禪院直哉になったから逃げようとしたら十種影法術だったから詰みかける   作:アルトリア・ブラック(Main)

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思ったんですけど、非術師家庭出身の術師って家族に術師だと教えられるのだろうか…?


番外編・『人の悪意』

ー卒業後の会合ー

 

「当主になったら会合とかそれはそれでめんどくさいなぁ」

 

そう言うと同じく正装した悟が「顔見せとか必要ねぇのにな」と言われる

 

「加茂家が知らんだけで、俺と悟君は高専同じやのにめんどいわ」

 

「お前ん所のおじいちゃんがうるさいだけでしょ、なんとかしろよ」

 

「アホ言うなや、これでも頑張って片付けとるわ」

 

そう言いながら渋々部屋に戻ると、加茂家の当主の席に独りでぽつんと座っている男の子がいた。

 

「憲紀くんやない?」

 

そう言って隣に座ると五条が『殿様放って酒飲むとか節操ねぇな』と言う

 

無駄に声がデカく五条家の面々と加茂家面々がピリつく

 

「俺の時もそうやったけどなぁ、お酒は飲めへんのやろ?」

 

そう憲紀に聞くと『はい』と言われる

 

「ほな、悟君のジュース飲んでええよ」

 

五条が飲んでいないジュースを開けて渡す

 

「あ!俺の!!」

 

「自分、大人なんやから自分で持って来ぃや」

 

「ひっでぇ!」

 

「あ…良いんですか?」

 

憲紀にそう言われ

 

「ええよ、ほら、悟くん」

 

影から出すと『生暖かい…』としょぼくれる

 

「もっと背筋伸ばして座っとったらええよ、せやけど悪口ばっかり言う大人の真似はしたらあかんで?」

 

「そうそう、悪口は人を退化させるからね〜」

 

煽る当主二人に陰口を叩いていた人間たちが黙り込む

 

「なんでこっち見ながら言うん?俺のは悪口やないわ」

 

「罵倒だっけ?」

 

「煽るなや」

 

喧嘩し始めた二人を憲紀は黙って見ていた。

 

 

 

 

 

 

「会合ってホンマつまらへんわ」

 

「気持ちは分かるけど、仕事に集中しなさい!」

 

歌姫との任務になり、補助監督が苦笑いしていた。

 

「今回の任務は廃墟になった高齢者施設です。半年前まで稼働していたんですが、建物を一新する際に呪霊が発生、施設に関わった職員が変死するという事件が立て続けに起こっているとのことです」

 

関わった人間が数日のうちに呪殺されているという

 

「過労死って線はあらへんの?介護士も過労が多い職種言うけど」

 

「呪殺されてるって報告が上がって来てるから過労とは別物よ」

 

報告書を見ながら直哉が言う

 

「範囲は広く、東京にいる人間も遠隔で呪殺されるみたいです」

 

「それは東京の案件やないの?」

 

「揚げ足取らない!!」

 

歌姫のツッコミに笑う

 

「一級相当の呪霊だと推測されています。未登録のため、お気をつけてください」

 

そう言われ、帳の中に入る

 

「うわっ…呪いが強いわね…」

 

歌姫が身震いする

 

「禪院家に比べれば普通やな」

 

「御三家と比べない!ていうか禪院家からしてみればどこも普通でしょ」

 

「…言うようになったなぁ…」

 

二人で施設内を歩きながらこの高齢者施設の過去に何があったか話す

 

「ある意味、人の行き着く先やしな、姥捨山っていうのがあるくらいやからな」

 

「……ハッキリと言うわね」

 

歌姫の言葉に玉犬を出して辺りを警戒させながら言う

 

「自分の手に負えなくなったヒトを代わりに面倒見てもらうって言葉あんまり好きやないんよ」

 

ワンワンと玉犬が吠える

 

部屋からギィギィという車椅子の音が響き渡る。

 

「!!」

 

呪霊が何かを飛ばして来る。

 

それを大蛇兎で弾く

 

「"鵺"」

 

呪霊の背後に出現させた鵺で葬る

 

「歌姫センセは上の階頼むで」

 

「え?!一人で!?」

 

その言葉に階段を降りながら

 

「玉犬たちは下に呪霊おるって感知しとるし、上にいるとしたらせいぜい二級の雑魚やから平気やで、あ、それとも、俺と一緒にいきたいん?」

 

「一人でいいわよ!」

 

そう言って階段を登ってく

 

「やっぱり、からかいある人やなぁ」

 

階段を降りるとどこまでも果てがない廊下があった。

 

(…ループ系の能力持っとる呪霊ってチートやなぁ…)

 

そう思いながら影から刀を出す

 

呪力を込めて切ると呪霊が悲鳴を上げる

 

攻撃されるが、大蛇兎で弾き飛ばす

 

(便利やなぁ、大蛇兎)

 

何も閃かないから大蛇+兎のまんまで呼んでいるのだが

 

脱兎が壊れたのは産土神の任務の後で、特級呪霊の討伐任務で破壊されてしまった。

 

脱兎を完全破壊された時はガチで焦ったが、なんとかあの呪霊は倒しきりことなきを得た。

 

灰原が『うさぎ撫でれないのかぁ』と露骨に残念そうな顔をされた時はうっとなったが

 

大蛇の巨体から繰り出される破壊力に加えて脱兎の破壊されようといくらでも召喚することが可能という能力が合わさり、チート的強さになった。

 

脱兎の破壊されても消滅しないという所も何故か作用しており、もう完全に見た目がクトゥルフみたいな怪物じみている。

 

影から瞬時に出して攻撃を弾くのはお手のもの、大蛇の歯力も合わさり怪物のそれとなっている。

 

ある部屋にいくと書類が散らばっており、それを見るためにしゃがむと玉犬黒もそばに座り、辺りを見渡していた。

 

(…天下り…ねぇ)

 

過去の書類、おそらくは社会に出すつもりじゃなかったであろう書類が山のように書かれており、それを見てため息をつく

 

影に書類をしまった後、立ち上がると上から爆発音が聞こえて来る

 

「さて、歌姫センセ助けに行きますか」

 

そう言って外に出る

 

 

 

蝦蟇で救出すると歌姫が「この感覚気持ち悪い」と文句を言いつつ、最後に礼を言ってくれる

 

「ツンデレやなぁ、あの人」

 

車の中、歌姫と別れた後、灰原の運転する車でとある場所に向かっていた。

 

「歌姫先輩からかうの本当に好きだよね…直哉」

 

そう言われ「だって楽しいんやもん」と返す

 

歌姫の反応がいちいち良いから揶揄いようがある。

 

今回の依頼主のところに行くと、無事に討伐完了と告げた後、そのことに喜んでいる依頼主に影から出した紙を見せる

 

「高齢者は金儲けの道具やないんやで」

 

「な、なぜこれを…」

 

「呪霊を倒した後に出て来たんや、えらい死亡者数やなぁ、コレも呪霊のせい?気のせいやろ」

 

そう言って睨みつけるように見ながら前のめりになって

 

「病気のせいにして事故に見せかけて殺して、事実に気づきかけた職員をクビにして、本当にろくでなしやな、お前」

 

人の心がなさすぎる

 

ブラック企業というか、転倒事故に見せかけての死因がいくつか、この男がトップになってから山のように上がっていた。

 

「そんな事実、どこにもないだろうっ!」

 

男の言葉に『せやなぁ』と言って背もたれに寄り掛かる

 

「確かに一年で大量に死ねば警察が介入するやろうけど、数年がかりでやれば怪しむことなんてあらへんやろうし、監査はあるやろうけど、そこは誤魔化せばなんとかなる。でも、今回、施設を新しくする数日前から気づいたんやろ、意図せず職員にまで死者が出て困り果てた時に呪霊が見える職員から霊がいる、みたいなこと言われてこっちに依頼して来たんやろ」

 

そう話していると、依頼主が明らかに狼狽えていた

 

「んで、高専の呪術師に依頼したら呪殺されるほど強い呪霊が出て、俺らが担当することになった。事実がバレても金を積んでなんとかしようとした、御三家言われとる俺に依頼出したのもそれが理由やろ」

 

禪院家はつい最近まで腐り果てており、金さえ受け取れば揉み消すこともすると豪語していた。

 

五条や夏油に依頼したらバレるだろうし、下手したら自分の立場が危うくなるかもしれない。

 

悲しい話だが、今は違っても昔から培っていた腐った噂は変えられない

 

「当主が父やったら揉み消したやろうけど、俺は金で動くほど守銭奴やあらへん」

 

そう言って写真を投げ渡す

 

「ことの原因はそれやで」

 

施設の地下に無縁仏があった

 

「呪いを呼び込んだのも、人がここ数年で一気に死に始めたんもそれが原因、管理体制杜撰すぎたな」

 

そう言って立ち上がる

 

呪殺が大量に発生したのも、無縁仏を弔っている人間が辞めたから死者が出始めたのだろう。

 

 

外に出ると灰原が『お疲れ様』と手を振って来る

 

「もうアイツは人の命を預かる仕事にはつけへんから安心し」

 

「心の中読んだ?!」

 

ビクつく灰原に『わかりやすすぎやねん』と笑う

 

 




今回の高齢者施設ネタに関して、全部が悪い施設ではありません。良い施設も無論あります。

しばらく休みます
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