英傑神の旅路をここに   作:くらんもち

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うーん、予想通りの大暴れ。どうしよこれ。


4話

「おーおー、誰かと思えばアンタかよ。道理であんな派手な戦いするわけだわ。」

 

物陰から出てきたのは、蒼髪にローブを羽織った青年。

 

「お久しぶり。メイヴとやりあう前にちょこっと顔合わせて以来かな。」

 

「だな。」

 

「ハル、誰この人?」

 

「見たところサーヴァントのようですが……。」

 

彼の方を見ると、にやりと笑ってひらひらと手を振った。良いみたいだ。

 

「彼は、『クー・フーリン』。ケルトの伝説の戦士ですよ。」

 

「く、クー・フーリン卿だと……!?」

 

「あ、シャルル倒れた。」

 

『「えええええええっ!!?」』

 

「わわ!えっ……と、誰?」

 

『藤丸君、クー・フーリンを知らないのかい!?』

 

「クランの猛犬、アルスターの光の御子とも呼ばれる、凄い方なんですよ先輩!」

 

2人が大興奮で(クー・フーリン)の解説をする。彼はケルトのみならず世界的に有名な大英雄だ。この様子も無理はない、とハルは自身を納得させた。

 

「まあ、特に有名なのは彼の槍でしょうね。投げれば必ず心臓に当たる魔槍、『ゲイ・ボルグ』。」

 

「あ、それはゲームとかで聞いたことあるかも。」

 

「はい。その持ち主が、彼なんです。

……そういえば槍はどうした?」

 

「あー……、今はキャスターだからな。」

 

「ルーン魔術のほうで召喚されたの。そりゃ困難なことで。」

 

「他人事みたいに言うなよな。そういやアンタのクラスはよ?」

 

「あ、僕サーヴァントじゃないよ。」

 

「はぁ!?………いや、よく考えてみりゃそうか。悪ぃな。」

 

「構わない。見たところ、協力してくれるんだろ?この特異点とやらの元凶、倒しに行こうじゃないか。」

 

「へっ、アンタが居るなら百人どころか万人力だ。頼むぜ。」

 

「ああ。()()()()()()()()()()()()。」

 

『「「はぁ!!?」」』

 

「勝ち逃げしやがってよ、ほんっと………。」

 

「仕方ないだろ、事情があったんだから。」

 

「ま、戦力は申し分ねえか。じゃ、行くか。」

 

「ちょ、ちょっと!行くってどこによ!」

 

「オルガマリーさん、分かりませんか?あちらの方からとても強い魔力が立ち昇っているのを。」

 

彼女がそちらを見ると、確かに魔力が煙のように登っている………、ような?

 

「この感じだと、柳洞寺のあたりかな。たしかあそこには……。」

 

「ああ、アンタが思ってる通りだ。そして、そこに()()()がいる。」

 

「………そうか。反転したか。」

 

「そこまで分かるのかよ。流石だな。」

 

(それなら、()()()()()()()()()()()()。)

「でも、その前に。マシュさん。貴女、宝具が使えないのでは?」

 

「……はい。特異点調査のため、カルデアでは事前にサーヴァントが用意されていました。そのサーヴァントも、あの爆発でマスターを失い、消滅しつつあった……。ですがその直前、彼は私に契約を持ちかけてきました。」

 

「契約、ですか?」

 

「はい。"英霊としての能力と宝具を渡す代わりに、この特異点の原因を排除してほしい"と。」

 

『ではキミの中に英霊の意識があるのかい?』

 

「……いえ。彼は私に戦闘能力を託して消滅しました。最後まで真名を告げずに。」

 

「成程。確かに()()()()()()()()。」

 

「ですので、私は自分がどこの英霊なのか、自分が手にしたこの武器がどのような宝具なのか、まるで分かりません。」

 

「成程な。だが英霊と宝具はイコールだ。デミでも何でもお嬢ちゃんがサーヴァントとして戦えるなら、その時点で宝具は使えるんだよ。」

 

「そう、なのですか……?」

 

「ああ、そうだ。……少し時間をもらっても構わんな?」

 

「僕はいいよ。皆さんは?」

 

「私も賛成!マシュの必殺技、見てみたいし!」

 

「よし、多数決で寄り道しましょうか。」

 

「んじゃ、厄寄せのルーンを刻んでっと……。」

 

『エネミー反応多数!来るぞ!』

 

「この戦い、僕と彼は加勢しません。シャルルも、そのように。」

 

「ま、しゃーないか。」

 

いつの間にか復活していた彼も頷いた。

 

「な、何故ですか!?」

 

「貴女がやることに意味があるのです。それじゃ、サクッと限界超えましょうか。」




「彼女をどう見る、セタンタ。」

「純粋な原石っつーとこか。ありゃ、そのうち化けるぜ。」

「そうか。僕も同意見だ。
それにしてもあの盾……。内に潜んでいたか…?恐らく、かなり惨い真似したのだろうが。」

「どうかしたか?」

「……いや、何でもない。先達らしく見守ろうじゃないか。」
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