Fate/Imagenary Friend 作:silika
プロローグ
退屈に飽きる。なんて素晴らしい表現なんだろう。だって、飽きれる程に平和だってことだもん。
わたしは、最近、やっとそれに気付いた。だって、それこそがわたしたちが勝ち取ったものだもの。
◇
「ーー素に銀と鉄。礎に石と契約の大公」
知らない部屋、知らない人、知らない声。そして、いかにも、な呪文を読む声。待ち望んでいた”非日常”がそこにあった。
「降り立つ壁には風を。四方の門は閉じ、王冠より出で、王国に至る三叉路は循環せよ」
でも、こんなのは嫌だ。頑張って手を動かそうと試みる。足を動かそうと試みる。たとえそれが、無駄なことだと知ってても、やめられない。
「
でも、無駄なことだってわかってる。体の関節全てに縄を掛けられて、磔られているから。
「繰り返すつどに五度。ただ満たされる時を破却する」
本当は、ここで神様に祈るもの。だけど、わたしは神様に祈ったことなんて一度もない。そこそこ仲の良いあの子に習っておけば良かったな、ってちょっと思ったけど、一回も祈ったことがない人を助けてくれると思えない。
「ーーーー告げる。汝の身は我が下に、我が命運は汝の剣に」
私が祈れる存在がいるとするのなら。そんな存在はひとつだけ。初めて見た時からずっと憧れていた。
「聖杯の寄るべに従い、この意、この理に従うならば応えよ」
ずっとずっと憧れていた。あんな風に活躍してみたい、褒められたい。
「誓いを此処に。我は常世全ての善と成る者、我は常世全ての悪を敷く者」
……あんな風に、親友が、信頼しあえる相手が欲しい。
「汝三大の言霊を纏う七天、抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よーーーー!」
「……助けて、■■■■」
魔法陣のピカッと光ると、魔法陣の上には今まで見た中で一番可愛い女の子が立っていた。その子は、彼女を呼び出した人にペッとお札を貼り付けると、すぐに私を見て言った。
「助けて、って言ったのはあなた?」
うん、と頷いたところ、チュンっと光線が飛んで紐が切り落とされると同時に抱えられた。
「舌噛まないように、口閉じておいてね」
そのまま、私のデコに何かをペタリとはっつけると、お姫様抱っこの状態で窓を蹴破って外へと飛び出た。
「令呪を持って命ずるーー」
後ろから何か声がするけど、わたしを抱えた彼女は、それを無視して飛んでいった。わたしが思うに、彼女を呼んだのは彼だと思うんだけど……。
「キャスター、あなたの声に導かれて参上、したよ? 多分」
「多分……? というか、キャスター……?」
え、という顔をする仮称キャスター。……あれ? フリフリの衣装、可愛い杖、魔法っぽい何か。
「魔法少女……?」
「あ、そうだよ、マスター」
……白状します。この後数十分の記憶がありません。
◇
よく考えたら、早くお家に帰らないと行けない時間なのでささっとお家に帰ってきてから、ご飯を食べてお布団に潜った後のこと。心の中でキャスターとお話をしていた。
キャスターの、高町桜ちゃんが、サーヴァントについてとか聖杯戦争についてとかお話してくれたけど、正直よく分かんなかった。
(えっと、わたしの他にもマスター、ってのが居て、それがお互いに戦って、願い事をなんでも叶える聖杯、っていうのを取りあってる、感じ?)
(うん、そう。他のマスターもみんな、令呪を持ってるからわかりやすいハズ)
桜ちゃんはわたしと同い年らしいけど、やっぱり年上に見える。 ……かっこいいなー。
……なーんでわたしはそれに引き換えこうも幼いのでしょう。誰か教えてくださいな?
(多分ねー、雨子ちゃんはそれで大丈夫だったからじゃないかなー)
イマイチよくわからない。大人って、必要だから成るものなのかな……。
(良いから、早く寝るの。明日から忙しいんだからさ)
他のマスターが襲ってくるかもしれないし、と桜ちゃんは付け加える。それは確かにそうなので、毛布をひっ被って、さっくりと寝付いた。
と、言うような感じで新シリーズ、オリジナル鯖によるオリジナル聖杯戦争『Fate/Imaginay Friend』開幕です
この話公開(2023/9/17/18時)から6話を四時間おきに投稿、その後は1日1話のペースに落として、全二十一話の投稿予定です
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