「さて、そろそろ行きましょうか。」
しばらくの休息の後、ハルが立ち上がる。
「そうだね、頑張ろう!」
「はい!先輩!」
「よーっし、俺も頑張っていきますかね!」
「へっ、賑やかなこった。」
スケルトンをなぎ倒し、着いたのは寺だった。
「セイバーはここ?」
「その通りだ藤丸。ついでに大聖杯もここにある。ちぃとばかし入り組んでんで、はぐれないようにな。」
「おっけー!」
「これは……、天然の洞窟のように見えますが、これも元から冬木の街にあったものですか?」
「でしょうね。これは半天然、半人工よ。魔術師が長い年月をかけて拡げた地下工房です。」
「ここには龍脈がありますから、それでしょうね。」
「ハル、分かるの?」
「はい。僕はこれでも魔術師の端くれなんですよ。」
「よく言うわ……。投影魔術を始めとした多くの魔術は、貴女の発明でしょうに。」
「あはは、あんなのただの偶然です。永い年月生きてると、そういうのも沢山ありますから。」
「もう……。」
「諦めな、嬢ちゃん。我が兄弟子はこういうヤツだ。」
「……それはともかく、キャスター。大事なことを忘れてたわ。セイバーの真名は知っているの?何度か戦っているような口振りだったけど。」
「ああ、知ってる。ヤツの宝具を食らえば誰だって真名に辿り着くからな。他のサーヴァントが倒されたのも、ヤツの宝具があまりに強力だったからだ。」
「強力な宝具……ですか。それはどういう?」
「王を選定する剣の二振り目。
おまえさんたちの時代において最も有名な聖剣。」
「……その
「騎士の王と誉れ高きアーサー王の剣だ。」
「!?」
「アーチャーのサーヴァント……!」
「おう、言ってる側から信奉者の登場だ。相変わらず聖剣使いを護ってんのか、テメエは。」
「信奉者になった覚えはないがね。つまらん来客を追い返す程度の仕事はするさ。」
「彼は……?」
「どしたの、ハル。」
「……僕は彼を知りません。それ即ち、彼は
「ようは門番じゃねえか。何からセイバーを守っているかは知らねえが、ここらで決着つけようや。永遠終わらないゲームなんざ退屈だろう?良しにつけ悪しきにつけ駒を先に進ませないとな?」
「……やはり貴様とは相容れん。」
「さあ、いけよ藤丸!セイバーを頼むぞ!」
「やらせると思うか!」
「ここは彼に任せましょう。さあ、こっちです!」
「ごめんね、お願い、キャスター!」
「おうさ!」
少年少女達は、仄暗き洞窟を駆け抜けてゆく。