ようこそ!デスゲーマーのいる教室へ!   作:橘諸兄

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19話目です。
今回は夏休みの話と、体育祭に関する話です。

感想や高評価を頂けて嬉しいです♪
ありがとうございます。




誰かに指図されるのは嫌いなの。強制って言葉ほどつまらないものは無いよ。そんな事して何になるのかな?

 

 

無人島試験、船上試験、そして長そうで短かった豪華クルーズが終了し、平穏な夏休みが始まった。

茜お姉さんとカフェに行ったり、夏休み中の課題をしたり、11月に受験する日本語検定3級の勉強をしたり、ピアノレッスンを受けたりと、有意義な夏休みを過していた。

 

 

日本語検定に関してだが、私は現代文、古文、漢文の成績が悪く、得点率も高くない。

日本の大学に進むのであれば決して避けては通れない為、国語対策の一環としてこの夏休み中は資格の勉強を通して日本語を学ぶ事にしたのである。

 

 

3級は高校卒業〜社会人基礎レベルらしく、これが解ければ現代文の得点率も上がるだろう。

 

 

ちなみにこの検定を勧めてくれたのは担任の真嶋だ。

私が国語対策に悩んでいると話したら、この検定について教えてくれたのである。

 

 

ちなみに8月に行われたピティナG級のコンクールだが、全国大会には進めず二次予選にて奨励賞を受賞した。

しかし私は全国には進めなかったが、全国大会を観に行く為学校側に外出希望を提出し、事務員引率の元、全国大会を観に行く事が出来たのである。

 

 

そしてその途中で葛城が妹さんに宛てた手紙とプレゼントを郵便局で手続きし、贈ってきた。

手紙の中身は検閲され、問題無いと判断されており、学校側からの許可も得て例外的に認められたのだ。

 

 

葛城に妹のプレゼントを届けて欲しいと頼まれた時はどうしようかと思ったが、無事郵便局に持っていく事が出来て一安心だ。

 

 

そしてやる事も無いので今日も検定の勉強をしていると、突然携帯から着信音が鳴った。

どうやらメッセージが届いたらしい。

 

 

チャットを開いて内容を確認する。

 

 

送り主は同クラスの有栖ちゃんで、どうやら評判の占い師が来ているらしい。

どうやら占いに興味があるらしく、一緒に行かないかというお誘いだった。

 

 

私は丁度暇だったので二つ返事で支度を始めた。

 

 

夏らしい花柄のオフショルダーにデニムのロングスカートを合わせ、黒いサンダルを履いてレザーを編み込んだカゴ風のバッグを持っていざ出陣。

ちなみに部屋着は人に見せられないようなダサい【熊】と書かれたよく分からないものを着ているが、着心地も通気性も悪い最悪のTシャツだ。

 

 

なんで買ったのかも覚えてない。

本当になんで持ってるんだろう?

 

 

待ち合わせのカフェに着くと既に有栖ちゃんがコーヒーを飲みながら待っていた。

彼女の元へ向かい声を掛ける。

 

 

「有栖ちゃん!お待たせしちゃったかな?」

 

 

「いえ、急な誘いにも関わらず受け入れて下さって感謝致します。」

 

 

有栖ちゃんがコーヒーを飲み終わり、私達は占い師の元へと向かった。

占いハウスには長い列が出来ており、そのほとんどがカップルだった。

 

 

有栖ちゃん曰く、この占いはペアで行かなければ占って貰えないそうで、神室含め自派閥の女子生徒が用で行けない為、私に声を掛けたらしい。

なんか仕方なく誘われた気しかしないが、たまには非科学的なものに触れるのも面白いだろう。

 

 

「ここってどんな占いをするの?」

 

 

「タロット占い、手相占い、水晶占い、夢占い、星占いのいずれかを行うそうですよ。今回は出張所なのであまり数は多くありませんが、本店では九星占いや四柱推命等、様々な占いを行ってくれるそうです。」

 

 

九星占いも四柱推命も中国発祥の占いだと聞いた事がある。

この占い師は様々な手法を用いて占いをするようだ。

 

 

「ちなみに何系の占いが得意の?」

 

 

「恋愛ですね。」

 

 

恋愛かぁ…

って、有栖ちゃん好きな人でもいるのかな?

 

 

「…有栖ちゃん好きな人でもいるの?」

 

 

私が問いかけると考えるように黙り込んでしまった。

 

 

「答えたくなかった言わなくても大丈夫だよ。」

 

 

「…いえ、好きというより私が幼い頃にとある目標を持つようになったきっかけ、そして私が倒すべき相手がいます。彼の事は嫌いではありませんが、私が天才である以上彼は宿敵なんですよ。」

 

 

「そ、そっか。なんというか、想像の斜め上を行く感じ?でも私は有栖ちゃんなら勝てるって信じてるよ。」

 

 

好きな人とはまた違うが、その少年へ抱くの想いは人一倍強いのだろう。

これも一つの形なのかもしれない。

 

 

ライバルって素敵だよね〜♪

 

 

およそ30分ほど待ってようやく私達の番がやって来た。

中に案内され占い師と対面する。

 

 

占い師はまず手相を見て当たり障りのない事を言い、順番にタロットカードを引く事になった。

まず占い師がいくつかの質問を投げかけ、それに有栖ちゃんが答えていく。

 

 

占い師はカードを混ぜながら質問を繰り返し、そしてシャッフルが終わった。

有栖ちゃんは1番上の右から3番目の大アルカナを引く。

 

 

そしてカードをひとつに纏め、3つの山を作ると説明した。

そして有栖ちゃんがカードを切り、小中大の3つのカードの山が出来上がった。

 

 

そしてカードを並べその中から一枚選ぶ。

 

 

「これは…!」

 

 

「…これは、運命の逆位置。何か良くない事が起きるやもしれませんね。」

 

 

そう言ってもう1枚のカードを引く。

 

 

「…ふむ、聖杯の4ですか。」

 

 

どうやら有栖ちゃんは現実主義者でありながらも、知識としてタロット占いに精通しているみたいだ。

いや、意外とロマンチストなのかもしれない。

 

 

「…何をしても楽しさを感じない。良からぬ出来事が起こりますが、きっとあなたにとってそれらは酷くつまらない事でしょう。しかし、だからっといってスルーをしてはいけません。あなたの選択があなただけの未来を決めるとは限りませんからね。」

 

 

正直何を言っているのか分からないが、有栖ちゃんにとってつまらない宜しくない出来事が起こるという事は理解した。

 

 

「ありがとうございます。」

 

 

そして私の番がやってきた。

 

 

先程と同じように質問をされる。

 

 

「貴方は何を占いたいですか?」

 

 

「そうですね…私は未来に起こる出来事を知りたいです。」

 

 

有栖ちゃんも未来について占って貰っていたので、同じように未来について見て貰う事にした。

この占い師は恋愛関係の占いが得意らしいが、生憎私は色恋に興味が無い。

 

 

他人の話は好きだが、自分が恋愛感情を抱く想像は出来ないのだ。

 

 

「未来ですね。では幾つか質問をします。リラックスしてお答えください。」

 

 

「はい。」

 

 

「あなたには妹さんか弟さんがいらっしゃいますか?」

 

 

「…はい。一つ下の妹がいます。もっとも、あの子は県外の寄宿学校に通っているので、4年は会っていませんね。」

 

 

「そうでしたか。きっと素敵なお嬢さんなんでしょうね。」

 

 

「今の目標はありますか?」

 

 

「そうですね…ショパン国際コンクールinAsiaか、ラフマニノフ国際コンクールの全国大会を目指したいと考えています。しかし、どちらを受けるかは悩んでいますね。」

 

 

ピティナG級のコンペで私はあと少しのところで全国に行けなかった。

奨励賞を貰えただけマシだが、やはり悔しさは感じる。

 

 

今の自分の限界を超えるためにはもっと練習し、技術面のレベルを上げなくてはならない。

今の実力でショパンコンクールに挑んでも予選落ちしてしまう可能性が高い。

 

 

であればラフマニノフ国際コンクールの方が良いのかと言うと、ラフマニノフの曲はほとんど弾いた事が無いので今からやってもギリギリだろう。

ずっとどうすべきか悩んでいたが、そろそろ決断しなくてはいけない。

 

 

「…随分悩んでおられるのですね。」

 

 

「すみません。お恥ずかしいところをお見せしてしまいました。」

 

 

「ふふふ、人間ですから悩む事もありますよ。」

 

 

「そうですね。」

 

 

有栖ちゃんと占い師の言葉に少し救われた気がした。

占い師がシャッフルをやめて1つの束に纏める。

 

 

そしてまた3つの山を作るので、途中で切るように言われた。

私は均等な山を3つ作ったつもりだったが、小さな階段が出来上がってしまった。

 

 

占い師がカードを1枚引く。

 

 

「これは世界の逆位置ですね。」

 

 

「世界?」

 

 

「世界の逆位置が示すもの…それは代わり映えのない日常です。あなたの日常は刺激がなくつまらないものになるでしょう。」

 

 

「ええ、それは困りますよ。私つまらない事って大嫌いなんですよね。」

 

 

占い師相手に拗ねたように文句を垂れる。

しかし占い師は気にする素振りもなく、カードを引く。

 

 

「…塔ですか。変わらぬ日常が当分続くでしょうか、あなたの未来に予想だにしない出来事が起こるでしょう。それが良いか悪いかは、あなた次第です。」

 

 

「へぇ、悪くないですね。変化があるのは良い事ですよ♪」

 

 

私の楽観的な発言に占い師は溜息をつき、注意して生活をするようにアドバイスをした。

ここから先は別料金が発生するらしいので、私達は占いハウスを出て帰路についた。

 

 

「占いも面白いね。非科学的な事は信じない主義だったけど、意外と頼めたよ。というか有栖ちゃんって占いとか信じるタイプなの?」

 

 

「いいえ、信じていませんよ。占い師の予言がなんであろうと、私はそれを打ち破る事の出来る天才だと証明する為に占いを受けただけです。」

 

 

その割にはタロットについてかなり詳しかったが、そこはツッコまないでおこう。

 

 

有栖ちゃんはリアリスト───現実主義者だ。

夢や理想を追うことなく現実を重視し、他者の夢を遠慮なく壊す事の出来る冷たい人間である。

 

 

しかしそんな彼女にも、とある少年と戦う夢を見る事だってある。

例外的とはいえ、彼女が唯一リアリストらしくない点はそれだけだ。

 

 

まあ別にリアリストが夢を見たらダメ、なんてルールは無いしそれは本人の自由だよね。

 

 

「そういえばさやかさん、妹さんがいるそうですね。意外で驚きました。」

 

 

「あはは、そう?まあ妹がいるって言うとみんな驚くんだよね。」

 

 

私は面倒見が良かったり、誰かの世話を焼くタイプではない。

そしてしっかり者や真面目な性格でも無いため、妹や弟がいるとは思われないのだろう。

 

 

「妹さんは寄宿学校に通われているんですね?国外ですか?」

 

 

「国内だよ。静岡の田舎にある芸術コースのある共学の学校。高等部に上がるまではルームシェアだけど、高等部からは一人部屋になるんだって。」

 

 

私の妹は音楽や学業に関する才能は無かったが、絵を描く事が特技であり、唯一の趣味だった。

幼い頃から美術教室に通い、幾つかのコンクールで受賞をしており、母も彼女の希望する進路の為に中学受験用の予備校へ強制的に入塾させた。

 

 

そして芸術に没頭出来る学校を探したところ、中学で美術コースのある学校はかなり偏差値が高かった。

そして都内という事もあり、倍率が高くとても合格するとは思えない。

 

 

よって他県の中堅私立中学を探した結果、静岡の寄宿学校を受験する事になった。

中堅といっても学校偏差値は57とそこまで低くは無いので、妹にとっては地獄のような受験期だったはずだ。

 

 

「…さやかさんは音楽、妹さんは美術ですか。御家族も芸術家の方なのでしょうか?」

 

 

有栖ちゃん、めっちゃ聞いてくるな。

 

 

「母は専業主婦、父はメディア系の企業に務めてるよ。」

 

 

「メディア系ですか。」

 

 

「うん。でもどうしてそんな事を聞くの?」

 

 

私は家の事情について人に話す事はほぼない。

だからこうして聞かれないと話さないが、あまり話したいとは思っていなかった。

 

 

「…いつも私ばかりが話していますから、たまにはさやかさんについて知りたいと思いました。ご迷惑でしたか?」

 

 

「迷惑ではないけど、あまり人に話したくはないかな。ごめんね。」

 

 

私が申し訳なさそうに拒否を示すと、有栖ちゃんは頷き謝罪を口にする。

 

 

「いえいえ、こちらがいきなり質問をしてしまいましたから、謝るのは私の方ですよ。…ではお話のお詫びにこちらを差し上げます。」

 

 

有栖ちゃんはトートバッグの中から封筒を取りだし私に差し出してきた。

 

 

「…これは?イタリア料理の専門店、イタリアン木下のコースチケットですよ。有効期限は10月20日なので、それまでに使うようにしてくださいね。」

 

 

イタリア料理かぁ。

美味しいパスタでも食べに行こうかな。

 

 

最近ギフト券や飲食店のチケットを貰う事が多い。

いらなくなったから、とか食べに行かないからとかで貰う事が多いんだけど運良すぎない?

 

 

「ありがたく使わせてもらうね。」

 

 

その後イタリアン木下について話しながら利用に戻った。

 

 

寮に戻りポストの中を確認すると一通の手紙が入っていた。

差出人は学校で、特別試験に関する案内だった。

 

 

『来月9月に行われる体育祭ですが、騎馬戦や綱引き等指を怪我する可能性の高い競技も幾つか含まれています。騎馬戦や綱引きは基本的に全員参加なので、欠場の場合は欠席して頂くか怪我による途中退場以外認められていません。もし欠席をする場合は、体育祭のワースト10人に選ばれ、中間テストの成績から10点が引かれる事になります。よく考えて御決断ください。』

 

 

というものだった。

詳しい内容は分からないが、体育祭も特別試験に該当するらしい。

 

 

そて今回の配慮は私の特技であるピアノという才能を潰さないためのものだろう。

指を怪我してはピアノを弾く事は出来なくなってしまう。

 

 

ピアニストにとって、指は楽器…命に等しい大切なものである。

だからこそ成績も悪くないため、指の事を考えて欠席する道を示してくれたのだろう。

 

 

そもそも私は日本に帰ってきてから体育祭には参加していない。

元々スポーツは苦手だし、汗をかく事も大嫌いだ。

 

 

体育祭があった場合、必ず欠席すると決めていたので今回の配慮はとても有難い。

私はすぐに学校へ連絡を入れ、体育祭を見学する事にした。

 

 

欠席にも二種類あり、見学無しの欠席では毎月支給されるクラスポイントに影響を及ぼす事もあるが、見学ありの欠席であればその行事に観戦者という立場で参加した事になり、ポイントが減額される事は無いそうだ。

 

 

Aクラスの生徒になにか文句を言われるかもしれないが、気にする必要はない。

私が楽しければそれで良い。

 

 

その後私が勉強を片付けてレッスン室に向かう為楽譜を纏めていると、携帯の着信音が鳴った。

画面を確認すると非通知と表示されており、少なくとも知り合いでは無さそうだ。

 

 

私は通話ボタンを押し携帯を耳にあてる。

 

 

『はい、もしもし水無瀬です。どなたですか?』

 

 

水無瀬さやか含めたこの二次創作の最強ランキングを作りたいと思います。後書きの補足を読んで①〜⑥の何処に該当するか選んでください。

  • ①(堀北学の下)
  • ②(坂柳有栖の下)
  • ③(南雲雅の下)
  • ④(鬼龍院楓花の下)
  • ⑤(龍園翔の下)
  • ⑥(葛城康平の下)
  • その他(感想で教えて)
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