それから私は、隠していたことをすべて先生に話した。
大人に騙され続けたこと、ユメ先輩の死、フーコちゃんの片目とヘイローが先輩そっくりだったこと。そして…黒服についても。知っていることは全て話した。
「……なるほどね。」
「ごめんなさい、もっと早く話しておくべきだった。」
「いや、そこは良いよ。言いたくないことだってあるだろうし、まだ私のことを信じきれてないのも分かる。…言葉足らずは私の方もだしね」
「ちがっ…先生のことは信用してる!」
「ありがとう。フーコのことも信じてあげて欲しかったな。」
「………」
「あの子の青い方の目は義眼だよ。そのユメ先輩って人と何か関係があるのかもしれないけど、少なくともそこは違う。」
「そう…なんだ。そうだったんだ…」
「私もあの子がどういう人生を歩んできたのかは知らない。もしかすると、その黒服って人に何か悪いことをされたのかもしれない。」
悪趣味な動画の数々が頭をよぎる。
「でも、きっとフーコは悪くない。むしろ被害者だよ。」
「…何でそう言い切れるの?何で先生は、そんなに人を信じられるの?」
「私は大人だし、みんなの先生だから。…あの子はまだ生徒じゃないけどね。私を信じて欲しいから、私はみんなのことを信じてる。」
「…ごめんなさい。ごめんなさい…」
涙を流すホシノ。
「謝るべき相手は私じゃないよ。」
「…………うん、分かってる。」
制服の袖でぐしぐしと涙を拭う。
「また気持ちが落ち着いたらで良いよ。フーコも混乱してるだろうし。」
「私が破っちゃったワッペンって、どこに売ってるのかな?先生知ってる?」
「ゲヘナのショッピングモールに売ってたけど…多分それじゃ償いにならない。」
「どうして?」
「あれはフーコにとって特別なものなんだよ。今はいないお母さんとの、思い出の品なんだって。」
「……う゛ぐっ…うぅ……っ…ごめん、ごめんねぇ…」
まただ。また私は間違えた。
絶対に失いたくないものを守るために暴走した。フーコちゃんを傷つけた。
私に懐いてくれていたのに。あの子のことだって大切にしてあげなきゃいけなかったのに。
勝手な思い込みで痛め付けて。形見の品まで壊して。
遺品の大切さなんて、いつまでも過去にしがみついている私が一番分かっているはずなのに。
子供のように泣きじゃくる私を、先生はずっと抱き締めてくれていた。
私なんかより、フーコちゃんの方がよっぽど辛いだろうに。先生が抱き締めるべきなのは向こうの方だろうに。
「先生、フーコちゃんの容態ですが…」
「………大丈夫なんだよね?」
「はい。幸い視神経は特に問題無かったですし、眼球そのものにも傷は付いていないみたいです。明日にはまた問題なく見えるようになると思います。」
「良かったぁ…本当に良かった。ね、ホシノ」
「うん…う゛ん…!」
「まだ眠っています。起きたときパニックを起こす恐れがあるので、ちゃんと見てあげて下さいね、先生。」
「分かった。本当にありがとねセリナ。」
「いえいえ、先生のためならこのセリナ、どこへでも駆けつけます!」
「ただ、全部のセキュリティを突破してシャーレに来るのはやめて欲しいかな。」
「…善処します!では、私はこれで!」
「消えた…」
「じゃあ私達も帰るね。…反省するのは良いことだけど、くれぐれも思い詰め過ぎないでね。ホシノが皆を守るためにやったってことは分かってるから。」
「………うん。」
セリナのところ、メモ書きの時点ではセナでした。
ゲヘナからアビドスまでパシッてんじゃないよ!
先生が甘すぎる!ホシノそんな簡単に許したらあかん兄貴達、ご安心ください。これまでの作者を思い返してみてください。許すわけ無いですよねぇ!?折れかけの心はね、治りかけたくらいにまた逆方向に折ってはじめて綺麗に壊れるんですよね♥️
覚悟しろよホシノちゃん♥️また大事なもの奪ってあげるからね♥️