禪院直哉になったから逃げようとしたら十種影法術だったから詰みかける 作:アルトリア・ブラック
第0話『原作前譚』
ー東京ー
「直哉の言うことって大体当たるから嫌なんだよなぁ」
椅子に座り、飴を舐めながら携帯を閉じる
「なんで学校に両面宿儺の指があるんですか」
恵の言葉に五条は『一種の魔除けとして置いたんじゃない?』と話す
「甚爾が回収した指は2本、直哉が回収したのも2本、両方東京にあった。上層部がなんらかの目的で置いたとは言ってたけど」
「その目的ってなんなんですか?」
「直哉と傑が今調べてるよ、てことで恵は百葉箱の中の呪物を回収お願いね」
そう言われ恵は嫌そうな顔をしつつわかりましたと言って出て行く
(…未登録の特級呪霊数体確認かぁ…直哉の等級そろそろ上げて良いと思うんだけどなぁ…)
直哉は現在、禪院家の称号である一級呪術師とされているが、その実力は特級ぐらいある気がする。
五条や夏油が推薦してはいるが、上層部の腐ったみかん数人が邪魔しているため一級止まりだった。
(…未来視でも持ってるだろ、直哉の奴)
六眼に映る直哉の呪力は正直異常で、術式は十種だが、もう一つ術式があるように見えて仕方ない。
六眼+無下限のように、直哉自身も十種+とある気がするのだが、本人が自覚していないから意味もないのだが
ー京都
(…仕事が終わらなさすぎる…!)
自室にて伸びる
(…羂索の行方も掴めへんし、原作破壊しすぎた…)
調査したと嘘をついてそれとなく羂索の能力について夏油と伏黒甚爾、五条悟に伝えてはある。
呪霊操術使いの体がほしくて(意訳)全力で夏油狙ってるって言ったら『マジでキショい』と言って自分の周りに頭に縫い目のある人間がいないか注意深く見てるらしい。
(…ある程度、死んでへんと出てこんとか嫌なんやけど…)
甚爾が引き起こした事件によって天内理子の死、夏油傑の離反があったから原作通りの展開になり得た。
夏油が死なない事により、別の呪霊操術使いが現れるかもしれないと思ったらマジで嫌すぎる
(…今思ったけど、夏油傑の離反は別にあってもよかったんやな…問題は遺体をすぐに塵一つ残さず灰にすれば良いんやし…)
人でなし思考になり始めて頭を振る
「…仕事しよ…」
両面宿儺の指を回収して回ってはいるが、抑止力でも働いてるのか、直哉が東京に行こうとするとなんらかの邪魔が入り行けない状態になっている。
(…悟くんにはある程度伝えとるけど、両面宿儺の指を虎杖悠仁が飲み込むような事があっても問題は恵くんやしな…甚爾くんがおるから平気やと思いたいけど…)
甚爾は魂?が強すぎるから羂索の脳みそと入れ替わる事がないだろう
恵くんに関してはある程度、メンタル面が強くなるように悟くんと一緒に稽古の相手をしているが、いかんせん不確定要素がありすぎる
それに、伏黒津美紀がいないため、そのポジションになりそうな天内理子が昏睡状態にならないように見てはいる
禪院家から出ると京都校に行く
「あ!禪院先生!」
元気に挨拶してきた三輪に挨拶を返す
「うわっ、相変わらず隈凄いですね…」
「…歌姫センパイからかわないと死ぬ…」
そう言うと『ホント、禪院先生って歌姫先生からかうの好きですね…』と引かれる
「あの切り返しの良さがええんや、学生時代からホンマ変わらへんからそこがええ」
↑疲れすぎて頭が働いてない
「……先生、自習時間で良いので寝てくださいよ…」
教室に入ろうとすると携帯が鳴る
その相手に嫌な予感はしつつも三輪から離れる
『声ガラガラすぎない?直哉』
相手は五条であり、軽快な声に「どないしたん?」と聞くと
『両面宿儺、受肉しちゃった』
そう言われ固まる
「はぁぁああ!??」
『ウッッサ!!鼓膜破れるっ!!』
「…どんな感じでしてもうたんや?」
そう聞くと五条が「んーとね」と事の経緯を教えてくれる。
虎杖悠仁に受肉してしまい、彼は現在、高専に搬送中らしい
『そこで直哉に頼みたいことあるんだけどさ、秘匿死刑に上はするだろうけど、直哉の方からも上を見張ってくれない?』
禪院家には数人、腐ったままの術師は残してある。
彼らは言い方は悪いが、使い勝手の良い人材で失っても損害はない人らである。
腐った彼らの情報は腐った者達の元に集まる
「また仕事せなあかんのか…まぁええけど」
そう言うと『さっすが直哉〜!また何かあったら連絡するね〜!』と言って切られる
電話を切った後、すぐに甚爾の携帯に電話する。
「…全ての指を飲み込んで死ぬ、そこは変わらないんですか」
恵の言葉に五条は『うん』とあっけらかんに言う
「正直直哉をこれ以上酷使したら、過労死して禪院家が空中分解するだろうから避けたいんだよね、それに、複数の指は直哉と甚爾が持ってる。上にはそう言ったけど、全ての指を飲み込むなんて事はさせないから大丈夫だよ」
二人で廊下を歩きながら話す
「…直哉さんはともかく、親父が指を持っていて平気なんですか、あの人術師じゃないから呪いに対する耐性なんてないでしょ」
「いやいや、呪力がないからこそ、平気なんだよ、それに甚爾かなりメンタル強いからね、宿儺の指飲んでも悠仁並みに平然としてそうだし」
「…五条さんの親父に対する信頼がすごいですよね…」
「一回、僕を殺しかけたからね、信用はしてるよ、ていうか、日に日に目で追えないスピード出してるしさ…」
ハァァと深いため息をつく五条
部屋の前まで行くと『じゃ、おやすみ』と言って別れる
ー??ー
マンションの一室、ビーチのような場所にて…
「五条悟、夏油傑、できるなら夏油傑を優先的に殺してくれれば助かるんだけどね漏瑚」
「強さでいったらどっちが強い」
「五条悟が強くてその次は夏油傑かな、後、厄介さで言えば禪院直哉も加えようかな」
「その禪院直哉って強いの?」
ツギハギだらけの男の言葉に「いや?」と首を振る
「強さで言ったら五条悟や夏油傑には及ばない、ただ、ここが厄介すぎる」
脳を指差しながら言う
「脳?」
「全部こっちのことを把握してるんじゃないかな、漏瑚の攻撃方法とか」
「会ってもおらんのにか?」
「まぁ、簡単に言えば小説の物語をオチまで知ってる状態かな」
「何それチートじゃん」
ツギハギだらけの男の言葉に「そうそう」と頷く
「だからこそ、殺すのは禪院直哉からかな、それと呪力でトドメを刺しちゃダメ、必ず呪力を消して殺すこと」
《何故です?術師は呪力で殺さねば呪霊となりますが》
「呪霊にさせた方が知能が落ちるから良いんだよ、脳みそだけは本当に邪魔なんだ」
「魂に触れて改造してもいい?」
「良いけど、おすすめしないよ」
そう言って手を振って出口に向かう
「よろしく頼むよ、呪霊の満ちた世界にするために」
【高専の状況】
御三家のうち、五条家はワンマンチーム、禪院家は直哉が整地(?)したおかげで比較的まとまってるが直哉が消えると一部が保守派に回ってしまうが基本的に五条派
伏黒甚爾
現在は京都に出張中、家に日帰りで普通に帰っているが、今回は直哉の依頼で東京にいなかった。
直哉からある程度の事(未来の事)は聞かされており、富士山頭と植物系の呪霊を探してる。
割と人でなしで恵からはクソ親父と言われてる、次男からは普通に尊敬されてる。
天敵・九十九由基(見たら全力で逃げる)
夏油傑
現在は東京校にいる。基本テリトリーは長野辺り
迫害されている非術師・術師を保護する組織を作ってはいる。
天敵・伏黒甚爾。
天内理子(伏黒莉子)とは現在も交流関係あり
五条悟
生徒の前では基本的に『僕』同級生や後輩には『俺』を使い分けてる。
教師をしてはいるが、原作五条より教え方は感覚
美々子・菜々子
現在は夏油と一緒に行動してる。普通の学校に通ってる(変更)
伏黒恵
基本的に原作と同じだが、禪院家の次の当主になる自覚があるため、定期的に禪院家に通っており、交流はあるが、誰かが当主に任命されたらそっちに譲りたいと思っている。
天敵・禪院甚壱(禪院家ではまとも分類だが、非術師価値観から言えばろくでなし人でなし)
伏黒豊
恵の弟、現在は中学生。
呪力も術式もあるが、恵と違い高専に行く気があまりない。
禪院直毘人
現在隠居満喫中、この人だけ結構幸せ
ダコンだっけ?あの海の呪霊、天内に似てない?