ようこそ!デスゲーマーのいる教室へ!   作:橘諸兄

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12話目です。
今回は各クラスの試験に対する反省会について書いてます。

感想や好評価ありがとうございます!
これからも是非感想をお願いします。

アンケートへの回答ありがとうございました。
水無瀬さやが天才という意見が多いので、少し火力調整するかもしれません。
良かったら感想でどの辺が天才に見えたのか、教えて頂けると嬉しいです♪


反省はするけど後悔はしない。そもそも後悔する様な事はしちゃダメ。無駄な欲は自滅の道を辿るだけだよ。

 

 

椎名ひよりside

 

 

私の名前は椎名ひよりです。

朝の読書タイムを始めていたら、龍園君に呼び出され試験の反省会が始まりました。

 

 

反省会には金田君、石崎君、山田君が参加しており、私達は試験についての話を始めました。

 

 

「Cクラスは今回ポイントゼロ作戦を行い、Bクラスと毎月に80プライベートポイントを引き換えに、今回の試験で物資を提供した。Bクラスは互いにリーダーを当てない様にしよう、とか言ってたが、契約書にそれは書かれていない。つまり、CクラスはBクラス以外のクラスのリーダーを当てる事ができる。」

 

 

龍園君が試験の概要を話し、わたしはその内容をノートにまとめて行きます。

 

 

「そして、他クラスにスパイを送り込んだり、監視役を付けさせリーダーを探った。Bクラスは金田が白波のキーカードを見つけ、Dクラスは伊吹が堀北のキーカードを盗む事でキーカードを見つけた。Aクラスに関しては石崎が潜入出来なかった為、監視をさせてリーダーを探って貰った。そしてキーカードらしき物を水無瀬が持っており、それを報告した。そうだな?石崎。」

 

 

「うっす。遠目だけど、水無瀬がキーカードっぽい物を持っていました。それを龍園さんに報告しています。キーカードを持ちながら、スポット更新に行ってたメンバーの体調を気遣っていましたし、アイツがリーダーだとおもいました。」

 

 

「…そして、龍園氏はAクラスの水無瀬さやか氏、Bクラスの白波千尋氏、Dクラスの堀北鈴音氏のリーダー当てを行った。Bクラスに関しては確定ていますから50ポイント獲得、そしてDクラスとAクラスを外し、ポイントは0という事ですね。」

 

 

キーカードっぽい物、ですか。

キーカードはリーダーが居た場合、新たに作り出すには今のリーダーをリタイアさせるしかない。

 

 

つまり、偽物を用意するなんて出来ないはずですし、水無瀬さんはリーダーのキーカードを持つ事で自分がリーダーだと石崎君に勘違いさせた?

そして石崎君はまんまと罠にハマってしまった。

 

 

「ああ、言ってなかったな。Dクラスは鈴音がリタイアし、リーダーはランダム指名になった。だから指名はしてねぇ。」

 

 

「そうでしたか。」

 

 

今回の試験で葛城君がリーダーとなり、それを妬んだ坂柳派の生徒が試験の妨害を行うと思っていました。

しかし実際はそんな事は起こらず、Aクラスはトップを独走しています。

 

 

この事実から、Aクラスの生徒は坂柳派の裏切りを予想してAクラスを一つに纏める為に葛城君をリーダーの座から下ろした。

そして両派閥の生徒を代理として立てる事でAクラスの裏切りを抑止した。

 

 

私は当初その生徒が誰なのか分かりませんでしたが、Aクラスのベースキャンプ地を探しに行った小宮君の話では水無瀬さんがAクラスの生徒に何やら演説をしていたと仰っていました。

つまり水無瀬さんが今回の事件の黒幕であり、Aクラスを一位にした功労者だと考えていたのですが、彼女はそれを否定している。

 

 

彼女は坂柳派でも葛城派でも無いはずですが、本当は葛城派の人間だったのでしょうか?

 

 

「…龍園君、水無瀬さやかさんには気を付けた方が良さそうです。わざわざ葛城君の手助けをしているので、おそらく葛城派の参謀でしょう。」

 

 

「ハッ、だからわざわざオレとの交渉に割り込んできた訳か。」

 

 

「確かにその可能性は高そうですな。しかし、水無瀬さやか氏…どこかで聞いた事のある名前ですが、思い出せません。」

 

 

「水無瀬さんは6月の中頃、Dクラスに対して金銭トラブルの訴えをしています。そして少ないながらもDクラスからクラスポイントを奪い、クラスに貢献している優秀な生徒ですね。そして一人の生徒を退学に追い込んでいます。」

 

 

「...なるほど!そうでしたか。ですが、葛城派は保守的な人間を集めていると聞いています。水無瀬氏の行動は攻撃的な坂柳派にこそ相応しい。葛城派にいるとなると少し違和感を覚えますね。」

 

 

確かに金田君の言う通り水無瀬さんは葛城派には合っていない気がします。

保守派だからこそ、攻撃の手を考えられる人材が欲しかったという事でしょうか?

 

 

しかし葛城君は人情深い人だと聞いています。

ですから、水無瀬さんの退学に追い込むという手口を歓迎出来るとは思えませんね。

 

 

龍園君はAクラスと交渉を行いましたが、結果は決裂。

そしてその交渉を批判した生徒の中に水無瀬さやかさんがいたそうです。

 

 

偶然とは考えにくいですし、やはり葛城派の人間なのでしょう。

 

 

そういえば、水無瀬さんとお会いした日の夜、私は話し声が聞こえたのでビーチに出ました。暫く歩いていると水無瀬さんがぼんやりと海を眺めていたのです。

 

 

そこには彼女以外誰も居ませんでした。

てっきり私は誰かと話しているのだとばかり思っていたのですが、実際は彼女一人。

 

 

私の聞き間違いだったのでしょうか?

 

 

 

 

◇◇◇

 

 

神崎隆二 side

 

 

 

俺は神崎隆二、Bクラスに所属している。

一之瀬のサポートをする事が多いが、別に参謀や副リーダーという訳では無い。

 

 

「神崎君もどうぞ。」

 

 

「ああ、ありがとう。」

 

 

一之瀬の入れてくれた紅茶に口をつけ一息つく。

俺達は今、二人で試験の反省会を始めるところだ。

 

 

「一之瀬、今回の試験で俺達は270ポイントを残していた。そしてスポット占有のボーナスで54ポイントを獲得している。合計で324ポイントあった。そして、龍園から教えて貰った情報により、Aクラスのリーダーを当てる事にした。しかし結果は120ポイント。AクラスとDクラス…そして龍園にリーダーを当てられマイナス150ポイント。Aクラスのリーダーを外してマイナス50ポイント。残ったポイントは124ポイントだ。」

 

 

「…そうだね。」

 

 

今回Bクラスは龍園ととある契約を結んでいた。

それはBクラスが毎月80万プライベートポイントをCクラスに渡し、その代わりにCクラスは試験中全てのポイントを使って物資を買い、それらを全てBクラスに譲渡する、というものだ。

 

 

BクラスとしてはAクラスとの間に大きな差が開いてしまい、どうにかAクラスに追い付きたかった。

だから多少のリスクを背負って龍園との契約を結んだ。

 

 

しかし結果はこの有様だ。

 

 

龍園との契約の中で、互いのクラスを指名し合わない、という内容は含まれていなかった。

だから龍園を信じたBクラスは騙され、ポイントが減ってしまったのだ。

 

 

「龍園を甘く見ていたから足をすくわれた。」

 

 

「うん。今回の敗因は私の判断ミスだね。Aクラスに追いつきたいって感情を優先してしまったから。」

 

 

「分かっているなら良い。そしてそれは一之瀬だけのせいでは無い。俺達全員で決めた事だからな。」

 

 

龍園はウチのクラスのリーダーを当てているはずだが、結果は0ポイントだ。

つまり、AクラスかDクラス、又は両方のリーダーを当てる事が出来なかったという事だ。

 

 

「今回龍園はおそらくどちらかのクラスに嵌められている。」

 

 

「どういう事?」

 

 

「Cクラスはリーダー当てを行っている。そしてウチのクラスのリーダーを当てれたら、50ポイントが入る。だが結果は0ポイントだ。Aクラスのリーダー情報を教えてくれている為、おそらくAクラスのリーダーを勘違いしていた可能性が高い。」

 

 

今回Aクラスは葛城がリーダーとして指揮を取っていないらしい。

この事実についても何かしらの思惑がある様だが、間接的に龍園から聞いた程度なので俺に詳しい事情は分からない。

 

 

だが、龍園が嵌められた事も関係しているはずだ。

 

 

「俺達は今回龍園から教えて貰った水無瀬さやかをリーダーとして回答している。だがその情報は間違いだった。」

 

 

龍園の話では石崎がキーカードを持った水無瀬さやかを見ていると聞いた。

そしてそのキーカードを持ちながら、スポット占有のメンバー一人一人に体調確認をしていたらしい。

 

 

そしてこの体調確認だが、多くの人間に体調を聞く事で誰がリーダーかを分からなくさせている、という考察を龍園は行っていた。

そしてその考えに俺も同意だった。

 

 

リーダーをカモフラージュする為に行っているのだとばかり思っていた。

そして水無瀬はキーカードをポケットに入れ、隠す様にしていたらしく、水無瀬こそが本当のリーダーなのだと俺達は思っていた。

 

 

しかし現実は残酷だ。

 

 

「…石崎君が見た一連の流れは全部Aクラスによって仕組まれていた事だったのかな?」

 

 

「そうなるな。だが、Aクラスの生徒はこの体調確認という流れを予め知っていた様な反応では無かったらしい。つまり、水無瀬の独断、もしくは水無瀬にこれらの芝居を打つ様に頼んだ人間がいるという事だ。」

 

 

「流石Aクラスだね。他のクラスと比べて頭一つ抜き出てるよ。」

 

 

石崎も甘かったが、それを信じた俺達も甘かった。

 

 

AクラスがAクラスたる所以は、彼らが優秀だからだ。

学力面で秀でているだけでなく、知力や判断力、情報分析力に長けており、尚且つ己の地位に慢心せず、他者を徹底的に叩きのめす冷徹さを兼ね備えている。

 

 

これはBクラスには勿論、CクラスやDクラスにも無いものだ。

そして派閥争いをしながらも、団結出来る忍耐強さを持ち、それぞれが互いを知り、適材適所として活躍出来る様な状況を作り上げ、士気を高めている。

 

 

「一之瀬、今回俺達はCクラスとの契約でプライベートポイントを失ってしまう結果となった。だからこそ、次の試験では勝たなければならない。」

 

 

「…うん。次は絶対に負けないよ。」

 

 

Cクラスの龍園、Aクラスの葛城や坂柳…この学年には猛者が揃っている。

一之瀬には少し荷が重いかもしれないが、ここで挫けないのであればまだ戦えるはずだ。

 

 

ほんの少しの期待、そして不安を抱き無人島試験は終了した。

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

山村美紀side

 

 

私は山村美紀。

1年Aクラスの生徒だ。

 

 

入学式初日に仲良くなった隣の席の女子生徒、水無瀬さやかちゃんの友人であり、今回のバカンスでは同室になっている。

きっかけは私が話し掛けた事だったが、その後彼女と話す様になったのは全ての彼女の発言によるものだ。

 

 

彼女は質問を多く用いて私との会話を続けようとしてくれた。

私は話す事が苦手で、なかなか友達が出来なかった。

 

 

本当は皆と仲良くしたい。

でも私の性格では難しい。

 

 

だから彼女が私を知ろうとしてくれる事が純粋に嬉しかった。

そして彼女と仲良くなりたいと思った。

 

 

私達には共通の趣味であるピアノがあった。

私はどちらかというとピアノ演奏を聴くことが好きだったが、それでも話題が尽きる事は無く、会話は続いた。

 

 

でも彼女は少し、少しだけ性格が歪んでいた。

基本的に害のない人物には親切で、友達思いだ。

 

 

そして身内に対しては甘く、派閥やクラス関係なく接してくれる。

 

 

だけど彼女は、自分に仇なす人間に対してはどこまでも冷酷になれる人間だった。

Dクラスを訴えた時、山内と池という生徒を退学に追い込んだ。

 

 

そして最悪な契約を佐藤と篠原という女子生徒に持ち掛け、人間としての尊厳を踏みにじった。

水無瀬さやかは悪魔の化身なんじゃないかと言われる程、冷たい人間だった。

 

 

しかし、彼女の友人である王美雨に対しては過剰な心配をしており、Dクラスを陥れた張本人でありながら多額のポイントを無償で渡したり、Aクラスに上がるための2000万ポイントも支援するという意思を示した。

しかし、王がDクラスとして下克上をするのであれば叩きのめすとも発言している。

 

 

その言葉自体間違いでは無いが、あまりにも極端な発言だ。

彼女の頭には敵と味方以外のワードが存在しないのかもしれない。

 

 

そんな彼女だが、意外にも無人島試験で大活躍だった。

 

 

まず初日に、坂柳派の生徒に裏切りをさせないために敢えて葛城をリーダーの座から下ろし、各派閥から二人のリーダー代理を立てさせた。

そして裏切りが発生しない様に橋本以外の坂柳派の生徒を納得させてみせたのだ。

 

 

そしてリーダー当ての為に本部前に見張りを置く事を提案した。

この提案のおかげで、無駄なリーダー当てをせずに済んだので、彼女の提案のおかげで命拾いした。

 

 

次に、各クラスのリーダー当ての為に高円寺に接触した。

高円寺と彼女は以下の取引をした。

 

 

高円寺六助はCクラスとBクラスのリーダーを探し出し、Dクラスの点呼後、水無瀬さやかに教える事。

そしてさやかちゃんは高円寺六助に対価として10万プライベートポイントを支払う事。

 

 

この契約はAクラスの山村美紀、水無瀬さやか、高円寺六助の秘密とし、それ以外の人間に話す事を禁じる。

そして高円寺六助がリーダーを当てられなかった場合、高円寺六助に一切の責任は無い。

 

 

さやかちゃんは昼間に契約を取り付け、その日の夜にCクラスのベースキャンプ付近のビーチで高円寺から各クラスのリーダを教えられたそうだ。

高円寺六助に一切デメリットのない提案だが、さやかちゃんは高円寺の才能に賭けたらしい。

 

 

彼女を見ているとたまに生粋のギャンブラーなんじゃないかと錯覚してしまう事がある。

それ程彼女は賭け事に向いていた。

 

 

そして六日目夜の点呼前、Dクラスの篠原さつきにとあるお願いをした。

それは"Dクラスにリタイア者がいればその生徒の名前を全員教えて欲しい"というものだ。

 

 

この質問のおかげで、Dクラスのリタイア者が高円寺のみだという事が分かった。

そして見張り役の鬼頭の報告により、堀北がリタイアした事でDクラスのリーダーはランダム指名になってしまい、リーダー当てが出来なくなってしまった。

 

 

その代わりBクラスとCクラスのリーダーを当てる事に成功した。

高円寺が教えてくれたリーダー候補がリタイアしているかどうか、それさえ分かればリーダー当てをするべきかどうかの判断が出来る。

 

 

さやかちゃんのアイデアは運要素が強いが、この試験においては最強だった。

Dクラスで持て余している高円寺六助というジョーカーを完璧なタイミングで使用し、Aクラス、そして高円寺六助に富を与えてくれたのだ。

 

 

ちなみに龍園のクラスはAクラスとBクラスのリーダーを指名したらしいが、結果は0。

これは、さやかちゃんがわざと外させたのだ。

 

 

まずAクラスのリーダー候補はスポットを占有している10人の中にいる。

そしてCクラスの石崎はAクラスに保護を断られ、Aクラスの近くに潜伏して情報を集めている可能性が高かった。

 

 

その為さやかちゃんは真嶋先生が説明時に使用したキーカードを借りて、それを常に持ち歩いたのだ。

そしてそのキーカードを持ちながら、私を含めた9人の占有メンバーに体調確認をした。

 

 

丁度石崎はこの情報を耳にし、それを大慌てで龍園に報告した。

そしてさやかちゃんをリーダーとして指名し、龍園はBクラスのリーダー指名で獲得したポイントを失う事になってしまった。

 

 

これに関しては、AクラスがBクラスのリーダーを当てているので、CクラスはDクラスのリーダーを当てなければポイントはゼロだっただろう。

 

 

さやかちゃんは完璧な立ち回りを見せ、無人島試験を一位に導いてくれた。

 

 

さやかちゃんは頭が良い。

だけどそれは学力面の話であって、普段はそこまで知恵が回る方では無い。

 

 

だけど、ゲームになると人が変わった様にイキイキとし、相手を陥れる事に躍起になる。

さやかちゃんが本気になれば、ほとんどの人は勝つ事が出来ない。

 

 

たまに脳筋だったり、脳死してたりするけど、彼女の考えは斬新で面白い。

楽しければ楽しい程彼女は勝負事に対して本気になる。

 

 

だけど彼女に高円寺とCクラスの椎名ひよりという女子生徒はトランプで勝ったそうだ。

運要素が絡むとはいえ、彼女が負けるなんて想像も出来ない。

 

 

楽しくなかったとは思えない。

だってさやかちゃんは闘志を燃やしながら『次こそは勝つ!』って言ってたからさ。

 

 

彼女は天才タイプでは無いから、負けない訳が無いのだが、彼女が負けるところは何故か想像が出来ない。

冷淡で冷たく、相手にするのは面倒な彼女が認めた優秀な生徒がどれ程の実力者なのかとても気になる。

 

水瀬さやかは天才?秀才?凡人?

  • 天才(坂柳・堀北学クラス)
  • 天才(綾小路・高円寺クラス)
  • 秀才(葛城・一之瀬クラス)
  • 秀才(櫛田・平田クラス)
  • 知恵の回る狂人(龍園クラス)
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