キヴォトスに転生したので幼なじみの聖園ミカを幸せにする話 作:グリムリーパーRS
過去編は次話になります。
「これより作戦会議を始めます。」
「......一体何のですか?」
「あれっ?モモトークで言ってなかったっけ?」
「聞いてないですよ。」
うーんそれなら今ここで説明するか。
「えーと、もうすぐミカの誕生日じゃん?」
「『じゃん』と言われましても...。」
「それでね、プレゼントについてアドバイスを貰えたらなーと。」
「......。」
「......。」
「それだけですか?」
「え?うん。」
「それだけの為に古書館まで来たのですか!?」
貴重なウイの比較的大声。
「いやだってね!?」
「だってじゃないですよ!そもそもリエルさんの方がミカさんの事よく知ってますよね!?」
ふっふっふっ。
「いやね、毎年贈ってるとね、レパートリーがね。」
「なるほど...だから私の元に。」
「そうだね。ちなみに去年はウイスキーボンボンを作ったね。」
「すごく時間のかかる物ですね......ネックレスはどうでしょう。」
「中2の時に送ったかな?」
「イヤリングはどうですか?」
「小学校の5年生の時に送ったかな?」
「...チョーカーは。」
「高1の時に。」
「私、必要ですか?」
必要だよ。
「だって、三人寄れば文殊の知恵って言うじゃん?」
「あと1人どこですか。」
「私の心の中だよ。」
「それはいないのと同義なのでは無いですか?」
「いると思えばいる。古則の5つ目と一緒だよ。」
「多分違うと思います...。」
そんな事を呟くウイを横目に見ながら考える。
大体のアクセは贈り尽くしちゃったし、そもそもミカに似合う物を探すととてつもない時間がかかるんだよなぁ。それに、何を渡しても喜びそうだし。自慢じゃないけど。
「というかそもそも。」
なんだなんだと思いながらウイの方を見る。
「リエルさんが選んだ物ならなんでも喜ぶのでは無いでしょうか。」
「私もそう思う。」
「惚気に来たのなら帰ってください。」
はぁ、とため息を1つ挟んでウイが続ける。
「贈る人の事を想って選んだ物ならば本当になんでもいいのではないでしょうか。......去年はウイスキーボンボンでその前はチョーカーですね?その前は?」
「中3はえーと、シャーペn「それです。」わお。」
「リエルさんのお話を聞くにミカさんはアクセサリーをたくさん持っているものと思います。なのでアクセサリーは除外。そして2年連続でお菓子というのも意外性がないですし......といったところで実用品をおすすめします。もし被ってしまっても、使い分けられますしね。.........どうしたんですか?」
「す。」
「す?」
すごくいいそれ!!!「ぅへああぁぁぁ!」
「い、いきなり叫ばないでください!」
「ごめんごめん、でもありがと!おかげでいいのを思いついた!これ、お礼のクッキー!最近教えてもらったお店ので、すっごく美味しいから!じゃあまた!!」
「ちょ、ちょっと。」
そう言うと直ぐに古書館を飛び出す。
やっぱりそのまま店頭に行ったほうがいいのかな?あ、予約いるよね、ここから1番近いお店は......あれ!?カスタムのシュミレーターあるじゃん!......『カスタムシュミレーションでイメージを作成した上でご来店いただく方もいらっしゃいます。』...か。よし、まずはこれを使って1番イメージに合ったお店に行こう。
「予約していた結です。」
「お待ちしておりました。どうぞこちらへ。」
「ありがとうございます。」
さっそく(翌日)お店に来たけど緊張するな。一応
前世は普通の学生だったからかな?
「贈物をお探しとのことでしたが、具体的なイメージなどはございますか?」
「はい、webページのシュミレーターで概要は作ってきてます。このまま注文しても良かったのですが実物を1度確認したいのと、より細かいところまで相談ができると伺ったので。」
「なるほど、わかりました。このモデルですと...こちらになります。そして、カスタム部分はこちらになります。」
「ありがとうございます。
うーん。色味やデザインはすごいイメージ通りなんだけどちょっとだけ厚くて大きいかな?
「これと同じようなデザインでもうひとまわり小型なモデルってありますか?」
「はい、でしたらこちらになります。」
そういってさっきと同じように本体とパーツの一覧を渡してくれた。......うん、こっちのほうがしっくり来る。やっぱり実物見たほうがいいね。
「えーと、ではここをこれに変更して他の箇所はそのままでお願いできますか?」
「はい、できますよ。では、お値段の方はこのような感じになります。」
「はい。」
うへ、ついこの間まで銃のカスタムをしていた私にはきびしめ。だけど他でもないミカの為、ここは耐えよう。
「「ミカ(さん)、誕生日おめでとう。」ございます。」
「う〜〜〜ん2人ともありがとーーー☆」
5月8日、ティーパーティーはいつもの場所でミカの誕生日を祝っていた。
「こちらは私からです。」
「えー、このブローチかわいい〜!ありがとうナギちゃんんん!!!」
「ふふっ、喜んでいただけて何よりです。」
「ミカ、これは私からだ。」
「これは......丸メガネ?」
「もちろん伊達だ。君の持っている私服に合うと思ってね。」
「うん、組み合わせも完璧!ありがとうっ!」
そうして話に花が咲く。が、すぐに気づく。
「あれ?リっちゃんは?」
「リエルさんならこんなモモトークが......。」
『ごめん!少し遅れる!!予定通り始めてて!!!』
「ふーん、リっちゃんは私より優先する事があるんだー。」
「そんな事ないよ!!!」
その言葉と同時に外からリエルが飛び込んでくる。
「り、リエルさん!そこから入るのは止めてくださいと何度も!」
「ごめん!これが最速だったから!」
リエルはそう言いながらカバンから黒い包みを取り出す。
「ミカ!誕生日おめでとう!」
「! これは。」
「そ、腕時計。」
ローズゴールドの本体に、ピンクでシンプルなベルト。ミカの雰囲気にピッタリな小柄な腕時計がケースに入っていた。
「ミカに完璧に似合うように注文したんだ!」
「か。」
「か?」
かわいい!!ありがとう!!
「喜んでもらえて何よりだよ!」
「だがリエル、そのブランドはついこの間まで工場が占拠されていて生産がストップしていたところじゃないか?」
「よく買えましたね。」
「えーと、それはね。」
この前ショップから電話が来てね、受け取りはもう少し後だったと思うんだけど?って考えながら出たの。
「もしもし。」
『もしもし結様ですか?こちらAlphaです。』
「はい、結です。あの、受取日ってまだでしたよね?」
『その、ことなのですが......ただいま工場が占拠されてしまいまして.........。』
「工場が、占拠?」
『はい。それで現在、生産がストップしている状況でして。』
「ふ、復旧の見込みとかは?」
『現在ヴァルキューレさんに対応してもらっているのですが見通しは立っておらず......お客様にはご迷惑をおかけします。』
「え、じゃあ8日には。」
『はい、間に合わないかもしれないです。』
うっそぉって思ったね。それ以上の感想が出なかった。
『......本当に申し訳ございません!!今日明日で事態が解決したらどうにかなるかもしれませんが、そうはならなさそうで......。』
「い、いえ。事前の連絡をいただけただけでもありがたいですし......。」
失礼します。と言って電話を切った私は銃を手にとある場所に向かったんだ。
──もしかしてリっちゃん
──ミカ、みんな同じ気持ちだ
──.........
「今日明日で解決できたらいいんだから自分で解決したらいいじゃん!」って。
「リっちゃん、ストップ。」
「どうしたの?ミカ。」
なにかおかしいところあったっけ?
「いや、私のためにそこまでしてくれるのは嬉しいんだけどさ。私達言ってるよね?」
「危険な事案には首を突っ込まないでください、と。」
「いや、まあ、それは置いといてね?」
「「「おいておけるわけ無いよね!?」でしょう!?」だろう。」
「2人がよく夜中に出歩かないでほしいと話すことはよくあったが、ここまでとは。」
「ほんとにね......。」
「毎回言っているのですがね......。」
2人がすごい顔してる...今回ばかりはしかたなくない?
「......それでどうなったんだ?リエル。」
「えーとね、「簡潔に頼む。」アッハイ。」
っと、工場についてからは、監視カメラとヴァルキューレの目を掻い潜って工場内に侵入して、
占拠してたオラオラヘルメット団っていうグループを1人ずつおびき寄せて各個撃破していって、
人質の方々を開放して、
行きと同じ要領で工場を脱出したね。
「そういえばオラオラヘルメット団とか久しぶりに聞いたな。」
あれ?さっきから3人の声が───
「リっちゃん!!!今日という今日は許さないよ!!!」
あっ、羽交い締めはマズい。
「ナギちゃん!!ロールケーキを!!」
「ええ、わかっています。」
「2人とも、待って、話せばわかる。」
「「話してわかんないからこうなってるんでしょう!?!?」」
「ふむ、これからの日々もこれだけ平和だったら良かったのに。」
──真っ暗な部屋の中。ピンクの髪の少女は1人、立ち尽くしている。
──銃とも言えない白い残骸を前に。
今日からティーパーティーは私1人。どこから間違えたんだろう。
多分最初からかな。......もうどうでもいっかそんな事。
えっとブローチ付けて、イヤリングも付けて、メガネ......はこれには合わないか。......持ってくだけ持っていこうかな。後はネックレスに...チョーカー。あっ、この羽飾り懐かしいなぁ。小学校のいつぐらいだったかにリっちゃんにもらったやつ。
──少女はまるで遊びに行くかのように支度を続ける。
そういえば、部屋の内装の相談もみんなにしたなぁ......
あれ?この時計って....っ!リっちゃんから貰った....!
...んで.....なんで!!リっちゃんはもういないのに!!平気そうな顔して!!!!
──少女はそれを掴んで壁の方に投げつけた後、我に返ってそれの確認に向かう。
それの背面には少女の...ミカの名前と誕生日が刻まれており、一目で誕生日に贈られた物だとわかる。
だ、だめ、傷....は付いてない。......銃弾でも傷が付かないって説明書に書いてあったなぁ。
──ミカは時計を付けて、呟く。
じゃあ、行こっか。
──部屋には静寂が訪れた。