キヴォトスに転生したので幼なじみの聖園ミカを幸せにする話   作:グリムリーパーRS

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盤上の...

ドゴオオオオオオン!!!!

 

 

「うわぁっ!!」「きゃぁっ!?」

 

 勉強合宿中の補習授業部に突如として轟音が襲いかかる!!!!!

 

「! これは私が仕掛けたブービートラップだ。......つまり誰かがここに侵入しようとしていたということだ。」

「!?!?!?!?あ、アズサちゃん!?とらっぷ!?いえ、それよりも侵入者ってどういうことですか!?!?!?!?!?」

 

「こ、これは一体......?」

「わ、わかんな......あっそっちにm」

 

ドオオオオオオオオオオオオオオン!!!!!!!

 

 

「「うわあぁぁぁぁぁぁ!!」」

 

「逃げても無駄だ。逃げる方向を予測して、その先にもちゃんと仕掛けてある。」

「アズサちゃんっっっっ!!??!?!?!?!?というか今の声、リエルさんではありませんでしたか!?!?!?」

 

 

―玄関

「けほっ......。」

「いっててててて.......。」

 いっったーい!またやらかしたぁ!昨日までは覚えてたのに直前になって忘れるなんて!!!

 

「だ、大丈夫ですか...!」

「きょ、今日も平和と、安寧が......けほっ、けほっ......あなたと共に、けほっ、ありますように......。」

「ほ、本。本が......!」

 私が持ってた本はどうなったぁ!?

「お2人共まず、自分の心配をしてください!?リエルさんに......シスターフッドの方?」

「あら、マリーちゃんじゃないですか?」

「あ、は、ハナコさん......。」

 

 

「はい、お水。」

「あ、ありがとうございます。」

「コハルちゃん、私には......?」

 隣りにいるシスターフッド所属の伊落マリーにコップを手渡すコハルに一応聞く。

「あ、アンタは自分でいれてきなさいよ!」

「はーーーい。」

 予想通りの返答を聞いて、大人しく引き下がる。

 

「アズサちゃん...。」

「......ごめん、てっきり襲撃かと。」

 珍しく、申し訳無さそうな顔のアズサだ。出自を考えれば仕方ないところがあるからね。許す!!

 

「ところで、なんでリエルさんはシスターフッドの方と一緒にいたのですか?」

 お、いい質問!

 

「追加で必要そうになった本を取りに戻っててね、それで戻ってくる時にマリーちゃんと会ったんだ。」

「はい、それで案内して頂いたところでした。」

 

 その後、マリーは原作通り、アズサと会話して帰って行った。

補習授業部もそれからは何事もなく勉強が進んだ。

 

 

 

「うん、やっぱり夜風はいいね。」

 合宿場所の屋根の上で1人呟く。

「あれが本校舎で、遠くに見えるのが...サンクトゥムタワーかな?......夜に出歩くことは数えられないくらいあるけどゆっくり眺めるのは久しぶりだな。」

 風に吹かれながら昼間にあった事...……ミカと先生の会話を思い出す。

 

 


 

『アズサちゃんや他の補習授業部の子達についてはこれでおしまい...でも、話さなきゃいけない子がもう1人いるの。』

 さて、ここからどうなるか......。

“それは......?”

『...結 リエルちゃん。』

“!”

 ここで私、ね。

 

『リっちゃんは昔から夜に出歩いたりしてたんだ。今でも夜中に寮を抜け出したり、何度も昼間からブラックマーケットに出かけたり...。そういう事を上げていけば枚挙にいとまがないけれど....それだけなの。』

 

 私が言える事ではないがそれだけで済ませてはいけない気がするよ、ミカ。

 

『それに露骨すぎるの。裏切るならもっと上手く隠さないかな?

裏切ってるとしても陽動?の可能性が高い。』

 

 なるほど、そんな立ち位置だったんだ。

 

『...だから候補から外そうとしていた(・・・・・・・・)。』

 

 うんうん。...うん?

 

『リっちゃんの成績は悪くないからその事も含めて補習授業部には参加してもらって無かったみたいなの。だけど、話していないはずの補習授業部の事を知っていてかつ、自ら関わり始めた。

まるで自分は全て知っているとアピールするように。』

 

 ...これはやらかしたかな。

 

『だからナギちゃんはこう結論付けたの。彼女(リっちゃん)は―』

 

 


 

 

「...出てこないの?アズサちゃん。」

 私がそう声をかけて右の方を見ると、ちょうどドーマーの影からアズサが出てくるところだった。

 

「なぜわかったんだ?」

「ちょっとしたコツがあるんだ。」

 戦闘中に相手の位置とか掴めなかったら致命的だからね。がんばって習得したよ。

 

「それより、アズサちゃんはなんでここに?」

「パトロールをしていたら屋根の上にリエルを見つけたから、何をしているのかと思って。」

「そっか。...私は―そうだね。アズサちゃん、夜景って良いと思わない?」

 目の前の夜景を見渡しながら聞く。

 

「夜景か。......初めて見た時は綺麗だと思った。だけど、それがどうしたんだ?」

「うん、夜景ってさ見てて心が浄化されると言うか、癒されてる感じがして好きなんだ。」

 画面の中や手のひらに乗せられるよりもずっと大きいスケールで存在する絵画のような現実。

 目の前の輝きが自分のためにあるかのような錯覚を覚える。

 

「...アズサちゃんはさ、すごいよね。

『どんなに虚しくても、それが今日を諦める理由にはならない。』。アズサちゃんはきっとどんなリスクがあっても進んでいける。それは私には出来なかった事だから。」

「ううん、私がそう考えていても出来ない事もある。今回だって、リエルやみんなの助けが無かったら試験で合格なんて到底目指せなかった。」

「嬉しいこと言ってくれるね。ありがとう。」

 

 そうして私たちの間に夜風が吹き―

「それで、リエルは一体なにをしていたんだ?」

「あ、バレた?」

 

 

 

 

―翌日

 

「あれ?リエルさんは?」

 ヒフミが朝起きると、またもリエルが見当たらないことに気が付く。

「おはようございます、ヒフミちゃん。リエルさんは、『2つほど用事があるから今日だけ離れる、夕方には帰ってくる』との事です。」

「なるほど...図書委員会の事でしょうか。」

「教えてくれなかったのでわからないのですが恐らく...。」

 

―同時刻

 

「さて、アズサちゃんにああ言ったからには、少しはリスクも取ってみますか。」

 

 上着をたなびかせながらリエルはそう呟く。

結論から話そう。この行動の結果、物語は大きく動く。

 

 

 

―『―彼女(リっちゃん)は盤上のジョーカー。チェスに突如現れたオセロのコマのような存在。リっちゃん次第で全てが変わる、って。』―

 

 

 

 リエルはこの言葉を最後まで聞いた上でこの行動を選択した。それはアズサの後押しの結果であり、リエル自身の意思でもあるのだろう。

 

 その様子は、幼なじみの評したように、ジョーカーであった。

 

 それがどう転ぶのかは知りうる者は1人だけであろう。




いつもありがとうございます。

ついにエデン条約編1章も終わり、物語の運命が動き始めます。

これから先もどうぞよろしくお願いします。
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