なんやかんやでおっさんと別れを告げた。いきなりだとは思うが、喋ることがないので何も言えないのだ。
取り敢えずこの世界のカードプールを調べてみたが、大方自分の知ってるカードがあったので何とかなるだろう。
しかし、そんな中で俺は驚いた事があった。それは外部ゾーン…いわゆる超次元やGRゾーンのカードが高いこと。
ゼーロンやドルマゲドンのような特殊なカードは無かったが、それでも外部ゾーンのカード使えるから良いかなと思っていたら殆どの値段が高くて白目を剥いた。
「何だこれ……ふざけてんのか?最低価格で一万するんだけど?」
本来だったらストレージ行きになる様なカードでさえもこの値段なのだ。やばすぎて吐きそうだ……。
「そう言えば俺のデッキどうなってんだ?」
こうなってくると怖いのはあのおっさんが用意してくれたデッキケースの中身。外部ゾーンが実質禁止にされてる以上、どんなデッキになっているか分からない。
……余計に見るのが怖くなってきた。
「(せめてマトモであって欲しい…!)」
取り敢えずデッキケースを開けようとしたその時、後ろから深雪さんに声を掛けられた。
「シン君!」
「……深雪さん?」
「こんな所に居たら危ないよ!男性が一人で外を歩いてたら何が起こるか分からないんだから!」
まずなぜ場所が分かったのか知らないが、どうやら迎えに来てくれたようだ。
てか俺、言われてみれば一人で勝手に彷徨いてたな。
「迎えに来てくれてありがとうございます。」
「良いんだよお礼なんて。これが私の仕事なんだから。……あ、そうだ。
私の上司が呼んでるんだけど君にも来て欲しいんだ。」
……俺に用事。大体の想像はつくが、行ってみるしか無いだろう。もしかしたら元の世界に帰れるヒントがあるかもしれないし。
俺はそんな考えを浮かべながら深雪さんと共に男性保護警官達の仕事場である警察署本部へと向かった。
「早速呼び出しておいてアレだが…そこの男。アタシとデュエマで勝負しろ。」
行ったら速攻で勝負しかけられました。何で?
目の前の目つき悪い大人の女性がコチラを睨みながらそう言ってくる。
「はっきり言って…お前怪しいんだよ。いきなり何処からともなく現れた男。
アタシだって男性を疑いたくは無いが…お前が犯罪組織の一員の可能性を捨て切ることが出来ない。」
「所長!?何言ってるんですか!?」
「今の世の中、男の立場を利用して犯罪行為を行う奴らもいる。コイツがそいつらと同じじゃないとは限らないんだ。」
考えてみれば自然な事なのだろう。だって自分は身元不明で突如として現れた男。こんなに怪しい奴は幾らここが貞操逆転世界だとしても、男なら何でもOK!って事にはならないのだ。
「つまり、自分が貴方達に害を及ぼすかどうか見極めるって事ですか?」
「そういう事だ。理解が早くて何よりだよ。」
そう言って獰猛な笑みを浮かべる女性。これはちょっとヤバそうな事になったが……ここで逃げたら、自分の安全は確実に無くなりそうだ。
こうなったら戦うしか方法は無いだろう。
「分かりました。その勝負、受けます。」
「シン君…!」
「なら早速始めるぞ。」
そう言って女性は何らかの機械を操作すると、デュエルフィールドが出現した。この世界において、初めてデュエマをする。転移する前の知識もあるがここではそれがどれだけ通用するか分からない。
それにデッキの中身も碌に見れてない以上、上手く回せるか不安だ。
「さてと……ルールは知ってるか?」
「それくらいは覚えてます。」
「なら良い、さぁ行くぞ!」
「「デュエマ•スタート!」」