Fate/Imagenary Friend 作:silika
他のメンバーと別れた後、榛名はなんとなくでその場に残っていた。散らばる破壊の後の中に、妙な金属の輝きを見た気がしたからだ。
虚数ポケットに自分が砕いた刀の破片を拾い集めつつそこへと向かうと、一本の美しい刀が残っていた。この戦いで最初に使った、最高傑作と瓜二つであった。
「砕けたと思ってたんだけど……。まあ、いっか。残ったんなら名前の一つもつけよっか」
拾い上げると、それにぴったり合う様に作っていた鞘へと納めて工房へ帰る。この聖杯戦争における最大の成果だからだ。
今まで生きてきて最高の一本ではあっても、彼女にこれを人生最高の一作にするつもりはない。すぐにこれを打った時の感触を思い出して振り返り始める。刀の研鑽の路も果てしなく。この経験は良い道標になると彼女には思えた。
◇
「さてマスター。俺は旅に出るが、マスターはどうするよ」
家へと帰り着いたアサシンは開口一番ジオに問い掛ける。気が大きくなっているジオはあっさりと俺もと頷いた。
「お、やる気になってくれたか。そうと決まれば荷造りと行き先だ。まずは日本一周からだな」
「良いぜ。ウチは金自体は結構あるからな。妙な高級宿にでも泊まらなきゃどうとでもなるぞ」
どこから巡るかネットを見ながら相談する二人。交通手段は何が良いか、何を食べて何をしたいか、いつの時期にどこにいたいか、話すべきことはいくらでもあった。
◇
「マスター! 久々じゃないか、今回は一体全体どういう休みだったんだい?」
喫茶店『渡鴉』にて、常連客に店長のアイビスが声を掛けられる。アイビスか百鳥のどちらか片方がいないのは良くあることだったが、両方いないのは珍しいからだ。
「ちょっと探偵業の方が忙しくてねえ。いつもは代打を頼んでる奴が捕まらんしさ」
「無事解決は出来たのかい」
「そりゃ勿論。依頼達成率100%は伊達じゃないってことよ」
カウンター越しに客と喋るアイビス。その側では百鳥が茶を入れ高橋はテーブルに置いてまわる、いつもの風景という奴だった。
「高橋も良かったな、マスターたちが帰ってきてくれて」
別の常連客に絡まれる高橋。それに彼女は満面の笑みで答える。何せそれは大体事実なためだ。そのまま話し込む高橋。基本が緩い上にほぼ込まないこの店ではありがちの光景だ。
「邪魔します」
「あー、アナさんだー! おひさー」
「ああ、お久しぶりです、美琴さん」
店に入ってきたアナがさらに別の常連客に声をかけられて相席する。アナ自身も常連客の一角であり、よく馴染んでいた。この店にも日常が帰っていた。
これで本編は終わりです。この後には長ったらしい後書きや、搭乗サーヴァントの設定などを置いていく予定なので、気になることがあれば質問して頂けると幸いです