ようこそ!デスゲーマーのいる教室へ!   作:橘諸兄

13 / 23
13話目です。

ついに干支試験が始まります。
そして原作改変が行われていますのでご注意下さい。
今回から干支試験中は原作と少しズレた内容になっているので、読まない場合、夏休み以降の話が分かりにくいかもしれません。
読む事を推奨しますが、なるべく読まなくても分かる様な話に出来るよう頑張ります。

感想や高評価、お気に入り登録を多くの方にして頂けてとても嬉しいです。
これからも沢山の感想や高評価お待ちしております♪




心理戦?いいや違うね。これはただの頭脳戦だよ。駆け引きよりもコミュ力と交渉力が問われる試験だよ。
油断は禁物だよ。ゲーム終了の合図が出るまで、何が起こるか分からないんだからさ。


 

 

無人島試験が終わり、私達は船でバカンスを楽しんでいた。

船内にはプールやBAR、レストランやカフェ、映画館やコンサートホール、プラネタリウムやブティック等、多くの施設が入っており、暇を持て余す事は無かった。

 

 

そして私はお気に入りのカジノに入り浸り、様々な生徒とカードゲームをして遊んでいた。

稼いだチップをポイントに換金できれば良かったのだが、どうやらそれはダメらしい。

 

 

ん〜残念♪

 

 

「おや?ヴィクトリーガールじゃないか。」

 

 

「ん?高円寺君?君もカジノをしに来たのかな?」

 

 

「ああ。とはいっても、私も楽しませてくれる様なギャンブラーはなかなか居ないがね。だが君はかなり善戦していた。これは誇るべきだ!ハッハッハ。」

 

 

「じゃあお言葉の通り皆に自慢しちゃおうかな。」

 

 

高円寺君とバカンス初日にゲームをしたが、私は一回も勝てなかった。

良い線までは行ったのだが、彼の真実を見抜く目を欺く事は出来なかった。

 

 

私は彼に勝てないのだと自覚し、彼の才能は運すらも味方につけてしまう程のものだという事を理解した良い機会となった。

 

 

「そう言えば高円寺君、ポイントはちゃんと振り込まれていたかな?」

 

 

「ああ。その筋に関しては感謝しておこう。そういえばAクラスはDクラスのリーダーを見つけられなかったのかい?」

 

 

「リーダーが誰かは分かってた。堀北鈴音さんでしょ?でもあの子は途中でリタイアしてしまった。そしてリーダーはランダムになり、残念ながらリーダー当ては出来なくなってしまったの。」

 

 

「ふむ、そうだったのか。Dクラスもまだ捨てたものでは無いね。」

 

 

流石に当てずっぽうで適当に名前を書いて外したら、今までの努力が全部水の泡になってしまう。

それはAクラスの生徒として不本意なので、少し保守的に立ち回る事にした。

 

 

リーダーを当てられない分、リーダーを当てられない様にする為に色々工作を行って、防御力を高めた。

いくら葛城君がリーダーでないとはいえ、Aクラスにとって彼の発言力は大きく、坂柳派も橋本がリーダー代行を務めている為、他クラスに負けない事を意識して試験を行っていた。

 

 

つまりAクラスはポイントが減らないように立ち回った、という事になる。

他クラスが簡単にリーダーを当てられない様にする、というのは言うだけなら簡単だが、対策を寝るのは意外と骨が折れる。

 

 

葛城の意見を参考に、今回Aクラスはスポット更新を10人で行った。

この占有メンバーの中にリーダーが居るのだが、10分の1を当てるのはほぼ不可能だ。

 

 

超高○級の幸運レベルの生徒がいれば可能だが、生憎現実にそんな人間はいない。

だからこそ防御全振り作戦は今のAクラスにとって強い戦略となった。

 

 

堅実に節約生活をしながらスポット占有を行い、他クラスのリーダーを当てる為の準備を進める。

この準備とは本部前の見張りと篠原へのお願い、高円寺との交渉の三つを指しているが、他にも見えないところでCクラスの石崎にリーダーを勘違いさせる為の策を使って嵌めたりもしている。

 

 

これらの防御作戦が功を奏し、無人島試験では一位を獲得する事が出来た。

葛城派、中立派、坂柳派(橋本は除く)も満足のいく結果になった様で、カラオケで打ち上げをし大いに盛り上がった。

 

 

Cクラスでは私が葛城を助けた事から、葛城派の人間ではないかという噂が流れているが、それは事実では無い。

私はただ自分のポイントを増やす為だけに、Aクラスの守備を固めさせただけだ。

 

 

そして単純に他クラスに負けるのも気に入らなかったので、そこそこ頑張ったんだよね♪

 

 

「…私はそろそろ行くよ。好敵手に出会えると良いね、高円寺君♪」

 

 

「そうか。また会おう、ヴィクトリーガール。」

 

 

高円寺と別れて私は施設内のプールに向かった。

特に泳ぎたい訳では無いが、プールサイドで売られているノンアルコールのフルーツカクテルが気になって飲みに来たのだ。

 

 

「すみません、シャーリーテンプルお願いします♪」

 

 

このシャーリーテンプルとは、アメリカのとある子役の名前が由来で、ジンジャエールとザクロの甘みが魅力的な夏にピッタリのカクテルだ。

ノンアルコールカクテルはその名前の通り、アルコールが含まれておらず、妊娠中の女性や子供も飲む事が出来る。

 

 

カクテルを飲みながら、デッキチェアで音楽を聴く。

日差しが少し強いが、バカンス気分を味わうには最適だ。

 

 

カクテルを飲み干すととある放送が流れた。

 

 

『生徒の皆さんにご連絡いたします。先ほど全ての生徒宛に学校から連絡事項を記載したメールを送信いたしました。各自携帯を確認し、その指示に従ってください。また、メールが届いていない場合には、お手数ですがお近くの教員まで申し出てください。非常に重要な内容となっておりますので確認漏れのないようお願いいたします。繰り返します───』

 

 

放送後自分の携帯に目をやるとピロリん♪と可愛らしい着信音が鳴った。

メールを開いて内容を確認するとこう書かれていた。

 

 

『間もなく特別試験を開始いたします。各自指定された部屋に、指定された時間に集合して下さい。10分以上の遅刻をした者にはペナルティを科す場合があります。本日16時までに3階第2会議室に集合して下さい。所要時間は20分ほどですので、お手洗いなどを済ませた上、携帯をマナーモードか電源をオフにしてお越しください。』

 

 

無人島試験というどこかの企業研修の様なものが行われた直後に、体力を浪費する試験が課されるとは思わない。

学力試験か、それとも試験の説明を行うのか。

 

 

行ってみない事には分からないけど、葛城君や橋本君達の指示を待った方が良さそうだね。

今は何もしないでおこうかな。

 

 

残りの日数は全てバカンスが出来ると思っていたが、どうやらそこまで甘くは無いらしく、まだまだ油断出来そうにない。

 

 

その後、16時9分に第2会議室の扉を開いた。

 

 

「遅いぞ、水無瀬。集合時間は16時だと書かれていただろう?」

 

 

どうやら担当教員は担任の真嶋で、私の遅刻を咎めているらしい。

だが、メールには10分以上の遅刻をした者に対してペナルティが科されるかもしれないと書かれており、9分の遅刻はペナルティ対象外のはずだ。

 

 

「先生、メールには10分以上遅刻した場合がアウトで、10分未満については何も書かれていません。だから別に良いでしょ?遅刻がダメなら、10分以上はペナルティ、なんて書き方せずに時間丁度に集まっていなければペナルティって書くべきです。」

 

 

「ただの屁理屈だ。そんなんじゃ社会に出た時何も出来ないぞ。…さて、説教は終わりだ。空いている椅子に座りなさい。」

 

 

「は〜い。」

 

 

言われた通りAクラスの坂柳有栖の隣に腰を下ろした。

 

 

…はい?

なんで有栖ちゃんがここにいるんだろう?

 

 

有栖ちゃんは今回のバカンスに欠席しているはず。

無人島試験時も船にすらいなかったし、この試験に参加できる訳が無い。

 

 

え、これは幻覚?

 

 

「え、有栖ちゃん?」

 

 

「…うふふ、どうしてここに私がいるのか、という顔をされていますね。実に愉快です。しかし今から試験の説明がされますし、その話は終わった後に致しましょう。」

 

 

有栖ちゃんがそう言うならその通りにしようか。

私は黙って真嶋の方へ向き直る。

 

 

全員が話を聞く態勢を整えた事を確認し、試験の説明を始めた。

今回の試験は要約すると以下の通りだ↓↓↓

 

 

 

 

──────────────────────

 

 

【干支試験概要】

 

 

《ルール》

 

 

●試験開始当日午前8時に学校側が一斉メールを送る。『優待者』に選ばれた者には同時にその事実を伝える。

 

●試験の日程は明日から4日後の午後9時まで(1日の完全自由時間含む)。

 

●1日に2度、グループだけで所定の時間と部屋に集まり1時間の話し合いを行うこと。

 

●話し合いの内容はグループの自主性に全てを委ねるものとする。

 

●試験の解答は試験終了後、午後9時30分〜午後10時までの間のみ優待者が誰であったかの答えを受け付ける。なお、解答は1人1回までとする。

 

●解答は自分の携帯電話を使って所定のアドレスに送信することでのみ受け付ける。

 

●『優待者』にはメールにて答えを送る権利がない。

 

●自分が配属された干支グループ以外への解答は全て無効とする。

 

●試験結果の詳細は最終日の午後11時に全生徒にメールにて伝える。

 

 

 

《結果》

 

 

[1]グループ内で優待者及び優待者の所属するクラスメイトを除く全員の解答が正解していた場合。グループ全員にプライベートポイントを支給する。優待者が100万プライベートポイント、その他全員が50万ポイントを獲得する。(優待者の所属するクラスメイトもそれぞれ同様のポイントを得る)

 

[2]優待者及び所属するクラスメイトを除く全員の答えで、一人でも未解答や不正解があった場合。優待者には50万プライベートポイントを支給する。

 

[3]優待者以外の者が、試験終了を待たず答えを学校に告げ正解していた場合。

答えた生徒の所属クラスはクラスポイントを50ポイント得ると同時に正解者にプライベートポイントを50万ポイント支給する。また優待者を見抜かれたクラスは逆にマイナス50クラスポイントのペナルティを受ける。及びこの時点でグループの試験は終了となる。

なお優待者と同じクラスメイトが正解した場合、答えを無効とし試験は続行となる。

 

[4]優待者以外の者が、試験終了を待たず答えを学校に告げ不正解だった場合。

答えを間違えた生徒が所属するクラスはクラスポイントを50ポイント失うペナルティを受け、優待者はプライベートポイントを50万ポイント得ると同時に優待者の所属クラスはクラスポイントを50ポイント得る。答えを間違えた時点でグループの試験は終了となる。

なお優待者と同じクラスメイトが不正解した場合、答えを無効とし受け付けない。

 

 

──────────────────────

 

 

 

つまり優待者を見付ける事が重要となってくる。

そして求める結果によってもクラスの動き方は色々変わってくるはずだ。

 

 

この試験、高円寺君は絶対に3番を狙ってくる。

高円寺のグループの優待者がAクラスの生徒でない事を祈っておくしか術は無さそうだ。

 

 

そして今回の試験では、前回の無人島試験の様な交渉は出来ない。

なぜなら、誰が優待者か分からない時点で、Dクラスの優待者がいるグループの優待者を教えろ、と言っても高円寺はこの提案に乗らない。

 

 

そして逆にDクラス以外の生徒が優待者のグループについて、誰が優待者か教えろと問えば、そのグループは、Dクラス以外の生徒が優待者だという事が分かり、どのグループにDクラスの優待者がいるのか見抜くヒントになってしまう。

 

 

だから今回の試験で優待者探しの為に高円寺と組む事は難しい。

つまり自分達で優待者を見つけるしかない、という事になる。

 

 

「今回学校側は匿名性についても考慮している。試験終了時には各グループの結果とクラス単位でのポイント増減のみ発表する。つまり優待者や解答者の名前は公表しない。また、望めばポイントを振り込んだ仮IDを一時的に発行する事や分割して受け取る事も可能だ。本人さえ黙っていれば試験最後に発覚する恐れはない。もちろん隠す必要がなければ堂々とポイントを受け取っても構わん。」

 

 

匿名性、ね。

契約書というものの存在があるから、あって無いようなものだけど、一応覚えておこうかな。

 

 

無人島試験の時もこの学校は試験の全容について説明してくれなかった。

知りたければ自分達で確認しろ、というスタンスだったので分かっていた事ではあるが、この試験において特に試験の内容は気になるものだ。

 

 

「最後に、グループ内の優待者は学校側が公平性を期し、厳正に調整している。優待者に選ばれた、もしくは選ばれなかったに拘わらず変更の要望などは一切受け付けない。また、学校から送られてくるメールのコピー、削除、転送、改変などの行為は一切禁止とする。この点をしっかりと確認しておくように。」

 

 

厳正に調整されてるという事は、一クラスに優待者が固まっていたり、クラスに優待者が0人だといった事は起こらないという事だろう。

そして12グループ存在している点から、公平に考えれば各クラスに優待者は3人いる。

 

 

そしてグループの名前は干支にちなんでいるらしい。

これも何かしらの意味があるのかもしれない。

 

 

そしてこれらの前提を公平という観点から考えた場合、優待者の選出方法も何かしらの法則があるはずだ。

 

 

まあ、それが何なのかは優待者が誰か分かるまで判断出来なさそうだね。

 

 

その後説明が終了し、解散となった。

そして、有栖ちゃんに話し掛けようとした時、有栖ちゃんが先に口を開いた。

 

 

「さて、今から私は葛城君と話さなければいけません。水無瀬さんも一緒に行きませんか?きっと楽しいですよ。」

 

 

確かに突然バカンスにやって来て、Aクラスには二人のリーダーが存在してしまう事になった。

どちらが今回の試験のリーダーを務めるか、そして今回の戦略はどうすべきか。

 

 

話し合いは必須だろう。

 

 

前回の無人島試験で橋本は相当ストレスが溜まっていたみたいだし、坂柳が指揮をする事になりそうだ。

だがまあ、葛城だってここで坂柳が突然やって来て指揮を振るい始めたら良い気はしないし、揉め事に発展する可能性もある。

 

 

現在のAクラスの基盤は非常に脆い。

 

 

所詮砂の上の城───砂上の楼閣で、この城は長くは保たない。

この均衡は近い内に、遅くとも年内までに崩れるはず。

 

 

まあ何にしても、リーダー同士の対談にしろ、派閥争いにしろ、面白くない訳が無い。

坂柳が嫌と言おうが私は問答無用で着いていくつもりだった。

 

 

せっかくのお誘いだし、有栖ちゃんが楽しいと言うのであれば勿論着いていくよ♪

 

 

「是非お願いしようかな♪楽しいパーティーになると良いね。」

 

 

「ええ、そうですね。」

 

 

ティーパーティに必要なものはケーキと紅茶、眠りネズミはティーポットの中に押し込んでおかなくちゃ。

 

 

「スイーツにはタルトはいかが?ロウソクも立ててお祝いしましょう。ハリネズミはポットに押し込んでおかなくちゃね。」

 

 

「…うふふ、良いでしょう。私が食べる許可を出しましょう。」

 

 

さあて、パーティーの準備を始めないと。

パーティーの準備は皆で行わなくちゃね。

 

 

私は葛城君に20分後に個室へ向かうので紅茶を3人分用意して待つように、という内容のチャットを送った。

私と有栖ちゃんは2階のフードフロアに向かってフルーツタルトを購入する事にした。

水瀬さやかは天才?秀才?凡人?

  • 天才(坂柳・堀北学クラス)
  • 天才(綾小路・高円寺クラス)
  • 秀才(葛城・一之瀬クラス)
  • 秀才(櫛田・平田クラス)
  • 知恵の回る狂人(龍園クラス)
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。