私は切札深雪。現在、私はある病院の一室へと向かっている。話を聞いた程度ではあるが…男性を保護したと言う情報が入った。
しかも身元不明の男性である。
「身元不明の男性…何でそんな事が…」
これには私もビックリだ。別の仕事を終わらせた時にこんな連絡を受けたのだから。
とにもかくにも、先ずは話を聞かなければ。
「男性保護警官の切札深雪です。中に入らせていただきます。」
「……分かりました。」
私がノックをして中に入るとそこに居たのは…美しい男性だった。漆黒と思わせる程の黒髪に黒と白の瞳。
何よりも綺麗な肌…肌!
「(こ、この人…何て綺麗な肌をしてるの!?あまりにも綺麗すぎて鼻血吹き出しそうになったわ…!)」
彼女は一体何を言っているのか理解できないであろうがそこはどうでも言い。正気を取り戻して咳払いをしつつ予め用意されていた椅子に座る。
「……改めまして自己紹介を。私は切札深雪。本部で話を聞いて調査をしに「ブッ!」…!大丈夫ですか!?」
「ゲホッゲホッ…だ、大丈夫です…。水が変な所に入っただけなので…」
「そ、そうですか…良かった…」
私はホッとしつつも幾つかの質問をするために彼に問いかける…。
まさか水を吐き出しちまうとは…いや、だって名前が切札って…!
完全にこの世界の主人公の可能性が高くなっちゃったじゃん!何なのこれ!?
貞操逆転世界で面倒事に巻き込まれるのだけは本当に御免なんだけど!?
その後、何度か質問をされた。何故彼処に居たのか…家族は居るのか…綺麗な肌を舐めたいとか…いや最後はただの変態だな。
「分かりました。今日は時間を取らせて頂いて有難うございます。
………彼方さんは今、辛いですか?」
不意に深雪さんがそんな事を聞いてきた。辛いか…まあ、寂しいって気持ちはあるかな?
だけど俺は不思議と辛くはなかった。
「いえ、辛くはありません。」
ただ、それだけを言った。それを言うと深雪さんは深々と頭を下げて部屋を出ていった。
深雪さんが去ってから…俺は近くにあった机の上に置いてあったデッキケースを手に取る。ある時、おっさんが用意してくれたデッキがこの中に入っているのだ。この世界ではデッキを持っていないと、身元証明が出来なくなってるようだ。
…いやそれ何処のカードゲームの世界だよ。
「問題点があるとするなら…この世界のカードプールかな。
最新であれば良いんだけど、初期時代からだったら流石に萎える。」
いや、元の世界で使ってたデッキだったらなぁって思っただけだし…この世界のカードプールが何処までだろうと、郷に入れば郷に従え。
やるしかないだろう。
「……確認するの怖いしやめとこ。」
変なところでチキンになる自分に笑いながらベッドの上に寝転がった。