浮世英寿のヒーローアカデミア   作:ベリアロク

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第1話 「胎動Ⅰ:雄英高校への挑戦」

世界はある時瞬く間に姿を変える。

恐竜の時代から現代まで変わらぬ理だ。

 

その理に従うようにある年、中国にて光輝く赤子が誕生した。

人が生まれ持った能力「個性」。火を吐いたり空を飛んだり……コミックで良くあるようなとんでも能力が世に生まれた瞬間だった。

 

 

そんな「個性」と呼ばれる存在が生まれて間もなかった頃───超常黎明期はひどい時代だったという。

強盗はおろか、放火・殺人・テロ等なんでもござれ。警察等の組織はそうした出来事に対応しきれず、悪党がのさばる時代。

 

 

そんな時代には「グランプリ」なるものが開かれていたらしい。

 

 

ある時は強欲な魔王の下で、世界をより混沌に導く戦いとして。

ある時は正義感に満ちた男の下で、悪を滅する為の戦いとして。

ある時は善も悪もない金持ちが、金を稼ぐための道楽として。

 

 

主催者ないし参加者の願望(デザイア)を叶える大会のような、決戦のような何かがあった。明確な記述はないものの、只の噂か人々の願望か。そのようなものがあったと一部でささやかれていた。

 

 

そのような俗に言う暗黒期を乗り越え、時代は現代。個性を悪用する(ヴィラン)を倒すヒーローという役職が生まれ、治安は正常化。世界は高度成長を遂げ、学生の多くは収入・名声等様々な観点からヒーローという仕事を目指している。

 

 

ヒーローを目指す学生ならば一度は必ず夢見る学び舎「雄英高校」。

今日はそんな夢の舞台の試験日であり、

 

 

ある男子学生が正面玄関の前で浮かんでいた。

 

 

「わっ⁉ えっ⁉」

 

「大丈夫?」

 

 

何が起きているのかわからず、じたばたとする緑髪の少年『緑谷出久』。そんな彼に栗色髪の少女『麗日お茶子』が声をかける。

 

 

「コレ、私の個性。転んじゃったら縁起悪いもんね!」

 

「えと……その」

 

「緊張するよねぇ。それじゃ、お互い頑張ろう!」

 

(女子と喋っちゃった‼)

 

 

女子と会話(出来てない)した緑谷

 

 

「きゃっ!」

 

そんな緑谷を置いて通路の境目にある段差で足をひっかけ、麗日は転びそうになる。

そんな彼女の身体を一人の男

 

 

「おっと。大丈夫か?」

 

「あ、ありがとうございます」

 

 

麗日は支えを受け姿勢を直す。目線を上げた先にいたのは身長180cmもあろうかという高身長に整った顔立ち、

紺のコートを身に付けた男───浮世英寿だった。

 

その光景を少し後ろから見ていた緑谷が慌てて駆け寄る。

 

 

「だ、大丈夫?」

 

「あはは……この人が助けてくれたんだ。あんなこと言って自分が転びそうになるなんて恥ずかしいや」

 

「なーんだ、彼氏いるのかよ。カッコつけて損したな」

 

「彼氏……?」

 

「かかか、彼氏じゃないです!」

 

 

英寿の言葉を緑谷が慌てて否定する。緑谷の顔は真っ赤な一方で、麗日は状況を理解出来ていないのか頭に?を浮かべている。

 

その様子を見て英寿はクスッと笑った。

 

 

「じゃあまだチャンスがあるってことか」

 

「「へ?」」

 

 

英寿の言葉に2人は唖然とする。ここは受験会場、それも超高倍率の超難関だ。ごく一部の記念受験を抜いて、皆真面目に試験を受けに来ている筈である。

 

そんな中でナンパ師まがいの言葉だ。他の通行人からもやや白い目で見られている。けれどそんなこと気にすることもなく英寿は2人の間に割って入り、2人と肩を組んだ。

 

 

「諦めない限り世界は変えられるからな」

 

 

英寿は2人の肩をポンと叩くと、一人試験会場へと進んでいく。残された2人はその様子を唖然として眺めていたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

「Everybody say!!Yeah!!」

 

 

場所は変わって試験説明会場。

何百といる受験生の前に立つのは逆立った金髪にサングラスを付けた男、ヒーロー・プレゼントマイク。

 

DJ風の装いに定評のある彼の声に会場は大盛り上がり……なんてことはなく、誰一人声を上げない空気感。そんな会場の空気を意にも解さずマイクは話を続ける。

 

 

「こいつは渋ィー…なら受験生のリスナー諸君に試験の概要をサクッと説明するぜ! 内容は至ってシンプルさ、ちゃんと聞いとけよ?Are you ready? Yeah!

 

 

シーンとする会場の雰囲気を物ともしないマイクによってこの後の試験、「実技試験」の説明が始まった。

試験の概要は以下の通りになる。

 

 

・十分間の模擬市街地演習

 

・武器などの持ち込みは自由

 

・試験会場内には仮想敵がおり、それぞれ1P~3Pが割り振られている。

 各々の個性で仮想敵を行動不能にし、最終ポイント数を競う

 

 

もちろん他の受験生に対する妨害行為はご法度だ。

 

 

「俺からの説明以上! さぁリスナー諸君、理解は十分かな?」

 

 

(俺からの説明は以上……か。手元の資料によれば仮想敵はあと1体、点数の記載がないヤツがいる。高得点orお邪魔虫が妥当だが、聞かれない限り答える義理はないってか。ちゃっかりしてるぜ雄英)

 

 

「それでは最後に我が校の校訓を受験生であるリスナー諸君に送ろう。――――――かの英雄、ナポレオン・ボナパルトは言った!

 

 

”真の英雄とは人生の不幸を乗り越えていく者”と!

 

 

 さらに向こうへ…Plus Ultra!!

 

 

 

プレゼントマイクの激励の言葉により静まっていた会場が一気に沸き立つ。

そんな会場の雰囲気に多くの学生が酔う中、英寿は様子を変えることなくバスに乗り込み指定された会場へと向かっていった。

 






ゴタゴタが終わったのでようやく書けました。旬はやや過ぎてしまいましたが、読んで頂けたら幸いです。

変身中における地の文の名称

  • 『英寿』はパンチを~
  • 『ギーツ』はパンチを~
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