目が覚めたら黒服の娘だったんだが…   作:菱野 モチ

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受験勉強嫌すぎて杉になりました。まだ大丈夫ですが、いずれ死ぬほどお休みを頂くことになると思います。
受験終わったら毎日投稿するんで許してヒヤシンス。


Nyan Fuko

学園都市キヴォトスにおいて、絶大な権限を握る行政機関。その名も連邦生徒会。

そんな連邦生徒会の一室、防衛室にてピンクのアホ毛と糸目が特徴的な少女が一人。

 

「……遅いですね、先生からの連絡によればもう到着しても良い時間のはず…。まったく、これだから仕事のできない者は…」

 

「ちょーじーん!」

 

 

「あらぁあフーコォオオ!!よく来ましたねぇえええ!!」

 

 

ぐちぐちと口から垂れ流した文句はどこへやら、ドアを開け駆け寄ってくる少女にメロメロだ。

駆け寄ってきた勢いもそのままに、豊満とは言い難いボディで幼女を受け止める。

 

「先生が来ていないようですが、ここには一人で来たんですか?」

 

「んー…ここのしたまではいっしょだったけど、どっかいっちゃった!」

 

「なんて無責任な…良いですかフーコ。この世には危険がいっぱいなのです!特にフーコみたいに小さくて可愛い子には!」

 

きょとんとしている目の前の幼女に熱弁するも、やはりよく分かっていないらしい。

 

「でも、ここのしたまで…」

 

「その油断が命取りなのです!ここにだって危険はたくさん…権力を不当に牛耳る鬼畜眼鏡女を初めとして、ぽっと出の癖に先生の正妻面を続ける泥棒キャット…」

 

「誰のことかしら?」

 

「ウワーッ!!ざざざざ財務室長!?!?!?」

 

「随分熱くなってたみたいじゃない。ノックしても返事が無いから居ないと思ったわ。」

 

「いや~ハハハ…だっ、誰のことでも無いですよ?ただこの子に世の中の怖さを説明してまして…」

 

「それにしては具体的すぎたように感じたのだけれど…まあいいわ、はい」

 

ドサッと音を立て、カヤの机に大量の書類が置かれる。

 

「あの~~~?一体何なんですかねこれは」

 

「お仕事。」

 

「……………」スッッ

 

「そう簡単に土下座しないで頂戴。」

 

茶道の動作のように美しい流れで土下座を決めるカヤ。超人の名も形無しである。

 

「勘弁してください!今日は久々にフーコと遊べるんです!!明日からはここを離れなきゃいけない用事が入ってるからまたしばらく会えないんですよぉおお!!」

 

「分かった、分かったから顔を上げなさい。」

 

「じゃあ…」

 

喜色満面のカヤ。しかし現実は非情である。

 

「これだけ預かるわ、あとはなんとかして。」

 

書類を3割ほど引き取り、部屋を出ていくアオイ。

 

「あんの雌豚……いつか挽き肉にしてやります」

 

穏やかでない顔で穏やかでない台詞を吐き捨てる。

 

「ちょーじん…」

 

「フーコ、心の底から癪ですが私は業務に戻ります…連邦生徒会の中に限ってですが、行きたいところがあれば送りますよ。」

 

「ここがいい!……だめ?」

 

必殺の上目遣いがクリーンヒットする。そのまま倒れそうになるのをなんとか抑える。

 

「で、でも仕事が終わるまで遊べないんですよ?良いんですか?」

 

「だいじょーぶ!ちょーじんといっしょがいい!」

 

「ン゛ッッ!!!」

 

カヤは死んだ。幼女の持つ眩しさと純粋さに耐えられなかったのだ。

 

~数分後~

 

「ちょーじん、はい。これどーぞ!」

 

コトリと音を立て、マグカップを机の上に置くフーコ。大量の書類に苦しむ私に、救いの手が差しのべられたのだ。

普段は無宗教だが、この時ばかりは神に感謝した。

 

「フーコ…!ありがとうございます!!」

 

「ちょ、ちょーじん、なかないで…」

 

超人マグカップを手に取り、一口含む。ハイブランドのコーヒーが、疲れた身体に染み渡る?

 

「うまくできてたなら、うれしい…」

 

「もっちろん美味しいですよぉフーコ!!もうね、チューしてあげましょうほらほら」

 

手をもじもじさせる幼女を抱き上げ、キスを迫る。

 

「事案?」

 

「ざざざざっざ(ry)」

 

なんとか誤解を解き、ヴァルキューレのお世話になる事態は避けられた。

私がヴァルキューレのお世話になるなど、とんだお笑い草である。

 

「ちょーじん、まだしごとおわらないの?おやつたべる?」

 

心配そうにこちらを窺うフーコ。私はおやつじゃなくて貴女を食べたいんですけどねグヘヘ。

 

「んっんー、おやつはまだ大丈夫です。それよりフーコにやってもらいたいことがあるんですよ…」

 

~ ️~

「きた、けど…」

 

そこには、小さくて可愛らしい猫耳メイドが立っていた。

無意識にガッツポーズをした後、私は死んだ。

 

「やっぱり、にあわない…よね…」

 

「そんなことは断じてありません、断じて!この世で一番可愛いですよフーコ。ヨーシヨシヨシヨシ!!」

 

本物の猫にすらしない程もみくちゃに撫で繰り回す。まんざらでもない様子である。

 

「ほらフーコ、ピースして下さい」パシャパシャ

 

そのままスムーズに写真撮影に移る。

一番よく撮れた写真を先生に送り付け、既読がついた瞬間削除する。

 

『は?は?は?は?』

『カヤ?いまのなに?』

『いまのちいさくてかわいいのなに!!??』

 

怒涛の勢いで震え出すスマホ。そっと電源を切り、仕事に戻る。

 

「ちょーじん、これいつまできてればいい?」

 

「帰るまでです。私の目の保養となってください」

 

端から見れば、いや端から見なくともとんでもない光景である。

なんもかんも仕事のせいである。私は悪くない。疲れから正常な判断ができなかっただけだ。

 

「おーい、ちょーじーん…ちょーじん?」

 

「今の私は超人ではありません。『ご主人様』と呼んでください。あと猫のように!」

 

「うにゃー………ごしゅじん、さま?」

 

はにかんで笑う猫耳メイドフーコ。照れ臭いのか少し頬を赤らめている。

 

「わが生涯、一片の悔い無し…です…」

 

致死量の鼻血を噴き出し、その場に勢い良く倒れ伏す。

 

そのせいで書類の大部分を刷り直す羽目になり、生徒会長代理が見たこと無いくらいに怒り狂ったが、それはまた別の話である。




しばらく日常が続きます。
次回、フーコのケツ危うし!?
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