禪院直哉になったから逃げようとしたら十種影法術だったから詰みかける   作:アルトリア・ブラック(Main)

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豊くんは善人、だけど…

魔虚羅調伏後から天与呪縛に関して見直された禪院家の話。


幕間の物語『禪院家での一幕』

ー禪院家前ー

 

恵の十種発現、豊の術式発覚に伴い、甚爾は嫌でも禪院家に頼らざる負えない状況に嫌気が指していた。

 

「…このまま突っ込んでいいか?」

 

ハイエースを運転していた甚爾の言葉に『俺と豊が死ぬから止めろ』とキレる恵

 

豊が禪院家に行くことも最初は反対していたが、豊のぶっ壊れ術式は禪院家の庇護がなければ他の御三家から狙われてしまう(悟曰く『僕も頑張って止めるけど、そっちに行ったら殺していいからね』とのこと)

 

車を家の前に止めると、豊を起こしている恵に

 

「ヘッドフォンちゃんと付けろよ」

 

「わかってる」

 

別に禪院家の人間が何人死んでも構わないが、直哉の努力を水の泡にはしたくない。

 

車から降り、豊の手を握っている恵がジッと見ていた。

 

「…んだよ」

 

「…俺だけでもいいけど」

 

そう言われ家を見て『いつまでも目を背けてる訳にはいかねぇだろ…』と言う

 

家の前に着くと

 

「あ、甚爾さん、お疲れ様です!」

 

元気な蘭太が門を開けて来る

 

「………」

↑差別の眼差しを向けて来ないことに違和感がすっごい

 

「お邪魔します」

 

「失礼します!!」

 

元気に頭を下げる豊

 

ガッとヘッドフォンを掴む

 

「…急に下げんなって…」

 

恵の言葉に笑いながら『ごめん、兄ちゃん』と笑う

 

「直哉さ…当主なら部屋に…『甚爾くん、いらっしゃーい』ここにいますね」

 

秒速でやって来た直哉に蘭太が『待っててくださいよ、当主なんだから』と説教しているがすっごい嬉しそうにして聞いていない。

 

屋敷に入ると、あの時感じていた陰鬱とした空気は感じなかった。

 

部屋に案内されると、蘭太が茶を持って来る

 

「……」

 

ここで出される茶ほど信用できない物はない、それが伝わったのか直哉が『大丈夫やで、毒入れようとか害意を加えようとしたら豊くんの術式喰らっとるから』と言われる

 

(…確かにそうだな…)

 

「??」

 

豊が傷つく=親や兄弟の死を企んだ時点でここの家にいる人間は死ぬだろう。

 

直哉と話していると豊が欠伸をしそうにしているのを耐えていた。

 

「あ、堪忍、退屈やな〜家の中観光に行く?」

 

「は?」

 

直哉の言葉に思ったよりドスの効いた声が出て蘭太がビクつく

 

「大丈夫やって、三人に危害を加えようとしたら処すから」

 

「……直哉さん、頭の上に出てます」

 

「あ、堪忍」

 

魔虚羅の方陣を引っ込める

 

「お父さん、トイレ…」

 

豊の言葉に『直哉さん、トイレ借ります』と恵も立ち上がる

 

「案内しますよ」

 

そう言って蘭太まで着いて来る

 

廊下を歩いていると…

 

「…わざわざすいません」

 

蘭太に謝罪すると

 

「いや、僕もあの二人の殺気ってちょっと苦手なんですよね」と苦笑いを浮かべていた。

 

豊がトイレから出て来ると

 

「お兄ちゃん、あそこ行きたい!」

 

元気はつらつに懲罰部屋の方を指差す

 

「やめろ、迷惑かけたら親父に怒られるぞ」

 

「えー…」

 

「あそこに行きたいって言ってるの豊くんだけですよ」

 

蘭太に頭を撫でられる

 

「豊くんの方が強いから、呪霊圧死しちゃいますよ」

 

そう言われ、豊が『それは可哀想…』と呟く

 

(…呪霊を可哀想って…親父と豊といるとバグる…)

 

ほら帰るぞ、と手を引っ張られる豊

 

 

 

 

 

 

ー名もなき少女二人ー

 

家に当主の家族が来ているらしい。

 

お母様とお父様は当主の家族のことを猿とか言って軽蔑しているが、お母様達は猿なんてみたくないと本家には行かなかった。

 

「お姉ちゃん!!」

 

本家の端にいたとき、蘭太さんの弟さんが私達をいじめて来る

 

呪霊の巣窟に投げ落とされる

 

「痛い…大丈夫…!?」

 

姉が抱きしめて来る

 

呪霊が見えない姉には周りの化け物は見えていないのだろう。

 

「猿も猿だが、そんな猿の手を借りてる当主に媚売らねぇといけないのほんとに困るんだよ、なんであんな奴らに気を使わないといけないんだ、俺は、蘭太より強いのに…!」

 

男の機嫌はかなり悪いのだろう。

 

「お前らに罪はねぇけど…喰われてくんねぇ?泣いて縋れよ…!!」

 

男の叫び声と同時に呪霊が、見た目が恐ろしい呪霊が飛んでくる

 

ギュッと目を瞑ると、目の前にいた呪霊が吹き飛ぶ

 

「…あ?ぎゃっ」

 

男の呆気に取られる声と共に男が転がり落ちて来る

 

「大丈夫?」

 

男の子が見て来る

 

「あなたは…?」

 

男の子は私とお姉ちゃんの手を掴み

 

「ここいたら危ないよ、上行こう」

 

そう言って立ち上がらせてくれる

 

男の子が来てから周りにいた呪霊が『来ないで来ないで』と泣いていた。

 

私と姉が登り切ったとき、男の子が振り返り

 

「良いよ、その人食べて、子供は食べちゃダメだよ」

 

そう言って私と姉に『帰ろ』と言って手を握って来る

 

ある程度離れた時、後方から悲鳴が聞こえて来る

 

「…え?」

 

「あ、あの人どうなっちゃったの…?」

 

震えるように言うと男の子は可愛く笑い

 

「いじめする奴に慈悲はいらないから」

 

人形のように可愛いけど、その底知れなさに恐怖を感じるが…

 

「豊ー!!勝手に抜け出すなー!!」

 

男の人が聞こえて来る

 

「お兄ちゃんに怒られるっ…!ごめんね!!」

 

ダッシュしてその場からいなくなる。

 

 

 

 

ー直哉ー

 

 

豊くんが家の中を一人で探索しており、恵と甚爾に叱られていた

 

豊くんに見られて困るようなモノは…隠したつもりだが、差別用語ぶちかます奴らも離れに隔離したから大丈夫だと思ってはいるが

 

「直哉さん!楽しかったです!」

 

「…何したんだよお前」

 

甚爾の背中に登っていた豊がえへへと嬉しそうだった。

 

三人を見送り、屋敷内に戻ると…

 

「…んで?なんであの人は死んどるの?」

 

懲罰部屋から血生臭い匂いがして見に行くと蘭太の弟が死んでいた。

 

「…この人ってここにダイブする趣味あったんだ…」

 

興味なさそうに蘭太が言う

 

呪霊の濃い気配がする中、少しだけ豊くんの残穢も感じて嫌な予感がする。

 

(…落とされそうになった…?いや、落とされた所で豊くんならここにある三級呪霊くらい圧殺出来るし…さっき豊くんがここ辺りまで来たとか言うてたからそれかな…)

 

「…ここ取り壊した方がええかな?」

 

「当主が決めるならすぐにやりますよ」

 

「さよか、恵くんの代にあっても困るから壊そうか」

 

「わかりました」

 

そう言って呪霊を魔虚羅で殺していく

 

 




【伏黒甚爾から見た禪院家】
昔いた頃に比べれば空気感はマシになってるし、蘭太など若い者から素直に尊敬されてることに悪寒は感じているものの、ある程度空気感の良さにこれぐらいなら恵を預けても大丈夫か…?と思っている。

【豊に助けられた名もなき子供二人】
蘭太の方の親戚、要は分家の分家

【豊の身体能力について】
甚爾から護身のために学んでた。趣味は格闘技、休みの日はよく母親とジム行ってる。ジムのアイドル化(?)してる
いうてそんなに強くない(名探偵コナンの蘭レベル)

【豊の性格】
感情面での天与呪縛、伏黒家メンツ+直哉と灰原の価値観に合わせている。
いじめをする人間は反省しない→じゃあ殺そうという極端思考になる


【もし、豊を宿儺が見たら】
現代の術師はこんな面倒な奴しかいないのかとゲンナリする。
やろうと思えば豊を愛でられる(それがどっちの愛かはご想像にお任せします)けど、こういう系統には好かれたくないので全力で寝たふりする。
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