「今日をフーコの誕生日にするそうね!…それで、肝心のフーコはどこにいるのかしら?」
呼び出しをしてからいち早く集まったのは、便利屋の皆だった。
「マコトと買い物してるよ。」
「ここが会場なんでしょ?お誕生日会する割には、ちょっと寂しくない?」
「確かにその通りだね…良いこと言うじゃないムツキ」
「そうでしょ?」
「飾りなら、この前の風紀委員会との懇親会で使ったやつの余りがあると思いますよ。確かこっちに…」
のそのそと部屋を出るイロハの後に続く。
「ヘリの手配は良いの?マコトに頼まれてたと思うんだけど…」
「サツキ先輩に丸投げしましたが何か?…あったあった、これです。」
「よし!便利屋68、やるわよー!!」
大量の飾りを抱え、部屋に戻る。
「私は休憩してますのでどうぞご勝手に…」
椅子に座り、本を読み始めるイロハ。しかし、そこに現れる新たな客人。
「あのぅ…すみません、厨房ってどこですか…?」
フウカである。慣れない場所に一人呼び出され、緊張しているのが目に見えて分かる。
「一階の東側…案内した方が早いですね。着いてきてください」
小さく溜め息を吐きながら、忙しなく部屋を出ていくイロハ。彼女も苦労が絶えない。
「ほら先生!ボーッとしてないで手伝って!」
「はいはーい」
ムツキに声を掛けられ、携帯を置き折り紙でできた輪っかを壁に飾り付ける。
初めて入った時はその広さに驚いたこの部屋といえど、5人でやればあっと言う間だった。
途中からミレニアム勢…ゲーム部、エンジニア部も合流した。
「ヘリなんて初めて乗ったかも!」
「私達も久しぶりだ…しかし、乗り心地の悪さたるや…軍用ヘリを送迎に使う精神が分からないよ、私は。」
「まあまあ部長、これも経験ってことで…」
「私も呼んでもらって良かったんですか?ゲーム部でもエンジニア部でも無いんですけど…」
「折角の機会だし、人数は多い方が良いでしょ?あの子にとってはこれが初めての誕生日になるんだし。ほんとは風紀委員会の子達にも来て欲しかったんだけど…」
勿論ヒナ達にも連絡したのだが、どうしても外せない用事があるらしい。声のトーンからどうせまたどこかでドンパチやってるんだろうけど…
(
本来ヒナ達に加勢するべき立場のはずだ、しかし今日だけは目を瞑ることにする。
(ごめんヒナ…今度埋め合わせはするから…)
とここで、アビドス勢も合流を果たす。
「うへぇ~…おじさん来るだけでへとへとだよ~…」
「乗り物酔いとかするんだホシノ先輩」
「ん、情けない。」
「セリカちゃんにシロコちゃん、三半規管強いですね~」
(獣…)
「はいはーい、ご飯通りますよ~」
たくさんの料理が載ったワゴンと共に、フウカ達が戻ってくる。
「わーい!ご馳走だー!!」
「シロコちゃん、まだ食べちゃ駄目だよ~」
無邪気にキャッキャするゲーム部の面々。
「手伝ってもらって、ありがとうございました。」
「いえいえ、というか食堂はいつもワンオペなんですか?」
「いえ、一応私以外にも部員がいるので…2人ですが…」
「……凄まじいですね。」
「イロハ、料理とかできたんだ。そういうの面倒臭がりそうなのに。」
「失礼ですね、先生…そもそも」ガチャ
イロハの言葉を遮るようにドアが開く。
そこに居たのは本日の主役ではなく、
「うっぷ…連邦生徒会所属、不知火カヤ、現着っウ゛…」
「ちょっ!?さっきも吐いてたでしょうが!」
顔を真っ青にしてドアに品垂れ掛かるカヤと、疲れ切った顔のサツキだった。
「ちょっと先生、聞いてよこの子、迎えに行った時は『わざわざ送迎を寄越すとは、私の偉大さがよく分かってますね』とか何とか言ってたのにいざ飛び立ったら一面ゲロまみれに…」
「ご苦労様…」
「フーコ…フーコはどこですか…I want Fuko therapy…」
「死んだ…」
「寝てるだけでしょ。」
「そういえばフーコ達遅いね…何してるんだろ。」
「っ…私、探してくるわ。」
嫌な想像が頭をよぎったのか、少し顔をしかめるアル。
「落ち着いてアル。大丈夫、大丈夫だから。」
「マコトちゃんまだ帰ってきてないの?ちょっと私、電話かけてみるわね…」
『おかけになった番号は現在電源が入っていないか、電波が届かない場所にあります。』
さっきまでの高揚から一転し、不穏な空気に包まれる部屋。
各自思うところがあるのか、みんな表情が暗くなっている。
(まさか、まさかね…そんな…)
冷や汗がとめどなく流れ、背中をじんわりと濡らす。
「二手に分かれるわよ。カヨコはハルカと、ムツキは私と組んで。」
「了解」
「了解です…!」
「おっけ~」
流石のフットワークの軽さである。
「わ、私達も行こう!」「ん、私達も動くべき。」
便利屋の後に続くゲーム部、その後にアビドス勢も続く。
「私達はこの『カメラ・iFormula10号』を使って捜索するよ。」
(フーコ…!お願い、無事でいて…)
カメラ・iFormula10号
魚眼を遥かに超越した『ギガ・魚眼レンズ』によって、360°以上の視界を獲得したカメラ付きドローン。
…とエンジニア部部長は語っているものの、360°を超えたらそれはもう一週しただけでは?などという疑問は尽きない。
無駄に爆破機能を搭載してしまったためコストが上がり、量産は困難になってしまった。
ちなみに、燃費はとても悪い。
小説について
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受験終わるまで更新待てるよ!
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待てないよ!なんとか終わらせて!
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エタらせてもいいよ!
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勉強しろ!