六眼無し無下限呪術で原作終了まで生き残りたいから助けてクレメンス   作:H-13

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知らせ
・タグに「クロスオーバー」を追加
・恵ママの苗字を伏黒に変更
・冥冥さんの学年を3年から4年に変更(念押し)


・クロスオーバーについては登場する呪霊のアイディアエッセンスや主人公の拡張術式の材料として使用されます。誰か他作キャラが出てくる訳ではありません。ご安心ください。

・本来恵ママの苗字は別にあると今回感想で教えて貰って初めて知りました。にわかですみません。
恵ママが仮に死んだとしても現状の恵まれた環境に居る甚爾が恵を置いて別の女のところに行く姿がどうも想像出来ないので、この作品では恵ママの苗字を伏黒で進めさせて頂きます。

二つ把握の上今後ともよろしくお願いします┏○



幕間・2

東京ドーム1個分程度だろうか。拡張された空間の境界線には竹が生い茂りその先には何も無いのだろうと当たりを付ける。

 

目に付くのは大きな大きな大き過ぎる天まで続いている様にも見える1本竹。天は暗く竹の先端には月が─────白い衣─────勾玉─────

 

『偽・簡易領域』

 

「お主も呪術師とやらか?」

 

空間の主が姿を見せる。明確に言葉を話し、額から二対の白い角が伸びた異様に長い髪を持った…女。攻撃の意思が無いようにヒラヒラと空を舞いながら此方を観察している。

 

「も、って事は、情報でも吸い上げたか?」

 

「よく知っておるな。お主、良い呪力じゃ。良い胤が出来るであろう。我が名は夜兎。短い戯れになろうが名乗らぬのは無礼だろうて、のぅ?」

 

 

竹、月、女。

 

 

クソッタレ。竹取物語の最終夜の具現化か。かぐや姫に色々と他の伝承や呪いが混ざった紛い物だろうが詳細は掴めない。

 

悟ならば一目で見抜けていただろうが見た目の情報が全て。初手の領域展開の詰み筋を消す為に出した領域を一歩踏み出すことにより解除する。

 

『位相、黎明、持戒の祈り』【術式解放】

 

 

「五条勝だ。かぐや姫ならとっとと月に帰れ!迷惑なんだよ」

 

惜しげも無く術式を切って行く。攻撃してくる気配がないからこそ、刀を握っていない左手の人差し指と中指を伸ばして掌印を結ぶ。

 

知識が合っていれば気を抜くと一撃で殺される。無下限は最低出力で出しっぱなしが無難だろう。

 

「ほう、ただの無能では無いらしい。妾の事を知っているとなれば…此方はどうだ?」

 

空間が捻じ曲がる。現れるのは兎顔の兵隊。されどどうも気が締まらない。着ているものが統一されず顔は一緒の癖にババアが着る様な服や学生服、スーツの者も───。

 

「そうするんだ、お前は。」

 

一回り大きい兎。最初にでてきた者とは違う高専の制服を着て呪具を手に持った3匹の兎顔。本来なら三年生の先輩になっていたであろう三人。顔も知らず、術式も知らず。されど居たことだけは勝も知っていた。

 

目から余計な色が抜け落ちる。闘気と殺気だけが残った中で、一つだけ覚えている事。

 

「遺品、綺麗に返してやらないと。」

 

100は下らぬ兎顔の兵隊。事前に教わって居た行方不明者の数と大まかには一致する。

 

ただ、その願いも水の泡。不用意に近付いてきた兎頭の首を服を傷付けぬ様に斬り飛ばした所、人間の頚椎と変わらぬ断面がそこにはあった。

 

衣服と地面を汚しながら転がる兎頭に一向に消える事の無い服を着た首から下の遺体。

 

情報を吸い上げた後に胤とやらを植え付け素体を改造した三級呪霊相当の兎軍。但し元術師だった三人は一級相当にまで胤で格上げされている。此奴らだけならば楽なのだが空に浮いている本体を気にしながら戦うとなると面倒が過ぎる。

 

《起きろ、安綱》

 

強烈な剣気が吹き荒れる。刀自身嗤う様にして呪力を糧に安綱が勝手に自らを強化する。

 

担い手を選ぶのが妖刀である。様々な物語に登場する魔剣や質は違うが聖剣と同じ様に凡夫が握り得ない、認めない意志を持つ武器。

 

 

されど、認めた担い手には聖剣以上に尽くす側面も併せ持つ。禍々しい剣気を敵に向けて威圧の様に放つだけで勝には微風の様にすら感じ取れる。

 

『一閃』

 

技名は無いも同然。ただ動作を文字にしただけのもの。空間が袈裟に絶たれた様な衝撃。生得領域の外壁に斜め一文字の残痕が刻まれる。運良く生き残った2体の兎兵と回避を選択した夜兎を残して全てが無惨にも両断されていた。

 

頭が吹き飛んだ者、脚がちぎれ飛び息絶え絶えになりながら戦闘不能に成っている者。

 

グチャ、グチャ、グチャ────カツ、カツ、カツ、…グチャ…グチャ!

 

夜兎の絶句した顔、動けない二つの兎顔を尻目に息のある兎兵の頭を呪力を纏った踵で文字通りに踏み潰す。

 

忍者の印を結んだ儘、確実に敵の戦力を削ぐ。後で吐こうが今は心底どうでもいい。

 

作業の様に残り二つの兎顔も刈り取り踏み潰し…制服のズボンが血で染まった儘、上を見あげた。

 

「お前如きに名乗ったのが間違いだったわ。降りて来い塵。領域破壊されるか、真っ向勝負するかどっちがいい!!」

 

『位相、黄昏、智慧の瞳』【術式順転・蒼】

 

『出離、禍津日、陰陽の渦』【拡張術式・八尺瓊勾玉】

 

呪力が吹き荒れる。ポポポポポポポポ─────空間を捻じ曲げ、引き寄せる力の集合体。追加の呪詩を唱えてもギリギリ作れる上限値の30個。その極小の蒼の弾幕が勝の背後に形成されて、夜兎の生得領域を持ち主ごと蹂躙する。

 

鼻血が垂れてこようとも、頭が沸騰しそうになれども構わない。ある程度の所で意図的に制御を手放し弾丸を呪力の爆撃に変化させながら全ての不調を反転術式で帳消しにする。

 

ズタズタに捻じ切られた上に呪力そのものを暴発という形で蹂躙された生得領域。ブチ切れた勝の頭には温存の二文字は存在し得ない。

 

術式の常時使用、拡張術式、安綱の飛ぶ斬撃にダメ押しの反転術式。既に半分の呪力を消費し切っており現状も刀と術式に呪力を吸われ続けているが気にすることも無い。

 

「き、貴様!」

 

「余裕が無くなってるぜアバズレ!!」

 

生得領域が半壊しながらも浮遊を辞めずただ焦った様に此方に掌を向けて何か発動しようとする夜兎を煽る、煽る。

 

 

空間が捻れ、竹が槍衾の様に勝を貫こうと360度襲い来る。

 

『共殺の灰竹』

 

炭になり掛けた様なボロボロの竹が夜兎の掌から生み出される。槍衾はただの目隠し。当たりさえすれば突き刺さった場所から身体が崩壊してゆく必殺の一撃。

 

「胤にするのは諦めてやろう!妾の手で沈めてやる!」

 

ひょお…っ!一直線に動かぬ呪術師に向かって放たれた一本のソレを見て勝ちを確信した。

 

「は、…は……。強かろうが威勢の良いだけの小僧であったか」

 

「誰が!小僧だって!?あ゛!?」

 

「────ひッ」

 

防御は無限の壁に全てを任せて刀で竹を切り払い出てきた修羅に無意識に悲鳴を上げるまでは。

 

『位相、黎明、持戒の祈り』

 

勝の姿が掻き消える。空間の座標と座標をゼロにする瞬間移動の如き術式効果。

 

夜兎の敗因は同格以上との戦闘経験の皆無さ。なまじ生まれた瞬間から知性があり、力がある為外界の知識や戦力増強の為に入ってきたヒトを加工したこと。覚えたのは戦闘知識などでは無い弱者蹂躙の力。

 

だからこそ本来届き得ない天に手が届く者が相手となってしまえば、致命的な隙を晒すのは必然的である。

 

「やめろ、来るな!りょ、『領域展か────い───?」

 

何だ…?視界が回る。自分の身体が見える。首の無い妾の───

 

純白の衣が夜兎の首から下ごと瓦の様に割られた瞬間に、夜兎の意識は闇へと堕ちた。

 

 

 

「がふッ!あ゛あ゛……ッ!」

 

 

術式の連続使用。練習では悟が居たからどうにでもなった問題は、一人で、それもタガが外れた様な暴走状態で無理やり発動して居れば、呪力量も心許なくなるのは当たり前。

 

目からも、耳からも血を垂れ流しながらゆっくりと反転術式で沸騰寸前の脳ミソから治してゆく。口の中が血の味しかしない。呪力量は全体の1割にまで落ち込み歌姫先輩の強化が無ければ呪力切れになっていてもおかしくなかった。

 

呪力出力向上も無下限を何時もよりスムーズに発動出来ていた。無意識のうちに限界を超えて術式を扱っていた事実には目を背けて今後も歌姫先輩頼ろうかな、なんて思ってしまう。

 

「終わりましたよ〜。お待たせしま、した…?」

 

夜兎が祓われた事により拡張された空間の基盤が崩壊する。どうにか高専の元先輩の上着だけ剥ぎ取って、帰りを待つ二人の下へと足を運んだ。

 

勝は忘れているが靴もズボンも血塗れで、手に持つ遺品も基本死臭の漂う血が滴る状態。補助監督と歌姫が尋常ではない様子で駆け寄ってくる姿を不思議そうに見ていた勝であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふぅん、あれが五条悟の兄か」

 

額に縫い目のある女。帳の外側に帳を張ったヒトであり夜兎をこの竹藪に意図的に放し飼いにした張本人。

 

少し聖域に綻びを作り契約していた呪霊を解き放てばほらこの通り。

 

「六眼も無いのに良くやるね。」

 

強さは見れた。歴代の無下限呪術持ちの中でも最高峰だろう。だけども、六眼と無下限呪術の抱き合わせには遠く及ばない。無下限呪術自体が燃費の悪い術式だし、あの様子だと領域展開もまだまだ出来ない様だしね。

 

「本命は呪霊操術だけど、封印する為だけの見た目と考えるのなら価値はあるかな。」

 

妖刀と体術を合わせた肉弾戦をベースに無下限呪術は補助。表裏の無い正統法な戦い方は女としては余り得意な戦闘方法では無い。二重三重に見せぬ対処札を持ちながら冷静に対処をする方が合っているし領域の押し合いとなれば結界術のスペシャリストが負けるはずが無い。

 

中の帳が解除されるよりも早く、残穢も残さず二重の帳は消え去った。




UA10万とお気に入り5000人突破しました。誤字報告、感想も良い作品を作る上での助けになっています。纏めてになりますが感謝申し上げます。

まだまだ満足出来ない承認欲求の塊なのでいっぱい評価と感想お待ちしてます。
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