ルビコンわくわく独立傭兵   作:青いカンテラ

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621は大まかにロリ、イヌ、巨乳に分かれ混迷を極めていた・・・! してる中で、ワイの621はこうや。


621の休日

 武装採掘艦゙ストライダー゙。企業への反抗を続けるルビコン解放戦線が持づ手札゙の一つであり、企業勢力への対抗手段として本来は資源採掘用の移動拠点だったものを全面的に武装化。大半の武装は対空砲やミサイルと言ったものだが、その中で最も脅威なのがジェネレーター直結式の大型レーザー砲台゙アイボール゙。その名の通り巨大な目玉のようにも見えるそれは、直撃すれば戦艦でもただでは済むまい。ACであれば言わずもがなである。

 睨みを利かせるアイボールの射線を躱しながら接近、アイボールを破壊しストライダーも撃沈せよ・・・それが企業゙アーキバズからの依頼であった。独立傭兵として駆け出しも駆け出し(ぼっち)の621にはミッションを共にする仲間も僚機の当てもない。当然単機での突撃になる。そしてアーキバスも、手持ちの戦力を回してくれる・・・などということはなかった。まったく、依頼主は無茶を言う。

 

 この世の無常と独立傭兵の世知辛さを感じるが、一度受けた依頼はこなさなければいけない。対大型目標用に武装を新調し、621はベリウス西部ボナ・デア砂丘へと飛んだ。

 

 ………

 ……

 …

 

 結論から言えば、621はストライダー撃破を成し遂げた。作戦領域に到達した際に照射されたアイボールのごん太レーザーで焼き621になるところだったが、それ以外は危なげなくミッションを遂行した。単機によるストライダーの撃破。この成果をもって、傭兵は自らの有用性を世に知らしめたのである。

 

「やったぜ」

 

 武装採掘艦をも単機で撃破する、ハンドラー・ウォルターの恐るべき猟犬・・・。その当の本人はわりとゆるふわであることを、飼い主のウォルター以外は知らない。今は、まだ。

 

 

 

 ◇◆◇

 

 

 

『―――今は依頼も出ていない。休息を取っておけ621』

「あい」

 

 休息。つまりはお休みである。ここのところ、実績作りのために受けれそうな依頼を片っ端から受けていたせいで働き詰めだった。ウォルターの言葉は何よりありがたい。お休みバンザイ。

 

 通信が切れると、621はベッドに体を投げ出した。さてどうしたものか。働き詰めだったところに降ってわいた完全フリーな休日(じゆうじかん)。こなすべき依頼は無く、さりとて何か趣味があるわけでもない。

 

 ・・・強化手術を受ける前であれば、何か趣味と呼べるものの一つも、あったかもしれない。だがそれも過去の話である。焼けた脳には、燃え残った記憶の滓が僅かに散らばっているだけだ。

 

 このままぼーっと天井を眺めることに時間を使ってしまおうか。食事を取るには少し早いし、他に何か楽しみになるようなことは・・・。そこでふと思い出す。

 先日参加したレッドガンのガリア多重ダム攻略。作戦終了後に送られてきたG5イグアスの音声メッセージ(ファンメ)と、レッドガン部隊のエンブレムデータ。メッセージの方は速攻でゴミ箱にポイしたが、エンブレムは記念ということで取っておいたはずだ。

 

 傭兵は自分の機体に思い思いのエンブレムを付けてアピールするものだと、ウォルターが言っていた気がする。いっていたと思う。たぶんきっとメイビー。とりあえずダメとは言われていないのだから、ノーネームにエンブレムを付けてみよう。

 

「・・・えんぶれむ・・・」

 

 そうと決まればベッドで寝てる場合じゃねぇー! とばかりに飛び起きる。寝間着代わりにしていたシャツを脱ぎ捨て、傭兵支援システム゙オールマインド゙から支給されたジャージに着替える。作業をするには動きやすい服装が一番だ。

 

「えんぶれむ、えんぶれむ」

 

 プリントアウトしたレッドガンのエンブレムをノーネームに張り付けようとしている621を格納庫で発見したウォルターが、これまたオールマインドが提供しているツールを使えばいいのだと教えることになるのは・・・数時間後のことである。

 

 

 

 ◇◆◇

 

 

 

 ルビコンはアーキバス、ベイラム、ルビコン解放戦線といった勢力が入り乱れ、戦乱に明け暮れていた。それらの勢力に雇われて戦う独立傭兵も金の臭いに釣られて、あるいは刺激を求めて集まる。となれば、独立傭兵たちや企業を目当てに日々の糧を得ようとするものたちが集まってくるのもまた、必然と言えた。

 

「・・・そうして出来たのが、この歓楽街だ。ルビコンにはこういった街がいくつもある」

「はー」

 

 ウォルターの言葉を聞いているのかいないのか、何とも判別のし難い返事をする621。いつものことなので今更気にしない。杖を突き、人の行き交う歓楽街のメインストリートへと歩を進める。

 

 ここには様々なものがある。酒、食い物、ドラッグ、連れだって建物に入っていく男に女。戦乱の中にあるルビコンであるが、人はずっと戦い続けられるわけではない。戦いと戦いの合間には休息が要るし、疲弊した精神を気晴らしするための娯楽も必要なのだ。そして需要があれば供給が生まれるのは世の常である。

 

 だが、今日ここに来たのは娯楽を享受するためではない。別の目的があってきたのだ。

 

「ここは人が多い。離れるなよ621」

「ん。ついてく、ついてく」

「・・・まあ、お前ならすぐに見つかるだろうが・・・」

「ん?」

「こちらの話だ。いくぞ、621」

「あい」

 

 往来の中を行く621は、先を歩くウォルターよりも背が高い。それに加えて色の抜け落ちたような白髪に、顔には首から左の目元にかけて火傷痕があった。AC用パイロットスーツの上から男物のロングコートを着ていることもあり、様々な人間の集まる歓楽街においてもその姿は少々目立つ。とはいえはぐれないに越したことはない。こういった場所ではどこでトラブルに巻き込まれるかわからないのだから。

 

「あ、みーるわーむ。うぉるたー、うぉるたー。みーるわーむ」

「621、寄り道をしている暇はない」

「う・・・わかった」

 

 ミールワームたこ焼きの屋台をチラチラと見ながらウォルターの後に続く。今は彼の用事が最優先なのだ。ミールワームたこ焼きが気になっても我慢しなければ。

 

 ………

 ……

 …

 

「・・・これで渡りはついたか。あとは向こうが乗ってくるかどうかだが・・・」

「わたり?」

「次の仕事に向けた仕込み、といったところだ。うまくいけば大きな仕事が舞い込んでくる」

 

 ひとまずの目的は達した。アーキバスの人間と接触し、近く行われるだろゔ壁越え゙への参画をしたいと打診したのだ。ベイラムに接触しなかったのは、壁越えに失敗し手痛い損害を被った・・・という情報を掴んでいたからである。ベイラムが失敗したのなら、次に壁越えを果たそうとアーキバスは動く。その予想を裏付けるように、アーキバスは保有戦力を動かしている。更には万全を期すためにか、ヴェスパー部隊の最高戦力であるV.Ⅰ(ヴェスパーワン)フロイトも投入されるらしい。

 

 だが、いかにフロイトが強かろうと一人しかいないのだ。いかに突出した個人であろうと出来ることには限界がある。そして、アーキバスには・・・ヴェスパー部隊には壁越えに向けて切れる手札が少ないのだと、ウォルターはそう分析していた。ならばそこを突く。アーキバスに621を売り込んで壁越えに参加し、突破することが出来れば・・・これ以上ないほどの実績となる。そうすればこのルビコンのどこかに眠るコーラルにもぐっと近づくはずだ。

 

「うぉるたー、ようじ、おわった、よね」

「ああ。・・・せっかくだ、何か買っていくか621」

「かう!」

 

 

 

To be continued・・・→




【オールマインド】
独立傭兵のルビコンにおける活動をバックアップする傭兵支援システム。独立傭兵に向けた専用拠点゙ガレージ゙の提供、ACのパーツ販売や戦闘技能向上のための仮想戦闘場゙アリーナ゙といった様々なサポートをしている。

【歓楽街】
戦いで疲れた男たちが繰り出す街。商魂逞しい商人や、あるいは糧を得るために土着の民が企業勢力や独立傭兵目当てに集まってきており、活気がある。酒に食い物、ドラッグに夜のお店と娯楽が充実している。先輩に連れられてきた新米がお姉さんにドギマギする場面というのも見られるようだ。

【ミールワームたこ焼き】
たこ焼きのミールワーム版。つまりタコの代わりにぶつ切りにしたミールワームの肉が入っている。タコが入っていないのになぜたこ焼きというのかは謎。
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