ルビコンわくわく独立傭兵   作:青いカンテラ

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初見プレイで何度もやられました(全ギレ)


ウォッチポイント・デルタ

 ブリーフィングルーム。オールマインドを通して企業やルビコン解放戦線といった各勢力からの依頼を受けるその場所には、神妙な面持ちをしたウォルターとミールワームぬいを抱いた621の姿があった。

 

「これは・・・゙ある友人゙からの私的な依頼だ」

 

 壁のモニターに映し出されたのは、円形の壁に囲まれた施設。ウォッチポイント・デルタと呼ばれるそこは、地中に眠るコーラルの支脈を監視し、かつては流量制限も行っていたという。現在は惑星封鎖機構のSGが警戒に当たっており、企業ですら表立った手出しは避けている・・・その施設を単機で襲撃し、最奥にあるセンシングバルブと呼ばれる制御装置を破壊する。それが今回の依頼の内容だった。

 

「作戦決行は今夜だ。何か質問はあるか? 621」

「ん!」

「なんだ」

「えんそく、ミールワーム、おやつにはいる?」

 

 レッドガンの流儀、というよりもミシガンの影響を受けている。遠足へ行くのにおやつは欠かせない。長引いた時に摘まんで補給をするためだ。

 

「・・・。621、ミールワームはおやつではない・・・。おやつではない、が・・・干しミールワームがあったはずだ、持っていけ」

「わかった!」

 

 

 

 

 ◇◆◇

 

 

 

 夜の闇に紛れるように、無人の高速輸送ヘリが飛ぶ。作戦地点であるウォッチポイント・デルタが近づくと、後部ハッチが開きノーネームを宙にぶら下げるようにして2本のアームが伸びる。

 

『独立傭兵が単機で仕掛けてくるとは、封鎖機構も想定していない。その隙を突け』

「あい」

『行って来い、621。・・・愉快な遠足の始まりだ』

「あい、きゃん、ふらい! ごー!」

 

 ガコン! と物理ロックが外れ、ノーネームが投下される。まずはレーダーに表示された手近な敵へと狙いを定めてブースト。視認性を低下させる暗い青色の機体が駆け、こちらに背を向けていたMTを蹴り飛ばしてショッドカンで止めを刺す。

 

『コード15、侵入者を捕捉』

『敵は・・・AC単騎だと? どこの所属だ』

 

 封鎖機構のSGたちも無能ではない。奇襲で仲間をやられても、侵入者を排除すべく冷静に動き出す。機体に装備しているミサイルランチャーやレーザーライフルを起動。さらに大型のレーザー砲台もチャージを開始する。単機で乗り込んでくる自殺志願者(ノーネーム)へと向けるには過剰とも言える火力。四方から銃口を向けられ、621は頭の中で優先順位を付ける。無数のMTと大型砲台。脅威度の高いものは―――

 

『詮索は後だ。迎撃開』

 

 バーストライフルでMTを1機撃ち抜きながら、レーザー砲台へと向かう。エネルギーが収束し青白い光を放つそれに、左肩に装備した二連装グレネードを発射する。砲身に食い込んだ炸薬が内部機構を破壊しつくし、行き場を失ったエネルギーが砲台の設置されていた建物を巻き込んで爆発した。

 

「つぎ」

 

 少し奥の方にある2台目のレーザー砲台の射撃をクイックブーストで躱し、アサルトブーストで突っ込む。砲台の火力は侮れないが、その分連射が効かない。強制冷却で動きが止まっているうちに仕留めるべく、バーストモードに(チャージ)したバーストライフルと右肩の連装ミサイルを発射。砲台はライフルの射撃には耐えたものの、頭上から降り注ぐミサイルまでは耐えきれず、火を吹きながら沈黙した。

 

『コード78。応援を要請』

『これは・・・!? 本部と通信が繋がりません!』

 

 現状の戦力では排除が難しいと判断しコードを送信するも、返ってくるのはザーザーというノイズだけ。戦闘が開始された時点で、ウォルターが通信妨害を敷いていたのである。

 

『応援は来ない。621、目撃者は全て消していけ』

 

 無慈悲な宣告が下る。もっともMTのパイロットたちには聞こえていないのだが。彼らにとっての死神である621は命を刈り取るべくノーネームを駆る。

 

 

 

『なんだこのACは!? 歩哨部隊はどうした!』

『コード18。総員戦闘配備!』

 

 奥へと進むと、広い空間へと出た。高台にはレーザー砲台が睨みを利かせ、MTも配置されている。いくつものサーチライトが点灯され、ノーネームを照らし出す。こうなっては夜間塗装も意味を成さない。

 

『四方から狙い撃ちにされるぞ。機動力を活かせ』

「ん!」

 

 跳躍し、クイックブーストで躱し、時にアサルトブーストを使っての急加速。脅威度の高い砲台を狙い、破壊してしまえば、後は先ほどと同じだ。ノーネームという死神の鎌は無慈悲に命を刈り取っていく。残されるのは、さっきまで命だったものの残骸だけだ。

 

 

 

『見えるか? あれがウォッチポイントの制御センターだ』

 

 敵を殲滅し、マーカーの付いた場所に向かうとブリーフィングでも見た円形の建物が遠方に見えた。ウォッチポイント・デルタ、そこに破壊目標が眠っている。

 

『目標はその内部にある。侵入しろ』

 

 アサルトブーストを点火。一気にウォッチポイント・デルタへと向かう。ぐんぐんと距離が近づくにつれてモニターに映る建物が大きくなっていく。

 

「・・・!」

 

 首筋にぞわりとした感覚がしたのと、COMが警告音を発したのはほぼ同時だった。真横にクイックブースト。数瞬先までいた場所が爆発。621は警戒した面持ちで建物の上部へと目を向ける。そこには、1機のACが佇んでいた。手に持ったバズーカから煙が上がっているところを見るに、先ほどの爆発はこの機体による攻撃で間違いない。

 

『・・・避けたか。中々勘が鋭いようだな』

 

 ジジ・・・と少しだけノイズが走った後に通信機から男の声が聞こえてくる。ACはウォッチポイント・デルタを守るように、扉の前に降り立つ。

 

『ウォッチポイントを襲撃するとは・・・。相変わらずだな? ハンドラー・ウォルター』

 

 そのACが何なのか、そのパイロットが誰なのか、621は知らない。だが、ウォルターは知っているようで彼の息を飲む音が聞こえた。

 

『また犬を飼ったようだが・・・何度でも殺してやろう』

 

 

 

To be continued・・・→

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