ガンダムビルドダイバーズフリューゲル外伝 蒼き俊星のリタ   作:ポメラニアンドロイド初号機くん

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最終話 放つ光、空に墜ちる〜蒼翼のファントムライト〜

シグレside

 

 カラスマを前衛として、俺達はジグラートとカルラのドラグーンによる包囲網を切り抜ける。

 確かにこの圧倒的弾幕は脅威だが、そもそもオールレンジ攻撃という物は有限の攻撃パターンと攻撃方向、タイミングの組み合わせに過ぎない。

 そして、カラスマのバエル·フギンは戦略級機体——、その最大の特徴である光の翼を柔軟に運用した全方位防御を兼ねた攻撃は、カルラでは相性が悪すぎた。

 

「まずは1基!!!」

 

 光の翼のエネルギーを纏い飛翔するバエル·フギンが手にした剣を一閃——。

 ジグラートは真っ二つに断ち斬られた。俺はその後ろから飛び出して2基目を撃墜。

 その直後にカラスマは、光の翼による薙ぎ払いでドラグーンを全基撃墜していた。

 カラスマと俺に注意が向いた隙に、ボンドのダブルゼータのハイメガがジグラートを撃ち抜く。

 

「トドメ任せたシグレ!!!」

 

 カラスマ……では、任された!!!

 

「おうよ。リィラトランザム!!!」

 

 シグレ小隊からの火力支援を背に、ドラグーンを失い無防備となったカルラに肉薄、そして——、

 

紫水晶の涙、氷晶の幻夜(アメジスティアー·クリスタルナハト)!!!」

 

 ——躊躇いなく一刀両断した。

 

 さて、あとはシズだけだが……正直、俺達では奴を止められる気がしない。

 それどころか、並み居る上位ランカー数人を相手に一歩も引いていない。

 あのAGE-3、おそらくはクロツキやチャンプにも劣らないレベルの作り込みの機体だ。

 一応、さっきから援護はしているが全く通じて無いのは嫌でもわかる。

 

「こんな時、クロツキかリタが居りゃあ…………」

 

 その時、一筋の流星のような光がヴァルガの空に閃いた。

 

 

シグレside 終

 

 

▷▷▷

 

 

シズside

 

 

 ヴァルガの空に一筋の光が閃く。その光はしだいにこちらに近付いてきて、姿を現したのはティックバランと合体した飛行形態のライジングフリーダムだった。

 ようやくお出ましか————。

 

「シズーーーーーーーーーー!!!!」

 

「リタ……アズリアァァァァァァァ!!!!」

 

 先程まで落ち着いていた怒りが、一瞬で沸騰する。

 挨拶代わりにバスタードッズキャノンを撃ち込んでやるが、リタのライジングフリーダムはティックバランと分離した勢いのままさらに加速して飛び込んでくる。

 

「哀れな奴!!!」

 

「何が!!!」

 

「ただバトルの腕を認められただけで姉さまに愛されていると勘違いして、縋って、1人で舞い上がっている!!!そんな資格も無いくせに!!!!」

 

「黙れ!!!バトルの腕だけが……私の全てじゃない!!!」

 

「そうとも。貴様と姉さまの間には、繋がりなど何もない!!!住む世界が違うのだ!!!それを貴様ごときが!!!!」

 

「住む世界が違うなら——、私から近付くだけだ!!!!クロツキの隣に立つ為なら、私は何度でも飛べる!!!」

 

「ふざけるなァァァァァァァァ!!!!」

 

 リタのライジングフリーダムは対艦刀を抜き放ち金剛へと迫る。

 それに対して僕は、シグマシスキャノンとバスタードッズキャノンを照射しながらサーベル代わりに振りかざし何度も斬り結ぶ。

 しかし、いくら対ビームコーティングと言えども限界はある。

ついにリタの剣は限界を迎え、テクスチャとなって消失した。

 

「終わりだ!!!リタ·アズリア!!!!」

 

 すかさず僕は、金剛の脚部の連装砲を撃ち込む。

 

「ッ!?」

 

 リタのライジングフリーダムは、すぐさまシールドブーメランを投げ放ち応戦しつつ、腕部ビームシールドで連装砲の弾を防御するが、既に手遅れだ。

 いや、流石に反撃でシールドブーメラン投げてきたのは少し驚いたが…………ハイメガなら、まとめて消し飛ばせる。

 

 ハイメガキャノンの閃光が、リタのライジングフリーダムを塗りつぶした——。

 

 

シズside 終

 

 

▷▷▷

 

 

 

リタside

 

 シズのAGE-3の額にあるハイメガキャノンの砲口が光り輝く。

 これは非常に、マズイ!?正直ぶっつけ本番だけど、もはやアレをやるしかない!!!!

 

G(ゲイル)·S(ストリーム)オーバードライブ!!!」

 

 ライジングフリーダムBBの最大出力——。すなわち、IFsユニットとV(ヴォアチュール)L(リュミエール)の並列最大稼働だ。

 

 その直後、ハイメガの閃光に視界を塗りつぶされて何も見えなくなる。なんの光!?

 

「フフフフフ……ハハハハハハハハハハハハハハハ!!!!」

 

 シズの高笑いが響き渡る。おそらく、もう私を仕留めたと思って油断しているのだろう。しかし、私は未だ健在だ。

 

「その程度のパワーでこの私を倒せると思っていたのか?」

 

 

「馬鹿な!?」

 

煽りも込みで、伝説の超野菜人もしくは木星帰りのニュータイプ(中の人ネタ)のセリフで返してやる。

 

 うわーーーーーーーーあーーーーーぶねぇ……ぶっつけ本番だけど上手くいったわ……

 私の予想通り、最大稼働状態のIFsユニットはライジングフリーダムBBの周囲に、Iフィールドの暴風圏を発生させていた。

 いや、それだけじゃあなくて、V(ヴォアチュール)L(リュミエール)の光の翼がなんか、蒼い炎のような……あえてガンダム作品的に言えばファントムライトみたいな何かになってるけど。

 とりあえず反撃開始だ!!!

 ファントムライトのようになった光の翼を、Iフィールドの暴風で拡散させるイメージで放つ。

 すると、全方位ホーミングレーザー的な何かと化した光の翼はヴァルガの全土に降り注ぎ、罪のないモヒカン共もろとも(罪のないモヒカンとはこれいかに?)シズの機体とGビットにも襲いかかる。

 

「シズ、もうお前は私には勝てない…………!!!ここから居なくなれェェェェェェェェ!!!!」

 

「リタ·アズリアァァァァァァァ!!!!!」

 

 

 私はすぐさまライジングフリーダムBBを飛行形態に変形させて畳み掛けるべく、スイカバーアタックを敢行した——が、

 

「この馬鹿共がァァァァァァ!!!!もう闘わなくていいんだ!!!!」

 

 ——突如、割って入ったクロツキにシズもろとも『ブッピガン!!!』という音がしそうなくらいの勢いでぶん殴られた。

 解せぬ…………

 

「先程まで親父の見舞いに行ってたが、改めて話を聞いたら過労の原因がとんでもなくバカバカしい理由だったんだ。それは——、カフェインドーピングして連日の徹夜だとさ」

 

 詳しく話を聞くと、月ノ宮グループから新発売予定のカフェインとコーラの刺激や風味を強化したストロング系コーラ……のサンプルを試飲したら気に入ったらしく、クロツキのお父さんは連日眠気覚ましにそれを飲んでいたらしい。

 何を言っているかわからねーと思うが、私も訳がわからなかった。

 

 さて、戦う理由もなくなった事だし今日はもう——、

 

 「どこへ行くんだァ?」

 

「フオォォォォォォォォォォォォォォ!?」

 

 ——しかし、回り込まれてしまった。

 

「せっかくこれだけのダイバーが集まったんだ……祭りは派手な方がいい。特にシズ、これはお前が始めたイベントだろ?主催者なら最後まで盛り上げろ」

 

「…………僕を、許してくれるのですか?姉さま?」

 

「馬鹿か。そもそも戦う理由その物が勘違いなんだから許すも許さんもない。これからはリタと仲良く喧嘩するんだな」

 

 結局、その日は深夜までヴァルガの賑わいが治まる事はなかった。

 

 

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