Fate/Imagenary Friend 作:silika
仕切り直して、情報交換たーいむ。わたしは何にも知らないけどね。だから、話すのは主にわたしのキャスターとノエルちゃん。
「と、言うことになったんだけど、良いかしら?」
へ? いつのまにか話が決まってたらしい。ノエルちゃんのライダーをじっくり眺めてる間に話が終わってた。キャスターのジト目が突き刺さる。……辛い。そしてノエルちゃんに頭を撫でられる。
「あのさ……いつもこうなの? 僕の見るとこ、かなりヤバい関係に見えるんだけど」
「まあ、
「駄洒落……? あまの あまこは あまったれ。綺麗に
わたしは『あまのあまこ』ではなーい。『そらのうこ』だー。
「……眠くなるのが早い。雨子は眠くなるとドンドン酔っ払いみたいな事言い出すから要注意。ライダー、電話!」
ライダーが電話を持ってきた。黒いダイヤル式のやつである。そう、古の黒電話。ノエルちゃんのお家には黒電話しかないんだとか。ノエルちゃんのパパもママも携帯電話が使えないとか聞いた気がする。
「もしもし、ノエルです」
ノエルちゃんが電話をしてる。今日ノエルちゃん家にお泊まりするための連絡だと思う。 ん、いつのまにそう言う話になったんだっけ?
「ほら、電話」
ノエルちゃんに電話を渡される。
「あ、もしもーし。今日ノエルちゃんの家に泊まってくね」
『着替えは……大丈夫だったね。ノエルさんに迷惑掛けないように』
安心して欲しい。自慢じゃないけど、ノエルちゃんに迷惑を掛けたことはない。……ぐぅ。
◇
「で、何の用なんだい、ライダーのマスター」
夜、常夜灯の下でライダーのマスターこと魔術師ノエルと、キャスターこと魔法少女桜が向かい合う。お互い、雨子の前では抑えていた剣呑な雰囲気を隠さない。
「話は直球に。貴方、魔力供給はどうしているの?」
ノエルはキャスターへと問いかける。雨子は魔術師ではなく、それどころか魔術回路すらない。従って魔力への変換もできず、サーヴァントへの魔力供給もできない。だが、そうである割には、キャスターの行動は魔力をあまり気遣ったものには見えないのである。ならば……、と疑うのは当然の摂理である。
「ま、僕も魔法少女の端くれだからね。夢と希望に満ち溢れた方法さ」
キャスターはそう返す。ノエルにとってみれば、不安しかない答えである。具体的説明が何一つ成されてはいない上に、胡散臭さ満点の物言いなのだから。それはノエルが最近見たアニメも影響している、がそれは本体ではない。
「具体的に」
「基本的には月の光から、だね。単独行動Aだし」
反応に困るノエル。その発言は、要石さえ確保できればマスターが不要である、と言う意味でしかない。
「……まあ、あなたは魂喰いはやらないのね?」
「そもそも僕は人間の魂を食べようとしたら退去するからね」
自分以外のことなんて信じるもんじゃない、というのは魔術を修める者にとっては周知の事実。こと神秘を取り扱う者であれば、全てを偽れてしまうために、余計に信頼ならないものである。
「分かったわ」
最終的にノエルは、あくまでもサーヴァントのため、令呪による縛りが効くことを勘定した結果、取り敢えず引き下がることにした。
「……じゃ、私も寝るから。ライダーと見張りを宜しく」
「子供の夢仲間として、仲良く頑張るさ」
◇
「ほら起きろ。起きろ、雨子」
お泊まりを始めてから四日目、夜中にいきなりノエルちゃんに揺さぶられた。
「うにゅ……うにゃ?」
……とってもアレな声を出した気がする。直球に言って、醜態では?
「別に大した醜態じゃないから安心して」
ならいっか。そういえば、なんで起こされたんだろ、私? 正直、眠くて何にも分かんない。
「襲撃、もしくは偵察。とにかく、味方じゃないサーヴァントが寄ってきてる」
くるっ、しゅたっ、と起き上がる。はじめての戦闘でテンションが上がった。 嘘ですごめんなさい、跳ね起きをしようとして頭からベッドに落ち直しました。
「だからやめろ、雨子」
凄い雑な口調で叱られながら、頭を撫でられる。逆では? お淑やかなノエルちゃんを天真爛漫な私が慰める方が、見た目的に自然だと思うの。
「……あれ、キャスターは?」
「読んだかい?」
うわ出た。棚の上に座っていたキャスターが、あっさり実体化した。
「取り敢えず、ライダーが迎撃に向かってるんだけど……キャスター?」
ノエルちゃんがキャスターに確認を取ってる。何をしてるのかよく分からない。 ぱさ、とマントを渡された。
「悪いけど、僕は千里眼も陣地作成もないから」
「キャスターでしょうが」
「夢と希望を力に、愛と絆で戦う魔法少女だよ? 相手の陣地に飛び込む戦い方しかして無いんだわ!」
「……守るタイプの魔法少女も居なかったっけ……?」
「ほら、僕は
◇
純西洋式の庭園の中を二人の不審者が剣を打ち合う。かたや軽装ながら鎧に身を包み、いかにも剣です、という形をした両手剣を振り回す者、かたや、妙にタイトな服の上にゴテゴテと装飾を付けた、いかにも変形しそうな剣を振り回す者。見る人が見れば、仮装大会そのものでしかない状態で剣を打ち合っている。
その打ち合っているところから離れた場所では、ひとりの令呪を持った男が身を潜めて状況を追っていた。その男は考えていた。相手の、妙なスーツを着たサーヴァントの真名を。男の知る限りにおいて、真名を知っていることが敵サーヴァントの攻略に繋がった例はないが、それでも相手の手札を知れるのは大きい。
「……セイバー、宝具の真名を解放しろ!」
「あいよ、マスター! —-その剣は外敵を討ち滅ぼす剣。
『
エクスカリバー、と対面が言う音を聞いて、もう一人の不審者の後ろにいる、令呪を持った少女——ノエル——は焦る。何せ、エクスカリバーを撃つような英霊はアーサー王しかいない上に、聖剣の火力は折り紙付きなのだから。
「ライダー!」
「了解。 ——敵性体分析。 解析終了、対応プラン確定。クアッドソード変形」
ライダーと呼ばれた者の持つ、変形しそうであった剣がまさにガチャリガチャリと変形して、巨大な砲身に変化する。
「チャージ、80%超過。砲身固定、ターゲット、よし。 『マキシマム・ブレイク』発動。エターナルフォース・オーバードーズ! 」
セイバーの持つ剣から放たれた光線と、ライダーの持つ火砲から放たれた光線が衝突し、爆発する。威力は完全に拮抗しており、結果としてどこにもほぼ被害が及ぶことはなかった。
「何だありゃ……?」
困惑しきりのセイバーのマスター。一方で、ライダーのマスターもまた困惑していた。
「私の英霊はあまり……。そうだと言うのに、80%程度の出力で拮抗していました……。つまり、偽物でしょうか」
真のアーサー王のエクスカリバーなら、たかが仮面ライダー程度の格でしかない英霊の宝具なんてものともせずに撃ち抜けるはず、という意識が、ライダーのマスターたるノエルを縛る。
セイバーを名乗るサーヴァントとライダーであるサーヴァントが争い、それを遠くからキャスターが観測する中、更なる乱入者が現れる。
「おいおい、戦争するなら呼んでくれよ! 皆殺しにしてやるからさ!」
現在戦闘が行われている、ノエルの住む邸宅は山裾にあり、すぐ裏手はもう山、というような立地である。そんな中で、その人物は、山側から高速で飛び出してくると共に、宙を浮きながら、セイバーとライダーへと発砲を行った。
「サーヴァント、ライダー参上だ。戦争こそが男の花。俺を差し置いて、テメエらだけで勝手にドンパチやるのは許さねえぜ」