やっとこさ休み入ったんで投稿ペース上がる幻覚を見てます。
「マフラー……どこにやったっけ?」
寒くて、お腹へってて、なんでここにいるのかも、わからなくって……。
こうなると分かっていたら、貰うべきじゃなかった。
みんな……死んだ。
私のせいで死んだ。
あたたかかったから、さむくなって、──でも、もらわなかったら、みんなは、生きてたかもしれなくて。
「ごめんなさい」
――――――――――
気付けば私は名前だけを持ってここに居た。ずっと独りで、寒くて、お腹へって、何もせずに何も見ずに私は積もる雪の中に居た。
「大丈夫?」
私を見つけた人は声をかけてきた。一部が黒く濁った白い翼と、片方が折れている角を持った人だった。
「あげるよ」
そして、私の首にマフラーを巻いた。初めて受け取った誰かの熱に、分からない感情が湧き出た。
「名前はある?」
「……砂狼……シロコ」
「いい名前だね」
「……何を…………」
その人は何も聞かずに私を背負うと、ゆっくりと歩き出した。抵抗する気もない私はされるまま連れてかれる。定期的に揺れる温かい背中にウトウトしてしまい、初めて安心して眠った。
「君は救われてね、シロコ」
上手く聞き取れなかったけど、意識が落ちる寸前にそんなことを聞いた気がした。
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「ようこそアビドス高等学校へ」
次の日、その人は私を学校に連れて来た。
「シロコ。此処で君は意味を見つけてね」
その人は用事があってすぐ居なくなっちゃったけど、ホシノ先輩やみんなは私を受け入れてくれた。その人に私は、温かくて、満たされる居場所を貰った。
「白故、ソレア……先輩」
何の気もなしに呟いたその人の名前が、とても愛おしく感じた。
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「先生について?」
「ん、ソレア先輩はどう思う?」
連邦生徒会の会長が行方不明になって、入れ替わるように先生が来たらしい。その人なら助けてくれるかも、とアヤネが言ってたし、連邦生徒会で直接会ってる先輩の意見も聞きたかった。
「能力と人格は立派だよ。会長が呼んだだけはある。でも信用できても信頼はできないかな」
「どういうこと?」
「
その先生はシャーレって部活の顧問に就任して、このキヴォトスで活動してるらしい。
「一応要請書は提出しておいた。アビドスに来た時に私は居ないかもだからみんなに言っといて」
その後、先生はその手腕を用いてアビドスの問題を
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先生が意識不明の重体になったというニュースは、もう見慣れた。アビドスの借金返済の為に奮闘しても、雀の涙ほどの効果しかない。この日もアルバイトに明け暮れて、月が出てきた頃に学校に帰ってきた。
「まだ、借金がこんなに……」
机の上に広げられたカイザーとの明細書を見て落胆する。
「……ぅ」
「……先輩?」
隣の教室で、ソレア先輩が泣いていた。先輩は連邦の生徒会長が行方不明になって忙しくてアビドスに帰って来れなかった。先生が重体になってから、みんな居なくなった後で、先輩は連邦を辞めてアビドスに帰ってきた。
「みんなぁ……」
「先輩…………」
ソレア先輩は今でもカイザーと戦っている。借金の大元であるカイザーが無くなれば、確かに借金は返さなくてよくなるかもしれない。でも、それはみんなの頑張りを否定するみたいで乗り気になれなかった。
「ソレア先輩」
「シロコか。……ごめん……ごめんね」
ソレア先輩は私に力強く抱き着いた。見れば、翼がまた黒くなってきてる。傷が増える一方の背中に手を回すと、あの日と同じで温かかった。
「シロコだけは、私が守るから」
前より広くなった教室で、この日は二人で泣きじゃくった。
――――――――――
「ねえソレア先輩」
「なに?」
「私たち、このまま終わるのかな」
教室で二人、身を寄せ合って互いの体温で暖を取る。カイザーは潰れたが物資は底を尽き、二人で命が終わるのをただ待っている。
「ホシノ先輩、セリカ、アヤネ、ノノミ。みんな……助けられたのかな?」
「わからない。そんな
顔を合わせる。手で前髪をのけると、蒼色の目に光は無かった。
「片目が見えなくなったのはいつからだっけ。シロコの顔も、霞んでしまってるよ」
頬に添えられた手に頬擦りをして甘えてみる。少し笑った先輩は眠たそうだ。
「独りにしないよシロコ。ずっと……終わりの果てが来ても、私がそばに居る」
先輩の脚は
(うん、寂しいのは嫌。寒いのは嫌)
どうして、私は存在したんだろう。先輩の体が冷たくなってきたのを感じる。
(そっか)
「みんな……苦しむために、生まれてきたんだ」
その瞬間、紫の光が私を包んだ。
――――――――――
「先生」
「これで……全部終わるはずだから」
先生のタブレットを壊した。銃口を向けて引き金を引けば終わる。それが私の《役割》。先生……ごめんなさい。
「繧キ繝ュ繧ウ?」
突然現れた気配に振り返ると、全身が黒い先輩がいた。ヘイローは真っ黒に粉々になって、身体は完全に機械になってしまっている。罅から赤い液体を撒き散らして、表情も見えないけど一目で先輩だって分かった。
「先輩……?」
「シ……ロコ」
先輩が私に触れると、煩わしかった司祭の声が消えた。
「ヒト……リ、し……ナい。コレハ……共、はン。先……セイも」
「え? あ…………」
私たちが先生を殺してしまう前に、《色彩》は先生に接触した。ソレア先輩が私から奪った《嚮導者》という役割、それをまた……
「ごめんなさい先生。あなたはまた……背負ってしまうのですね」
流暢に喋った先輩の言葉を聞いて、疲れた私は気絶してしまう。
“これは、『大人』である私の責任だ”
――――――――――
「ごめんなさい」
「謝らないで、シロコ」
そう言ってくれた先輩が、どうしてなのか死んでいる。傀儡になった先輩はもう一人の先輩から心臓をもぎ取る。機械の男は笑った。全員が銃を構えると、先輩は自身を削って爆発する。全ては一瞬の出来事だった。
「やだ」
空間の歪みに消えてく先輩に手を伸ばす。私から先輩を奪わないで。先輩はもう生きてない。例え掴めたとしてもそれは中身の入ってない屍だ。
「やだ……」
独りは……、寂しいのは……、寒いのは……
「やめろぉぉぉぉ!!!」
男の後に続いて、愛する人が次元の境界に入っていく。先生の“カード”も間に合わない。世界をかけた決戦は、目的を果たした男の一人勝ちで終わる。
「私って何なの? なんでみんな……、ソレア先輩……嫌だよ、独りに……しないでよ。寂しいよ。また抱き締めてよ。優しく笑ってよ。頭を撫でてよ。私に愛を……囁いてよ。冷たくなったこの手を温めてよ」
脱出シーケンスが起動して地上に転送される。
「許さない」
不意打ちで先輩を殺して、更に傀儡にした張本人。傀儡の先輩ともう一人の先輩の心臓を手に入れて、高々に笑った忌々しい大人。
「絶対に殺す」
皮肉にも、シロコに必要だった生きる為の糧は、ソレアを失うことでしか手に入らなかった。
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キヴォトスは救われた。
シロコ(クロコ)はどんだけ重く曇らせてもええんすわ。ソースは公式。
書く気なかったけどハッピーエンドいる?
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いる
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いらない