キヴォトスに転生したので幼なじみの聖園ミカを幸せにする話   作:グリムリーパーRS

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ゆくえしれず

「......ようやく着きましたね。」

「どうしてこうなった......。」

 

─少し前

 

「あれは、風紀委員による検問?」

「どうして...?」

 

 と、言ったところでコハルに

 

「コハルちゃんこれ着て。」

 

パーカーを渡す。

 

「え?なんでよ。」

「この時期に正実がゲヘナに居たらどう思われるか分からないでしょ?先生がいるからそう大事にはなら無いと思うけど一応──」

 

おい!そこにいるのはトリニティの正義実現委員会だな!!ここで何をしている!!!

 

「あらま。」

「仕方ない。強行突破だ。」

「アズサちゃん!?!?!?!?!?!?!?」

 

 

 

 例の如くアズサが銃を構えたところで風紀委員が爆発し、突如として現れる美食研。

 

 

 

「ヒフミ、照準がブレるからあまり揺らさないで欲しい。」

「まってください無理です!!」

 

ヒフミが華麗なドラテクを披露し―

 

 

 

「あ、沈んでった。」

「なんでリエルさんはそこまで冷静なんですか!?!?!?」

 

美食研が川に沈んでいき―

 

 

 

「あら皆さん、お疲れ様です。」

「なんでアンタは水着なのよ!!!!!」

 

 

やっとの事で試験会場に着いたのだった。

 

 

 

 

 

「会場はある程度整えられてるし早速始めちゃいましょう!」

「じゃあ私は何かあったらいけないから外で見張ってるね。」

「ああ、防衛は頼んだ。」

「どんな音が聞こえてきても気にしなくていいからねー。」

「それは...ちょっと難しい気が......!?」

 

 頑張ってねと伝えて廃墟を出る。

スラムはここ数年ですっかり見慣れた様相をしているが、やはり学校の差なのか荒れ模様がトリニティと少し違う。

 

「うーん。こんなところで違いを垣間見るとは思いもしなかったな。」

 

 妖怪MAXを開けながら呟く。......もう5本持ってきてるけどカンニングの疑いがかけられる可能性があったからみんなに渡せなかったな...あ、先生だけにでも渡しとけば良かった。

 コーヒーフレーバーもあるし......前から思ってたけどこれ、コーヒーで良くない?そもそもコーヒーに炭酸あんまり合ってないし。

 炭酸コーヒー自体はあるけどあれはコーヒーを炭酸で割ったものだからね?これブラックコーヒーにエナドリぶち込んだ味だからハッキリ言って...本当に微妙。

 前世にもコーヒーフレーバーのエナドリあったけどここまでじゃなかった。

 不協和音過ぎて頭が冴えるけどここまで狙ってるのかと思った。

 総括すると、『元来同居できない物を無理やり1つにした結果できた産物である』、だね。不純物だよ不純物。

 

「......不純物かぁ。」

 

 


 

 

「辺り一帯で温泉が湧くポイントはここか。」

「誰だか知らないが情報をくれたやつには感謝だな。」

「それじゃあ早速...「君達、温泉開発部だよね?」誰だっ!......トリニティ?」

「トリニティがこんなところで何をしている!!!」

「いや、温泉自体はいいんだけど少し待ってもらえるかな?今だけは都合が悪いの。」

 

 青髪の少女は温泉開発部の部員達にそう呼びかけるが───

 

「はぁ?あたし達の夢と情熱と青春を否定してるわけ?」

「それにアンタの素性も分からない。」

「なら!」

「無理やりにでも温泉掘るしかないよね!!!」

 

───温泉に取り憑かれた彼女達には届かなかった。

 

 

「まあ、そうなるよね。」

 少女...リエルはLux deiを構える。

 

 リエル1人に対して温泉開発部は50人以上、普通なら勝敗は既に決しているようなものである。しかし、リエルは6年もの間同じような数的不利で戦い抜いてきた。

 

 歴の長さも、戦闘回数も、この場にいる誰もがリエルに敵わなかった。

 

 

 

 まず、リエルは身を低くして温泉開発部に突撃していった。当然集中砲火を受ける、そして2つの事が起こった。

 

 1つ目はリエルの姿が消えたことだ。今の今まで敵陣に向かってきていたリエルは忽然と姿を消し、飛んできていた弾丸はその役目を果たさず地面に吸い込まれていった。

 

 2つ目はその3秒ほど後に温泉開発部の集団の中程から突然爆発が起きたことだ。

温泉開発部はその性質上、火器を多用する。そこから誰かのそれが暴発したのだと考えられた。しかし、当然ながら部活内でその扱いは徹底されており、そのような事故は起こりうるはずがなかった。

 

 そこまで考えてたどり着く答えは1つ。彼女達を邪魔する者の仕業だ。

 

 だが......どうやって?今可能性が高い者は今しがた姿を消した。

なら協力者か?事実、彼女たちの敵は多い。が、今は深夜で場所もスラムだ。風紀委員会はすでに派手な騒ぎを起こした美食研究会や別の場所で温泉開発を行っている仲間に人員を割いている為、比較的少数なここの部隊が見つかる可能性は決して高くない。

 

 

 部隊が謎の爆発で混乱しているさなか1人つぶやく。

 

「やっぱり、壁走りは必須テクにするべきだよ。」

 アズサならわかってくれるかな?とリエル。

 

 説明してみればひどく単純でリエルが素早く壁走りをし、そのさなかにグレネードを投げ込んだだけである。

 

 

(パッと見た感じ通常部員(やべーやつら)だけで、メグやカスミ...だっけ?とかの死後実装されてそうなネームドの生徒(もっとやべーやつら)はいないっぽい?)

(多分勝てるだろうけどこの人数差は初めてだから助かるな。)

 

 結局実装したのかな?そう考えながらリエルはトリガーを引く。

 

「っ!!後ろだ!!!」

「はぁ!?いつの間に!?!?」

 

 そして同じ展開が繰り広げられる。先程と違う点を挙げるとするならば壁走りに気づいたことだろう。

 

「あいつ...!壁を走ってるぞ!!」

「はぁ!?そんなことが!?!?」

「あの壁を駆け上がれんのかよ...!」

「くっ!......総員!周りの建物を破壊しろ!!」

 

 轟音とともに崩れていく建物、それと同時に巻き起こる砂埃。

 

(流石に気づかれたか。でも、)

「それで勝ったつもりッ!?!?」

 

 砂埃に紛れて近づいたリエルは超至近距離からLux deiを撃ち放ち───

「ぐっ!」

怯んだところで銃を弾き飛ばし、部員の体も派手に蹴り飛ばす。

 

「うん、いいところに入った。やっぱ格闘だね。団長もそう言っている。」

 後々、アビドス高等学校の砂狼 シロコによってキヴォトスで格闘は普遍的なものだと周知されるのだが......もちろんリエルは知るよしも無く自力で格闘にたどり着いている。

 

「はあっ!!」

「よくも!!!」

 そうして短い戦闘評価をした後に部員の2人が攻め込んでくる、が。

 

「今の見た後に近距離仕掛けるのは悪手じゃない?」

 ノーモーションの側宙で強襲を回避したリエルは宙に浮いたまま片方のうなじを蹴り込み、もう片方の顎下に銃弾を放つ。

 

「まあ見えてないか。」

 

「煙はまだ張れないのかっ...!?」

「負傷者の離脱早くっ!」

「視界が無くて何もできない!!」

 

 いくら建物を爆破したからといってもその目眩ましはそこまで長く続く物では無い。

 

「......スモークグレネードかこれ!」

「正解ッ!」

「ガッ!!!」

 

 

 それはかつてヘルメット団に辛酸を嘗めさせられた直後の話である。

 

〘うーん、やっぱり何かあったときのための装備は必要だよね......。〙

〘あっ、スモークグレネードもっとこう。〙

 

 もし、彼女たちが誰かを恨むのならば、相手は配置を決めたカスミでも、偽の情報を提供したナギサでも、現在戦闘中のリエルでも無く、名も知らぬヘルメット団だろう。

 

 とはいえグレネードによる煙幕もそう長くは続かない。

「は、晴れてきたぞ!!」

「り、離脱ゥー!カスミ部長達と合流するんだ!!!」

「いや!ここはなるべく足止めを...!」

「なに弱気になってるの!?ここはアイツを倒して温泉にたどり着くのが最優先でしょ!?!?」

 

 煙幕を張っている中でも転がしていたグレネードによって指揮官がダウンしており温泉開発部は極度の混乱に陥っていた。

 

「じゃあ行こうか。Seraph。」

 その大きなスキが見逃されるハズもなく。

 

 

 

 

 

「ハーッハッハッハッ!首尾はどうかな....って。」

「うわー、こっぴどくやられちゃってるね。部長、このままじゃ。」

「わ、わかっt「あら、誰かがやってくれたのね。」.........。」

 

 


 

 

 

第2次特別学力試験、結果―

 

ハナコ 100点  合格

アズサ 77点 不合格

コハル 57点 不合格

ヒフミ 79点 不合格

 

第3次特別学力試験の開催が決定した。

 

 

「み、みなさん...。まだチャンスはありますから......。」

「チャンスって何よ!今回みたいな事が次も起こらないとは限らないでしょ!?!?」

「そ、それはそうなのですが......。」

 

 うぅ〜、どうしましょう。

 

「それにリエルもどこに行ったのよ!!用事があるとか言って戻ってこないし!!!」

「ヒフミ、リエルは元々善意で私達を手伝ってくれていた。むしろ、巻き込んでしまったのはこちら側だからそこに怒るのはおかしい。」

「それは...そうなんだけど......。」

“でも全く連絡が来ないのも心配だよね。”

「わ、私は別に心配している訳じゃ...!」

 

 不味いです......!このままだとバラバラに...。な、なら!

「み、皆さん!先程も話した通りまだチャンスも時間もあります!!今度こそ万全を期して向かえばきっとできるはずです...!!」

“ヒフミ...!”

「ヒフミの言うとおりだ。Vanitas vanitatum (全ては虚しい、どこまで行こうとも)et omnia vanitas.(全てはただ虚しいものだ)だが、それはこれからを諦める理由にはならない。」

「ふ、2人がそう言うなら......。」

 

 良かった、これなら...。あれ?

 

「ハナコちゃんはどうしました?」

「そういえば見当たらないな。」

「も、もしかしてアイツも...!」

 

「皆さんっ!これを!!」

「ハナコ。どうしたんだそれは。」

「私のモモトークにリエルさんからメッセージが来ていまして、それが。」

 

『私の鞄の中に広がった範囲に対応した本が入ってるから使って。急に離脱してごめんね。P.S.急ぎで持ってきたからズレてるかもしれない。』

 

「と。」

「......すごいですよこれ。第2次からの範囲は完璧に入っていますし、簡易的なものではありますがメモも...!」

 

「きっとこれを用意するのは大変だったはずです............。リエルさんに応えるためにも必ず合格しましょう。」

 

「ああ。」

 

「なんで......。」

 

 


 

 

………リエル。そこまで君はわかっていたとはね。

 

でも、その先は地獄だ。君の命の保証はされないしミカやナギサ、補習授業部に先生。それに、トリニティにアリウス....いや。キヴォトスの運命さえも大きく変えてしまう。

どうかその先には......これは今ここにいる私には言えないな。

 

だがリエル。もし、もし運命が変わるのならばどうか、君の無事を祈ることだけは許してくれないか?




いつもありがとうございます

ついにエデン2章も佳境です。セイアは何を見たのか...私もこれからが楽しみです。

あと、その、なんというか、感想とか、評価とか、ほしいなーって....いえ、なんでもないです。すんません。




19時前、操作ミスで後書きが途中のまま投稿してしまいました。混乱させてしまったかもしれません。すみませんでした。

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