前回、メッセンジャーちゃんについてコメントが多く、物語の中で解説できなさそうだったのでここで設定を暴露しちゃいます。
まずフーコは、孤児Aと孤児B(体の相性が良い)を大体50:50で合体させ、片方の精神だけを壊さないようにして作ってます。もう片方は狂ってしまわないように頑張って完全に0にし、その隙間に今のフーコ(別世界の魂)が入り込んでます。
1話の黒服の理論が正しかったと言えますが、成功率は低いです。
黒服の目的は結局のところ神秘にまつわること(詳しくは今は秘密)です。別世界の情報はそのおまけですね。ですから1話のフーコの提案を呑む必要はなかったのですが、提案してきた内容が黒服にとっても都合が良い内容だったため快諾しました。
メッセンジャーちゃんは、1話で描写された『人の形は保ってるけど精神が壊れてしまった個体』にその場しのぎの精神を植え付け再利用したものです。だから言語能力があまり高くなかったんですね。この雑植え付けをされた奴らはもれなく早死にします。お使いくらいなら可能です(邪悪)
見た目が似てる理由はとくに考えてなかったので今考えます。
人間は臓器にも記憶のようなものがあるという説があります。実際臓器移植を受けた後嗜好や性格が変わった人もいるそうです。(眉唾)
フーコから摘出した臓器を基に雑精神を構築したんですね。少しなので少しの間しか持ちません。わーすごい無理のない設定(棒読み)
そして人の見た目は魂に引っ張られ…流石に無理か…
フーコ零号機(孤児A)はクローン実験の産物ということにします。取り敢えずのモルモットとしては最高ですね。
代わりにフーコの腹に入れられたものは他人の臓器(パーツごとに違う人から取ってる)です。なんでそんなことするんですかね…前述した説を推すなら精神とか記憶とかおかしくなっちゃうと思うんですけど。ん…?
あと、他人の臓器に適応できたといっても限界があるのでフーコはどうあがいても長生きはできません。フーコを幸せにしたい人たちゴメンね(^_-)-☆
ここはゲマトリアの数ある隠れ家の一つ。今日は珍しい客人が訪れている。
「はっはっは!そーれフーコ!高い高い!!」
『わーすっげぇ、最新鋭の技術でやることが原始時代。』
そう。なんとあのカイザーPMC理事長である。確か本編では黒服と組んで良くないことをしていたような…アビドスがどうとか…。
しかし、軍事企業のボスと聞いていたのでどんな極悪人かと思っていたが随分フレンドリーだ。実際昨日寿司屋でばったり会っただけなのに全員分奢ってくれたし。
「しかしこんな幼子が神の器とはな…まだ諦めていなかったのか、黒服。」
「ええ。何度失敗しようとも私の探求すべき課題はそこなので。」
【悲報】ワイ、神の器だった。
いや何それ。本編でそんなのあったっけ…あ!あのデカマラなんちゃらのことか?確かあれも神に近づくための実験だったよな?
まあ難しいこと分からんし、どうでもいっか!
「あああ!!何故貴方だけロケットスタートができるんですか!!?不正ですよ不正!この木偶!!」
「何度言ったら理解するのだこの低能!カウントが2になった時にアクセルを踏むだけだと言うのに…」
何やらまた大騒ぎしているベアおばとマエストロ。しかしいつも一緒にゲームしてるから、案外仲は良いのか…?
「そう退屈そうに向こうばかり向かないでくれフーコよ、傷つく。」
悲しそうにする理事長。親戚のおじさんよろしく今日来る際も大量にお土産を買ってきたのだが、そのどれも俺に刺さらなかった。
「そ、そうだ!ロボットは好きかフーコ!?カッコいいところを見せてやろう!」
『マジで!?飛べたりする!?』キラキラ
「飛っ…いや、それは今は無理だな…」
『なーんだ』ガッカリ
「し、しかしだな!私には必殺技がある!行くぞ!?」
掛け声とともに、左手を突き出す理事長。おもむろに蒸気を放出しながら、二の腕部分が開く、と同時に腕部が明るく光り出す。
『ま、まさか…!!』
これは戦闘ロボット名物だろうか。実戦で使うことは無さそう(というかデメリットになりうる)で有名な、しかし男子の心を掴んで離さないあれを、生で見ることができるというのか…!?
「ちょっと、室内では止めてくださいよ…」
呆れたような声でワープゲートを展開し、ゴルコンダと共にその中へ避難する黒服。
俺は理事長の後ろに陣取っているので大丈夫だろうが…
「カイザーッ!!パーンチ!!!!」
やはりロケットパンチである。シュゴオオと勢いよく発射された理事長の剛腕は目の前の赤婆の脳天を直撃、そのまま壁をぶち抜き地面に埋めた。
どう森民もびっくりの赤カブ完成である。
『おぉおおーっ!!すっげぇええーーっ!!』パチパチ
「ふっ…しかもちゃあんと戻ってくる。」カチャリ
感動に打ち震える俺と、得意げな理事長。キャラ崩壊レベルに爆笑するマエストロ。そして…
「あなた達ぃ…」
怒り狂った赤ダルマ。
「絶対に許さんぞ!!この人食い反社ども!!!」
どこかで聞いたことのあるフレーズを叫び散らすベアおば。しかも本編で見せたあのキモキモフォルムになっているからもう大惨事である。本気で怒ってるやん…
しかしその触手攻撃などは万が一にも俺に当たらないよう調節している。こいつ実は強キャラなんじゃね?
「人食い反社はお前もだろう…」
呆れたように手元の装置のスイッチを入れるマエストロ。瞬間、分厚いバリアが展開される。
「おぉい黒服!助けてくれ!我々では手に負えん!!」
左腕のロケットパンチと足に仕込んだ銃火器で応戦する理事長。しかし戦闘向けの性能ではないのか苦戦している模様だ。
「はぁ全く、仕方がないですね。フーコを危険にさらすのも問題ですし、私が処理するとしましょうか……貸し一つですよ、理事長。」
「マダム、あなたの怒りは『今回は』もっともなのですが……いささか暴れすぎです。」
そう言って指をパチンと鳴らす黒服。直後、バケモン赤豚が音を立てて倒れ伏す。
いや黒服、お前何者だよ…
「我々の紅一点を名乗るのならば、もう少し淑女らしく振舞ってほしいものです…」
「そういうこった!」
結果ベアおばの一人負けで、今回の事件は幕を閉じた。
俺の喜ぶ顔が見れて満足したのか、昼食を奢ってから理事長は帰っていった。復讐のつもりなのかベアおば一人で4000円分も食べ、「4000円も使っちゃった…ごめぇんね」と理事長を煽っていた。
ゲマトリア連中はそのキツさに戻しそうになっていた。犬系彼女ベアトリーチェはもう呪術〇戦に出れるのよ。
「……さて」
『ねえやだ!小生痛いのやだ!!』
「そうですね、では『右左どっち?』で決めましょう。」
『よしきた、行くぜ手術回避!右!!』
「なるほど、では摘出するのは右目ということで。」
『ねええええ!!!そういうゲームじゃないじゃんこれぇえ!!』ズルズル
引きずられるようにしていつもの部屋に連れていかれる。そこにベアおばが現れた。
なんで今からキッツイ拷問まがいのことされるのにその前にこの妖怪の面を拝まなくてはならないのか。人生はかくも厳しいものである。
「あらフーコ、今日もお勤めご苦労様。今日は動画を回している時に先生や友人の名を出してはいけませんよ。あと助けを求めるのもダメです。」
『ただただ痛みだけを訴えろと?なんで?』
「…その方が先生達も気に病まないで済むでしょう?」
「貴女、気遣いなんて行動が取れたんですね。驚きです。」
茶化す感じではあるものの、マジでちょっと感動している様子の黒服。騙されるなこいつはただの愉悦部だ、俺には分かる。どうせ一本目ではまだ助けを求めてた俺が二本目では希望を失ってる様を見せたいんだろ?(名推理)
その企み、阻止させてもらう!!
なんて意気込んだは良いが、マスクを外された俺にそんなガッツがあるはずもなかった。
また恐怖が身体を支配する。
今日も当然のごとく麻酔ナシである。
前回よりも強力な拘束具を付けられ、右目を強制的に開きっぱにされる。
「それでは、いきますよ。」
開かれた右目に、ゆっくりと小柄なメスが近づく。やっばいこれ想像以上にこえぇ。目閉じさせてくれ~!
「ぅあっ……やだ!!やだ!!!やめて!!!」
開かれた右目の周りに、鋭い痛みが走る。神経が集中しているためか、下手したら前よりも嫌な痛みだ。
「い゛っ!!た、たす…っぐぅうう!!い゛ぎぃいいい!!」
慣れない痛みに苦しんでいたのもつかの間、すぐに次の痛みがやってくる。先の曲がった針金のような器具で、眼球周りをつぷつぷと刺激される。
「ぎゃっぎぃいい゛!!お、お゛ねがいします!!やめでください゛!!」
お構いなしに次の器具を用意する黒服。小さめの給食スプーンのような形状に身震いする。このタイミングであんな形状、用途は一つだろう。
「やだっ!やだやだやあ゛!!や゛…ぁ…?」
ぶちぶちと音を立て、眼球の下部にめり込む金属。無機質な冷たさをかき消すように、眼球部分がじわじわと熱く、熱くなっていく。
「あ゛ああぁあああぁあああ!!!い゛だい!!いたいよお゛ぉおお!!」
ぐりんとタコ焼きをひっくり返すように、眼球がくり抜かれる。
「……あぇ…?や、やだっ!なんでっ!!?」
完全に眼球を失い、突如として世界が真っ暗になる。
「こわいよぉおお!!かえして!!おめめかえしてぇえ!!!う゛ぅう!!い゛ぎいぃいい!!!」
あまりの出来事に引いていた痛みも、またやって来る。何も見えない恐怖も相まって、汚く泣き叫ぶことしかできない。
「なんて可哀想なフーコ。先生たちに会いたいですよね?」
真っ暗で何も分からないが、向こうからベアおばの声が響く。
「かえっ!かえりたいぃい!!」
もはや何も考えられず、頭に浮かんだ言葉がそのまま口から出ていく。
「でも残念ですね。先生たちはそうは思っていないようですよ?」
「………ぅえ?」
「だってそうでしょう?あなたのことを本当に大切にしているのなら、すぐに迎えに来るはずです。しかしそうではない!!あなたがここに来て何日経ちましたか!?」
「うそ!うそだ!せんせいはむかえにきてくれるもん!しゃちょうだって、わたしはやくにたつっていってくれたもん!」
「それだけですか?」
「ちょうじんだってわたしのことともだちだっていってくれたもん!まことさまだって…!そ、そうだ!アリスおねえちゃんはゆうしゃで、わたしをまもってくれるって!おまえみたいなわるいやつ、やっつけてくれるって!!」
大粒の涙を流しながら、息も絶え絶えに大声をあげ、ベアおばの言葉に反抗する。
「そうですかそうですか…それは何より。あと二日も休めばまた別の実験を行います。……それまでに迎えに来てくれると良いですね?」
フーコ似の少女が持ってきたUSBに入っていたデータは、やはりこの悪趣味な動画だけだった。
マコトを保健室に避難させておいて正解だった。今のメンタルでこんなものを見せたら、本当に壊れてしまってもおかしくない。
動画が終わり、2ループ目に入ろうとしたところで、銃声と共にパソコンの画面が割れる。
「失礼、あまりにも不愉快だったので…」
怒りに手を震わせながら、カヤが言う。常備している武器は麻酔銃ではなく、厳つい拳銃に代わっていた。
「絶対に、絶対に見つけ出しましょう。この子がさらに傷つけられてしまう前に。……希望を持つことを、また忘れてしまう前に。」
怒りを呑み込んでいるのか、言葉の端々が震えているのが分かる。
「うん、絶対に。」
思い出すのは、初めて出会った時の絶望しきった表情と、私やみんなに時折見せた、年相応の笑顔。
あの笑顔を、忘れさせてたまるか。みすみす奪わせてたまるか。
そのように決意した後、私たちは解散した。
誰もいなくなった宿直室で、ふとポケットに何かを入れっぱなしにしていることに気付く。
少女が持っていたカプセルだ、すっかり忘れていた。
もしかすると何かのヒントが得られるかもしれないと、蓋を開け、手のひらに中身を出す。
びちゃり。嫌な感触と、生肉のような不愉快な温度。
咄嗟に逸らした目を、恐る恐る手のひらに戻す。
「う゛っぐ……お゛ぉえぇ…」
やはり私の予想通り、見覚えのある目だった。あの子たちがいるところでこれを開けないで良かったと思いつつも、彼女がいなくなってから何度したか分からない嘔吐をする。
罪悪感、嫌悪、恐怖、怒り…様々な感情がこみ上げてきて、また盛大に嘔吐してしまう。
途方もない死にたさと不甲斐なさを覚えながら、床を掃除する。
「私が、私がしっかりしないと…」
追い詰められたように口から自然と零れ落ちたその言葉は、誰にも返答されることなく夜の闇に消えた。
エデンじょうやく編、いる?
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絶対いる
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いらない
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どっちでもいい
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間延びするくらいならいらない
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できることならいる