ガンダムビルドダイバーズフリューゲル外伝 蒼き俊星のリタ 作:ポメラニアンドロイド初号機くん
追記 U-NEXTでリライズ見てたらリライズ本編エピソードとサブタイ被ってた事が発覚した為にサブタイ変更します。
2023年9/25更新
クロツキside
リアルでシグレと会い、訓練も兼ねてしばし私のガンプラでGPデュエルに興じた後にシグレが帰り私は1人、GPデュエルでシグレに貸し出したガンプラの修理(つまり私が派手に壊したガンプラの修理)をしていた。
「ぐぬぬ…………イフリートナハトにドム、フルスクラッチ1/144ミラージュフレームが
軽く頭が虚無ってくる。さよならイフリートナハト、ドム、ミラージュフレーム。残念ながらお前らはジャンク行きにするしかない…………
「お嬢様、失礼します」
「アオイか、どうした?」
「リタ様と連絡がとれました。これからGBNで、との事です」
昨日、ログアウトしたきりダイバーギアのメールにも一切返信がなかったが、月ノ宮グループのネットワークは伊達じゃない。色々やって何とか連絡が取れた。
やっと何か話す気になったのだろうか?私は屋敷の一角に設けられたGBNのログインマシン部屋に向かう。
GBNにログインすると、ガンダムNTのリタ・ベルナルを少し幼くして髪がややボサボサになったようなダイバールックのリタ(つまりいつものGBNでの姿)が待っていた。
「前にも言ったけど、私はクロツキの期待には応えられないよ………このまま一緒にいてもがっかりさせちゃうだけだから………だから………」
「フォースを抜ける………とは言わんよな?言っておくが私はお前がどんな事情を抱えていても、過去に何があったとしてもがっかりしないし見捨てない覚悟がある。さあ、話せ。この間言ってたトラウマとやらを」
「………………」
リタはしばし黙り込む。そしてゆっくりと話し始めた。
「私も昔はそれなりに対人戦とかも楽しんでたんだけど、だんだんと勝てるようになって自信がつき始めた頃に、マスダイバーに出合ったんだ。第一次有志連合戦の前だった。圧倒的な暴力でねじ伏せられて、私は目の前で自分の大切なガンプラが壊されていくのを見ている事しかできなかった………」
「なけなしの自信も打ち砕かれたし、何よりGBNのデータ上での出来事だとしても大切に造ったガンプラが一方的に壊されるのはとても辛かった………」
「今でもその時の記憶が頭から離れない………あいつの事は片時も忘れた事はないよ………ジークルーネを駆るダイバーで、ダイバーネームはカイト………!!!」
「ジークルーネ………カイト………もしかして、フォース「鉄血兵団」所属、鉄壁のカイトか?」
「クロツキ………心当たりあるの?」
「鉄血兵団のリーダー、キリギリス・マクドとは昔、ほんの少しだけ交流があってな。今でもアライアンスを結んでいる。鉄壁のカイトはかつてマスダイバーだったが、今は更生しているとマクドから聞いているが………」
「鉄壁のカイト………そいつがあの時の…………!!!」
リタは私に背を向けて歩き出した。
「待て、復讐するつもりか?その行動に意味があるとは思えない」
「じゃあどうしろと………?かりそめの力に酔って私を含め多くの人を傷付けたあいつが今ものうのうと過ごしているなんておかしい!!!!」
「わかった………もし、カイトが上辺だけ取り繕って前と何も変わっていなければ復讐でもなんでも好きにしろ。GBNの中で復讐と言ってもせいぜい奴をガンプラバトルでボコるくらいしかできまい。マクドに取り次いでやる」
私はリタを連れて鉄血兵団のフォースネストに向かう。
「事情はわかった。しかし君をカイトに会わせる訳にはいかない」
私達に対してのキリギリス・マクドの答えは取り付く島もなかった。
「どうして………!!!」
リタが怒りを押し殺して尋ねる。
「彼はブレイクデカールを使用した事を今でも悔いている。一度はマスダイバーに堕ちたとはいえGBNを愛する心を持っていたのだ。かつてのカイトは道を誤ったが、今の彼は我々の信頼できる仲間だ。こう言っては身も蓋もないが、彼を君の私情により断罪する事は到底認められない」
「マクド………お前は立派だよ………しかし、今回はもはや運命的なまでに間が悪かったようだな……」
私はたまたま間が悪くマクドのもとを訪れたカイトを指さして呟いた。
「カイト…………!!!貴方が私を忘れても私は忘れない………この、卑怯者の元マスダイバーが…………!!!」
リタは普段の気だるげな態度から一変し、怒りを剥き出しにしている。
「そうか。僕は昔、君を深く傷付けてしまったようだね………本当にすまない事をした………謝って済む事だとは思わないが、僕には頭を下げ続ける事しかできない。本当にすまない…………」
カイトは確かに更生していた。ブレイクデカールを使用した事を悔いているというのはおそらく本当なのだろう。
その証拠に、彼の態度には誠意がある。
「なにそれ?昔好き勝手に暴れてた奴がようやく人並みに戻ったからって、『よく頑張った、すごいね』って認められるとでも?それで今まで人を傷付けてきた事が帳消しになるとでも?私は貴方を許さない………」
リタはそう言って、カイトに背を向けてその場を去った。
「よくこらえたな、リタ…………」
リタは地面にうずくまり泣いていた。
「私…………これからどうすればいいの………?この怒りは、辛さは、どこへ向ければいいの?」
私はただ、リタのそばに寄り添い続ける他なかった。
クロツキside 終