔をする黒服。騙されんなー?そいつ絶対悪意100%だぞー?
「そろそろフーコの身体も限界でしょうし、手短に済ませましょうか。」
限界とは。少なくとも医者が絶対やっちゃいけないことしかやってねぇなこいつ。いや研究者なだけで医者では無いのか。とっとこモルモットフーコなのだ!あと録音なら絶対この後で良いと思うんだ。
「はい、ではメッセージをどうぞ。あぁご心配なく。喋っている間に移植します。」
だからサラッととんでもないことをぉおお゛おぉおおあいてぇええええ!!!
「あ゛っぐぅう゛…!ぜ、せんせぇっ!!しゃちょお!!…いっぎ、ぐ…ちょぉ、じんん!!っひゅーっふっ!ま゛こどさまぁあ゛!!たっだぁッ!たすげで!だずげでぇえ!!い゛ダい!!いだい゛ぃ!!」
そこまで言ったところで、プツッと分かりやすく赤のランプが消える。
「おや、電池切れですか。私としたことが…」
「何をやっているのですか黒服!こんなものではまだ足りません!」
キレすぎだろベアおば…さては愉悦部だな?
そんなこんなで気が遠くなるほどの時間…ってか実際気絶してた。
死んで無いってことは実際そんなに長い時間だったわけじゃないんだろうけど、体感めっちゃ長かった。
ブルアカ初めてダウンロードした時と同じくらい長かった。(端末の問題)
「おはようございます、フーコ。」
黒服の声で目覚める。相変わらず、最低なモーニングコールである。
寝ている(気絶している)間に服を着せてくれたらしい。変な所で気が利くなこいつ。ちゃっかりマスクまで着けているところにプロみを感じた。流石手慣れている…
『腹減ったなぁ…』
「丸一日寝ていましたからね。無理もない…」
『丸一日ぃ!?やっべぇやべえ…』
「ご安心を。例の映像はちゃんと先生のもとに届けておきました。」
『おぉう…無修正?』
「……?勿論です。生徒…いや、厳密にはそうではありませんが…頑張る子供の姿は美しいものなのでしょう?先生もきっと貴方を褒めてくれますよ。」
少し首を傾げる黒服。殴りたい、この困惑顔。
『…多分いつか殺されるぞ、お前。』
「ククッ…まあそれもまた一興、ということで…」
いつものごとく不適に笑う黒服。ほぼ同時に部屋のドアが開かれる。
「ああフーコ!目が覚めたのですね!」
「騒がしいですよマダム。フーコはまだ病み上がり(?)なのですから…」
「そういうこった!」
「おや、ちょうど全員揃いましたね。では参りましょうか、フーコのご褒美も兼ねて。」
『どこに行こうというのだね。』
「聞いて驚けフーコよ!なんと回らない寿司だ!値段が書いてないやつだ!」
子供のようにはしゃぐマエストロ。案外慎ましやかな生活を送っているのだろうか。いや、そんなことより…
『俺味覚ねーんだけど!!』
「おっと、私としたことがまたうっかりしてしまっていたようです。いやはやお恥ずかしい…」
『まあ良いよ。皆で行ったら楽しいだろうし。』
「いや、プロの板前が握る店だから騒いだら殺されると思うぞ。」
『まあ、それもまた一興ということで…』
先ほどの黒服の真似をしてみる。
「ククッ!ククク!フーコ、やはり貴方は面白い…!私にこんな温かな感情を抱かせるとは…!」
己の目的を果たすためなら狂うことに何の躊躇も示さない狂人団体には不釣り合いな和やかなムードが場を包む。
少女の腹部に新たにできた、大きく痛ましい傷跡を除いて。
心配性の先生には、心温まるホームビデオをどうぞ!学校の友達と一緒に見てね!
オラ、娘みたいな存在がこんなに頑張ってんだぞ、泣けよ。
苦しむフーコの声がエロ小説みたいだと思った人、喉をかき切って下さい。
Q.手術中フーコが苦しんだり余裕だったりしたのはなんで?
A.主人格…もうめんどくさいのでこれからはお姉ちゃんって呼びます。
前々からの設定でフーコとお姉ちゃんはお互い影響を与え合っていると言いましたよね、後付けになっちゃうんですけど、あまりにも強いショックとかだと引っ込んでる方にもダメージが行くんです。これは逆もまた然りで、フーコが表の時に大きく感動したりしたらお姉ちゃんもぽかぽかします。
今回フーコが苦しんでた時はお姉ちゃん死にかけだったし、余裕だったときはお姉ちゃんが痛みに耐え始めてたわけです。
(まあそれでも死ぬほど痛かったとは思います。)
初めの内はフーコとお姉ちゃんはぐちゃぐちゃに混ざっていましたが、今は割とはっきり分かれているみたいですね。
Q.なんで手術するような部屋に都合よくカメラがあったんですか?
A.これは二次創作です。なんでもありです。
Q.気絶、失禁、嘔吐っていうけどうんちはしてないの?あと猿轡があるのに嘔吐できるの?
A.うんちもしてます。しかし『排便』と書くとどうしても字面がちょっと面白くなっちゃうので…
『嘔吐』についてはこれ以外の表現を知らない作者の無知故です。お許しを…
吐き出してはいません。込み上げてきたゲロが口にずっと残ってる感じです。地獄…
ホームビデオ、一人で見るかみんなで見るか
-
被害を広げないように、先生だけ
-
カヤと
-
便利屋と
-
万魔殿と
-
ゲーム部と
-
ユウカと
-
皆で!