ようこそ!デスゲーマーのいる教室へ! 作:橘諸兄
少し過激なタイトルですが、基本的に平和な学校生活(?)なのでご安心下さい!
感想や高評価お待ちしております!
突然だが、この世を生きる人間に問いたい。
人は平等か否か。
私の答えは否である。
才能や能力によって人の価値、つまり人生の勝ち組か負け組は簡単に変わるものだ。
中学までは平等な世界だったかもしれないが、高校からはそうではない。
いや、正確には高校生から、なのかもしれないな。
海外の名門大学には基本的に飛び級制度がある国が多く存在する。
また飛び級ではなくとも、成績が優秀なら3年次に編入する事が出来る学校もあるらしい。
それらは彼等が持つ才能による結果であり、決して努力が実を結んだからという例は稀である。
才能でなくとも、元々のIQの高さ等によって自身の能力が発揮された時結果が出るのだ。
1度だけこの目で見た世界最高峰の大学。
そこでは優秀な人間が才能や努力による勝ち組、それ以外は負け組の2つしか存在しなかった。
さあ、この学校は私を楽しませてくれるかな?
才能の開花を、精神の限界を、身体能力の奇跡を。
例えば、努力が才能を凌駕する事があるのか。
天才が努力したらどれほどの成果を出す事が出来るのか。
あ、2個追加注文します。
ドラマチックで面白い、ストーリー性のあるもので、尚且つスマイルも希望しまーす。
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美紀ちゃんと会話をしながらクラス内を観察していると、声の低い男性が教室内に入ってきた。
「全員揃っているな。では今から最初のHRを始める。」
男が黒板に文字を書いていく。
「さて、皆入学おめでとう。俺はAクラスの担任を務める真嶋智也だ。担当教科は国語で、古典や演習等の関連科目も教える事になっている。」
国語か。
日本に戻ってから最も苦戦した科目だが、今後日本の大学に進む場合避けて通る事は出来ないだろう。
「この時間はこの学校のシステムについて説明するので、しっかり聞くように。まず始めに、我が校ではクラス替えが無いため、3年間をこのメンバーで過ごす事になる。外部との連絡が絶たれるため、ストレスを感じる事も多いだろうが、学校の敷地内に街1つ分の娯楽施設が入っており、君達はその施設を利用する事が出来る。」
クラス替えは私が通っていたアメリカの学校にも無かった。
そして半年間通った日本の中学にも無かったため、特に気にはしない。
だが街1つ分というワードは気になるな。
確かにこの学校はかなり広く、1つの街だと言われても信じてしまうだろう。
しかし、そこまでのお金を掛け、ストレスを感じさせない程の娯楽施設が設置されているという事は、この学校にはストレスを感じる様な要素があるという事だ。
外部との連絡が絶たれたからといって、そこまでのケアを学校側がする必要は無い。
日本の国営の学校全てがこのような方針では無いだろうし、やはり何かあるとしか考えられない。
「今から配る学生証を利用して、それらの施設を利用したり、買い物をする事が出来る。君達には入学と同時に10万プライベートポイントが支給される。このポイントは1ポイント=1円の価値を持ち、毎月1日に振り込まれる。この学校ではポイントで何でも買う事が出来るので、よく覚えていて欲しい。この学生証を機会にかざす事で利用する事が出来る。最後に、この学校は生徒を実力で測る。この10万ポイントは君達への正当な評価の表れだ。これからも期待に応えられる様、努力を怠らず励んで欲しい。」
10万ポイントが10万円分の価値があると仮定した場合、たかが優秀とは言えど高校生にホイホイ渡せる額では無い。
毎月10万だとして、1人年間で120万ポイントが支給される。
そして敷地内の施設で働く人間がいる場合、彼らに支払われる給料、その施設の運営費用が別途でかかる。
こんな事国の損失であり、いくら優秀な人材を社会に送りだすためとはいえ、大赤字になってしまう。
ポイントで何でも買える、という発言も意味があるのだろう。
例えば出席日数やテストの点数、等も買えるのだろうか?
そして10万ポイントが私達に対する正当な評価の表れ、というのも気になるな。
評価が下がった場合、どうなるのか。
支給額が減るのか、それとも下がる事は無いのか。
疑問は多いが、今はまだ判断が出来ないな。
ひとまずポイントに返しては、来月の支給額で確認出来るだろう。
「さてここまでの内容で質問がある者はいるか?」
ここで説明を理解した人間であれば、私が思った様な疑問を確認するはず。
クラスメイトの実力、監察させてもらおうか。
数秒後、頭髪の無い男子生徒と杖を持つ女子生徒が挙手をした。
「ふむ。ではまず葛城から聞こう。」
葛城と呼ばれた男子生徒が口を開いた。
「質問です。毎月1日にポイントが支給されるとの事ですが、その額は10万ポイントなのでしょうか?」
やっぱりまずそこは気になるよね。
その回答次第でお金の使い方が変わってくる。
「その質問には答えられない。我々から言える事は毎月1日にポイントが支給される、という事のみだ。」
「分かりました。ありがとうございます。」
言えないって事は変動するって事だよね。
言えない理由については、1ヶ月の間は新入生を試すための期間って事なのかな。
なるほど、面白い学校かもしれないね。
「では次に坂柳。」
「はい。」
どうやら杖を持つ美少女は坂柳という名前らしい。
そういえばここの理事長と同じ苗字だけど、親戚だったりするのかな?
「質問させていただきます。先程真嶋先生は『この学校ではポイントで何でも買う事が出来る』と仰っていましたが、それは商品だけでなく、成績や役職、クラス移動の権利等も買う事が出来るのでしょうか?」
この坂柳という少女はかなり頭がキレる様だ。
成績に関しては想像通りだが、クラス移動の権利というのはユニークな発想だ。
そして、学校生活が始まってすぐにその話題を出すという事は、このクラスに悪感情を持っているかもしれないとクラス中に示す発言でもある。
本人にその気がなくとも、雰囲気を壊しかねない発言だ。
その言葉を簡単に使う事が出来た時点で、彼女には王の素質があるのかもしれない。
「坂柳の言う通り、この学校ではそれらを買う事が出来る。この際に伝えておくが、クラス移動をする権利は2000万プライベートポイントで買う事が出来る。しかし、これまで正規の方法で2000万プライベートポイントを貯めた生徒は居ない為、非現実的と言えるだろう。」
「なるほど...分かりました。ありがとうございます。」
クラス移動の額はかなり高い。
普通の学校であれば、いじめ等の問題によってクラスを替える事は簡単だ。
しかし、この学校ではそれが出来ないという事だろう。
いじめは古今東西いつでも問題視されてきた。
そして、学校側がそれを配慮しないのであれば問題になるはずだが、この学校は閉鎖的な教育スタイルをとっている。
単純に考える事は出来ないな。
だけど、勘違いの可能性もあるので一応確認しておこう。
私は手を挙げた。
「水無瀬も質問か。」
「はい。疑問に思ったのですが、一般的な学校であれば身体的な問題、精神的な問題を理由にクラス替えの配慮を学校側が行う事もあるかと思います。しかし、この学校ではクラス替えを行うために高額なポイントが必要です。そして、3年間クラス替えが存在しないと聞きました。もしいじめが発生した場合、被害者がクラス替えを希望したら学校側はどのような対応を取るのでしょうか?」
この質問は一見、学校側のいじめに対する対応策について尋ねている様に見えるだろう。
しかし本当の狙いは、クラスを替えたい場合2000万ポイントを支払う以外に方法が存在するのかを知る事だ。
真嶋は珍しそうな顔をしつつも質問に答えてくれた。
「いじめが発生した場合、生徒会や当事者のクラスの担任、該当生徒を集めて話し合いの場を設ける。そして事実だと認められた場合、該当生徒に停学や退学等の処分を言い渡し、プライベートポイント等の賠償を行う必要がある。しかしこれは状況にもよるので、絶対とは言い切れない。ポイント使用以外で、学校側がクラス替えを行う事は無い。」
「分かりました。お答え下さりありがとうございます。」
この学校でのクラス替えには何か意味があるはすだ。
そしてこの権利が高額な理由は、クラス替えをしたくなる様な状況に追い込まれる可能性が高いからに他ならない。
得体の知れない学校の謎を暴くのも面白そうだ。
まるでミステリー小説の主人公みたいだ。
その後、今後の時間割や入学式、校内の敷地や寮に関するルール等の説明が行われ、解散となった。
入学式まで時間があるため、何をしようか迷うな。
「皆、聞いて欲しい。」
先程担任に質問していた生徒の一人である葛城が教室の前に立ち、生徒達に呼び掛ける。
「入学式まで時間がある。どうだろう?このクラスでこれから過ごすにあたり、最終的に顔や名前を把握する事は必然だが、これからのコミュニケーションを円滑に行う為にも自己紹介を行いたいと考えている。」
入学初日からリーダーシップを発揮する、彼は素晴らしいね。
「私もその意見に賛成致します。」
大きくは無いが、良く通る透き通った声が室内に響いた。
声の主は、担任に質問した坂柳と呼ばれた少女だ。
杖を突きながら教壇の前まで向かい、室内を見渡してからこう続けた。
「皆さんと過ごすにあたりご迷惑をおかけしてしまう事もありますので、是非自己紹介をさせていただきたいです、ふふふ。」
「ああ、賛同してくれた事嬉しく思う。では俺から行おう。俺は葛城康平だ。中学時代は生徒会に所属していた。この学校でも生徒会に属し、この学校を活気付けて行きたいと思っている。何か困った事があれば何でも相談に乗ろう。3年間宜しく頼む。そして、先程の真嶋先生の発言から、来月10万ポイントが振り込まれる確証は無いので、ポイントは計画的に使用する様にした方が良いかもしれないと思っている。皆にもその考えを共有しておこう。」
生徒会に入っていたならば、彼は優等生という事なのだろう。
相談に乗ろうって発言は少し上から目線に聞こえるけど、悪い人では無さそうだし棘も無いから善意での申し出なんだろうね。
そしてポイントに関しての発言。
ポイントを節約すべきだ、とか節約して欲しいって制限をかける様な話し方ではなく、あくまで考えを共有しておこう、で留めているのは好印象だ。
生徒の意志を尊重させつつも、最低限の忠告を遠回しに行っており、これなら生徒達も多少は考えて行動するはずだ。
なるほど、これは確かにリーダーとしての器を持っているかもしれない。
「では次に私がさせて頂きましょう。私は坂柳有栖と申します。見ての通り、身体的な都合で杖を用いて生活を送る事になります。普段の生活や授業で皆さんにご迷惑を掛けてしまう事もあるかと思いますが、勉強面ではお役に立てる事を確信しています。3年宜しくお願いします。そして葛城君のポイントに対する考え方には同意します。この学校には異常な数の監視カメラが設置されていますし、葛城君の考えの通り増減するのであれば日常生活や成績を気にして学校を送るべきでしょうね。私達に対する評価が毎月支給されるポイントだとしたら、評価が下がればポイントも下がるという事になりますから。」
彼女の身体的な問題については全員嫌な顔せず、ウンウンと頷いており、この生徒達はかなり協力的なのかもしれない。
そして、葛城の意見に賛同を示し、尚且つ自身の考察を混じえながら今後の生活に対して抑制すべきだと述べた。
具体例、具体的な考えによって彼女の発言がマイナスに受け取られる事も無さそうだ。
彼女も王の素質を持っている。
このクラスは葛城と坂柳、2つの派閥で争う事になりそうだな。
どちらがより優秀なのか、今の段階で判断する事は出来ないが、今後の学校生活で必ず見えてくるはずだ。
「鬼頭隼だ。宜しく頼む。」
「神室真澄。まあ、宜しく。」
「石田優介だ。中学では生徒会長を務めていた。宜しく頼む。」
「町田浩介だ。中学時代は生徒会の役員を務めていた。高校では何か部活に入ろうと考えている。宜しく。」
その後、席順に自己紹介が行われ、遂に私の番がやって来た。
「私は水無瀬さやか。中学の頃は約2年半、アメリカに留学してました。特技はピアノで、趣味は人狼ゲームと買い物だよ。脱出ゲームやバトロワも好きだし、食わず嫌いはしない主機です。リバーシとかトランプみたいな頭脳戦も好きだよ。みんな宜しくね!」
反応も悪くない。
少し個性的な紹介になってしまったが、特段気にする生徒は居なさそうだな。
「俺は橋本正義だ。スポーツ系の部活に入ろうと思っているが、まだ検討中だ。宜しくな?」
そして順番に挨拶をしていき、美紀ちゃんの番がやってきた。
「...山村美紀です。趣味は読書と音楽鑑賞です。宜しくお願いします。」
声は小さいし、文も短いけど普通の自己紹介だ。
Aクラスは真面目な生徒が多そうだし、彼女がいじめをされたり、仲間外れにされたりという事は起こらなさそうだ。
自己紹介で気になったのは、町田浩介、石田優介、橋本正義、神室真澄、鬼頭隼くらいだな。
騒がしさで言えば今も戸塚弥彦が気になっているけど、アイツはただのうるさい雑魚、中ボスの腰巾着Dみたいなものでしょ。
そんな雑魚に用は無いわ。
まあでも戸塚含めて彼らが今後このAクラスの中で優位に立つ、というのは馬鹿でも分かる。
...わかる、よね?
坂柳、葛城が注目していたんだから、モブに成り下がるなんて事は無いはずよ。
私の観察眼が曇っていたとしても、今日の2人の振る舞いから考えれば簡単に分かる事だ。
水無瀬さやかの恋愛描写を入れても良いですか?
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いいよ♡
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ダ〜メ♡