ガンダムビルドダイバーズフリューゲル外伝 蒼き俊星のリタ   作:ポメラニアンドロイド初号機くん

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リタの因縁の相手、元マスダイバーのカイトとの決闘回です。機体スペックだけ見るとナノラミネートアーマー持ちで、その上防御性能にステ振りしたカイトのジークルーネはビーム兵器主体のリタのザウォートレヴとはかなり相性悪いです。
マスダイバーとの戦いの中で、カイトへの憎しみを乗り越えたリタの過去の精算、トラウマにけりをつける重要なバトルです。
では、どうぞ。


第六話 精算すべき過去〜前に進む為に〜

リタside

 

 

第四次有志連合戦は有志連合側の完全勝利で決着がついた。しかし、私にはまだやらなくてはいけない事が一つだけあった。

 

「まさか、カイトとの決闘とはな………一応聞いておくが、復讐の為ではないんだな?」

 

クロツキが真剣な表情で問いかけてきた。

 

「違うよ………過去との決別、私が前に進む為に必要な事なんだ」

 

私は決意を込めてそう答える。

 

「わかった………マクドに頼んでみる。しかしリタ、お前のザウォートレヴとカイトのジークルーネの相性は最悪だ。ザウォートレヴの武装ではジークルーネにダメージを与える事はできないと思うが、勝算はあるのか?」

 

「大丈夫〜。対策はできてる、私は勝つよ………何より、少なくともクロツキのシルヴァ・バレト十六夜みたいな理不尽スペックの無理ゲーではないからね〜。クロツキとのバトルは正直、小学生が考えたマ○オメーカー並みの難易度だったし」

 

私はそう言って笑ってみせた。

 

「なかなか言ってくれるじゃないか………」

 

クロツキが苦笑いしている。

まだ短い付き合いだけどあの日、クロツキと出会わなければ私はこうして前に進む事はできなかったと思う。

私はもう、過去を引きずるつもりはない。クロツキと出会えたから、今こうして過去を精算する事ができる。

クロツキ、私に再び翼を与えてくれてありがとう。これから貴方の期待に応える為にも、私は負けない…………

 

 

リタside 終

 

 

 

そうして、ついにリタとカイトの決闘の時はきた。

場所は暗礁宙域、リタが当時マスダイバーだったカイトに為す術なく敗北した因縁の場所だ。

 

「カイト、ジークルーネ。参る………」

 

「リタ、ザウォートレヴ。出るよ〜」

 

リタは全く気負っておらず、普段の気だるげな態度で決闘に臨んだ。

暗礁宙域の中をデブリをものともせず突っ切るカイトと、デブリを蹴って加速しながら超高速でカイトに迫るリタ。

リタは手近なデブリをカイトめがけて蹴り飛ばした。カイトのジークルーネは頭部めがけて飛んできたデブリを盾で弾く。盾でカイトの視界が隠れた一瞬、リタのザウォートレヴが姿をくらました。

 

「視界外への高速機動………ならば狙いは当然、死角からの強襲か…………!!」

 

「ご明察〜………」

 

ジークルーネの真下に位置取ったリタが間合いを詰めてつま先のビームナイフによる蹴り技を繰り出す。対するカイトも素早く機体をリタの方に向けて盾で蹴りを防いだ。

 

「充分に加速の乗ったいい攻撃だ。しかし、僕のジークルーネには通じない」

 

「だろうね〜……けど、私にも秘策がある………」

 

ザウォートレヴの蹴りを盾で弾き返したカイトはすかさずヴァルキュリアレイピアで反撃する。

リタはジークルーネの刺突をかわした後に背部のベクタードブースターを前方に向けて噴射し、ジークルーネから一度距離を取った。

彗星の如く青い光の尾を引きながらザウォートレヴは再度カイトに肉薄する。

 

「終わらせる………!!」

 

リタは加速を乗せた蹴りを繰り出すと見せかけてフェイントで左手に持った刃を一閃した。蹴りに備えて盾を構えていたカイトのジークルーネは肩透かしを食らい、無防備となる。

カイトはその斬撃に対応できなかった。

しかし、ビームジュッテの斬撃ではジークルーネのナノラミネートアーマーにダメージはない。

そのはずだったが、リタが振りかざした刃は、()()()()()()()()()()()

()()()()()()()、実体剣であり、なおかつ使用方法によってはビームサーベルを上回る切断力を発揮する単分子ブレード。それこそがリタの秘策。

ザウォートレヴの過剰な加速力を乗せたシグルブレードの斬撃は、カイトのジークルーネをわずかな抵抗もなく容易く斬り捨てた。

 

 

勝者、リタ

 

 

 

「さて、これで元マスダイバーのカイトは倒した。今ここにいるのは鉄血兵団のカイトだ………楽しいバトルだったよ………」

 

リタは気だるげな口調でそう言ってカイトに握手を申し込む。

 

「僕を………許してくれるのか………?」

 

カイトは呆然とした様子でそう尋ねた。

 

「私はもう過去を引きずるつもりはない。貴方が私にした事は消えないけど、私の中では決着はついたんだ。だから、もうこの話は終わりにしよう………」

 

「………………」

 

カイトはしばし沈黙した。そして、

 

「まさかシグルブレードなんて切り札を持っているとは思わなかった………僕の完敗だ。こちらこそ楽しかった」

 

リタとカイトは互いに握手を交わした。

 

 

 

 

 

 

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