ガンダムビルドダイバーズフリューゲル外伝 蒼き俊星のリタ 作:ポメラニアンドロイド初号機くん
クロツキside
翌日、GBNに再びログインしたリタはかなり落ち着いたように見える。しかしそれは表向きだけかもしれない。それに追い打ちをかけるようにサタケによる犯行声明があった。要約すると、ブレイクデカールで強化された超弩級レイドボスをGBNに放ったらしい。フリューゲルの奴らに逆恨みしてブレイクデカールまで復活させるとは大した行動力だ。だが、こんな事を言ってる場合ではないがサタケ、空気読め。お前は全てにおいて場違いだ。リタの事だってまだ解決してないのにこのタイミングでGBNの危機だ。リタは自分も戦うと言っているが………
そこからすぐさま第四次有志連合が結成された。ちなみに、間が悪い事にその時クジョウ・キョウヤが不在だった為に私が有志連合結成の呼びかけを行う事になった。こういうのはあいつこそ適任だろうに。ついでにカツラギも呼び出してレンと一緒に新型ブレイクデカールの解析を急がせなければ………
状況はかなり悪い。アオイからの報告では、サタケが用意したマスダイバー部隊がG−ORTと合流しようとしている。
もしマスダイバー部隊とG−ORTの合流を許してしまえばブレイクデカールどうしの共鳴によりG−ORTの討伐がより困難になる事が予想される。幸い、マスダイバーの数はかつての有志連合戦に比べると圧倒的に少ないのが唯一の良いニュースだ。
有志連合はG−ORT討伐作戦と平行してマスダイバー部隊排除の為の別動隊を派遣する事を決定した。
クロツキside 終
G−ORTは火星の荒野に降り立った。サタケの用意したマスダイバー部隊はG−ORTと合流するべく火星軌道上から降下作戦を開始する。そこに立ち塞がる有志連合の別動隊、リタはその中にいた。
「それで、ツーマンセルで行動しろとの指示だったけどどうして私のペアが貴方なの?カイト………」
「君は不本意かもしれないが、君のザウォートは耐久性能に乏しい。それをカバーできる防御力の高いパートナーが必要との事でたまたま僕が選出されたんだ………悪く思わないでくれ」
「ふ〜ん……まあいいけど………」
リタは冷めた表情でそう言ってそっぽを向く。
「マスダイバーは………敵………!!!」
リタはザウォートレヴを駆り、果敢にマスダイバー部隊へと挑みかかる。再生する端からつま先のビームナイフと左手に持ったビームジュッテでマスダイバー達の機体を斬り裂き、鬼神のごとき戦いぶりを見せる。
「リタ君、突出するな!!!囲まれるぞ!!!!」
「うるさいうるさいうるさい!!!元マスダイバーが指図するな!!」
リタは包囲されながらもマスダイバー機を単独で蹴散らしていく。しかし、怒りで注意力が鈍ったリタは死角から放たれた海ヘビに反応できず、ザウォートレヴの左脚に海ヘビが絡み付く。コックピットを電流が襲った。
「〜〜〜〜〜!?」
リタはビームジュッテで海ヘビを切断する。しかしその直後、マスダイバー達がザウォートレヴめがけて集中砲火を浴びせる。
「させん!!!」
カイトのジークルーネがザウォートレヴをかばってビームや実弾の入り混じった砲撃を一身に受けた。
いくら防御能力に重きをおいて造り込まれたカイトのジークルーネといえどもブレイクデカールで強化されたマスダイバー達の集中砲火の前ではひとたまりもなく、盾も装甲もズタボロとなった。それでもカイトは臆せずリタの盾となる。
「カイト………どうして………?」
「僕のせいで傷付けてしまった女の子が、また理不尽に傷付けられるのを黙って見ている事など僕にはできない………!!わかってるんだ、こんな事で僕の罪は消えないと………だけど今は君を守らせてくれ!!!」
「冗談じゃない………自己犠牲で全て丸く収まるとでも?私が守られるだけのお姫様にでも見えてるの?だとしたら貴方の目は節穴だね………私はもうマスダイバーごときに怯えて竦むつもりはない!!!わかったらもう下がってて!!!そんなズタボロの機体で前に出て、落とされたいの??」
リタはカイトにそう言い返すと吹っ切れたようにマスダイバー達に再度向かっていく。今度は怒りに呑まれる事はなく、冷静かつ大胆に。
リタの心はカイトへの憎しみすら乗り越え、再び飛翔する。忌まわしい記憶を振り切り、何者にも阻まれず、どこまでも自由に。