雷の狐   作:早サ

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おっとミスって投稿しちまったぜ。

こちらの稲妻は色々ミズガルズ用に改変されてます。


プロローグ

「見事! 見事だ勇者達よ、よくぞ余を越えてみせた。

其方等の勇気と強さに余は心からの敬服を示そう!

だが忘れるな、闇は未だ去っていない。

この団結ならばかの魔神王すらも打ち倒せようが――それを失うならば、世界は今以上の闇に包まれるであろう。

其方等の先が光となるか闇となるか、余はそれを地獄の底から見届けてやろう!

クハハハハハ……ハァーッハッハッハッハッハッハ!!」

 

まったく、あやつノリノリではないか。

…さて、次は200年後か。

 

「行きますよ、神子」

「6人がかりとはいえ、あやつに勝ったのだ。労いの言葉くらいかけて行かぬのか?」

「仮初の力で勝利したところで、彼らにかける言葉はありません。

そもそも、今の私は機嫌が悪いのです。

ずっと楽しみにしていた甘味を、ようやく食べられるという時に、あなたに強引に連れ出されたのですから」

「まったく、冷たい事じゃな」

 

背を向け歩き出す雷電影に付き添い、八重神子も背を向ける。

 

 

――彼女らに向ける視線には、ある1人を除いて気づかなかった。

 

 

 

★☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆★

 

 

 

私は転生者だ。

突然何を言っているのだとなると思う、というか私ならなる。

ので、少し話をしよう。

 

私の前世は人間だった。

特にこれといった趣味はなく、ただ毎日働き、休日は適当に過ごして、それを繰り返すだけ。

しかし、ある時に死んでしまった。

しかしまぁ、何で死んだかは覚えていない。

転生して漠然と「ああ、死んだのか」としかならなかった。

 

ある時、大体五百年ほど前に、一匹の狐が生まれた。

私だ。

私は生まれて少したった頃に、とある人間に拾われた。

彼女は『鳴神大社』の宮司をしていて、たまたま私を見つけて拾ったらしい。*1

鳴神大社は高い山の頂上にあり、そこからの眺めは絶景だった。

私は彼女から、色々なことを教わった。

 

鳴神大社にはよく"妖"が来た。

彼らは事あるごとにここで宴会をしていた。

ある者は自慢げに武勇伝を語り、ある者が茶化せば喧嘩が始まる。

しかし気づけば機嫌よく酒を酌み交わし、また同じようなことを繰り返す。

騒がしくもあるが、苦に思うことはない。

この平和な時が続くと思っていた。

 

鳴神大社に来て数十年。

鳴神大社のある島国『稲妻』の、その外から『魔神族』というやつらが攻めてきた。

強大な力を持つ彼らを撃退するため、稲妻の妖や力を持つ人間は総出で戦時に出た。

結果的に魔神族を撃退することは成功したが、こちらも大妖怪と呼ばれるような強い者たちを失った。

鳴神大社の宮司である彼女も、戦いに出ていた。

彼女も致命傷を負い、もって数日の命だった。

 

私は彼女から、鳴神大社を任された。

そして稲妻の皇、雷電将軍こと雷電眞が戦死した。

このことは私や極一部の者しか知らない。

そして影武者であった雷電影が皇の座を秘密裏に継承した。*2

 

それから数十年たったある日、影は肉体を捨てた。

この稲妻の、今を永遠に維持し、不滅の国とする。

影の求める『永遠』には、肉体の寿命は避けられない物だった。

故に彼女は精巧に模倣した人形を作りだし、意識をそれに移した。

全てを人形の人格に任せ、数年経てば影は全くと言っていいほど表に出ることはなかった。

私は彼女を止めることはしなかった。

 

それから四百年ほど経ったころ、とある天翼族が来た。

黒い翼を持った、美しい女性だ。

彼女は瞬く間に稲妻を制圧し、表の雷電将軍を打ち倒し、影を引きずり出した。

幾言かを交わした後、影は彼女に従った。

彼女は、ルファスと言ったか。

ルファスは凍り付いた影の心を溶かし、この少しの間に影を変えてしまった。

影が表に出て、ルファスを紹介されたときは驚いたものだ。

…数百年ぶりに、彼女の笑顔を見た。

 

それから影は少しずつ表に出る頻度も上がり、鳴神大社にも来ることが多くなった。

稲妻はルファスの作った国『ゾディアック』の属国という形になったが、特にこれといった変化があるわけではなく、民たちは今まで通りに暮らしている。*3

…まぁ、ルファスが恐れられているところはあるが。

影は雷電将軍としての仕事を少しやるようになったのか、よく愚痴を言いに来るようになった。

 

ある時、私と影に精神的な干渉があった。

影と私はその干渉をはねのけられたが、私達と同等の力を持つ七人は掛かってしまったようだ。

というかどうも、元ある妬みなどを増幅するような物らしい。

ルファスは私たちがその干渉を跳ねのけられたからか、詳細を教えられた。

どうもこの世界には『女神のシナリオ』というものがあり、それを壊そうとしているルファスを排除しようと女神が動いているようだ。

ルファスはこれをごく一部にしか伝えておらず、というか下手に話すと先のような女神による干渉で色々バレてしまう危険性があるようだ。

 

そしてそれからしばらくして、例の七人がルファスを追い詰めていた。

ルファスからは事前に"とある計画"を話されており、私たちは多少離れたところから見るだけにとどめた。

その七人は、突如強大な力を纏い、ルファスを倒した。

どうも女神によるブーストを受けたようだ。

そうして冒頭のシーンに戻るわけである。

 

「それで、これからどうするんじゃ?」

「どうするも何も、研鑽を続け、いつも通りに待つのみです」

「うむ、まぁそれしかないじゃろうな」

「…で、強引に連れてきたのです。何か責任を取るべきじゃないでしょうか?」

「ではそなたの好物である団子牛乳を奢ろう。それで許してはくれぬか」

 

影は少し考え、答える。

 

「…いいでしょう。ただしニ十個奢ってください」

「…モラは足りるじゃろうか……」

 

しばらく油揚げは一枚だろうか……

 

 

 

 

 

*1
原神では彼女は仙狐ですが、この作品では人間です

*2
原作の「野生のラスボスが現れた!」では神がいて、そいつと被らないように神ではなく「皇」としました

*3
原作でも言われている通り、ルファスは無理な暴政は敷いていなかった




八重神子の口調は、内心というか地の文は私、セリフは妾です。

そして稲妻の妖は、創造神(笑)アロヴィナスの予期せぬバグです。
覇道十二星天のアイゴケロスや某深海のあいつと同じような感じです。
んで妖が増えすぎて目も当てられない状況になり、魔神族仕向けて駆逐しようとしたわけですね。
結局一部は残りましたが、まぁそこは女神クオリティ。
これくらいならいっか、となったわけですね。
そして妖や500年前の稲妻人は元素力を操れます。
神の目とかじゃなく魔法とかと同じイメージ。
ただ今の稲妻人は操れません。
500年前から居る影や妖に限ります。

そんで女神の干渉を跳ねのけられたのは、数百年生きてる故の精神の強さなどです。
まぁそこらへんはふわっとしてるのであんま気にしないでいただけると。

まぁそういう事で、良ければ感想や評価をしてくれるとありがたいです。
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