ようこそ!デスゲーマーのいる教室へ!   作:橘諸兄

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22話目です。
体育祭練習期間、ついに審議が開かれます。
感想や高評価を頂けて嬉しいです。
ありがとうございます♪

前回から登場しているオリキャラのプロフィールを最後に載せておくので、是非ご覧ください。




世の中には敗者と勝者以外の存在がいるらしいけど、私はそんなの信じない。中途半端な存在は結局勝てないんだから、敗者に分類していいはずだよ♪

 

 

 

放課後になり、私達4人は第二会議室へと向かった。

入って奥がAクラスの席、入って目の前がDクラスの席となっている。

 

 

2つのテーブルは向かい合っており、窓際には立会人と職員の咳が置かれていた。

今回の立会人の教師は1年Cクラスの担任である坂上だ。

 

 

しばらくして平田と模部田、茶柱が入室し、その数分後に模部田の取り巻きの生徒が1人やってきた。

確か取り巻きの生徒は現在停学中らしいが、一体何をて停学になったのだろうか。

 

 

誰も何も話さないが、模部田と模部田の取り巻きの目には狂気が滲んでいる。

反省もせずひたすらAクラスを呪っていたのだろう。

 

 

私が母親なら我が子に見ちゃダメって言うレベルのヤバい目だね。

薬物中毒者をイメージすればわかりやすいかな?

 

 

数分の沈黙の後、真嶋と坂上、堀北学と南雲雅が入室し審議会が始まった。

 

 

「全員揃ったようですね。堀北君、進行をお願いします。」

 

 

坂上が堀北に進行を任せ、堀北は短く「分かりました」と返事をした。

 

 

「では今から審議を始める。今回立会人である橘は所用の為、代理を南雲が務める事になった。」

 

 

「副会長の南雲雅だ。今日は立会人を務めさせてもらう。」

 

 

立会人の紹介を行い、簡単な挨拶をすませ本題に入る。

 

 

「今回AクラスからDクラスに対して、名誉毀損の罪状によって訴えが出ている。その主犯格である模部田太郎の退学、そして現在謹慎中の生徒2名の停学処分、そして慰謝料として50万を請求したいと申し出が出ている。この慰謝料は模部田が侮辱した水無瀬さやかと谷原真緒に対して個々に支払って欲しいとの事だ。そしてこれらが事実であった場合、Dクラスには罰金として現在のクラスポイント全てを没収する事になるだろう。」

 

 

「た、退学だと?!事実を言っただけで退学するなんて馬鹿げている。そんなの認めないぞ!」

 

 

「落ち着いて、模部田君。堀北会長、何故クラスポイント全額が没収されるのでしょうか?前回の審議会の時は名誉毀損によって罰金は50クラスポイントのみでした。なぜ今回のケースでは増えているのでしょうか?」

 

 

平田の質問に堀北、そして南雲感心をしたようだ。

確かに平田の言う通り罰金の額が上がっており、その理由は気になる。

 

 

「単純な話だよ、平田。Dクラスは2回問題を起こしているからだ。お前達のクラスの評価が下がり、学校側も態度を厳しくした。それだけの事だ。」

 

 

南雲が堀北の代わりに平田の質問に答える。

平田が堀北に視線を送ると、堀北は無表情で頷いた。

 

 

平田もDクラスに対しての評価が低い事を理解しているからか、何も言わずに黙り込んだ。

その表情はとても悲しそうで、チクリと胸が傷んだ。

 

 

まあ、これも運命なのだよ。

平田君には申し訳ないけど、私達Aクラスとしても今回は譲歩しないよ。

 

 

堀北は模部田をひと睨みで黙らせた。

性格は悪いが、生徒会長らしい威厳は感じられる。

 

 

「ではDクラスが今回起こしたという事らしいが、これらは事実か?平田。」

 

 

本来であれば事実確認は模部田に対して行われるが、模部田はまともに話せる状況では無いため、平田に代わりに質問をしたようだ。

 

 

「...事実です。」

 

 

平田は苦虫を噛み潰したような顔で頷いた。

 

 

彼も、クラスメイトの問題行動や問題発言に胃を痛めているのかもしれないな。

善人が損するこの世の中の仕組みは気に入らないが、Dクラスに選ばれたからには平田にも何か問題があるのだろう。

 

 

「そうか。Dクラスは今回の事に関して反省しているのか?」

 

 

「はい。Dクラスの生徒達は今回の事態に対して反省し、Aクラスに謝罪を行いたいと考えています。Dクラスの一部の生徒がAクラスの生徒を侮辱し、ある事ない事言いふらしAクラスの方々を傷つけてしまいました。申し訳ありません。」

 

 

平田が立ち上がりAクラスの席の前に出てきて頭を下げる。

彼は本当に誠実な人間らしい。

 

 

かれの姿が入学初日の須藤の姿と重なって見える。

私は彼の事が嫌いでは無い、出来る事なら罰を軽くしてあげたい。

 

 

だがそれは出来ないのだ。

 

 

Dクラスの女子生徒2名に対して私が罰を軽くしたが、成長しておらず、ビクついて生活を送っている。

つまり、助けるほどの価値は無かったのだ。

 

 

利用価値を見出して救ったのは事実だが、2人に憐れみを感じていたのも事実。

2人が今後生きていく時の教訓となれば良いと思っていのだ。

 

 

しかし結果も出せず、屍のように学校生活を送るだけ。

助けた意味がなかったのだと気付いた。

 

 

そして今回DクラスはAクラスに対して事を起こし、前回の反省を一切活かしていない。

そして謝罪もせず私を睨んでいるだけだ。

 

 

いくら平田が謝ろうと、その気持ちが本物だろうとAクラスの人間としてここでDクラスを甘やかす理由にはならない。

Dクラスは助けた恩を仇で返すようなクラスなのだと証明されてしまった。

 

 

「...模部田君は何か言う事は無いのかな?平田君にだけ謝らせて、良い御身分だね。」

 

 

そう言って煽れば顔を赤くして鬼のような形相で私を睨んできた。

そして口を開く。

 

 

「ごめんなさい。ほら謝ったぞ。反省してるぞ!これで良いか?Aクラス様。」

 

 

一切反省を見せずAクラスを煽ってくる。

これは退学待ったナシだな。

 

 

「良くないに決まっているでしょ。」

 

 

「落ち着いてください、真緒さん。」

 

 

今にも怒りが爆発しそうな真緒ちゃんを有栖ちゃんが宥める。

模部田は下品な顔でニヤニヤと笑いながら真緒ちゃんをじっと見つめていた。

 

 

コイツ気持ち悪すぎ。

今すぐ殺しても良いかな?良いよね?ダメ?

 

 

「...これはもう結果は決まってますよね。堀北先輩。」

 

 

南雲がゴミを見るような目で模部田を見る。

そして堀北も頷き判決を下す。

 

 

「模部田、お前は退学だ。そしてDクラスの支払い能力が無い事を考慮し、水無瀬さやかと谷原真緒に対して、Dクラスはそれぞれ該当制度に対して、25万プライベートポイントを支払うように。支払い期限は来月の末までとする。そして現在のDクラスのクラスポイントは没収する。」

 

 

10月末、つまり31日までに支払えという事らしい。

クラスポイントも没収され、どうやって支払うのだろうか。

 

 

「...ちっ、退学か。」

 

 

もっと暴れるかと思っていたが、模部田は冷静さを保っていた。

状況を理解していないのかと思ったが、そういう訳ではなさそうだ。

 

 

25万プライベートポイントか。

干支試験で優待者を見抜いた生徒であればすぐ支払えるだろう。

 

 

1人あたり約1万3000ポイントを集めれば50万なんてすぐ貯まるな。

甘いとは言わないが、Dクラスに優しい判決な気がする。

 

 

「そして現在停学中の生徒2名に関しては、停学期間を伸ばし、体育祭までの間を停学期間とする。体育祭には不参加とする。そして彼らに同調した生徒4名については体育祭不参加とする。」

 

 

そうなるとDクラスはかなり厳しくなるね。

そして私達赤組も負けてしまう可能性が高まる。

 

 

ライバルとはいえ、一応同じ陣営なのでこれはAクラスにとっても損でしかない。

代表の有栖ちゃん、真緒ちゃん、葛城もこの判決には不満を感じているらしく、堀北をじっと見つめている。

 

 

葛城が手を挙げると堀北がほぉっと感心し、話すよう促した。

 

 

「判決の殆どについて文句はありません。しかし彼らが体育祭に不参加になれば、赤組は不利になってしまいます。ですので、体育祭に参加させる代わりに別の罰を求めます。」

 

 

「では、どのような罰を望む?」

 

 

堀北が葛城に問う。

 

 

「...AクラスがDクラスに望む罰は...卒業までの間、Dクラスの生徒全員から毎月得られるプライベートポイントの半額をAクラスに対して支払ってもらいたいと思います。ですから、クラスポイントの没収もやめていただければ幸いです。」

 

 

堀北は葛城の発言を冷静に受け止め、どうすべきか考えているようだ。

そこに南雲が笑い声をあげた。

 

 

「あはは、Aクラスはえげつない事を考えるなぁ。良いんじゃないですか?葛城の考えも理解出来ます。」

 

 

「それは、罰にしては重すぎではありませんか?」

 

 

茶柱がが過剰な罰だとして批判するが、その声は堀北に届くとは思えない。

数秒後ようやく発言の意味を理解した平田が慌てて、口を挟む。

 

 

「さ、3年間?Aクラスに対しては時間がかかったとしても必ず慰謝料を支払います。期限を短くしていただけないでしょうか?」

 

 

「ふむ。」

 

 

堀北は南雲とは違って、即決はしないらしい。

平田の切な願いがに心を動かされたのか、堀北は考え込んでいるようだ。

 

 

「一度待ち帰って検討する。明日改めて今回の審議結果について通達する。模部田は今すぐに退学の手続きを行うように。」

 

 

「...ハハッ、そうですか。分かりました。ではこれをお見せします。」

 

 

模部田はそう言って懐から一つのブローチを取りだした。

ブローチにはルビーが使用されており、薔薇の花がリボン部分に描かれている。

 

 

あれ、このブローチどこかで見た事がある気がする。

どこで見たっけ?

 

 

「...?何を言っているんだ?」

 

 

「どういう事だ?」

 

 

南雲と堀北は模部田の発言の真意を図りかねているようで、ブローチを訝しげな顔で見つめている。

 

 

「...待ってください。そのブローチをお貸し頂けますか?」

 

 

今回の立会人である坂上が慌てた様子で慎重にブローチを受け取り何かを確認していく。

ブローチを裏返したりリボンの裏を注意深く観察したり、何かを探しているようだ。

 

 

そして数十秒後、坂上が驚いた様子で口を開いた。

 

 

「模部田君の退学は認められません。」

 

 

「な、なんだと?!」

 

 

南雲が目を丸くして坂上を見る。

 

 

「ど、どういう事ですか?」

 

 

平田が少し嬉しそうな声で坂上に質問をする。

 

 

退学が認められない?

どういう事なの?

 

 

坂上の発言には流石の有栖ちゃんや堀北学も訳が分からないといった様子で、お手上げ状態だった。

模部田以外の全員が坂上の言葉を待っている。

 

 

「このブローチは約25年以上前のもので、この学校で行われた特別試験の景品です。」

 

 

「特別試験の景品だと?」

 

 

南雲は何かを思いついたのか、ニヤニヤとした顔で何かを思案している。

 

 

その顔キモいよ。

 

 

「このブローチに刻まれているA5085という文字列ですが、これは退学を取り消す権利を持つ景品番号です。この景品制度は2年生の三学期に行われた試験にて実地されていましたが、これらの制度は廃止され、今では御家族から譲り受けた生徒のみが利用する事ができ、価値が衰える事はありません。」

 

 

「...ブローチ、そんなものがあったなんて。」

 

 

「坂柳も知らなかったのか?」

 

 

「ええ。まさかそんなものがあったなんて。しかし過去の特典や試験について調べる事を何度か思いつきましたが、必要ないと判断して結局調べませんでした。今ここでその判断が仇となってしまいましたね。」

 

 

表面上では冷静に葛城と話しているが、有栖ちゃんはかなり悔しそうだ。

秀才未満の凡人を追い詰めたと思ったら、ヒラリとかわされてしまった。

 

 

Aクラス、そして天才であるが故にプライドの高い彼女であれば悔しがらないはずがない。

己の理念を邪道な手で折られかけているのだから。

 

 

慢心していた訳じゃないけど、これはちょっと困っちゃうねぇ。

 

 

有栖ちゃんも驚いているようで、いくら理事長の娘といえど学校の事情には明るくないようだ。

まあ知っていたら平等とは言えないので、この学校の秘密は外部に漏れないよう何らかの規制が行われているのだろう。

 

 

 

つまり、そのブローチは今でも持っている生徒がいれば使用する事が出来る。

親から子へ、兄姉から弟妹へ渡されていれば特別な権利を得られるらしい。

 

 

「...そんな!どうしてですか?コイツの罪は消えるんですか?」

 

 

真緒ちゃんは納得がいかないと坂上の判断を批判する。

 

 

「...いえ、罪が消える事はありません。退学をしないというだけで、模部田君にも罰は与えられます。」

 

 

納得は行かないが、無理なものは仕方ない。

ここは引き下がるしかないが、いつか絶対に退学させてやる。

 

 

「...ちなみに彼のブローチには使用制限があります。このブローチは一つにつき3回まで使う事が出来ますが、彼と彼の前の使用者合わせて2回使用されているのでもう一度この権限を行使する事が出来ます。そしてこのブローチは、プライベートポイントで退学を取り消す事が出来ない試験にも有効です。」

 

 

「そんな!」

 

 

「真緒ちゃん、一旦落ち着こ?」

 

 

「落ち着いてください、まだ時間はあります。ですから一旦ここは引きましょう。」

 

 

坂上の発言に真緒ちゃんは泣き出しそうだ。

告白を断ったらあらぬ噂を流され、多くの生徒の前で彼女の名誉を傷つけるような罵倒をされ、Aクラスの女子生徒達も巻き込んで大問題と発展してしまった。

 

 

彼女に責任が無いとはいえ、今回の事で迷惑をかけてしまったと申し訳なさそうにしていた。

だからこそ模部田達を許すまいと強い意志を持ってこの場に来た。

 

 

しかし結果はこれだ。

模部田は退学させる事が出来ず、反省もしていない。

 

 

そしてあと一回退学を避ける事が出来るとは言われれば、流石に発狂したくもなる。

 

 

模部田が何故大人しく退学を受けいれたのか、その理由をようやく理解した。

彼は退学を取り消す術を持っていたのである。

 

 

まさかここに来てそんなラッキーアイテムが存在したとは夢にも思わなかった。

そしてそんな景品を賭けた試験が行われたのであれば、他にも権限を持つブローチは存在するはずだ。

 

 

ポイントを増やすブローチ、他者を退学させるブローチ、他者のポイントを減らすブローチ、Aクラスに上がるブローチ。

想像できるのはこの辺だが、詳しいブローチの種類に関しては当時を知る人間に聞くしかない。

 

 

彼の実力で負けた訳では無い。

だがしかし、Aクラスは模部田太郎という男に負けたのである。

 

 

だがこれをマイナスだと捉える必要は無い。

 

 

 

「今回の件について退学がダメなら、せめて模部田君は1ヶ月の停学にしてください。試験や体育祭への不参加は希望しません。そして、模部田君が退学でないのなら、今月中に25万を私と真緒ちゃんに支払っていただきます。払えなければ退学して頂きたいと思います。退学しないのならそれくらい良いでしょう?」

 

 

Aクラスのリーダー格である葛城も有栖ちゃんも要求を行えずに悔しがっているだけだ。

だから私が要求を伝える事にした。

 

 

「そして、停学中の生徒にと彼等に同調した4人の生徒に対しては、体育祭までの期間を停学期間とし、体育祭への参加を認めて頂いて構いません。最後に葛城君が提案した月々のプライベートポイントの半額を卒業までの間Aクラスに支払い続けるという内容もお忘れなく。」

 

 

他に何か必要な事があれば葛城や有栖ちゃんが付け足してくれるはずだ。

要求を伝え終わると堀北が少しの間を置いて口を開いた。

 

 

「...Dクラスへの罰と慰謝料については後日通達す「その必要はありませんよ。」...なんだと?」

 

 

堀北の発言を模部田が遮る。

全員の視線が模部田1人に注がれる。

 

 

波乱は新たな発見を教えてくれた。

今後私達はどうなるのだろうか。




模部田太郎

所属     1年Dクラス

学籍番号   S01T004231

誕生日    4月1日

【学力】   B
【知力】   A
【判断能力】 C+
【身体能力】 B+
【協調性】  E+


【面接官からのコメント】

中学時代から学年を束ねたリーダーとして頭角を現しており、優秀な統率力を持っている。
学力身体能力共に平均を上回っており優秀な生徒だ。
しかし、中学時代に1人の男子生徒をいじめ自殺に追い込んでおり、非人道的な行いをしていた為、Dクラス配属とする。


【担任からのコメント】

中学2年次の夏休みに短期留学をしており、日常会話程度の英語が話せるようです。
英語力を伸ばし、人に対する思いやりや優しさを持てるよう成長してくれる事を願います。

水無瀬さやか含めたこの二次創作の最強ランキングを作りたいと思います。後書きの補足を読んで①〜⑥の何処に該当するか選んでください。

  • ①(堀北学の下)
  • ②(坂柳有栖の下)
  • ③(南雲雅の下)
  • ④(鬼龍院楓花の下)
  • ⑤(龍園翔の下)
  • ⑥(葛城康平の下)
  • その他(感想で教えて)
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