目が覚めたら黒服の娘だったんだが…   作:菱野 モチ

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カヤのうっすい身体が大好き。お尻撫でまわしてキレられたい。


俺、復活ゥ~

「んぐぎぎぎ…んあぁああ!!!!」

 

四隅以外綺麗に真っ白になったオセロ盤を血眼で睨み付け、咆哮するシロコ。

 

「前回よりは進歩しましたね☆」

 

「ん、セリカ嘘つき。端っこ取れば勝てるって言った」

 

「普通はそうなんですよっ!!」

 

ぎゃいぎゃいと言い争うケモミミ二人を横目に、勝ち誇った顔をするフーコ。

 

「ん。こうすれば私の勝ち。」

 

そう言ってオセロ盤をそっくりそのままひっくり返すシロコ。まさに逆転の一手である(反則)。あれだけ残っていた白軍も今や4人、これは流石に分が悪そうだ。

 

「ゲスの極みですね…」

 

「ん。形勢逆転、圧倒的勝利、対戦感謝。」

 

「中国版になっちゃった…」

 

「盛り上がってるところごめんね、ホシノがいないんだけど…知らない?」

 

「ホシノ先輩なら、昨日の夜からいませんよ。」

 

「今日の夜までにはこちらに帰ってくると言ってましたが…少し心配です。」

 

「ん(便乗)、無理は良くない。」

 

「そっか~…残念だねフーコ。ホシノに会いたかったんでしょ?」

 

「うん…」

 

「ところでフーコちゃん、それ…その、義足なのよね?」

 

胡座をかいて座るフーコに、驚いた様子で尋ねるセリカ。

 

「うん!すごいでしょ~」

 

「改めて、流石ミレニアムの技術力ですね…パッと見本物にしか見えませんよ…」

 

「太ももの途中からから無くなってたはずなのにしっかりしゃがんだりもできてる…どうなってるんですかこれ?」

 

「こんなこともできる!」ガシャガシャガシャ

 

得意気な顔でスクワットを始めるフーコ。

 

「こらっ!やめなさいフーコ!壊れたらどうするの…」

 

「うぇ…ごめんなさい、せんせー…」

 

「ん~…フーコと一対一で何かしたら絶対負ける…皆で遊ぼう。」

 

「良いですねっ☆」

 

「でも、何するの?トランプとか?」

 

「あ、わたし、ゲームもってます…」ガサゴソ

 

ポーチから携帯ゲーム機を取り出すフーコ。コントローラーさえあれば複数人でプレイできるようになっている。

取り出した勢いで、はらりと何かがポーチから落ちる。

 

「ワッペン落としたよフーコ。大事なものでしょ?」

 

フーコの目の前に、少し汚れた熊のワッペンをかざす。

 

「あっ!…うぁあ…」

 

少し驚いたような顔をしたかと思うと、頭を抱えるフーコ。

 

「フーコ?どうしたの?大丈夫?」

 

「…だいじょーぶ、なんでもない。わたし、ちょっとトイレに…」

 

「う、うん。付いていかないで大丈夫?」

 

「だいじょーぶ。みち、わかる…いってきます」

 

 

 

 

 

 

どうも皆さんお久しぶり。俺です。

なんか長いこと寝てたような気分…というか、まだ眠い。

(とにかく、黒服とコンタクトを取らねば…)

 

トイレの個室に籠り鍵を掛ける。確認した限り周りには誰もいなかったし、大丈夫だろう。

 

『おい黒服!』

 

つい、声が大きくなってしまう。

 

「おや、どうかなさいましたか?」

 

『どうもこうもねぇよ。なんか身体の調子が悪いっていうか…主導権握られ始めてる気がする…』

 

「ああ、それは良い兆候ですね。」

 

『よかねーよ!!消えていく俺の気持ちも考えろ人殺し!』

 

「ご心配なく、消えることはありませんよ。彼女が目覚めている間、あなたが眠るだけです。」

 

『前までの俺とまんま逆って感じか…ちなみに、なんでこれがいいちょうこう、なん…」

 

「神秘の糸電話を通しても干渉してくるようになりましたか、大きくなりましたね…

そのうち迎えに上がります、では。」

 

 

「…………んぅ…?…わたし、なんでここに…?」

 

用も足さないのに洋式トイレに腰掛けている自分自身に違和感を覚える。

 

「ひっ…?こ、これ、やだっ……」

 

手に持った熊のワッペンが突然不気味に見え、捨てたい衝動に駆られるがそうもいかず、ポーチの奥底にしまい込む。

 

(せんせいのところに、もどらないと…)

 

鍵を戻し、トイレの扉を開く。

 

「やっフーコちゃん。ちょーっとおじさんとお話しない?」

 

身震いするほど乾いた、貼り付けたような笑顔でこちらに話しかけるおじさん。

いつもの優しいおじさんじゃない。逃げ出したいが、そうもいかない。

 

「う、うん…」

 

「皆には聞かれたくない話だからさ、こっちの教室で話そうよ、ね?」

 

手を引かれるがままに、教室に入る。

ところどころ埃の塊が落ちている二人きりの教室は、やけに静かで寒かった。




「恐怖を与えることこそが、最も簡単に神秘を増幅、引き出す手段なのです。」

「…痛みによる、根源的恐怖の植え付けですか。しかしそれでは、魂も崩れてしまうのでは?それでは意味が無いでしょう。」

「そういうこったあ!」

「だから魂の器を2つ用意した。それでもまだ足りなかったのだ。」

「そう。こちらの世界の魂では、溢れるような神秘を制御できない。いわば未完成の状態で出力してしまう。自らの力で身体を溶かし、やがて思考も捨て脆弱な異形となり果ててしまう。」

「こちらの世界を一つの物語として観測していた彼の魂のみが、あの神秘に耐えうる力を持っている…」

「そういうこったあ!」

「最後に残るのは彼か彼女か。この世界を滅ぼすも生かすも、かの神秘の赴くまま…」

「しかし、先生が黙っていないだろう。」

「それならばそれで良いのです。先生と、彼女を慕う生徒がこれまでのように奇跡を起こし、キヴォトスを存続させるというのなら。それもまた一興というものでしょう。」

(さっきからこいつらが何を言ってるのかさっぱり分からないですが、取り敢えず神妙な顔つきをしておくのが良さそうですわね。)
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