ようこそ!デスゲーマーのいる教室へ! 作:橘諸兄
感想や高評価ありがとうございます!
これからもたくさんの感想お待ちしております♪
お話を書いていて思うのですが、うちの主人公水無瀬さやかはサイコパスの部類に入るのでしょうか?
どちらかと言えば、人の気持ちが分かる、罪悪感を感じる等の理由からダークエンパスなのかな?と思ったりもします。
精神が正常では無い事は確かなのですが…
アンケートへの回答ありがとうございます!参考にさせて頂きます。
「それぞれの生物が持つ形や性質などの特徴を"形質"という。そして、この形質が子や孫に現れる事を"遺伝"と呼び、形質を伝える情報を"遺伝情報"という。」
教師が遺伝子について解説し、私達は教科書に線を引いていく。
「そして、ある形質の遺伝情報のまとまりを遺伝子という。」
退屈な生物基礎の授業を受けながら、授業の終わりを待つ。
「しかし、君達はそっくりそのまま御両親の姿と同じという訳では無い。何故なら、母親から受け継がれた形質と父親から受け継がれた形質は、異なる遺伝情報を受け継いでいるからだ。資料集の42ページを開いてくれ───」
ふうん、だから私は母親にも父親にも似ていないんだ。
よく色んな人から両親に似てないと言われてきたけど、そっくり同じだったら気持ち悪いもんね。
それこそクローンと同じだ。
最近では試験管ベビーや天才デザイナー・ベビー等が話題となる事も多い。
これらを成功させた人間はかなりの天才なのだろう。
「では今日の授業はここまで。ワークの40ページまでを来週のこの時間までの宿題とする。分からない問題があれば聞きに来る様に。」
授業が終わり、私は教室へと戻った。
そして五分後、帰りのホームルームが始まった。
「全員席に着け。」
配布物が分けられファイルに仕舞う。
全ての配布物が配り終わると、真嶋が連絡事項について述べていく。
「次に、二日前、我がクラスの水無瀬とDクラスの生徒四人との間に金銭トラブルが発生した。この訴えはAクラスから行ったものであり、結果クラスポイントが変動した。」
真嶋はポスターを黒板に貼り、クラスポイントの変動について説明した。
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Aクラス 1173 CP
Bクラス 663 CP
Cクラス 492 CP
Dクラス 33 CP
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「Dクラスはマイナス50クラスポイントがAクラスに移され、33クラスポイントとなった。Aクラス逆に1173クラスポイントとなった。来月からのプライベートポイントの支給額が変わるので、各自覚えておいて欲しい。」
「ま、マジかよ…」
戸塚が吃驚した様に口をぽかんと開けたまま固まっている。
他のクラスメイトも少なからず動揺しているが、戸塚の様に醜態を晒す愚か者をいなかったので一安心だ。
「そして、期末テストの試験範囲が決まったので各自確認しておいて欲しい。Aクラスの生徒であれば、赤点を取ることなくクリア出来るだろうが、向上心を持ってより良い結果が得られる様に努力して欲しい。」
期末テストの試験範囲の紙が配られ、ホームルームは終了した。
帰りの支度をし教室を出る。
そして真っ直ぐDクラスへ向かった。
「初めまして、水無瀬さやかです。私をお呼びだってみーちゃんから聞いたんだけど、一体私に用があるのは誰かな?」
Dクラス内には、平田、櫛田、須藤、綾小路、堀北の五人に加えて、佐藤と篠原も窓側の隅の方で立っていた。
私はみーちゃんから、Dクラスの生徒が話し合いをしたいと申し出た事を聞いたので、ここにやって来たのだ。
「来てくれてありがとう、水無瀬さん。僕は平田洋介。今回のAクラスの訴えについて、話がしたくて君を呼ばせて貰ったんだ。忙しい中、来てくれて本当にありがとう。」
「私は櫛田桔梗っていいます。水無瀬さんとは直接話した事は無かったよね。宜しくね。」
「綾小路清隆だ。宜しく頼む。」
「水無瀬!池や山内がした事は許されねぇって事は分かってる。だけど、退学は流石にやりすぎだと思うんだ。」
ふむふむ…
つまり、池や山内を退学にするなって言いたいんだよね。
「ふうん、それで?」
「それでって…だから、退学の罰は重すぎる。ポイントは必ず返済させるから、どうにか罰をもう少し軽くして貰えねぇか?アイツらにもきっちり謝罪をさせる。頼む。この通りだ。」
私に向かって深々と頭を下げる。
「私達も須藤君と同じ気持ちなんだ。水無瀬さんが受けた仕打ちは決して許されるものじゃないって事も分かるの。だからね…少しでいいから、額を減らして貰えないかな?」
須藤は一応友人だから、コイツが本気で友達(?)の為に頭を下げて頼み込んでいるのは分かる。
だけど櫛田桔梗の裏の顔を知っている為、彼女の言葉は響かない。
というか、そもそも池と山内が居ない方がDクラスにとって都合が良いんじゃない?
不良品二人を捨てるのに調度良い機会だと思うんだけどなあ。
二人が居なくなれば、Aクラスへの賠償もなくなる。
20万円の支払いが消えて、不良品も捨てれて、むしろDクラスとしては歓迎すべき展開じゃないかな?
どうしてあんなやばい奴の為に必死になれるんだろう。
「言いたい事は理解したけど、私にはこれ以上の譲歩は無いかな。佐藤さんと篠原さんに譲歩したのは、彼女達が誠心誠意謝罪をしてくれたから。そしてこれは人間として当たり前の行動。山内君と池君はこれをしてないからね。」
佐藤と篠原の方を向けばあからさまに肩をビクリと揺らし、俯いた。
うんうん、反省している様で嬉しいよ〜♪
「…あの二人は何をやっているのよ。平田君達には申し訳ないけど、やっぱり私はあの二人を助けるべきでは無いと思うわ。」
堀北と呼ばれた女子生徒の言葉は正しい。
その判断をする事で、Dクラスの損失を最小限に抑える事が出来るのだから、本来なら彼女の言う通り見捨てれば良いのだ。
「でも、二人だってきっと分かってくれるはずだよ。」
「そうだ。二人だって大切なクラスメイトなんだ。ここで彼らを見捨てれば、僕は一生後悔する事になる。」
櫛田と平田は二人をあくまで友人として救いたいらしいが、平田に関してはただの自己満足の為のオナプだ。
過去に何があったのか知らないが、友人を見捨てるという行為に過敏になっている。
救わないと自分が後悔するから助けるって、本当にその人の為を思っているのか疑問だ。
何でもかんでも助ければ良い訳じゃない。
今の平田の発言は犯罪者を擁護しているのと同じだ。
そして櫛田の発言も、謝罪や反省すら出来ない山内と池には不適切だ。
だって彼等は更生の余地が無い不良品、犯罪者予備軍みたいなものなんだからさ。
今ですら1年の女子グループで要注意人物、変態、馬鹿と呼ばれて注意喚起がされているのだ。
そんな人物がどうしたら今更更生出来ると言うのだろう?
排除されて当然の人間だと考えるのが一般的じゃないかな?
「あのさ、Dクラスは早い段階で山内君と池君が不良品だと分かった。そして二人が退学すれば、20万の賠償金を支払う必要がなくなる。むしろ二人が居なくなった方がラッキーなんじゃない?」
私の言葉に全員が黙り込んだ。
ほら、やっぱり分かってるんじゃない。
不良品をここで捨てられる事がどれほど幸運なのかをさ。
他に言いたい事も無さそうなので私は寮に戻る事にした。
「…それは違うんじゃないか。」
しかし、教室の扉に手を掛けた時後ろから声がした。
振り返ると、以前Dクラスでポイントを借した時、許可を出す前に勝手にペンを借りられていた男子生徒が私に向かって歩いて来た。
「へぇ?それはどうしてかな?」
「この学校は生徒達がAクラスを目標に、クラスポイントを競い合う学校らしい。だが、ポイントを得る為にはクラスメイトの数が多い方が有利になると先輩が言っていた。俺達Dクラスは今後Aクラスに上がる為に、今ここでクラスメイトを失う訳には行かないんだ。」
そういう観点から反論してくるんだ。
まあそれについては何も言わないけど、随分甘々な反論だよね。
彼もここで反論するって事は、自分の意見が甘い事くらい理解しているはず。
であれば…彼の発言の通り、人数が多い方が有利なポイントを賭けたイベントが発生するって事かな?
先輩に聞いたって言っていたし、可能性としては全然考えられる範疇だね。
なら、尚更二人を退学にさせない理由は無いよね。
「そういう事なら…」
私を気付かせてくれてありがとう、不憫な綾小路君♪
「尚更、二人にはこのまま退学になって貰いたいね。Aクラスの人間としては、他クラスが有利になる事は出来ない。むしろ不利になって貰わないと困るよ。」
「頼む!あの二人を許せとは言わねぇ、どうにか罰を軽くしてくねぇか?水無瀬。」
「…そ、そんな。そこをどうにかお願い出来ないかな?」
必死に頼む平田と須藤の気持ちが分からない訳じゃないけど、ここは譲れないんだよね。
ごめんね♪
「慢心は人間の最大の敵だ。」
「…お前に慈悲は無いんだな。」
"お前たちもみな知っているように、慢心は人間最大の敵だ。運命をはねつけ、死を嘲り、野望のみを抱き、知恵も恩恵も恐怖も忘れてしまう。"
これはイギリスの劇作家であり、詩人のウィリアム・シェイクスピアが創作した『マクベス』という作品の言葉であり、有名な名言だ。
私達Aクラスは慢心せず、三年間Aクラスを死守して見せる、という意思表示の意味で使った。
この言葉を知っているのであれば、綾小路清隆は凡人では無いな。
天才だとは思えないが、少し警戒しておいた方が良さそうだ。
優秀だと噂の櫛田や平田よりも恐ろしく見える。
後、堀北会長の妹は挨拶も出来ないコミュ障なんだね。
まあ、あのヤヴァイ会長の妹だし、ヤヴァイとは思っていたが、違うベクトルでヤヴァかったね☆
「…そんなに助けたいのなら、山内君と池君の返済額を用意するところから始めたら?貴方達Dクラスが用意出来るとは思えないけどね。」
さあ、寮に帰ろう。
◇◇◇
「…って訳で、もうすぐこの学年からも退学者が出る事になりそうなんだよね。」
「…そっか。思ったよりも早かったね。」
「そう?むしろ遅いくらいだよ。中間テストの時点で赤点者が出ると思っていたくらいだよ。」
「…あの問題で赤点が出る事なんてあるのかな。」
ナチュラルな見下し発言だね、美紀ちゃん。
鮮やかすぎて私じゃなかったら見逃しちゃうね。
中間で赤点退学者が出れば良かったが、赤点退学者はゼロだった。
本来なら赤点退学者がDクラスから出て、そこに追い打ちをかける様に訴えて、Dクラスを再起不能にする予定だった。
しかし結果は散々だったが、赤点者はゼロ。
運が悪かった…いや、彼等の運が良かったのだ。
美紀ちゃんと紅茶を飲みながらケーキを食べる。
ケーキは美紀ちゃんが買ってきてくれたもので、紅茶は私が用意したものだ。
今日の紅茶はアッサム、ケーキはガトーショコラだ。
「さて、今後の予定についてだけど。私の訴訟をキッカケに、他のクラスも色々仕掛けて行くと思うんだけど…どこが動く事になると思う?」
今回の件は全クラスに通達されており、この訴訟システムを利用してポイントを稼ごうとするクラスが出てくる可能性がある。
成功すれば旨味は大きいし、訴訟に勝てばクラスの士気も高まる。
まあ、私の訴えに関しては独断だからクラスの士気が上がる事は無かったけど、Aクラスの生徒だって甘い蜜を吸えるんだから、嬉しくない訳が無いよね。
「…Cクラスの龍園が動くんじゃないかな?」
美紀ちゃんは観察眼、洞察力に優れた生徒だ。
彼女の考えや思考は馬鹿に出来ないよ。
「ふうん、龍園君がね。理由は?」
「…あの人はプライベートポイントを徴収してる。プライベートポイント目当てに事件をでっちあげる可能性が高い。一之瀬さんは平和主義、Dクラスはそれどころじゃない、坂柳さんと葛城君は対立中だから、今は動かない。そうなると…」
「なるほどね♪確かに消去法でCクラス以外動けなさそうだね。」
「…標的は今回の件で士気が下がっているDクラスか、ちょっかいをかけているBクラスかな。」
「ふむ…私ならBクラスに仕掛けるけど、龍園君は弱者をいたぶるのが好きそうだし、Dクラスに仕掛けそうだね。」
私の発言に美紀ちゃんは頷いた。
今後Cクラスが動いた時、Dクラスはどう立ち回るんだろうね。
「…ねぇ、どうしてDクラスに交渉をしなかったの?」
「ん〜?どういう事かな?」
「…さやかちゃんなら、Dクラスに交渉を持ちかけてきた退学を助ける代わりに、毎月のプライベートポイントの要求か、今後ポイントを賭ける勝負で協力する様に求める事も頭にはあったはず。長期的なポイントの方が利益も大きい。なのにどうして交渉を持ちかけなかったの?」
「ん〜とねぇ…」
確かに美紀ちゃんが言っている通り、山内と池のどちらかの契約を破棄して、別の何かを要求する事も出来た。
だけど、それをしなかった。
理由は…
「長期的なポイントもDクラスが得られるものなんて、たかが知れている。Cクラス以上ならまだしも、Dクラスは今私達の敵じゃない。でも油断するのも嫌だから、戦力だけ落として様子を見ておきたいなって思ったんだ。後、山内君達がムカついたから。」
「…そっか。」
まあ理由の大半は私情だ。
二人への怒りと、Dクラスが今後どの様な動きをするのか、他クラスの動向はどうなるのか。
それらを確認するために敢えて、何もしなかった。
「…じゃあどうして、篠原さんや佐藤さんを助けたの?」
「ゲームを有利にする為だよ。借金をチャラにする代わりに、今後の協力と得られるプライベートポイントの半額が私に入ってくる。二人は冷静じゃなかったから、この悪魔の契約を簡単に結んでくれたよ。誰だって退学は嫌だもんね。」
美紀ちゃんはの瞳は僅かに揺れていた。
ちょっと怖かったかな?
ごめんね。
「…さやかちゃんは今後どうするの?色々やって、結局クラスのリーダーとして立候補するの?」
「まだ考え中かな。有栖ちゃんと葛城君、どちらかは足の引っ張り合いをして失脚する。失脚した方の味方になるのも面白いと思わない?」
結局この世は勝者が全てだ。
負けたところを支えてあげれば、きっとまだ戦えるかもって思ってくれるはず。
どんなに危機的な状況でも最後に勝てばそれで良い。
卑怯だと罵られても、最後に勝ち馬に乗れれば良いのだ。
「…私は坂柳さんの方が良い気がしてたけど、さやかちゃんのその考えも面白いね。」
「有栖ちゃんは強いからねぇ。前リクエストを弾いた後に、有栖ちゃんとリバーシで遊んだんだけど普通に負けちゃった。ただ自駒を増やすだけじゃダメなんだね。」
有栖ちゃんはリバーシよりもチェスがしたかったみたいなんだけど、私はチェスをした事が無い。
将棋を提案されたけど、それもした事が無くて、ルールだけ知っていたリバーシで遊ぶ事になった。
リバーシも遊んだ事が無かったから簡単に負けた。
四隅を取れば勝てるって言った奴何処のどいつ?
許せないんだけど!絶許だよ絶許!
「…さやかちゃんはチェスや将棋のルールは知っていると思ってたよ。だからちょっと意外。」
「んー、いつかはルールを覚えて対戦したいけど、それは今じゃないからね。それに私が好きなのは未来を予測するんじゃなくって、今目の前にある謎を解き明かす事だからね。」
「…確かに、さやかちゃんは探偵ごっことか好きそうだよね。」
「え、子供扱いしてる?え?」
美紀ちゃんと仲良くなってから分かった事だが、本当に仲良くなるとよく喋る。
基本的に、はいorいいえ しか言わないけど、質問形式にするとその後も会話が続きやすくなる。
話す事が苦手なだけど嫌いでは無いみたいだ。
「…でも良かったの?」
「何が?」
美紀ちゃんは一口紅茶に口を付けてから口を開いた。
「…Dクラスにはお友達が居たんでしょ?」
「…」
確かにDクラスには友達のみーちゃんが居る。
今回の件でDクラスは私に支払いの義務が生じ、クラスポイントも減ってしまった。
みーちゃんに対して申し訳なく思っている。
しかし、それでもこの行動をして良かったと思っている。
何故なら、Aクラスにとって利益があったからだ。
「気にはする。申し訳なくも思ってる。だけど、私達は敵だからね。もしみーちゃんがAクラスに本当に上がりたいのなら、ポイントの支援面では協力する。クラス変動をさせての下克上を狙うなら、徹底的に叩きのめす。」
我ながら少年漫画っぽい事言ってるんじゃない?
少し恥ずかしくはあるけど、それでもライバルがいるって良いよね。
「…そっか。じゃあ私もAクラスとして頑張るよ。」
「うんうん♪頑張ろうね。」
友達と熱い友情を育み、敵を淘汰する。
まさに青春って感じがするけど、この学校のシステム的にはマ○ジン寄りのダーク青春漫画って感じだね。
水無瀬さやかの恋愛描写を入れても良いですか?
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いいよ♡
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ダ〜メ♡